織田信奈の野望 〜乱世に迷いし少年〜   作:ふわにゃん二世

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2016/01/16、サブタイトルを変更しました


長門の軍略

軍議から一刻半伝令通り、浅井軍は黒野に侵攻し、黒野城へと進軍していた。浅井軍七千を率いる浅井久政は悠然と進軍し、陣を敷いていた。

 

「久政様、すんなりと黒野に入ることができましたな」

 

「うむ、おそらく籠城であろう。その前に黒野城など、直ぐに落としてやる」

 

「ですが父上、やけにあっさりすぎはしませんか、何かあるとも考えられます」

 

そう隣で馬を並べるのは久政の嫡男、長政であった。その可憐ないでたちはまさに美青年と言えるもので街を歩けば女は惹かれる顔立ちであった。

 

「長政、緋村は我らにとって因縁の相手だ。そして緋村は猪武者の集まりのようなものじゃ。そこまでの脳は無い」

 

意気揚々と軍を進める浅井軍。そして丘を越えた先には約三百程の兵が槍や矢を構え備えが敷いてあった。

 

「殿、緋村が正面に」

 

「ふん、あの程度の兵で我らと戦おうとはな。我らも甘く見られたものだな」

 

「しかし殿、何か策があるやもしれません。用心された方が………」

 

「ふん、寡兵の緋村がどんな策を講じようと初戦は焼け石に水だ。一息に攻め落とすぞ」

 

久政は家臣の諌めを無視して久政は軍を進める。所詮は寡兵と侮っている。そして隊に突撃を命じようとしたその時、先鋒が騒がしくなった。

そして、血まみれになった伝令兵が入ってきた。

 

「で、伝令‼︎緋村軍の伏兵により兵糧が焼かれました‼︎」

 

「なんじゃと⁉︎」

 

 

 

浅井軍の先鋒は長門が指揮する伏兵部隊により混乱状態に陥っていた。そしてそれを合図と見るや城前に備えていた三百の兵も突撃を始めた。

 

「奇襲は成功だ‼︎このまま攻めたてよ‼︎」

 

長門の下知が飛び交い、長門隊の合計四百は浅井軍の先鋒を圧倒していた。荷駄隊が火矢に焼かれた所をすかさず伏兵を送り出し、そして総統が乱れたと見るや突撃。もはや先鋒は総崩れであった。

長門も馬上で槍を振るっていた。

 

「おのれ!」

 

「邪魔だ‼︎」

 

侍大将が長門に切り掛かるが、一合も打ち合わずに首を跳ねられた。初陣には見えない獅子奮迅であった。

 

「落ち着け! 敵は少数だ隊列を整えよ!」

 

しかし、先鋒の指揮を執っていた磯野一昌は懸命に指示を送っていた。暫くすれば浅井軍は落ち着きを取り戻し始め、徐々に押し返していた。

三百の部隊を指揮していた高次は長門に寄った。

 

「長門様!浅井軍が落ち着きを取り戻し始めました‼︎我が軍は押され始めています‼︎」

 

「計算通りだ!よし、城に退くぞ」

 

長門は撤退の合図を送り、長門隊は黒野城へと撤退を始めた。

 

「逃がすな!追え‼︎追えぇぇ‼︎」

 

そしてそれを聞いた本陣の久政は全軍の追撃を命じた。しかし、長門隊は城内へと撤退した。

そのまま追撃を指示していた先鋒の磯野一昌は追撃を止めさせた。

 

「一昌様、一体なぜ? 城門は開ききっております!」

 

「今の部隊を指揮していた将、恐らくあの者がこの策を指揮しておるのだろう。それほどの将が城門を開けっ放しなどをするということは、我らがこのまま追撃を続ければ伏兵がおるのだろう」

 

一昌は、長門が頭に血が上った浅井軍がそのまま追撃し、城前の堀から伏兵が出ると踏んでいた。一昌は乱れた隊列を整えようと一度撤退を始めた。

 

「一昌様‼︎本隊が両翼より奇襲を受け、さらに兵糧が焼かれました‼︎」

 

「なんだと⁉︎」

 

まさかここで本陣のを奇襲するとは、先鋒に動揺が走った。しかし、それを嘲笑うかの如く、次の報せがやってきた。

 

「黒野城から緋村軍が突撃を始めました‼︎」

 

先程の四百に合わせ城に待機していた八百の計千二百の兵が再び突撃をしてきた。

浮き足立った浅井軍は完全に分断されていた。

 

 

「おのれ、緋村め‼︎」

 

「よもや、緋村にこれほどの知将がいるとは……」

 

 

 

 

本陣では久政は扇子をへし折った。五千の兵がここまでやられるとは思ってもいなかった。本陣は隆成、義隆部隊の計八百の伏兵により陣形が崩されていた。その際に兵糧が焼かれてしまった。

 

「で、伝令‼︎斎藤道三が全軍を引き連れて援軍に!」

 

斎藤道三が全軍を引き連れてきた、その証拠に遠巻きにだが斎藤の旗軍勢がこちらに進軍をしてきていた。

もはや形勢も兵数も逆転していた。

 

「殿! ここは近江に撤退しましょう!」

 

「くッ!おのれ!」

 

散々の被害を被った浅井久政は手勢を引き連れ近江へと撤退した。こうして、長門の初陣は勝利で幕を閉じた。

 

 

 

黒野城に帰参した長門を長隆が迎えた。

 

「見事だったぞ長門。まさかここまで上手くいくとはな」

 

長門の策とはまず長門が伏兵により、先鋒を混乱させ、相手が落ち着きを取り戻したところで撤退し、陣形を間延びさせた所を、隆成、義隆の第二伏兵により分断し、兵糧を焼く、そして本隊が突撃すると言う策であった。斎藤の援軍の予定よりの速さは嬉しい誤算であった。

 

「いえ、浅井は数で上回り油断があると踏んだまでです。そこを突けばこちらの思う通りに動いてくれるとは思っていましたが、まさかここまで思い通りとは」

 

そして伏兵を担っていた隆成、義隆が帰ってきた。

 

「なんというやつだ、長門。我らの被害をほとんど出さずに浅井を倒すとは!」

 

「ああ、お主には軍師の才もあるのか」

 

「いえ、これも兄上達や皆の教育の賜物です」

 

成秀に頭をもみくちゃにされ、苦笑いを浮かべながら長門も応える。黒野城には長門を讃える喝采が起こっていた。

 

 

浅井を退けた黒野では宴が開かれており、始まって直ぐにお祭り騒ぎになっていた。

 

「……酒ってあんまり美味いもんじゃないな」

 

酒に慣れていない長門はちびちびと飲んでいた。そこに高次が酒を持ってきた。

 

「長門様、お飲みになられないのですか?」

 

「いや、まだ慣れなくてな。私は兄上のようには飲めん」

 

長門の目線の先には成秀が義隆と無理矢理飲み比べをしていた。真面目な義隆は「節操がなってない‼︎」と抵抗はしていたが、無理矢理飲まされ、寝てしまった。

 

「長門様……」

 

そして高次が長門を向いてその場に正座する。

 

「殿のご命令で、私はこの度、正式に長門様の家臣とならせていただきます」

 

「ん、そうなのか? まあ、お前のような家臣がいるなら安心だな。これからもよろしくな高次」

 

長門は笑いながら高次の頭を撫でる。

 

「な、長門様……」

 

高次は顔を赤らめながら俯いていた。

 

「ほ、ほら! 今日は長門様の初陣の祝いです!どんどん飲んでください!」

 

「ちょ、ちょっと……」

 

照れ隠しに長門の杯に酒を注ぐ高次。隆成たちにも煽られ、長門は寝るまで飲まされた。

ちなみに長門は四杯目を飲みきると同時に寝てしまった。

 

 

 




戦国時代で主人公は戦国時代の習わしで元服を迎えたためお酒を飲んでいます。
皆さんは成人を迎えるまでは飲酒は駄目ですよ!

オリキャラ能力値

緋村義隆
統率77
武勇79
知略85
政治90
義理80

京極高次(補正)
統率60
武勇50
知略68
政治50
義理67

義隆さんはバランスの良い人ですね。高次は補正かけてあります。

それでは誤字、感想があればよろしくお願いします
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