ロキファミリアの囮役   作:杉山杉崎杉田

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ビシャン

 

 

バラバラになったブラムを見て、アイズの目は限界まで見開いた。

 

「ブラムッ‼︎」

 

キャラに似合わず、大きな声でアイズは叫んだ。だが、すでに原型なく飛び散っているブラムにその声は聞こえていない。カランカランとブラムの武器が地面に落ちた。

 

「ふん、大人しくしていればよかったものを……」

 

調教師の女はそう吐き棄てると、アイズを睨んだ。アイズも怒りと殺意を隠すことなく女を睨んだ。だが、2人とも異変に気付いた。飛び散ったはずのブラムの欠片が空中で止まった。血も何もかもだ。

バラバラになった破片が一箇所に集中し、人の形を形成していく。そして、ビシャンッと元通りになった。(※ただし、全裸)

 

「なっ……⁉︎」

 

スキル、『即死回避』が発動し、復活した。

 

「あービックリした。死ぬかと思った」

 

「……えっ?あれっ?」

 

混乱してる調教師の女。そりゃそうだろう。

 

「さてお前、よくもやってくれたな」

 

「お前……どういう……っ!」

 

ちなみにブラムは自分が全裸であることに気付いてないようで、何食わぬ顔で調教師の女に突撃した。

 

「うあああ!」

 

「このっ……⁉︎」

 

焦って女は単調な突きを放った。それがブラムの鼻から尻に向かって突き刺さった。剣をビュッと横に払い、ブラムの身体は四散する。それでも、またビシャンッと再生した。

 

「僕の新しいスキル、『即死回避』。一撃で殺されるレベルの攻撃を喰らった時、身体が勝手に再生される。そして、あんたと僕じゃ文字通りレベルが違い過ぎて、どんな攻撃を喰らっても僕はおそらく一撃で死ぬ。つまり、お前に僕は倒せないのだよぉおおおおお‼︎あーっはっはっはっはっ‼︎」

 

そう宣言し、全裸で高らかに笑うブラム。それを見ながら調教師の女は最初は真顔だった。だが、段々と大量に汗を掻き始める。そして、

 

「ーーーーーーーッッ」

 

口をあんぐりと開けて目を限界まで見開いた。エネルのような顔だ。

 

「あ、ああああ‼︎」

 

慌ててブラムに斬りかかる調教師の女。ズバン!とまたまたブラムは四散した。だが、ビシャン!と再生する。そのままスバン!ビシャン!を繰り返すも、ブラムはマリオ並みに無限コンティニューを繰り返す。

 

「あーっはっはっはっはっ!無駄無駄無駄無駄無駄ァッ‼︎」

 

「うあああああああああッッ‼︎」

 

その様子を見ながらアイズは若干顔を赤らめながら目を逸らした。前話までのシリアスな雰囲気など皆無だった。

 

「さて、そろそろ戦おうか。これ痛みはビックリするほどハッキリあるし」

 

ブラムがそう言うと、明らかに調教師の女は狼狽える。そして、ブラムは壁と壁を蹴りながら移動し、ものすごい速さで女の背後を取った。だが、その前に女が後ろに突きを放ってきたこで回避し、また別の角度から襲い掛かる。

 

「このっ……‼︎」

 

それもガードされるが、また別の角度から攻め直す。第三者から見れば完全にブラムが押してるように見えるだろう。だが、実際は違った。

 

(………ヤベッ、攻めきれない)

 

ブラムに嫌な汗が浮かんだ。元々、攻撃をすることが少なかったからか、まったく攻め切れずにいた。

 

「んにゃろ……‼︎」

 

一方で、この程度なら防ぎ切れると判断した調教師は、落ち着いて捌いていた。

 

「………埒があかないな」

 

そう呟くと、豪快に剣を振り回し、ブラムを大きく斬り飛ばした。

 

「うぐあっ⁉︎」

 

アイズの隣にバラバラになりながら吹き飛ばされるも、また再生した。

 

「クッソ……!」

 

「ブラム、もういいよ。2人で戦おう」

 

「そんな……!僕だけだ倒さないと……!」

 

「そんなに焦ってランクアップする必要ないよ。無茶したら、フィンに怒られる」

 

お前が言うのそれ?と、思ったが言わなかった。

 

「2人で戦おう。そうすれば勝てるよ」

 

「………はい」

 

言われて、ブラムは渋々頷いた。

 

 

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