数日後、オラリオの墓地。そこのとある墓石の前に、ロキ、フィン、リヴェリア、ガレス、アイズ、ティオナ、ティオネ、ベート、レフィーヤの9人が集まっていた。
『ブラム・アデス。ここに眠る』
ティオナがそっと墓石の前に花を添えた。
「………ブラム」
「なんで、こんな……」
フィン、ティオネと声を漏らした。
「やっぱり……私、撃つべきじゃなかった……」
「そういうな、レフィーヤ。こいつのおかげで、【ヘルメス・ファミリア】の連中は無事だったんだ」
「………そうじゃな。しかし、これはキツイのう」
レフィーヤ、リヴェリア、ガレスと声を漏らした。
その9人を少し離れた草の茂みの中で、1人の少年が見ていた。
(僕、死んだことになってる……)
あの後、流石に目に見えなくなるまで爆散したブラムは、かなり時間をかけて再生した。のだが、辺りには既に誰もいなくなっていて、というか自分がいたところの原型すら残っていなくて、一瞬、どこだか迷ったほどだ。
だが、それでも頑張って死にもぐるいで地上に這い上がったらこれだ。
(やばい、ヤバイよ……今まで散々迷惑かけてきて、墓まで買ってもらっちゃって、それで「やっぱり生きてました、てへっ♪」なんてやった暁には、あの化け物集団にブチ殺され兼ねない!でも、だからってこのまま死んだことにするのは次顔合わせたら不味いし……出て行ったほうがいいのかなぁ……)
頭の中でどうするべきか迷っていたときだ。
「………チッ、俺がいながら、情けねぇ」
「ブラム……私も、いたのに……」
「二人とも、自分をあまり責めるな。ブラムも二人も、精一杯やった」
「とにかく、帰ったら会議やな。うちの子を一人殺したんや。この借りは絶対返す」
(………あ、やばい。これ出てったら僕に借りを返される)
ブラムは大量に汗をかいた。
(うん。もう死のう。オラリオから出てのんびりと過ごそう)
その逃げようとした、その直後だ。ティオナの声がボソッと聞こえた。
「なんで……なんで、死んじゃったの……」
ピクッとその声でブラムは動きを止めた。
「うええ……ブラムぅ〜……」
ティオナが涙を流した。それに続いてティオネもレフィーヤも続いて涙を流した。
「だ、ダメよ。泣かないって、言ってたでしょ……?」
「………そうですよ、ズルいですよ……!」
(………ヤバイ、出て行ったほうが、いいのかな)
このまま逃げようとか思ってた自分に罪悪感が芽生え、ブラムは俯いた。
(……やっぱり、こういうのは良くないよね)
そう覚悟を決して、ブラムはみんなの前に戻ろうとした。その時だ。
「あのー、すみません」
「えっ?」
ギルドの職員だった。
「こんな所で何してるんですか?」
「え、いや、あのっ……」
「全裸で」
「へ?全裸?………あっ」
全裸でいることに慣れ過ぎてて、今更自分の格好に気付いた。
「ッ⁉︎ふ、服着るの忘れてた!」
「………うわあ」
ギルド職員の人の目が冷たいものになっていた。それを見て、ブラムもハッとする。
「ち、違うんです!今のはっ、そのっ……!」
自分の股間を隠しつつ言い訳しようとするブラム。アタフタするところが逆に怪しさ満点だった。
「………あなた、【逃足】ですよね?」
「そ、そうですが……」
「この事、神ロキに報告させていただきます」
「ええっ⁉︎ま、待って!それは色々とマズイ!そもそもこれは露出癖があるとかじゃなくてですね……‼︎」
「ダメです。そんな冒険者らしからぬ行為は即アウトです」
「じゃあ僕はこれから毎回替えの服持ってダンジョンに行かないといけないんですね!」
「何のことを仰ってるのか分かりませんが、とにかく話はギルドで聞きます」
「ああああ!ま、待って!今だけはお願いだから待って!」
連行された。