オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど…side:ASTRAY《本編完結》 作:XENON
《がってん承知!》
ロウの前に置かれたトランクケースから伸びたケーブルの先には二体のMS。一つはノーヴェのガンダムアストレアF2、隣には装甲が外されむき出し状態のウイングガンダムが固定されている。しかしアストレアF2はみたことのないパーツが取り付けられ以前の姿とは全くの別物へ変わっている
「GNバーニアとスラスター連動を確認、コンマ01で許容範囲だな…つぎはGUNナックルだ」
あらゆる方向に稼働しバーニアを開くGNバーニアに満足しながら8がアストレアF2?を遠隔操作、右腕を突き出し追加されたGUNナックルを稼働させるとGN粒子が溢れ出す
「ん~まだまだ収束率がいまいちかな~」
《ロウ、このアストレアFの改造だが、あの赤髪ツンデレっ娘に許可はもらったのか?》
「………いっけね機体調べてる内にやっちまったぜ。まあ悪いようには改造してないから問題ないだろ。トレミーはあと数日いるし戻せっていわれたら戻せばいいし」
《そういうもんか?》
「それよりだアストレアF2の方はコレで完成だ。ナガスミのウイングガンダム改造に必要なガンダニュウム合金も《上》から届くしすぐに取り付けられるようにパーツも作るぞ」
《わかったよ。ナガスミの機体に必要なパーツを製造プラントに回すぞ》
アストレアF2改……ロウの手で魔改造された機体がマルスのエクシェスとの痴話喧嘩ならぬ模擬戦で御披露目になり、追い詰める事になることを脳天気にナガスミのウイングガンダムのカスタムパーツ製作に入ったロウ、8は思いもしなかった
「ハアアア~」
プトレマイオスⅡの艦内通路をため息をつき歩いているのは傭兵部隊サーペントテール《6》マルス・レディーレ。ため息の原因は先日のシャワールームでの出来事…いつものように鍛錬を終え汗を流すために入った時、背後に気配を感じ傭兵としての感でとっさにバスタオルを投げ組み敷いた…しかし相手が敵ではなくノーヴェ
「……っ!?」
濡れた赤い髪に金色のつり目、水が滴り落ちる肌に女の子特有の柔らかさ…そのあとのアレを思い出し鼻血がでそうになった…さっきも翔真、リンネにからかわれ、シュテルからの助言を受け謝るべくノーヴェを探していた…そのとき前から本人が歩いてきた
「あ、あのノーヴェさん……昨日は…」
「………………」
一瞬、目をあわせるもギラッと睨みつけ歩き出したノーヴェを追う。それから何度も謝ろうとするどもマルスを見たら足早に立ち去る。食堂、MSデッキ、ブリッジ、プトレマイオスⅡの上甲板……何度も姿を見かけ声をかける前に立ち去るを繰り返し一日、夕日を見ながら落ち込んでいるマルス
伝説の傭兵部隊サーペントテールの傭兵と言えど女の子にはかなわない。どうすればいいのか迷っていたとき気配を感じる…もしかしたらノーヴェさんかなと思い振り返ると……
「マルス。どうかしたのですか?」
PHASE-32「翔真からの依頼と飛び立つ翼」side:ASTRAY
「い、いやシトリーさ「お母さん」………ソ、ソーナお母さん…実は…」
お母さんと恥ずかしげに言いながら説明していくマルスの話に耳を傾ける。マルスはワザと組み敷いた訳じゃないのとシャワールームの男性用、女性用の時間帯が変わるのを教えていなかった事、何より不用意に傭兵であるマルスの背後にたった……
傭兵と言う職業柄、何時ドコで顔の知らない誰かに恨みを買われ命を狙われているかわからない。そのため無意識的に防衛行動を取るのは目に見えている
ただ、一つ気になることもあった…何故ノーヴェが、傭兵であるマルスの背後に近づいたのか?下手をすれば組み敷いた瞬間、命のやりとりをしかねないとわかっているはず…ソーナはある仮定を導き出し軽くマルスの肩に手を置いた
「……アナタが悪いわね…時間帯や不用意に後ろに立ったのを差し引いても」
「…うん」
シュンとうなだれるマルスの頭に力なく垂れる犬耳が見えた…
「………(ああ~もう可愛らしい~でも今はお母さんとしてアドバイスしないと…)…マルス。今の時間帯ならノーヴェは食堂にいるはずよ…見かけたらすぐ隣に座りなさい、そしてこういうのーーーーーーーーーーーーって」
「…………………本当にうまくいくんですか?」
「あの子の性格ならね。それにアナタから逃げたのは何か後ろめたい事があるからかもしれないし。それに」
「…それに?……」
「ココから先はマルス次第。さあがんばりなさい」
「……ありがとう……シトリー「お母さん」………ソーナお母さん」
照れながらソーナな頭を下げてから、足早にプトレマイオスⅡの食堂へ向かう。すぐに周りをみるとノーヴェとアインハルト、なのは、ネプテューヌの姿。迷わず四人が座る席に近づく。気づいたのか慌てて席を立とうとするノーヴェの前に立つ。ゆっくりと息を吸い真っ直ぐ瞳を見た
「な、何だよ……っうか、あたしコレからMSデッキに行くんだけど…」
「…ノーヴェさん……僕と勝負してください!あの事で腹を立ててるのはわかります……もしノーヴェさんが勝ったら何でも言うことを聞きます!」
「ち、ちょ…マルスくん?なにを言ってるの?」
「…何でも……へえ~おもしろいじゃないか…受けてやんよ。あとで後悔すんなよ?傭兵だからって手加減しないからな」
「はい、でも僕が勝ったらどうしますか?」
「アタシも何でも言うことを聞いてやるよ……で勝負内容は…面倒だからMSでやっからな」
「………ねぇナノナノ、面白い展開になってきたね♪」
「ネプテューヌさん、もしかして楽しんでませんか?」
「ま・さ・か♪それじゃギャラリーも集めて準備、準備だよ」
やたら張り切るネプテューヌにため息をつくなのは、アインハルト……実はノーヴェのあの事件でマルスを避けていた事を突き詰めていた時に降って湧いたMSでの勝負。シュミレーターではなく実機を使った模擬戦に沸き立つメンバー
果たして勝負の行方はいかに?
その頃……
「まいったわねぇ~ザフト主催のパーティーに出席しないといけないなんて…仕方ないわね、サーペントテールに依頼してみるかしら」
豪奢な趣を醸し出す室内でザフト主催のパーティーに招待された彼…マティアスはため息をつきながら古風ながら芸術品価値を感じさせる電話を手にした
PHASE-32「翔真からの依頼と飛び立つ翼」side:ASTRAY
了