オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど…side:ASTRAY《本編完結》    作:XENON

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「な、なんだこれ!あたしのアストレアにナニしたんだ!ロウ!!」


「わりぃ、少しやりすぎた…まあ悪いようにはなってないから使ってみてくれよ。明日、マルスと模擬戦やるんだろ?」


「う?そうだけど…何なんだよ背中のあれは…動きづらい感じがするんだけど」


「まあ、色んなモノを加えた高機動ユニットだと考えてくれ。マルスのヴォワチュールリュミエールに匹敵する加速だぜ?もちろんトランザムにも対応してあるからな」


MSデッキに固定され魔改造された自身のMSアストレアF改に憤慨するのを気にせずロウはあるマニュアルを手渡した

「まあ、試合まで時間はあるからみてみなよ。マルスに勝ちたいんならな」

「はなっから、そのつもりだ!……勝つのはあたしだかんな!」



マニュアルを片手に歩き出すノーヴェ。ふかいため息をつきながらアストレアF改の隣にあるエクシェスを見上げた


「なあ、エクシェス。お前とあの嬢ちゃんのアストレア、パートナーになったらスゴいこと出来るんだろうな…アストレイはパイロット、もしくは背中を守れるパイロットとMSでもっと進化すると思うんだなあ。マルスとあの嬢ちゃん、きっかけがあれば」


《ロウ、「上」からガンダニュウム合金が届くみたいだ。あと武装も三割できてるみたいだ》


「まじか!なら先にコイツの腕をつけるかな…っと明日の試合がおわってからな」

エクシェスの隣にあるハンガーに両腕、両足のみが固定されたデッキ。エクシェスの復元された姿に想いを馳せながら細かな調整を進めるロウ


そして試合当日。果たして勝者はいかに?




PHASE-32.5「生まれ変わった女神、黒き騎士…蘇る断片-キオク-」side:ASTRAY

ギガフロートから少し離れた小島…鬱蒼とした森を抜け少し奥に二つの影。黒く塗られたマルスが駆るアストレイ・エクシェス、そしてノーヴェが駆るアストレアF2改……アストレアF-Dashが向き合うように対峙している

 

 

『あ、あ~テステス。トレミーのみんな~今から傭兵部隊サーペントテール、サーペントテール《6》マルス・レディーレちゃんと、トレミーMS隊のツンデレっ娘ノーヴェちゃんの模擬戦は~じ~ま~る~よ。司会はわ・た・し・セラフォルー・レヴィアタン♪そして可愛い可愛い妹のソーナたんでお送りします』

 

 

『な、なんで姉さんがここに……』

 

 

『だって、だってお姉ちゃんの知らないうちに可愛い甥っ子が出来たなんて知らされてないんだもん……マ~ちゃん、がんばってね☆』

 

 

『うう~』

 

 

司会席…いやトレミー上甲板に設けられた席にはマルスのお義母さんソーナ・シトリー、隣にはカレイドステッキ(!)を構え黒髪ツインテールに身体のラインがはっきりと見える服に白いミニスカートをひらりと揺らし純白のショーツをのぞかせながらキラッ!と決めポーズをする魔法少女マジカル☆レヴィアたん、いなセラフォール・レヴィアタン(旧姓シトリー)。妹である愛しいソーナを驚かせようとこっそり来たのだが、知らないうちにお母さんになり義息子(マルスのこと)が出来てた事に驚くどころか感極まり喜びながら事態を把握、早速今回のセットもろもろを用意し今に至る

 

「おお~白………ったたたた!ナニするんだフェイト、それになのはまで!」

 

 

「翔くん、浮気はダメだよ……いつも見てるよね?」

 

 

「そうだよ…なんなら真・ソニックフォームで夜に」

 

 

「いやいや!待てったら……そ、それより試合はじまるぞ…」

 

 

嫉妬に燃える二人を宥める翔真をよそにアストレアF-Dashのコックピットに座るノーヴェはロウに渡された仕様マニュアルに目を通している。

 

 

PHASE-32.5「生まれ変わった女神と黒き騎士。蘇る断片-キオク-」side:ASTRAY

 

 

(……大型可変GNバーニアにGUNナックル…あたしにぴったりな武器ばかりだ……マルスのアストレイ・

エクシェスは何時もの装備。でも油断は出来ないか……でも勝つのはあたしだ!)

 

 

新しい装備に目を輝かせるノーヴェ、それに対してマルスは静かに操縦桿下のキーボードを出し周囲に合わせたOS設定を始める

 

 

(………接地圧よし、減衰率クリア、対GN粒子用VPS電圧および硬度設定クリア……Eカートリッジ確認)

 

データ羅列が流れるモニター、指が激しく動きカタンとキーをたたくと設定完了のアイコンが示され、サイドボードを格納。小さくつぶやいた

 

「必ず勝つ………」

 

 

 

『ではでは、時間もあまりないし……用意はいい?』

 

 

『あたしは何時でもいける』

 

 

『……はい』

 

 

『それじゃあ~マジカルガンダムファイト~レディィゴオ☆』

 

カレイドステッキを手にクルリと一回転、華麗に可愛らしくツインテールを揺らし笑顔で宣言する姉に恥ずかしがるソーナ…エクシェス、アストレアF-dashは地を蹴り一気に間合いを詰める

 

 

『オラアアアア!』

 

 

『……っ!』

 

 

先制を仕掛けたのはノーヴェが駆るアストレアF-dash。背中から左右に配置された大型可変GNバーニアが展開、加速。右腕を覆うアーマーが上部が開きGNバーニアから粒子があふれ、エクシェスの頭部を捉えた。とっさに身体を沈めブレードアンテナをかする

 

 

(GNバーニアによる二段加速!)

 

 

(スゴいな、あたしの反応にバッチリついてきてる……)

 

 

ロウがアストレアF2に施した改造。背部スリースラスターを通常コーンへ変更し、アームを追加大型可変GNバーニアを装備、それにより粒子生産量増加、ガンナックルの強化版《GUNナックル》は肘から手甲を覆う装甲にGNバーニア、さらに内部装甲は空洞になっているが其処にGN粒子を充填、防御力向上、さらには瞬間的に粒子圧縮する事で面による破壊力をも獲られた

 

(奇しくもプルトーネに採用されていたGNアーマー、ラジエルのGNバーニアとコンセプトを併せ持った)

 

 

(……流石だロウさん。そしてソレを使いこなす彼じ……ノーヴェ・ナカジマさんも……気を引き締めないと負ける……)

 

 

思考しながらアストレアF-Dashの機動性に翻弄されエクシェスの装甲表面に微かな削り後が見える。VPS装甲はビームに対して耐性は若干あるモノのベースとなったPS装甲と変わらない…切り札であるヴォワチュール・リュミエールを使えば勝つ。しかしマルスの心はもう少し長く戦ってみたいという気持ちが占めていた

 

 

(あたしの攻撃をかわすなんて、さすがは傭兵部隊サーペントテールメンバーだけはあるな……それにアイツ…ノイン・ルセディスとうごきが似てる……)

 

 

ーなんで、ルセディスはそんなにあたしの動きをよめんだよー

 

 

ーなんでって?ん~私のラブリーチャ~ミングな弟アルちゃんと似てるのよ動きが……ん?興味ある?ー

 

 

 

ーべ、別に……っうか!妹がいるっての聞いてたけど弟がいるなんて聞いたことないんだけどー

 

 

 

ーん~アルちゃん天然でぼ~としてるけどおじいちゃんとお母さんと互角にはなせて、転けると女の子にえっちい事になる変わった体質持ちだし…それにノンノンが見らアルちゃんに欲情して既成事実まで超特急でいくの見えてるしー

 

 

ーだ、だれが欲情するだ!あたしはショタコンじゃねぇ!!ー

 

 

ーんふふ。照れない、照れない……じゃあ今度、ハーティの誕生日にノンノンを招待するから、その時に生アルちゃんと会わせてあげる……襲っちゃダメよー

 

 

ーだ、だから!おそわねぇったら!ー

 

 

………んなやり取りをした3日後に《あの事件》が起き。あたしの親友ノイン・ルセディスは死んだ。ただ一人生き残った弟アル?がコースト病院にいる事を聞いて、家で引き取るって決め訪ねた時は姿を消したあとだった。あたしの目の前にいるMSエクシェスのパイロット、マルスの動きはルセディスの動きと似すぎてた

 

 

あの日、シャワールームでシャワーを浴びるアイツを見て叫ぶより…水滴を弾く肌に無数の傷跡、細い身体に絞り込まれた筋肉…体躯に思わずゴクリと喉を鳴らした。どストライクゾーン…

 

それに顔をあわせづらかったのは……組み敷かれた時、みてしまった男の《アレ》が浮かぶから……い、今は集中、集中しろ!あたし!?

 

 

 

「く…」

 

 

ノーヴェ・ナカジマ。ソレスタルビーイング、プトレマイオスⅡMS隊パイロット…直接的な模擬戦は初めてになる。パイロットとして思いっきりがいいし操縦技術も荒削りな部分も含め光るモノを感じる

 

彼女の動きはどこかでみたことがある……ずっと昔に……

 

 

ーア……ちゃん……踏み込み遅…よ……ほら………にあわせ……ストライ…アーツ…ー

 

 

ー…ア……お…ちゃん……スゴいでしょ!来年は…………してね♪ー

 

 

……誰だ…わからない……でも懐かしい…と感じた時、アストレアF-Dashの拳が迫る。とっさにグラムで受けるカートリッジが四回排莢された。レーザー刃の出力が増したのに関わらず押されている…やはり使おう。傭兵としてではなく《人間》としてノーヴェ・ナカジマの全力に応える

 

「……エクシェス、ヴォワチュール・リュミエール起動!」

 

 

対Gシステム起動と同時に凄まじいGがかかる。グラムを構え超至近距離で旋回、カートリッジ二発排莢と同時に肩口から右斜め下…袈裟切りする瞬間、姿が消えたと思った瞬間、左腕に握られたグラムか粉みじんに砕け破片が舞う中、赤い光が見える

 

 

「あ、あれはトランザム?ノーヴェの奴、マジで決める気だ」

 

 

トランザム…機体に高密度に蓄えられたGN粒子を爆発的に全面開放、通常の三倍の機動力と攻撃力を発揮するソレスタルビーイングのオリジナル太陽炉に搭載されてる機能だ、トランザム化したアストレアF2-Dashの動きにエクシェスはヴォワチュール・リュミエールで辛うじて反応回避を行うも手持ちの武器グラム、さらにドラグ・リムも砕かれ森に破片が散乱していく。エクシェスにはビームサーベル、イーゲルシュテルンは搭載されていない。丸裸にされ抵抗する手段もない

 

 

「コレであたしの勝ちだ!マルス!!」

 

 

「……………」

 

二人の戦いを見守る誰もがノーヴェの勝利を確信した。しかしエクシェスがとった行動に息を呑んだ。大地に降り拳法の型をとる姿に翔真、リンネ、ツバサ、ソーナとセラフォール、その場にいる全員がマルスの行動が無謀だと感じた

 

赤く輝くアストレアF-dashが迫る中、静かに心を落ち着けるマルス…操縦桿を握りエクシェスを動かす…徐々に迫るノーヴェの気配を感じ、トランザム・GUNナックルを構え殴りあと50センチの所でエクシェスの姿が消えた。あまりの事にその姿を探すノーヴェの背後に影…エクシェスがまるで緩やかな清流と激しい激流を思わせる歩法を踏み込み、一気にアストレアF-dashのコックピットへ拳を突き出した。激しく揺れるのを最後にノーヴェは意識を刈り取られると同時にトランザムが解除、ゆっくりと倒れそうになるアストレアを抱き上げるエクシェス。しかし右腕は肘から下があらぬ方向へ間接ごとひしゃげている

 

VPS装甲なのに何故と感じている全員にツバサが静かに語り始めた

 

 

「マルスは、あの一撃がコックピットに当たる寸前で右腕のVPS装甲を解除したんだ…」

 

 

「なんでなのツバサ?」

 

 

「………VPS装甲は硬い、つまりはVPS装甲装備の機体そのものが武器そのものといっていい、もし解除しなかったら…それより今は病人を診るのが最優先だ。ネプテューヌ、ストレッチャーとベッドの用意をたのむ」

 

 

「うん!」

 

 

(…………傭兵部隊サーペントテール。任務成功率100%を誇る最強の傭兵部隊。その六人目のメンバー《マルス・レディーレ》…もし敵だったら最悪、味方ならここまで心強いモノはない……ただ、MSに乗った時と乗らない時の性格に落差がありすぎる。記憶がないことと何かしら関係があるかもしれないか、まあ翔真が探りを入れてるみたいだから任せてみるか)

 

 

トレミーMSデッキに入るエクシェス、アストレアFを見ながら、医者として患者の容態を診るべく白衣を翻した

 

 

 

 

 

 

 


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