オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど…side:ASTRAY《本編完結》    作:XENON

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ギガフロート。海上移動拠点であるココにはジャンク屋組合の本部がおかれ、破壊され野ざらしにされた回MS、戦艦などのジャンクを回収、解体および再生するプラントを有する。その特殊鍛造プラントで金属を叩くような音が響く


『はあっ!』


MSサイズの槌を振りかぶり真っ赤に灼熱化した刀へ叩きつけ、相打つように槌が振るわれ火花が飛ぶ中、再び槌を振り上げるのはマルスのアストレイ・エクシェス、相方はアストレイ・レッドフレーム、コックピットにはロウが座り水でなまし、火入れし鍛えるを繰り返していく


『よし、マルス、仕上げやるぞ』

『了解…研ぎに入ります』


打ち終えた刀を巨大な砥石に起きシャ、シャ、と一定方向にとぎあげる。なぜ二人が刀を打っているのか。それは数日前にマルスが行ったシュミレータで現れたガンダムバルバトスと対峙した際に小回りが効く武器があればいいんじゃないかと思い立ち、ギガフロート《特殊鍛造プラント》にある「たたら」で様々な材質を溶かし込み作り出した特殊金属を作り、製作に入った。もちろんガーベラストレートの修繕、グレイブヤードの失われた技術を継承したロウ協力のもと古来の鍛造工程を二人でおこなっていたのだ

『ん~まだ鍛えが足りないな』


『なら、焼き入れの温度を下げますか?』


『そうたな。オレなりのアレンジも入れようか』


『じゃあ、二度入れで』


『いいねぇ~ならオレのガーベラ以上に仕上げてみようぜ』


意見を出しながら刀を打つアストレイs…トレミーがギガフロートから離れる前に打ちあがった一振りの太刀

稲妻のような波紋、ロウが持つガーベラストレート、タイガーピアスと同じ拵えの太刀…

その名も《雷斬》


抜けば雷を呼び、真っ直ぐに振ればオルトロスのビームすらも断ち切る伝説のジャンク屋《ロウ・ギュール》、サーペントテール《マルス・レディーレ》が打ち上げた名刀


ツバサが駆るガンダムバルバトスの新たな武器は世界に光をもたらすのかはツバサ次第。振るわれる時を静かに待つ


PHASE-32.9「依頼と告白?」 side:ASTRAY

「ん…ココは…あたし……ッタタ~」

 

「気がついたノーヴェ?ツバサ~目を覚ましたよ」

 

 

首と頭に軽い痛みを感じながら、トレミーのメディカルルームだと気づいた。マルスのエクシェスと模擬戦して勝ったと思った瞬間に姿が消えたと思ったエクシェスが姿を見せ、コックピットに拳を打ち込まれたあとが思い出せない

 

 

「………まけちゃったんだ…あたし」

 

 

「具合はどうだ?…脈も正常だし軽い脳震盪を起こしただけだ。ま、今日はゆっくり休むことだな」

 

 

「あ、あの…マルスは」

 

 

「ん?マルスならお前をさっき運び込んで来てからしばらくはいたけど、なんか依頼を受けたらしくてMSデッキにいるぞ?」

 

 

「運び込んだって、マルスがですか?」

 

 

「模擬戦のあとMSデッキに固定したアストレアに真っ先にハッチに駆け寄って開くなり、お姫様抱っこして通路を走ってメディカルルームに飛び込んできたんだ。ストレッチャー用意したのにな……どうした別な所が痛むのか?」

 

 

「…………………な、何でもないです」

 

 

ツバサの問いに答えず毛布を頭からかぶるノーヴェ…顔が真っ赤になりドキドキしっぱなしの胸を押さえる

 

(お、お姫様抱っこ!?あたしがマルスに!?落ち着け、ただ抱っこされただけ、そうされただけだかんな!?)

 

 

ベッドの上で軽く悶えるノーヴェ。普段なら強きで言葉使いも少し荒い彼女の新たな面に着替えをわたしにきたネプテューヌは

 

(フフフ~ノーヴェったらマルスくん意識しちゃってるなあ~まあ、お姫様抱っこは女の子の憧れだもんね)

 

 

と、カーテンの隙間からニッコリ笑いながら覗き見していた

 

 

PHASE-32.9「依頼と告白?」 side:ASTRAY

 

 

『…………どうかしら引き受けてくれるかしら』

 

 

「何故、僕を指名したのですか?」

 

 

『そうねぇ~端的に言うと、アナタはサーペントテールに入ってまだ日が浅いのと、顔を知られてはいないからかしら?』

 

 

「……確かに利に叶っていますね…パートナーは僕に一任してもらえるなら」

 

 

『ええ、その条件で構わないわよ。報酬はすでに振り込ませてもらったわ…場所と日時は追って連絡するわね』

 

 

「わかりました。サーペントテール《6》マルス・レディーレ。依頼を引き受けます」

 

 

 

『たのむわね』

 

 

エクシェスのコックピットのメインモニターから依頼主の姿が消え、軽く息を吸うと依頼を受けた事を告げにハッチを開放し昇降ワイヤーに足をかけ降り、エクシェスから離れトレミーの通路を歩き向かったのはシュテルのいるBAR。自動扉がスライドし中に入ると奥のカウンターに座る翔真、なのはとフェイトに両脇から挟まれる形で座っている。マルスに気がついたのか手招きしてきた

 

「どうしたマルス?こんなところにきて」

 

 

「……実は依頼を受けたので報告に…」

 

 

「そっか…内容は……っと依頼人との間にかわされたやりとりは守秘義務に当たるんだったな。じゃあどれくらいトレミーを離れるんだ?」

 

 

「二日間です。あとお願いがあるんです……今度の依頼に実は、そのう……出来れば少し年上の女の人を連れて行きたいんです…」

 

 

「……(どんな依頼なんだ?まあ、あえて聞かないことにするか)……わかった、なんとなくあたってみよう。それより聞いたぞ?ノーヴェをお姫様抱っこして艦内通路をメディカルルームまで駆け抜けたって」

 

 

「そ、それは…そのう……ノーヴェさん気絶していたから…僕が原因だから…あう……もし怪我していたら…いても立ってもいられなくて」

 

 

しどろもどろになるマルスに、翔真は面白そうにし、なのはとフェイトは翔真に「私たちもお姫様抱っこしてくれないかな?」という想いが宿る目でみている

 

 

「で、ノーヴェを抱いた感想は?」

 

 

「意外に重くて、それに柔らかかっ……ってナニいわせるんですか!?」

 

 

「別~にぃ。まあ、ノーヴェもケガなくてよかったな?そうだろ?」

 

 

翔真の言葉にまさかと感じ振り返るとワナワナ身体を震わせ少し睨むようにマルスをみるノーヴェの姿に慌てだした

 

「あ、あの今のは違いますから、重くないですから!」

 

 

「……………」

 

 

「気絶してるのにいきなり、お姫様抱っこなんかしてごめんなさい!あの本当に」

 

 

「べ、別にいいから……(少しうれしかったし)。それより約束覚えてよな?この模擬戦で勝った方の言うことを聞くって!あたしは負けたんだから、なんでも言えよ!!」

 

 

「え、で、でも」

 

 

「ああ~でももへったくれも無いんだよ!」

 

ずいっと、顔を近づけ覗きこむノーヴェ…鋭い金色の瞳に睨まれたじたじになるマルスは有ることを思い出した…そして意を決して口を開いた

 

 

「じゃあ、ノーヴェさん…………」

 

 

「お、おう、さっさといいなよ」

 

 

「ノーヴェさん………付き合ってください!」

 

 

「……………え、え、ええええ!!」

 

 

 

PHASE-32.8「依頼と告白?」 side:ASTRAY

 

 

 

 

 

 


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