オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど…side:ASTRAY《本編完結》 作:XENON
トレミーⅡ内にあるカフェテラス…意識を取り戻したマルスと拘束されるも尋問(またの名をHな声を聞かせる)を受け誤解だとわかったニャイアアストレイ・イチイバルのパイロットでマルスを義兄アレス・ルセディスと呼ぶ《雪音クリス》が互いに向き合う形で座っている。少し離れた場所にはソレスタルビーイングの医師にしてガンダムバルバトスのパイロットのツバサがいすに座りコーヒー豆を挽いている
「………………」
「………………」
二人の間には気まずい空気が流れる…記憶を失う前の自分の名前と過去を知る《雪音クリス》が俯かせがちに膝を抱きかかえ遠慮がちに視線を向けてる。その空気を破ったのはマルスだった
「あ、あの……雪音クリス…さんでいいかな」
「っ!?………」
「…僕はマルス…マルス・レディーレ…あ、さっきも言ったけ…」
どぎまぎしながらも話しかけていくマルス、それに対してクリスの反応は薄い…
「………僕の事を知っているんだよね…
翔真さんや翼さんから聞いたけど。僕を探しに来てくれたのは間違いないかな?」
「………そうだ…そうだよ!……あたし、ずっと探してた!火星のコロニー全部を昔の仲間たちと一緒に!兄貴をずっと、ずっと探してたんだからな!やっと会えたと思ったらなんだよ?あんな態度は!ひどすぎっだろ!」
だんっ!と机を叩きつけ立ち上がり肩を掴むとグイッと顔を寄せる。目に一杯の涙をためみている…微かにズキっと胸の奥が痛む…何故かはわからない。いつの間にか手を伸ばし抱きしめていた
「ごめん…僕は二年前からの記憶がないんだ。でも……解らないけど…」
「わ、わからないけどなんだよ……」
「………凄く胸がいたいんだ……泣いてるのをみると記憶を失う前の僕はキミを大事にしてたんだってわかるんだ。ごめんね、ここまで来るまで辛かったよね……今だけは思いっきり泣いていいから」
「……っ!?」
ー……今だけは思いっきり泣いていい…ー
一瞬、マルスとクリスがしる義兄アレスの言葉と表情が重なる。それ以上にこうして抱き締められた感覚は全く変わらない…安らぎと大きな優しい温もり、変わらない匂いにドキドキしはじめる
(………兄貴だ………この感覚は間違いない……)
「あ、あの雪音クリスさ……」
「クリス…」
「え?」
「クリスって呼んでいいってんだよバカ兄貴……決めた。あたしもココにいる……記憶を取り戻すのにここに残って協力してやる!ずっと傍にいてやっからな!いっとくけどバカ兄貴に拒否権はないからな!」
「え?ええ~!?まさか僕の部屋に住む気なの?本気でいってるの!?」
「「ダメ/~/だ!」」
クリスの言葉に反応するように二つの影がカフェテラスのカウンターから躍り出てきたノーヴェ、アインハルト
「いくら義妹でも、同じ部屋はまずいだろうが!マルスもなんか言えよ!」
「そうです!義理と言っても女の子です。もし、そのマルスさんと間違いがあったら……」
「間違い?ふ~ん……その間違いってのは…」
「え?うむっ!?」
「ん………ん……ちゅる……っ……ハア…こういうことだよな?」
いきなり頭をつかみ強引に唇を合わせるクリス…舌を入れ絡め唾液を味わいながら離すとつぅ~っと銀の糸が伸びる…マルス、いやアレスは渡さないと言わんばかりに見せつける姿に身体を震わせどす黒いオーラを沸かせる二人に平然とするクリス、だがマルスはガタガタと震える
「…………ふう、コレは修羅場だな……マルス、あとはお前次第だ……翔真に似てきてるかもな」
「た、助けてツバ………」
助けを呼ぶ声は無情にもツバサが退出した扉に遮られ、間をおかず破壊音と振動。悲痛な叫びがトレミーⅡに響き渡ったそうな………
PHASE-43.5「葛藤するクリス」side:ASTRAY
了