オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど…side:ASTRAY《本編完結》 作:XENON
イギリス…そのとある地方にある湖に浮かぶ古城…端から見れば歴史的観点から見れば価値ある世界遺産に数えられるココにある大広間には各国の政財界を仕切る面々が円卓に座り待つ彼らの前に紋付き袴の初老の男性と着崩した軍服にサンダルという出で立ちの男性が入ってきた
「いや~待たせてすまないね……さて、皆揃ったところで先ずは私の自己紹介かな…管理局本局所属、大東貴一《一佐》だ」
管理局…聞き慣れない言葉に疑問を持つ面々…しかしそれはある人物の声が消した
「まあ落ち着きな。せっかくの会合なんだからよ本題に入ろ……」
「待てよバリストン、なんでココなんだ?堅気の有名所、筋モンまで集めてよう?もしや怖じ気ついてザフト、連合に手前の身可愛さにオレらを売ろうって算段か?」
深々と葉巻を吸いバリストンとよぶのはテイワズと肩を並べる規模を有する企業タント・テンポの会長《テッド・モルガルトン》。鋭い眼光を向け大東をみているのが誰の目から見てわかる
その問いに答えるように頭を掻きながらゆっくりと口を開いた
「まあ、今回この場所で会合を開く理由は二つあるんだ。一つはザフトの諜報員の目を欺く事もある、彼らにとって反プレシア…ATAGを結成した私も含めあなた方は邪魔な存在である我々を一刻も早く排除しなければならないと議長は考えているのは明白の利ってやつさ。現に数日前からザフトの諜報員が動いているのを掴んだからこそ、私は万全を期すために場所を変える必要があると考えたんだ」
「なるほどな、まあ確かにやっこさんにとっては目の上んタンコブだからな………悪かったな時間とらせたみたいでな」
大東貴一の人となりを言葉から察しニヤリと笑みを浮かべ葉巻を消すテッド・モルガルトンに軽く頷くマクマード、招かれた政財界の面々も納得したみたいだ
「さて、少し話はそれたが本題に入るか……まずはATAGの戦力だがウチのテイワズで開発している獅電を50体提供する用意がある、メインリアクターと装甲は」
「我々、龍財団のプラントが執り行おう……リアクターは儂らの得意分野だからな」
「んじゃ、装甲素材に関してはタント・テンポが精製してやる…バリストン、あとでウチの技術チームを派遣してやる。ウチの金属精錬技術は一流だぞ」
「なら、任せるするか。輸送はウチのタービンズが仕切らせてもらうぜ」
先ほどまでの空気は消え、それぞれの代表とトップが意見を出していく…そんな中、マルスは各カメラの映像データをチェックしていた
(おかしい……さっきの二人がどこにもいない)
……マルスが探しているのは先ほどの金髪に赤い目、首に大きな傷跡が目立つ男性、そして不思議な髪型の少女。様々な角度から捉え、先ほど二人が居た場所からの監視カメラの映像データから姿が消えている事に。警備体制万全のココから二人の人間が突然に姿を消すという有り得ないこともだが、それ以上にナニかが漠然としたモノが心を揺さぶり警鐘を鳴らしていた
(会合に招かれた人数と合わない。それにあの人は僕を見ていた…わからないけど嫌な予感がす……)
思考の渦に飲まれそうになった時、頬に冷たいものが当てられ思わずびくりと体を震わし振り返ると少し驚きつつも悪戯が成功した笑みを浮かべる大東貴一がグラスを手に立っている
「あ~すまないね。何度も呼んだんだけど気づいてくれなかったみたいだから……わるかったね?マルス・レディーレくん」
「あ、いえ。声をかけてくれたのに気づかなくてすいません…えと大東貴一提督」
「ははは、そう固くならないでくれると助かるんだけどなぁ」
「で、でも」
「いいから、いいから…気軽に呼んでみて?」
「じ、じゃあ大東さん」
「じゃあ改めてよろしくだねマルスくん」
気さくに話しかけてくる大東に少し遠慮しがちに名前で呼ぶマルスは差し出されたオレンジジュースが入ったグラスを手にし口にする
「あの、話し合いは?」
「ん?まあ大筋はまとまったからね。今から軽い立食パーティーになる所かな?」
「パーティーですか……まあ、流れ的にそうなりますね。マクマードさんなんか酒盛りが好きですから」
「ん~もしかしてマクマードと飲んだことあるのかな?いけないなあ~未成年が飲んじゃ。薦められても飲むなと言われてるだろ?」
「確かにそうですけど、韓国式を勧められたら飲まないわけには。それに任務で飲んだりしないとまずくて…」
「ふふ、冗談だよ。私のいる世界じゃ15で成人だからね…まあ酒は飲んでも呑まれるなとあるからほどほどにした方がいいかな?」
「(なんか大東さんって、リードさんに似てるかも)…まあ、ほどほどにします…」
「うんうん、お酒ってのは怖いからね…それはそうとマルスくんは傭兵だと聞いたけどなぜ傭兵になったのかな?ああ、無理ならいいんだ?」
「傭兵になった理由…ですか?…………あんまり面白くないかもしれませんよ」
マルスと大東はしばらく話に花を咲かせる。傭兵になるまでの経緯、そして今に至るまでの出来事を話し始めた。もちろん守秘義務にあたる任務はぼかしながら話しながらマルスは思ったのは
(………大東さんは脅威というか、この世界での災厄をなんとかしようとしている。ザフト最高評議会議長《プレシア・テスタロッサ》、彼女の思惑を知り最善の手を打つ人だ………)
話して人柄とこの世界に対する想いを知りP・Tから依頼された任務が総てが完遂したと確信した安心した顔を見て大東はいぶかしげに声をかけた
「ん?私の顔に何かついてるかな?」
「い、いえ……」
「マ~ル~ス。つかまえた♪」
「ミ、ミカド!?な、な、な、な、なにおう!?」
「ん~わかんない?ハグし・て・る・の」
明るい声と同時に背後から抱きしめるミカドに慌てふためく…背中には特大級のバストが押し付けられ否応がなしに柔らかさがつたわり甘い吐息が首筋に吹きつけられゾクリとする…よくみると顔がほんのり赤い
「ミ、ミカド、まさかお酒のんだの?」
「だってマルス、ワタシをほったらかしにしてかまってくれないんだから…あと、涼子ってよんで?じゃないと」
「ま、まって中に手を入れない……ひゃう!?」
「呼んでくれないとやめないわよ……」
涼子の白魚のような指がマルスのスーツへ潜り込み肌を滑らせていく…なんとか逃げようとするも逃がさないといわんばかりに抱きしめる腕に力が込められ逃げることができない
「た、助けて大東さん!?マクマードさんも!?」
「え?さすがにコレはねえ……おじさんはまだ馬に蹴られたくないし」
「悪いがマルス、一度酔ったミカドは離さないぞ」
すでに宴会とかした会場の面々も面白そうにみている。誰も助けてくれないと悟りなすがままにされたマルス。結局酔いが醒めるまで抱きしめられ続けたのだった
☆☆☆☆☆☆☆
テイワズ、秘密ドッグ
同居住区
「クリスちゃ~ん、ノーヴェちゃん、ハルにゃんはっけ~ん♪♪」
「う、うわ!セラ?なにすんだよ?」
「セラさん?あのどうしたんですか?」
「つうか!離れろよ~」
「あ、ごめんね~実は明日何だけど、外でディーヴァがライブをやるから皆で行かない?」
ギュッとアインハルト、ノーヴェ、クリスを抱きしめながらセラフォールが取り出したのはイギリスの歌姫姉妹《ディーヴァ》のライブチケット。しかも先行予約限定のプラチナチケットに三人揃って驚いている
「ディーヴァって今、世界で有名な歌姫三姉妹のじゃねぇか!」
「よ、よく手に入れましたねセラフォールさん」
「スゴいな…ていうか高かったんじゃ」
「のんのん、コレはソーナたんが外に出て歌を聴こうって考えてくれたんだ~」
「ね、姉さん………たまには外にでて気分転換しましょ♪って言ったの姉さんじゃないですか」
「あらあら、ソーナたんったら素直じゃないなあ~ねぇみんなはどうかな?」
「たまには外もいいかな…」
「仕方ないなあ……」
「わ、わたしもいっていいのでしょうか?」
「いいに決まってるじゃない。じゃあ明日の08:00にいくよ」
セラフォールの言葉に頷く三人…もちろんマルスが御門とともに来ることも言うとひさしぶりのデートに胸をときめかせるようすにソーナも笑みを浮かべていた
同時刻、ある古びた倉庫に灯りが灯った
「ブラボー1から6、無事上陸完了」
『ごくろう、では詳細について説明するわ☆☆☆☆☆☆、ーーーーーーーーー…………以上が概要よ。確認したら破棄しなさい」
「了解、当該対象がそろい次第行動に移します」
『期待しているわ…すべてはザフトのために』
「ザフトのために」
声が幾重に木霊しやがて、倉庫から灯りが消えさった
悪夢は再び繰り返される
了