オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど…side:ASTRAY《本編完結》 作:XENON
Misshing-link:新暦68年ーA-RESUー
新暦68年 某日
無人世界に置かれた数ある違法研究所の一つ…ここで今までとは違ったアプローチから新たな戦闘機人開発が進められ遂に《type0-third》が完成した
先に開発したfirst、secondとは違いベースとなった遺伝子は闇の書事件に現れ、忽然と姿を消した《綾崎翔真》のを用い、さらにイオリア博士の理論を併せ持つ最高の戦闘機人。開発コード《A-RESU》、そしてインヒュレート・スキル《VEDA》
全てを超える到達点の完成の喜びに包まれた…しかし、その日のうちに研究所から爆発音が起き、断続的に警報が鳴り響く中、一人の男性が小さな子の手を引き喧騒に包まれ人が溢れる通路を走り抜けていく
向かうは転送ポートがある部屋…ようやく辿り着いた彼は素早く転移座標を入力、小さな男の子に手書きのメモ、お金、データ端末を手渡した
「いいか、コレをカイジ・ルセディス博士に渡すんだ………必ずお前を守ってくれる…」
「い、いおり、あ…はかせは?」
「私にはやることがある………すまないがここまでだ………A-……アレス」
優しく頬を撫でるイオリアと呼ばれた男性は転送ポートに入れ閉じ部屋を後にする…彼が向かうのはA-RESU開発の全データが収められたらメインフレームがある場所…データ端末、書類が散らばり誰も居なくなった室内へたどりついた
「………今すぐ消さなければ……」
パスワードを打ち込み開かれたファイルにはA-RESU…彼が転送ポートに押し込んだ小さな男の子の全身データ。削除していく彼の手が止まる…背中に冷たい感触と落胆した声が響いた
「そこまでだイオリア博士。A-RESU開発データ削除を止めていただこうか?」
「断る……私はこんな事の為に協力したわけでは無い…」
「何をいまさら?善人にでもなるつもりですか?我々の誘いに乗ったあなたが?」
「いや、科学者としての信念、人としての尊厳を裏切りたくないだけだ……」
「止めろと言っている!さあ、A-RESUを《Veda》どこに隠した!!」
「あの子の名はA-RESUではない。アレスだ……《Veda》はお前たちの手に届かない場所にある……P.Tにも」
「貴様あ!」
指を動かすのを止めないイオリア博士へ背中へ向け数発撃ち込む…白衣が血で染まり倒れ伏すが、指は止まらず顔を必死に上げ最後のデータを消したと同時に眉間に押し当てられた銃口が火を噴く。血がコンソールを赤く染め上げていく
「はあ、はあ、何がアレスだ!たかが戦闘機人に肩入れしやがっ…」
カチリと小さな音が足元に響いた。肩で息をする彼がみたのは違法研究所で開発していた新型爆弾…威力は半径250メートルを跡形もなく消し飛ばすモノだとしり駆け出すも遅く、眩い閃光が室内に広がりイオリア博士の遺体と彼を飲み込み間をおかずに爆発の嵐が巻き起こりA-RESUのデータは全て消滅した
「い、いおり、あ……るせでぃす………いく…いかな…きゃ」
街中に転移した男の子…アレスはボロで身体を隠すように人ごみを避けるように歩き出す
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