銀魂~白夜叉と白狼姫~   作:ほにゃー

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子供がペットの面倒見るのは最初の時だけ

『続いてのニュースです。先日来日した皇国星のハタ皇子ですが―――』

 

「銀さん、眞銀さん」

 

「ん?どした、新八?」

 

掃除をしていた新八が突然名前を呼ぶので、眞銀は読んでいた少女漫画から目を離す。

 

少女漫画は前回突如襲って来た真選組局長補佐の小鳥遊由紀奈から貸されたもので、あの戦いの後、由紀奈と眞銀は友人になっていた。

 

「あの動物好きのバカ皇子、またこっちに来てたみたいですよ」

 

「ああ、額から触覚生やしたおっさんか」

 

そう言って、眞銀は少女漫画を放り捨てる。

 

どうやら少女漫画は眞銀の趣味に合わなかったみたいだ。

 

ちなみに銀時が静かなのはジャンプを顔の上に置いて寝ているからだ。

 

「ただいまヨ〜」

 

「あっ、神楽ちゃんおかえり。頼んでたトイレットペーパーは買ってきてくれた?」

 

「はいヨ」

 

そう言って神楽が渡したのはトイレットペーパー1ロールだった。

 

「神楽ちゃん、普通何ロールが入ってる奴買ってくるんじゃない?これじゃ、誰かがお腹壊した時対応しきれないよ」

 

「便所紙ぐらいでガタガタうるさいアル。姑か、お前。世の中には新聞紙をトイレットペーパーって呼ぶ侍もいるネ」

 

「誰から聞いたのさ、そんな話」

 

「銀ちゃんから」

 

「駄目だよ、あの人の事信じちゃ」

 

新八が神楽の事を叱っていると、銀時が目を覚まし、起き上がる。

 

そして、あるモノを見て固まった。

 

「……なぁ、眞銀」

 

「何、銀兄?」

 

少女漫画ではなく、銀時が買った先週のジャンプを読んでいた眞銀が顔を上げると、銀時が何かを指差していた。

 

指を差していた方を見ると、思わず、眞銀も固まった。

 

何故なら、そこには巨大な白い犬が一匹座っていたからだ。

 

「なぁ、眞銀。俺、もしかしてまだ眠ってるのかな?でっかい犬が見えるんだけど……」

 

「銀兄、現実だよ………」

 

「ちょっと銀さん、眞銀さん!二人も神楽ちゃんに言ってくださいよ!」

 

「いや、新八。トイレットペーパーより凄いものが………」

 

「志村、後ろ後ろ」

 

「え?後ろ?」

 

銀時と眞銀の二人に言われ、新八が振り向く。

 

そして、犬を見た瞬間――――――――

 

「きゃああああああああ!!?なにコレぇぇぇぇぇぇ!!?」

 

「表に落ちてたアル。可愛いでしょ?」

 

そんなでっかい犬の首を撫でながら、神楽は言う。

 

「落ちてたじゃねーよ。お前、拾ってくるならせめて名称分かるもん拾って来いや」

 

「定春」

 

「明らかに今付けただろ!」

 

新八がツッコんでいると、眞銀はある物を見つけ、白い犬もとい定春に近づく。

 

そして、臆せず首輪から紙を引き抜く。

 

「銀兄、手紙が挟まってた」

 

「あん?飼い主からか?なんて書いてある?」

 

「『万事屋さんんへ、申し訳ありませんがウチのペット貰ってください』だって」

 

「………それだけか?」

 

「後、(笑)ってある」

 

眞銀がそう言うと、銀時はその手紙を引き裂く。

 

「笑えるかァァァァァァァァ(怒)!!!」

 

眞銀の手にした手紙を引き裂き、銀時は怒鳴る。

 

「要するに捨てたってことじゃねぇか!万事屋ったってなぁ!ボランティアじゃねぇんだよ!」

 

「と言う訳だから、神楽ちゃん。元の場所に捨てて来なさい」

 

「嫌アル!こんな寒空の下放って置いたら死んでしまうヨ!」

 

「大丈夫だって。定春なら一人でもやっていけるって」

 

「アンタ、定春の何を知ってるんですか!?」

 

「分かってくれるよな。定は「アグッ!」

 

定春を撫でようとした瞬間、銀時は頭から定春に飲み込まれた。

 

「あ、マミった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「定春ぅ〜!こっちに来るアルよ〜!」

 

定春を連れ、公園にやって来た。

 

神楽は定春と共に、公園を走り回り、銀時、眞銀、新八の三人は包帯ぐるぐる巻きになりながらペンチに腰かける

 

「……いや〜スッカリなついちゃって微笑ましい限りだね、眞銀」

 

「そーだね、女の子にはやっぱ大きな犬が似合うよ。そうでしょ、新八」

 

「全くですね。でもなんで僕らにはなつかないんでしょうね、銀さん」

 

「ほんとなんでアイツにはなつくんだろう、眞銀」

 

「なついてはないよ、銀兄。アレ、襲われてるから。ねぇ、新八」

 

「はい。襲われてるけど神楽ちゃんがものともしてないんですよ。銀さん」

 

「なるほど、そーなのか眞銀、新八君」

 

三人が会話をしていると神楽がベンチの方に走ってきて眞銀の横に腰を下ろす

 

「フー」

 

「神楽ちゃん、楽しそうだね」

 

「ウン。私、動物好きネ。女の子がカワイイモノ好きになるのに、理由なんていらないネ」

 

「アレ、カワイイか?」

 

全速力でツッコんでくる定春を見て、銀時が言う。

 

「カワイイよ。私、こんなに動物になつかれたの初めてアル!」

 

そう言いながらも、神楽は定春に吹き飛ばされる。

 

「私、昔ペット勝ってたことある。定春一号」

 

定春に飛び蹴りしつつ、神楽は言う。

 

「定春一号、ごっさ可愛かった。私もごっさ可愛がったね。定春一号、外で飼ってたけど私、どうしても一緒に寝たくて、ある日、親に内緒で抱いて眠ったヨ。そしたら、思いの外、寝苦しくて悪夢見たヨ。その時、強く抱きしめすぎて、定春一号、カッチコッチなってたアル」

 

神楽は涙ぐみ言う。

 

「それから、私、自分から動物に触れること禁じたヨ。力のコントロール下手な私じゃ、皆不幸にしてしまう。でも、この定春なら私とでも力が釣り合うネ。これきっと神様からのプレゼントアル」

 

定春を撫でつつ、笑う神楽を見て、銀時も眞銀も、新八も少しだけ定春の事を買ってみてもいいかと考え出す。

 

「あ、酢昆布切れてたの忘れてたネ。ちょっと買ってくるから定春の事よろしくアル」

 

ベンチから立ち上がり、神楽は酢昆布を買いに出かける。

 

そして、公園には銀時、眞銀、新八の三人と、定春一匹が残された。

 

「「「………え?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「無理無理無理!無理だって!普通の人間があんなデカ犬相手に出来るか!」

 

「まずいですよ、銀さん、眞銀さん!このままじゃ僕たち三人とも餌になりますよ!」

 

「とにかく逃げるの!神楽ちゃんが戻ってくるまでの辛抱だよ!」

 

公園で定春に襲われつつ、逃げ纏う三人は勢い余って公園を飛び出す。

 

それに連れられ、定春も公園から飛び出す。

 

その直後、三人と一匹は走って来た車に撥ねられ、気絶する。

 

「じぃィィィィィィ!なんということをぉぉぉぉ!」

 

車から降りて来たのはハタ皇子とそのお付であるじぃだった。

 

「落ち着きなされ皇子!とりあえず私めがタイムマシンを探してくるので!」

 

「じぃぃぃぃぃ!!お前が落ち着けェェ!!」

 

慌てながら、車のトランクに入りガサゴソするじぃにツッコむハタ皇子もといバカ皇子だったが、その直後定春を見て、声を上げる

 

「ん?こっ……これはなんということだ!」

 

「どうされた皇子、タイムマシンが見つかりましたか!」

 

「ちげぇぇぇぇぇ、クソジジイ!これを見よ!」

 

「これは…狛神!?なぜこのような珍種が…!」

 

「じぃ、縄はあるか!?」

 

バカ皇子の命に従い、じぃは定春を車の屋根に乗せ、縄で車ごと縛る。

 

「こんなことしていいのですか、皇子?これじゃただのチンピラですぞ」

 

「これは保護だ!こんな貴重な生物を野放しにはできん!」

 

定春を乗せた車はバカ皇子共々発進する。

 

「前回来た時はひどい目にあったが此れでペスを失った傷も癒えるというもの。そうであろう、じぃ?」

 

「左様で…ギャァァァァァァァァ!ゾンビだァァァァ!」

 

叫ぶじぃの先には銀時が居た

 

定春が連れ去られる瞬間、屋根に飛び乗り、張り付いてきたらしい。

 

眞銀もローラースケートを使い、並走している

 

「オーイ車止めろボケ」

 

「実は、うちの子はこの犬の事気に入っててさ」

 

「悪いけど、返してくんない?」

 

「何を訳のわからんことを!どけェ!前見えねーんだよチクショッ!」

 

「うォォォォォ!定春返せェェェェェ!」

 

その時、後方から神楽が勢いよく走って迫って来た。

 

買い物から帰る途中、連れ去られる定春を見かけ、慌てて追いかけて来たらしい。

 

「誰だ、定春って!?」

 

「く、来るなぁ!」

 

「ほァちゃァァァァ!!」

 

じぃが銃を取り出し、神楽に向け発砲しようとするが、神楽の方が早く、神楽は定春が乗っていたことも忘れ車をぶっ飛ばす。

 

「あ………定春乗ってたの………忘れてたよ………」

 

吹き飛ばされた車はそのまま川の中に落ち、煙を上げる。

 

神楽はその光景を眺め、膝を付いた。

 

「私……また同じこと繰り返してしまったヨ……定春………!」

 

「お嬢さん、何がそんなに悲しいんだぁ?」

 

「泣きたくなったそんな時こそ、上を見上げるんだよ」

 

突然、上から聞こえて来た声に気付き、上を見上げると、そこには定春と、定春に腕を噛まれた銀時と、眞銀がいた。

 

「ぎゃああああああ!!」

 

「ちょ、定春ダメだって!流石に満身創痍の状態での噛みつきはヤバイから!」

 

「さ、定春ぅ!」

 

「アン!」

 

神楽に名前を呼ばれた定春は気から降りると、神楽に近づく。

 

「定春、本当に良かったアル!銀ちゃん、シロちゃん、飼うの反対してたのになんで……」

 

「俺ァ、しらねーよ。面倒みんならてめーで見な。オメーの給料からそいつのエサ代キッチリ引いとくからな」

 

「そのセリフ、真っ当に給料を払えるようになってから言いなよ、銀兄」

 

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