銀魂~白夜叉と白狼姫~   作:ほにゃー

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コスプレは服を着るんじゃなくてキャラの魂を着るんだ

(ここは………何処だろう?僕は今、何をやっているんだ?)

 

クスリを嗅がされ、朦朧とする意識の中、新八は冷たい床の上でそんあんことを考えていた。

 

「こ奴らか?主の周りを嗅ぎ回っていた連中と言うのは」

 

「ええ。最近少々こうるさくなってきたんで、網張ってたら簡単に捕まりましたね。大方。天人嫌いの攘夷派の連中でしょう」

 

「それもあの桂小太郎率いる攘夷党だ」

 

動けない新八と神楽の元に現れたのはカエルの天人と、店で新八とぶつかった眼鏡の天人、そして眞銀を襲った人間に見える天人だった。

 

「もう一人、妙な侍がいましたが、そっちの方は騒いだ客と一緒に始末しました」

 

「何だ、銀髪の男は陀落がやったのか?私も、銀髪の女の方を始末した」

 

「あまり派手に動くなと言っているだろう。こちらも幕府の連中を抑え込んで、見て見ぬフリをするのにも限界がある」

 

「ええ、分かってますよ。俺たちが自由に商売できるのも旦那の協力があってこそですから」

 

「お陰で“転生郷”の利益は莫大な物になってます」

 

「この国の連中はすぐ新しいモノに飛びつく。物の良し悪しすら判断できない様だ」

 

「そんな馬鹿共のお陰で俺たちも旦那もたんまり稼がせてもらってんですがね」

 

「まったく、奴等には勿体ない星よのう、地球(ここ)は……して」

 

カエル天人は寝転がる新八と神楽を見下ろし、尋ねる。

 

「こ奴等はの始末はどうつける?」

 

「連中の拠点を聞き出して処分しますよ。これ以上、仕事のジャマはされたくないんでね」

 

「陀落さん、ハンニバルさん、ちょっと」

 

突然扉が開き部下の天人が入って来る。

 

「実は、表に妙な連中が来てまして」

 

「妙な連中?適当に処理し解け、俺ぁ忙しいんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だァーからウチはそーゆのいらねーんだって‼︎」

 

「つれねーな。俺たち海賊になりてぇんだよ~」

 

「こんなに可愛い子が連れてって言ってるんだよ?お願いだから連れてってよ、ねぇ、ヅラっち」

 

「ヅラっちじゃない、キャプテンカツーラだ」

 

妙な奴等とは銀時、眞銀、桂の三人だった。

 

ただし、三人は買い族の船長の様なコスプレをしていた。

 

「俺たち幼い頃から海賊になるのを夢見てたわんぱく坊主&おてんば娘でさぁ」

 

「失われた秘宝“ワンパーク”っての探してるの。グランドラインを目指したいの。ねぇ、ヅラっち」

 

「ヅラっちじゃない。キャプテンカツーラだ」

 

「しらねーよ、勝手にさがせ」

 

「んなこと言うなよ〜。俺、手がフックなんだよ。もう海賊になるしかねーんだよ〜」

 

「しらねーよ、なんにでもなれるさお前なら。とにかく、帰れ。ウチはそんなに甘い所じゃ」

 

門番が早々に切り上げ船の中に戻ろうとすると首に二本の刀と二本の小太刀が突きつけられていた。

 

「面接ぐらいうけさせてくれよぉ」

 

「ホラ、履歴書もあるぞ」

 

「健康診断書と卒業証明書もあるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

意識が朦朧としていた新八は突然顔に冷たい水を賭けられ意識を覚醒させる。

 

「オ~イ、起きたか坊主?」

 

「おねむの時間はおしまいだよ~」

 

「まったくまだこんなに若いのに海賊に捕まっちゃうなんてカワイソ~にねぇ」

 

(……ああ、そっか。僕………海賊に捕まったんだ…………)

 

目覚めたばかりの頭ではそんなことしか思えなかったが、突如目の前に入って来た光景に、新八は一気に目が覚めた。

 

「神楽ちゃん!?」

 

それは神楽が船の上から釣らされている光景だった。

 

そして、神楽を支えてる剣を握りしめているのは陀落だ。

 

「おじさんはねェ、不潔な奴と仕事の邪魔する奴が一番嫌いなんだ。もう、ここらで邪魔な鼠を一掃したい。お前らの巣を教えろ。意地張るってんならこの娘死ぬぞ」

 

「な、何の話だよ!」

 

「あまりとぼけないで貰おうか」

 

そこにハンニバルが、ゆっくりと天人をかき分けながら現れる

 

「君らが攘夷志士だということは分かってる。桂の居場所を吐きたまえ。そうすれば、苦しまずに死なせてやる」

 

「何言ってんだよ、お前ら!僕らは攘夷志士なんかじゃないし、桂さんの居場所なんて知らない!神楽ちゃんを離せ!この国は侍の国だぞ!お前らなんて出てけ!」

 

「侍だァ?そんなもんもう、この国にはいね「ほァちゃァァァァ!」ぐぼぉ!」

 

陀落が言い終える前に、神楽は顔面に蹴りを放つ。

 

それと同時に、服に引っ掛かっていた剣は外れ、神楽はそのまま落下する。

 

「神楽ちゃ…」

 

「あしでまといになるのは御免ヨ。バイバイ」

 

「待てぇぇぇ!」

 

その時、一人の男の声が響いた。

 

男は左手に取り付けたフックにロープを掛け、船の側面を全速力で駈けていた。

 

「待て待て待て待て待て待て待てぇぇぇ!ふんがっ!」

 

神楽をキャッチすると、そのまま船の甲板に滑り込む。

 

「な、何事だ!?」

 

「何が起きた!?」

 

「こういうことが起きたんだよ」

 

今度は幼い女の子の様な声が響き、それと同時に、海賊たちの武器は消え、足を斬られていた。

 

「いでで……傷口開いちゃったよ」

 

「面接を受け来たんだけどここでいいの?」

 

新八と神楽を護る様に立ち塞がる二人、それは銀時と眞銀だった。

 

「銀さん!眞銀さん!」

 

「てめぇ、生きてやがったのか」

 

陀落は銀時が生きてたことに驚いていると、突如船内から爆発音が聞こえ、煙が上がる。

 

「なんだ!?」

 

「だ、陀落さん!倉庫で爆発が!転生郷が!」

 

爆発で倉庫に積んでいた麻薬は燃え、陀落は何も言えずにいた。

 

ハンニバルも思わずぽかんとしていた。

 

「俺の用は終わったぞ。あとはお前達の番だ、銀時、眞銀。好きに暴れるがいい。邪魔するやつは俺が排除する」

 

「てめぇは桂!」

 

「違〜〜〜う!俺はキャプテンカツーラだァァァァ!」

 

手にした爆弾を投げ、天人を桂が蹴散らす中、眞銀はハンニバルと対峙していた。

 

「君たちはもう終わりだ。“春雨”相手にこんなことをして、ただで済むと思わないことだ。今に、宇宙中に散らばる“春雨”が君らを殺しに来る」

 

ハンニバルは肉切包丁を手に、溜息を吐く。

 

まるで楽しんでいたオペラ鑑賞を雑音でかき消されたかの様な表情で。

 

「知らないよ、そんなこと。“春雨”だが何だが知らないけど、そんなもん私が麻婆春雨にして平らげてやるっての」

 

眞銀は小太刀をゆっくりと抜く。

 

「アンタたちが宇宙で何してようが、構わないよ。知ったこっちゃない。でもね、あたしのこの剣、コイツの間合いあたしの国だ」

 

刃をハンニバルに向け、そう言い放つ眞銀。

 

ハンニバルも肉切包丁を構える。

 

「この間合いに入ってきて、あたしのモノに触れる奴は、将軍だろうと、宇宙海賊だろうと、何だろうと……………斬る!」

 

眞銀とハンニバルが同時に走り出し、交差する。

 

「……………なるほど。私達は………侍と言う者を……甘く見過ぎてたようだ」

 

そう言い残し、ハンニバルは倒れた。

 

「…………フン」

 

眞銀はその言葉に何も返さず、そのまま小太刀を鞘に収めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

親玉を倒した銀時と眞銀は、新八と神楽を連れて、船から降りていた。

 

桂はいつの間にか何処かへと消えていた。

 

「アー駄目っすね。ホント、フラフラで歩けない」

 

「日ぃ浴びすぎてクラクラするヨ。おんぶ」

 

「あのさ、誰が一番疲れてるか分かってる?あたし、脇腹刺されて、まだズキズキ痛むんだよ!脇腹に穴開いてるのに、頑張ったんだよ!」

 

「銀さんだって頑張ったんだからね!二日酔いなうえに体ボロボロなんだよ、銀さん!だから、甘えんなクソガキ共!」

 

「僕らだって、少しとは言え、ヤバイクスリ嗅がされたんですからね」

 

「付き合ってらんねー、俺帰るからな」

 

「あたしも帰る。タクシーなり何なりで帰ってきな」

 

そう言い残し、銀時と眞銀はその場を去るが、やはり二人が気になり溜息を吐く。

 

「上等だよ、ゴラァァァァァ!おんぶでもなんでもしたらぁ!」

 

「さっさと来なよ!三十秒以上は待たないからね!」

 

「「ヒャッホォォォォォォォォ!!」」

 

「「元気爆発じゃねーか!」」

 

新八を銀時が背負い、神楽を眞銀が背負って四人は夕日に照らされながら歩く。

 

「銀ちゃん、私ラーメン食べたいヨ」

 

「僕、寿司でいいですよ」

 

「バカヤロー!誕生日以外にそんなもん食えると思うなよ!」

 

「今日は鍋で我慢しな。特別にいい鍋にして上げるから」

 

「たっくよ……重てーなチクショー」

 

「本当に重いよコンチクショ―」

 

そう呟く二人を桂はコンテナの上から眺めていた。

 

「フン、今度は精々しっかり掴んでおくことだな」

 

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