「かつ丼、うまー♪」
「よくそんなちっせぇ体に、それだけの量入るな。胃の中にブラックホールでも入ってんのか?」
目の前で自身の顔を同じぐらいの大きさがあるかつ丼を食べてる眞銀を見て、銀時はパフェを食べる。
「だから、そこちげぇって!」
その時、レジの方からハゲの店長が先程の人間を掛けた眼鏡の店員を叱っていた。
どうやらレジ打ちがまともに出来てないらしい。
「す、すみません。剣術しかやってこなかったもんでこういうのは」
その瞬間、眼鏡の店員は店長に殴られた。
「テメーいい加減にしろよ。このご時世にまだ侍気取りですか!侍も剣も、もう滅んじまったんだよ!」
店内がこんなにも騒がしいのにも関わらず、銀時と眞銀は我関せずで、前の前のかつ丼とパフェを食べ続ける。
「おい、親父。そこまでにしといてやれよ」
そんな騒ぎを仲裁したのは豹みたいな天人だった。
「おい少年。レジ打ちいいから、牛乳頼む」
「へ、ヘイ!ただいま!」
眼鏡店員はそう言って、厨房に向かう。
「ちょっと旦那。甘やかしてもらうと困りますよ」
「最近、ハローワークに通う浪人が多くてな。そんな浪人を見てると可哀想に思えて」
そこで言葉を区切り、牛乳を持ってきた眼鏡店員の脚を引っ掛ける。
「ついからかいたくなるんだよ」
転んだ眼鏡店員をあざ笑う天人。
そして、転んだ眼鏡店員を叱り天人に謝るように言うハゲ店長。
そんな中、そいつらに向かっていく二つの影があった。
「おい」
「あん?おぼはぁ!!?」
行き成り銀時はハゲ店長を殴り飛ばす。
そして、腰の木刀を抜いた。
「なんだ貴様は!?廃刀令のご時世に木刀なんぞぶら下げおって!」
「ギャーギャーギャーギャーやかましんだよ。発情期ですか、コノヤロー」
「銀兄。動物なんて年から年中発情してるようなもんだよ。そんなことより、これ見なさいよ」
そう言って眞銀はパフェが入っていたグラスと、かつ丼が入っていたどんぶりを掲げる。
「てめーらが騒いだ所為で、俺のチョコレートパフェと眞銀のかつ丼が丸々零れちまったじゃねぇーか!」
銀時はそう叫び、木刀を天人の頭に叩き落とす。
「き、貴様!何をするか!」
「我々が誰だと思って!」
「俺はよ、医者に血糖値高過ぎって言われて、パフェなんか週一でしか食えねーんだぞ!」
「あたしは銀兄がどうしようもないニートで働ぎもしない所為であたしが家賃の殆ど払ってるから、かつ丼大盛りなんてモデルの仕事が入ったときしか食べれないのよ!」
そう言うと、眞銀は特殊警棒を袖から出し、先を伸ばす。
そして、銀時と眞銀は同時に、二人の天人を気絶させる。
それぞれの獲物を仕舞い、眞銀はレジにお釣りが出ないようにキッチリとパフェとかつ丼の代金を置く。
「店長に伝えて置け。味は良かったぜってな」
「あたしも伝えといて。もう少しお肉は分厚くしてって」
そう言い残し、二人は去って行った。
眞銀はローラースケートではなく、銀時の運転する原チャリの後ろに乗りニケツで移動する。
「あー、ダメだな、これ。糖分取らないとなんかイライラするわ」
「あたしもお腹空いた。銀兄、コンビニ寄って」
「待てぇ!!」
二人が振り返ると先程の眼鏡店員が木刀を手に追い掛けて来た。
「何?律儀に木刀返しに来てくれたの?」
「眼鏡君、それいらないと思うから好きにしていいよ。修学旅行のテンションで買った木刀って銀兄言ってたし」
「違うわ!役人に追われて逃げて来たんだよ!店長は僕が下手人だって言うし!」
「クビ切られたね」
「仕方ないだろ。レジ打ち出来ない店員なんざ、炒飯作れねぇ母ちゃん位いらないし」
「あんた母親なんだと思ってんだ!」
眼鏡店員は我慢の限界が来たのが木刀を握る手を強く握る。
「今のご時世、侍なんか雇ってくれる所なんかないのに、明日からの生活どうしてくれるんだ!」
そして、眼鏡店員は木刀を振り上げる。
だが、木刀が振り下ろされる寸前で、銀時は急ブレーキをし、原チャリの後ろの部分が持ち上がり、その部分に眼鏡店員の大事なナニに当たる。
眼鏡店員は涙を流してナニを押さえる。
そんな眼鏡店員を見下ろし、銀時と眞銀は文句を言う。
「ギャーギャーやかましいんだよ、腐れ眼鏡。自分だけが不幸だと思ってんじゃねぇよ」
「眼鏡君。世の中には新聞紙をトイレットペーパー、段ボールを我が家、豪雨をシャワーと言う侍もいるんだよ」
「お前、そう言うポジティブな生き方できないのか?」
「アンタら、ポジティブの意味分かってんのか?」
「あら、新ちゃん」
すると大江戸マートから一人の女性が現れる。
「こんな所でどうしたの?バイトは?」
「げ!?姉上!」
「仕事もせんと何ぶらぶらしとんじゃボケ!」
眼鏡店員が姉上と呼んだ女性は行き成りブチ切れ、眼鏡店員を殴り、マウントポジションを取り、殴り続ける。
「今月どれだけピンチが分かってんのか!アンタの鼻クソみたいな給料でも、うちには必要なんだよ!」
一方的な姉弟喧嘩を前にし、銀時は逃げ出す。
「待って姉上!これも全部あそこにいる二人がって、何逃げてるんだ!」
「悪い。俺、うちに帰ってドラマの再放送観たいから。な、眞銀」
銀時は後ろにいる眞銀の方を見ながら言う。
が、そこに眞銀はおらず、かわりに眼鏡店員の姉が笑顔でそこに居た。
「……………あれ?」
~その頃の眞銀~
「肉まん十個とあんまん十個下さい」
「ただいま中華まん系全品百円セール中なので二十点で合計二千円になります」
大江戸マートで買い物をしていた。