銀魂~白夜叉と白狼姫~   作:ほにゃー

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自分が正しいと思えばそれが正しい

「これまでか。敵の手に掛かって死ぬより、最後は武士らしく、潔く腹を切って死のう」

 

戦場にて桂小太郎は額から血を流し、膝を着いていた。

 

「……バカ言ってんじゃねーよ」

 

だが、一人の男はまだ死を諦めていなかった

 

その男は己の銀髪を敵の血で真っ赤に染め、刀を手にする。

 

「美しく最後を飾り付ける暇があったら、最後まで美しく生きようじゃねーか」

 

その言葉を聞き、桂はもう一度立ち上がり刀を構える。

 

「行くぜヅラ」

 

「ヅラじゃない桂だ」

 

そして、二人は同時に飛び出すように動き、敵を斬る。

 

だが、度重なる戦いに桂には疲労が溜まっていた。

 

一瞬立ちくらみがし、桂は動きを止める。

 

敵はそれを好機と見たのか、一気に斬り掛かろうとする。

 

次の瞬間、天人の首は掻っ切られ、血を流し倒れる。

 

それを合図に、徐々に、徐々にと敵兵は首を切られ死んだり、足や腕を斬られ戦闘不能になっていく。

 

「おせーぞ。愚妹」

 

「助けに来たのに、その言いぐさは無いんじゃないの、愚兄」

 

二人を助けた子供にも見える小柄な少女は両手に小太刀を持ち、兄と同じ銀髪を血で真っ赤に染めていた。

 

「さぁ、生きて帰るよ」

 

そして、少女は獣の如く俊足で戦場を駆け、二本の小太刀で敵を討つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「天人の戦において鬼神の如き働きをやってのけ、敵はおろか味方からも恐れられた武神“白夜叉”坂田銀時。そして、二本の小太刀で敵を討つ俊足の持ち主“白狼姫”坂田眞銀。我らと共に、再び天人と闘おうではないか」

 

桂の言葉に銀時と眞銀は特に反応を示さず、銀時は耳を掘り、眞銀はせんべいを齧る。

 

「……銀さん、眞銀さん。………攘夷戦争に参加してたんですか?」

 

新八の質問に沈黙で返す。

 

「戦が終わると同時に、姿を消したがな。お前らの考えることは昔からよくわからん」

 

「俺らは、派手な喧嘩は好きだがテロだのなんの陰気くせーのは嫌いなの」

 

「ヅラっち。私たちの戦はもう終わったの。いつまでも過去を引きずるのは止めな」

 

「それをネチネチネチネチ、姑かお前は」

 

「バカか貴様。女子は皆ネチネチしている。そう言う所も含めて包み込む度量が無いから貴様らはモテないんだ」

 

「バカヤローもし俺が天然パーマじゃなかったらきっとモテモテだぞ、多分」

 

「あたしだって、こんなロリ体型じゃなけりゃ、男どもが群がってくるよ、多分」

 

「そうやって天然パーマと体型の所為にして自己を保ってるとは哀しい兄妹だ」

 

「哀しくなんかない。人はコンプレックスをバネにより高みを」

 

「アンタらなに話してんの!?」

 

とうとう話が変な方向にそれ、それを新八がツッコミ軌道を修正する。

 

「俺達の戦は終わってない。貴様らの中にも残っているだろう。国を憂い共に戦った同志達の命を奪っていった幕府と天人に対する怨嗟の念が。天人を掃討し、この腐った国を立て直す。生き残った者が死んでいった者たちにしてやれるのはそれぐらいだろう。俺達の次の狙いはターミナル。天人を生み出すあの忌まわしき塔を破壊し、江戸から奴等を殲滅する。だが、あれは世界の要。そう容易には落ちまい。お前達の力がいる」

 

銀時と眞銀は頭を掻いたり、お茶を飲みながらと桂の話を聞く。

 

「既に我らに加担したお前らに断る道は無い。テロリストろして処断されたくなくば俺と共に来い。迷う事なかろう。元々お前たちの居場所はここだったはずだ」

 

桂が言い終えたその時、部屋のふすまが踏み倒されるように開き、黒い制服に刀を持った男たちが現れる。

 

「真選組だ!御用改めである!神妙にしろ!」

 

「まずい!真選組だ!」

 

「イカン!逃げろ!」

 

桂の言葉に、全員が逃げ出す。

 

「一人の残らず討ち取れ!」

 

そしてその後を、真選組も追う。

 

「なななななんなんですかあの人ら!?」

 

逃げながら新八が問う。

 

「武装警察“真選組”反乱分子を即時処分する対テロ用特殊部隊だ。厄介なのにつかまったな。どうします?ボス。」

 

「だぁれがボスだ!お前が一番厄介なんだよ!」

 

「ヅラ、ボスなら私に任せるヨロシ。善行でも悪行でも大将やるのが私のモットーよ。」

 

「お前は黙ってろ!何その戦国大名みてーなモットー!」

 

「オイ」

 

その瞬間、横から銀時に向かって土方が刀で突きを放ってくる。

 

銀時はそれを寸前で躱す。

 

「銀兄!」

 

眞銀は特殊警棒を抜き、銀時を助けようと走り出す。

 

が、背後に殺気を感じ防御態勢を取ると、刀が特殊警棒に当たり、金属音を響かせる。

 

「うわっ!凄い!私の一撃受け止めるなんて、やるねぇお嬢ちゃん!」

 

由紀奈は自分の一太刀を受け止めて眞銀に驚き、そして称賛する。

 

「あんな殺気出してちゃ誰でも気付くよ。それとお嬢ちゃんじゃない。これでも二十歳超えてる」

 

「え?!?嘘!?本当に!?」

 

こんな会話をしていながらも互いに一歩も気を緩めず鍔競り合う。

 

「土方さん、小鳥遊。危ないですぜぇ」

 

「うおわあああ!!?」

 

「きゃあああああああ!!?」

 

沖田がバズーカを構え、銀時と眞銀と斬り合ってる土方と由紀奈に向け撃った。

 

「生きてやすか、土方さん、小鳥遊」

 

「バカヤロー!死ぬところだったろ!」

 

「チッ!しくじったか」

 

「しくじったってなんだ!こっち見ろ!後、舌打ちしただろ!」

 

「ちょっと総悟!トッシーは良いけど、私まで巻き込まないでよ!」

 

「俺は良いってなんだ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

運よく爆発から生き残れた銀時と眞銀は桂たちと合流しホテルの一室に籠る。

 

銀時はバズーカの爆発で髪がアフロの様になっているが、眞銀はなっていない。

 

「オイ、出て来やがれ!無駄な抵抗は止めろ!」

 

「ここは十五階だよ!逃げ場なんてどこにもないから諦めて!」

 

外から土方と由紀奈の声が聞こえる。

 

桂は懐から丸い何かを取り出す。

 

「ヅラっち、それ何?」

 

「時限爆弾だ。ターミナル爆破に用意していたんだが仕方あるまい。俺がコイツを奴等にお見舞いする。その隙に皆逃げろ」

 

桂がそう言った瞬間、銀時は桂の胸倉を掴む。

 

その拍子に、時限爆弾が落ちる。

 

「貴様ぁ!桂さんに何を……!」

 

志士の一人が銀時に襲い掛かろうとするが、それを眞銀は特殊警棒を抜き止める。

 

「黙っててよ。別に殺さないから」

 

「桂。もうしまいにしようや。テメーがどんだけ薄汚れようと死んだ仲間は戻らない喜ばない。時代も変わらねぇ。これ以上薄汚れんな」

 

「薄汚れたのは貴様らだ。時代が変わると共に、ふわふわと変節しおって。武士たるもの、己の信じた一念を貫き通すものだ」

 

「お膳立てされた武士道貫いてどうするよ。そんなもんの為にまた仲間失うつもりか?俺達はもうそんなの御免だ。どうせ命張るなら俺は俺の武士道を貫く。俺の美しいと思った生き方をし、俺の護りてぇもん護る」

 

「銀ちゃん」

 

神楽が銀時の袖を引っ張り、笑う。

 

「ごめん、これ弄ってたらスイッチ押しちゃったヨ」

 

神楽が持つ時限爆弾はカウントがスタートし残り十五秒になっていた。

 

その瞬間、万事屋メンバーは防御壁にしていたふすまをけ破り、外に出る。

 

「と、止めろ!」

 

行き成り出て来た四人に、真選組が慌てながらも取り押さえようとする。

 

「止めるなら、この爆弾止めてくれぇ!!」

 

「警察でしょ!?爆弾処理班とかいないの!」

 

「おわあああああ!!?こいつら爆弾持ってるぞ!」

 

爆弾に気付くと真選組は慌てて逃げ出す。

 

「ちょっと待てオイィィィィ!!」

 

「銀兄!ヤバいよ、残り六秒!」

 

「銀さん、眞銀さん!窓、窓!」

 

「無理無理!」

 

「銀ちゃん、歯ぁ食い縛れよ」

 

「え?」

 

銀時が振り向くと神楽が傘を構えフルスイングする。

 

「ぬわあああああああああ!!?」

 

銀時は窓を突き破り外に出る。

 

「ふんぐ!」

 

爆発に巻き込まれてはたまらないので、銀時は渾身の力を込め、上空に爆弾を投げる。

 

爆弾は上に飛び、そして爆発した。

 

「銀さん!」

 

「銀兄!」

 

「銀ちゃん、さよならー!」

 

新八、眞銀、神楽の三人が窓から顔を出し、眼下に向かって叫ぶ。

 

銀時は運よく、爆発の衝撃で向かいのビルに飛び、向かいのビルの垂れ幕に捕まって落下死するのを防いでいた。

 

その姿を桂は屋上から見ていた。

 

「美しい生き方だと?アレのどこが美しいんだが……………だが、昔の友人が変わらずにいるというのも悪くないものだな」

 

桂はそう言い、屋上に用意していた飛行艇に乗り、その場を去った。

 

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