大学入学のはずがまさかの再び高校入学!?   作:緑黄竜

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処女作です。よろしくお願いします。


人生の分岐点

3月11日

前の年までは他の日となんら変わらない1日だったが今年は違う。俺こと三条礼夷18歳はこの1日が人生の分岐点になると確信していた。

そう、今日は僕の第一志望の帝都大学の合格発表の日なのだ。ちなみに、日本で1、2を争う有名大学で僕の高校からはなかなか合格者は出てない。

というわけで、僕は今期待半分不安半分という状況で合格発表の場にむかっているので……

 

「……い、おい、礼夷!聞いてんのか?なに下向いてぶつぶつ言ってんだよ?」

「大きい声出すなよ、聞いてるよ、修」

僕の回想を邪魔したこの男は同じ高校だった友人の吉川修である。だった、というのは僕も修も先日無事卒業したからだ。

「にしても、お前緊張しすぎだろ、もっと肩の力ぬいといた方がいいぜ?」

 

 

そういう修は僕の横を笑いながら歩いている。

そんな彼を軽くジト目で見ながら僕はため息をついた。

「まったく…なんで僕の合格発表に修もついてくるんだか…」

「いいじゃんかよ、親友の合格の瞬間を祝ってやりたくてな」

「はいはい、ありがとさん」

そうなのである、修は帝都大学を受験したわけではないのだ。しかも、修の合格発表は昨日すんで無事合格していた。

 

そこからしばらく修と他愛のない話をしながら歩いていると目的地についた。大学の職員らしき人がセッティングしてるのが見える。

「あと、5分ぐらいか?それにしても人多いなー、これじゃ前の方行けないじゃん」

「そうだな、誰かさんが途中で腹痛おこしてトイレ行って電車逃したからな」

「おいおい、生理現象に文句いっても仕方ないじゃん」

などと、ギリギリまで修としゃべっていたり、軽口をたたきあっていたらその時となった。修も修で僕の不安を取り除くために色々話してくれてたんだろうな、と心のなかで修の評価を少し高くし僕は自分の受験票を少し力を入れて握りしめた。

「礼夷は何番だっけ?」

「684」

「ん、了解」

修が返事をしたと同時に職員の人達が合格者の番号が書かれた紙を貼り出した。

ごくっと、思わず唾を飲み込み握りしめた手には無意識に力がさらにくわわった。

貼り終わると、辺りからやったーと叫びよろこびだす人や泣き崩れる人が現れる。さて、僕はどうだろうか。えっと、684、684は……あ、あそこに670がある。673、677、680……ともうすぐ運命の自分の番号があるかどうか確認するというところで僕は下を向き一旦呼吸を整え、いざ見ようと顔をぐいっとあげようとした瞬間

「おい!礼夷あるぞ!684あるじゃん!!」

修が僕の肩をぐいぐい押しながら言った。

「あれ、お前、なんで下向いたままプルプルしてんの?あっ、

そりゃ、そうだよな!嬉しいからか!」

「いや、そりゃめちゃくちゃ嬉しいんだけどもね…なんかこう色々と台無しというか…」

「ん?なんか言ったか?」

軽く脱力感を覚えた僕だったがこいつはこういうやつだった、と思い顔をあげた。先ほど高くなった修の評価を元に戻しておくことは忘れなかった。

 

 

 

 

「で、今日はこれから礼夷はどうすんの?」

「僕は高校に報告にいくよ」

「それもそうだな、俺もまだ行ってないしいくか」

合格を確認したあと僕らは大学を出て近くの喫茶店で休んでいた。途中で体育会系の人に胴上げしてもらったが何故か修もそれに嬉々として参加していた。もちろん、胴上げされる方である。

こじんまりとして落ち着いた雰囲気のある喫茶店には人は少なかった。

「ニュースです。先日、ISを動かした初めての男性が発見されてから、政府は日本全国の高校、中学で他にISを動かせる男性がいないかのテストを本日から本格的に始めました。唯一の男性操縦者である織斑一夏さんは…」

ふと耳に入ったテレビのニュースに顔をあげると、修もそちらに目を向けていた。

「にしても、すげえよな。今まで女にしか動かせなかったISを動かせる男が出てくるとはねぇ、、、しかも、あのブリュンヒルデの弟らしいじゃん。」

「そうだね、ここから男の操縦者もどんどん見つかってくかもしれないね」

アイスコーヒーをすすりながら僕は答えた。うん、ここのコーヒーは美味しいな、後味もいいし。

「なんだよ、礼夷!お前興味ないのかよ、ああいうのに乗って戦うのは男のロマンってやつじゃないか?」

「興味ないわけじゃないけど、そういう考えはねぇ…少なくとも、開発者の篠ノ之束博士は戦うとかそんな考えは持ってないよ。博士は兵器を作ろうとしたんじゃなくて、宇宙開発のために作ったらしいし」

「ふーん、お前なにげにISのこと詳しいじゃん」

「入試で時事ネタが出ることもあるしね、一応今の世界情勢に関係してるから…」

「あー、はいはい、もう入試はおわったんだから、そういうのはやめやめ!さっさと高校行こーぜ」

修は立ち上がりそのまま店を、あとにしようとした。伝票は机においたままで

「……おい」

普段は温厚と言われる僕からはなかなかでないような低い声が出た

「まさかとは思うが、僕におごらせるつもり…?君のデラックスパフェ」

肩をビクッとさせてゆっくり振り向く修

「あ、あー、そんなはずないじゃん…」

といいつつ、目がものすごい勢いで泳いでいる。僕のなかでの修の評価をさらに下げておくのは忘れなかった。そして、しっかり修にデラックスパフェ分の金を払わせた後喫茶店をあとにした。

後から考えると、ここがすでに人生の分岐点だったんだろう。僕はここで今日高校に向かう選択をしたことを激しく後悔することになるが、このときは全くわかっていなかった。

 

 

 

 

僕らの通っていた高校は帝都大学から電車と徒歩で1時間ほど。

「にしても、これで面目保たれたな、生徒会長さん♪」

「元、だよ」

修のいうとおり僕は生徒会長をやっていた。それもこれも、この修が勝手に推薦してしまったせいなのだが卒業した今となってはそれもいい思いでである。女尊男卑に染まった校内を改善するのはなかなか骨がおれたが、この話はまたおいおい時間があるときにでも…

「にしても、春休みなはずなのにずいぶん人が多いな、みんな体育館向かってるみたいだが…」

そんな修の疑問に僕はなんともない感じで答える。

「さっきニュースで言ってたじゃん。ISに乗れる男性操縦者を見つける試験をやるって、多分、それじゃない?」

「おっ、それもそうだな。さすが帝都大学生。さすが頭がキレるねぇ」

修の軽い冗談に僕は少し嬉しくなったのはナイショだ。帝都大学生は憧れだったのだから仕方がない。

「ごほん、とりあえず僕等は職員室に行こう。そのあと僕は生徒会室に顔だして見るけど修は?」

「俺は職員室で担任に報告したら、体育館行くぜ!ISが近くで見れるチャンスかもだしな!」

ニヤリと笑う修に思わず苦笑しつつ僕らは職員室に向かった。

 

 

 

 

ガラッ

「んー、さすがに誰もいないか…みんな、体育館かな、色々指揮とかあるしね…」

職員室で報告したあと僕は生徒会室に向かったが生徒会室には誰もいなかった。

「しょうがない、僕も体育館に行って修に合流するか」

修の前ではなんともない風に装っていたのだが実は僕も生でISを見るのは少したのしみだったりする。ので、少し駆け足で体育館に向かった。

 

 

 

「おー、あるじゃんIS!」

体育館の入り口から入った僕の目には中央の位置に一騎のISがあるのが飛び込んできた。

その周辺には現、生徒会メンバーと黒いスーツをきた人が数名、恐らく政府の人たちだろう。並んだ男子生徒が順番にISに触れていくが反応する気配は見えない。

その様子を少し眺めたあと、ISの隣に修がいるのを見てそちらに向かった。

僕が来るのを見た修は僕に近づき

「礼夷、俺もためしに触ってみたんだがうんともすんともいやしねぇ」

「まあ、みればわかるよ」

そんな俺達の様子をみていた生徒会の後輩もそばにきた。

「三条先輩、帝都大学合格おめでとうございます!」

「うん、ありがとう」

やっぱりこういわれると嬉しくなるな

「どう?ISのテストの方は?誰か反応した?」

「もうかなりの生徒が終えましたけど誰も反応しません。というか、もし反応してたら大騒ぎですよ」

確かに、黒スーツの役人の人たちももう、諦めているのか流れ作業をしている感じが出てる。

「三条先輩も試してみたらどうですか?」

「え?」

「そりゃいいな、俺も試してみたんだし礼夷もやってみろよ。まあ、結果はわかってるけどさ」

たしかにこの機会を逃したら生のISを触れる機会なんてもうないかもしれない。そう考え僕はISに近づいた。

「記念として、僕もやってみるよ。」

 

というわけで、軽い気持ちでISの表面に手をおいた瞬間

ヴィーーーーン

 

という稼動音が辺りに響いた。

 

「え?」

「え?」

 

 

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