待たせたな!!←ベツニマッテネーヨ
最近ちょっとスランプに陥っております。なかなか手が進まないんですよね。おかげで今回は短めでおまけに時間の都合上夜中に書いてるのでおかしな部分があると思われます。
もし良かったら「その部分ははこうした方が良い」、「ここがおかしい」などのご指摘をお願いします。作者の技量でできる限り改善していきたいと思います。
それと今月はとある科学の超電磁砲の第九巻と、劇場版とある魔術の禁書目録が発売します!! いやぁ、このまま行くと禁書三期も近い内に発表されるかもしれませんね。
ちなみに私は劇場版禁書の特装版を予約しました。まだ後三週間以上あるのですが毎日ワクワクが止まりませんよ!!←オラワクワクスッゾ‼
「……あっつー……」
うだるような暑さで目が覚めた。
第七学区にある学生寮の一室。そこが赤原英治の住処である。
学園都市には二十三もの学区があり、それぞれの学区ごとに特徴を持っている。娯楽施設が集中している学区もあれば、学生たちが通う学校が密集している学区、中には地下に存在する学区など、変わった学区も多い。
第七学区は学園都市のほぼ中央に位置し、全学区の中でも広い面積を誇り、比較的多くの中学、高校生はここの学生寮に住み、日々を過ごす。
そんな高校生の一人である赤原英治もこの学生寮に住んでいた。彼は今、ふかふかなベッド(かなりの額をはたいた高級品)の上に仰向けで寝転がっている。
「時間は…………随分余裕あるな。ま、ゆっくり支度するか」
二度寝でもしようかとも思ったが、凄い寝汗でべとべとした体では気持ちよく寝れるわけなく、結局早く起きれてラッキーとでも思っておこうと考え、上半身をのそっとした動作で起こす。制服の下に着ているシャツが、汗で濡れていて気持ちが悪い。思わず眉を顰める。
何故こうも暑いのかと原因を考えてみれば、答えは顔を上に上げればあっさりと見つかった。単純な話、こんな真夏にクーラーをつけていなかったから。完全な自業自得である。
(このやり場のないイライラ感は、どこにぶつければいいのだろうか……)
物に当たるほど幼稚ではないが、やはりこの胸の内に溜まっているモヤモヤとした気持ちはどうも無視できない。どうしたものかと英治は考え、取り敢えず冷たいシャワーでも浴びればスッキリするかと結論付けた。このモヤモヤした気持ちを全て綺麗に流せるだろうと思いつつ、英治は大きく欠伸をする。
赤みがかった黒い髪を掻きながらベッドから起きる。バスルームに向かう前に、シャワーを浴び終わった時のことを考えてエアコンを点けて、クローゼットから着替えを用意しておく。そして、洗面所で寝汗で濡れている制服を脱ぎ、バスルームに入り軽くシャワーを浴びる。
冷たい水を頭から浴び、その冷たさでまだ残っていた眠気が吹っ飛ぶ。同時に体中のべとべとした汗が流れ落ちていき、内に溜まったモヤモヤも流れていくような気がした。英治は覚めた頭で、昨日のことを思い出す。
(確かうちに帰ってきてエアコン付けずに、すぐさまベッドにダイブしたんだったか。それでそのまま寝ちゃった、と……何時に寝たっけか……)
早速あの厳つい顔の男達のことは忘れている。正直あれほど濃すぎるボスとその下っ端のことなど、覚えておく価値はない。倍の百人だろうと、二十倍の千人だろうと所詮はただの不良。能力者がいたとしても
「まあ、何時でもいいか。どうでもいいことだし」
赤原英治は、基本意味のないことにいちいち時間を費やす人間ではない。むしろ逆に、空いた時間があるのならその時間を有意義に使いたいと思う人間だ。言うなれば『何もしないよりも何かした方がプラスになる』という考え方を持っている。そんな彼にとって昨夜の出来事(不良も含め)は至極どうでもいいことに分類されていた。
水栓を閉めてシャワーを終え、バスルームを出てタオルで体の水気を拭き取り、あらかじめ用意していた予備の制服に着替る。そして濡れた頭髪をタオルで拭きながら、リビングの机の上にあるリモコンのスイッチを押してテレビの電源を入れる。画面に映されるのは朝のニュース番組、丁度次のニュースについてだった。
「……第二学区の実験施設で爆発事故? おいおい、いくら爆発物が多いとは言え、少し管理甘いんじゃないか―――って、流石にそれは無いか」
英治は、自分の口から漏れた呟きを即座に否定する。第二学区がどういう場所かを正しく理解しているからだ。
第二学区は兵器の試験場としても使われ、爆発物も取り扱っている。そんな危険物を取り扱っているのなら、当然管理も徹底する筈。もし生半可な管理をしていたのなら、今までに何度も爆発しているだろう。しかし英治が学園都市に来た時から、そんな事故が起こったなんて話は聞いていない。それ以前に、第二学区で大きな事件が起きたことも聞いていない。
年に何度か問題が発生しているという話があるが、精々備品の置き違いかそこらの程度、事件と呼ぶのも憚れる程度のことだ。つまり実質的に事件や事故の類はまるで発生していない。このことだけでも、第二学区のセキュリティの厳重さはよくわかる。
だが、実際事件が起きている。
(確かに、学園都市の管理システムが優れていたってそれは
第二学区のセキュリティの堅さは、一部では有名な話だ。機密性でいえば第一学区、第二十三学区などのセキュリティの方が上なのだが、やはり直接的な危険性を孕む第二学区の方が、総合的にセキュリティが堅い。
本当にただの事故の可能性もある。むしろ普通に考えればその可能性の方が高いだろう。そう、
それは、
(……注意を第二学区に集めて、その隙に『暗部』の連中が何かしようとしている?)
学園都市の『裏』。
光の届かない場所での暗躍。
誰も気づかない血みどろの抗争。
この爆発事故は、その争いの一端なのではないか?
一般人ならまず知ることのない学園都市の『暗部』。何の変哲もない風景も、それが混ざれば瞬く間に淀んだ異界へと変貌する。いや、そもそも異界に変貌したことにすら気づかない。一度迷い込めば、後は闇に吞まれるだけ。
例えどれ程の能力者だとしても関係ない。吞まれれば最後、抜け出すことはできない。
そんな異界の住人どもが、動いているのか?
(もし、仮にそうだとしたら、そいつは一体何をやろうとしている。派手なアクションを起こし
テレビの内容によれば、爆発したのは金星探査コンテストで打ち上げられる予定だったロケットの一部分。おまけに、第十学区から持ち込まれたヒドラジンにも誘爆、そのせいで爆発事故を起こしたところを含めたいくつかの施設が一時的に閉鎖したらしい。幸いなことに死亡者はゼロ、怪我人こそいたものの大事には至らなかったようで、今は入院しているが回復次第直ぐに退院できるそうだ。
閉鎖するのは当たり前だがとても的確で迅速な対処だ。もし対処が遅れていたら死者が現れていたかもしれない。爆発した物がモノだ、死亡者ゼロはかなりの幸運だった。
(ヒドラジンの誘爆は故意に、だろうな。アレは今、いろんな意味で危険視されてるからヒドラジン関連はいやでも目立って注目の的だ。メディアにも、一般人にも。……金星探査コンテストが計画されなかったら、ここまで大事にはならなかっただろうし)
ヒドラジンとは、衛星を運んだりするロケットの打ち上げ時に使われる液体燃料のこと。ロケットの打ち上げに使われるだけあり、その爆発時の威力は大きい。それだけでも十分危険だが、爆発力以上に危険なのがヒドラジンが持つ強い有毒性だ。気化したヒドラジンを吸い込めばたちまちのどから肺まで爛れてしまう。 学園都市内外でヒドラジンが危険視されるのは、この有毒性が主な理由として挙げられている。
冷蔵庫から取り出した昨日の朝食のあまり(鮭の野菜炒め)、それを電子レンジで温める。魚が温められている間、棚から取り出したインスタント味噌汁を適当な茶碗に入れ、ポットからお湯を出して融かす。そして炊飯器を開けて、中に入っている米を別の茶碗に盛り付ける。米と味噌汁をテーブルの上に置いて丁度、ピーという高い音が、電子レンジの温め作業が終了したことを告げてくれた。
温めた料理もテーブルの上に乗せ、既に別の話題に替わっているニュースを見ながら朝食を食べ始める。
「いただきます」
勿論、合掌も忘れない。
箸で鮭を取って、口に入れる。咀嚼する度に広がる鮭の旨みを味わいながら、思考を再開する。
始めに、この爆発の意図についてだ。正直、これに関しては爆発事故の情報がかなり少ないため、今は保留にしておく。
(……一旦『暗部』の基本に戻って考えてみよう。まずは、何故わざわざ爆発なんて派手な真似をやらかしたか、だ。
今。
赤原英治は、自分の脳内から自然に出てきた言葉に、他でもない自分自身がゾッとした。
そんな言葉が躊躇なく浮かんだ己に、誰でもない己自身がイラついた。
イラつきを振り払うように、頭を左右に大きく振る。自己嫌悪なんて無駄なことだと切り捨てる。そんなことをしていれば、嫌な悪循環に陥ってしまう。くだらないことしている暇があるならさっさと考えを進めよう。
実際のところ、爆発事故程度は『暗部』の―――正確には学園都市上層部の―――権力をもってすれば、適当な理由でなかったことにもできてしまう。それはヒドラジンの爆発だとしても例外ではない。
それ程までの大きな力を、学園都市の『闇』は持っている。
(わざと隠蔽しなかった? そうすることが上層部の利益になる結果を生み出すと判断したのか。いやいや、どう考えてもメリットがない。なさ過ぎる。むしろデメリットだらけだ)
施設を爆破して、その施設の他も閉鎖してしまうなんて、『暗部』のやり方にしては随分と大胆というか大雑把というか……とにかく、
学園都市上層部は基本的に己の、学園都市にとっての利益を、現状最優先としている。そのため、たとえば犠牲を払わなくては遂行できない任務において、あっさりと、消耗品のように人間を犠牲に差し出すことができる。できてしまう。
彼らはいとも簡単に、人を殺すことができるのだ。上層部の中にある
だが彼らは無暗に人を殺すわけではない。別に最小限の犠牲に留めようなどという理由ではなく、『もったいない』という理由で殺さない。消耗品の無駄遣いは避ける感覚で、無駄な犠牲を払わないのだ。
理由はどうあれ、上層部は余程の利益でもない限りハイリスクな方法は取らない。故に今回の施設爆発は『らしくない』と英治は思った。爆破で起きた被害がだけじゃない、ヒドラジン関連による各国からの風当りも含めてリスクが大き過ぎる。
爆発で
この場合での無意味は、『その方法では警戒をそらせない』ではなく、『その方法を取るまでもない』という意味で。
『暗部』と一口に言ってもそこに住む人間の種類は様々で、秘密裏に武器・道具・隠れ家・情報などを販売する売人、明るみに出れば死刑確実な違法研究を行う科学者、そして学園都市上層部に表沙汰にはできないと判断された事件の解決、学園都市において『害』と判断された者の排除を請け負う組織の人員など、他にも細かく分けるとあまりにも多くの種類がいる。
多くの人間がひしめく学園都市の闇。そんな中で生きる者達が『ただの一般人』の枠に納まらず、(科学者などを除き)その多くが殺しの技術を所持している。さらにその中でも統括理事会―――学園都市の運営に携わる十二人のトップ達―――の指示を受け行動する部隊の者たちは、実質学園都市を後ろ盾にしているためたとえ任務上大きな騒ぎに発展したとしても、彼らの存在は隠されて起きた騒ぎも適当な理由で片づけられる。
(ならこれは学園都市の意思によるものじゃなくて、後ろ盾のないテロリストの仕業か。それも第二学区のセキュリティを突破出来る人員がいるレベルの組織)
そう考えると単純に厄介だと思う。
武力に任せた力技で戦う相手なら対処は簡単なものだ。突撃してくるイノシシの進路上に罠を張るような作戦で、楽に終わる。だが電脳戦に優れた者がいるなら話は別。彼らがいると、張った罠を無効化されるだけでなく逆に罠を張られて手痛い反撃を食らう可能性がある。
始末できないわけじゃない、だが多大な損害が生まれてしまうかもしれない。そう考えてしまうため、学園都市側もあまり積極的に動けなくなってしまう。
(今のところテロリストの可能性が大だな。金星探査コンテストが近いこの時期に、『偶然』その日に第二学区へ持ち込まれたヒドラジンが、『偶然』爆発事故を起こした施設の中にあって、それが『偶然』誘爆した。狙ってやらないとできないだろこれ)
この爆発は単なる事故ではなく、計画的に起こされた事故に見せかけた事件であると、赤原英治は推測した。
だが一つ。テロリストと考えるにあたって、どうしても腑に落ちない点がある。
それは、
「……なんで、人を殺さなかった―――――――――ッ!!!?」
そこまで口に出して。
唐突に。
夢から覚めたように、ハッと目を見開いた。
―――なんで、
反射的に顔を手で覆う。自分がさっきまでどんな顔をして、何を考えていたかを思い出したくないと言うように手に力を込める。
ごく自然に、まるでそれが当たり前であるかのように、テレビの画面に映っていた事柄に対して深く考えていた。違和感なく『暗部』のことを絡めてテロリストの危険性を、この事故を考察していた。
学園都市第八位の少年は、どうすればテロリストの位置を捕捉できるか、どうすれば殲滅できるかと、『テロリストを自分の手で排除できるか』を考えていた。
『なんだこれは……』そんなことを考える。つい先ほどまでほのぼのとした、毎日訪れる朝を送っていたはず。それが気づけば、いつの間にか殺伐とした『暗部』の空気に変わっていた。
「…………ふざけんなよ。何なんだよこれ、何でこんなこと考えてんだよ俺は。何でこんなこと許容してんだよ……クソが」
思わずテーブルに拳を叩き付ける。かなり強い力で叩き付けた為、ドンッ!! と大きな音が室内に響いた。
内に渦巻く憤りを己に向けて、肺を圧迫されたような錯覚を覚えながら、震えた声で己を責める。
止まらない自己嫌悪は少年を精神的に追い詰め、荒い息を吐かせ続ける。
「そうだよ……。『暗部』なんかこの『事故』に関わっていない。テロリストなんて存在してないんだ。ただの『事故』、偶然が重なった結果起きた『不幸な事故』だろ? 幸いにも死人が出なかった『事故』。それが一番だろ。それが最高だろうが……」
それは自己暗示であり、納得するための口実でもあった。
如何にしても、第二学区での爆発事故については『暗部』が絡んでいる証拠はどこにもない。英治の独り相撲の可能性だってあるのだ。こんな考察は、それこそ英治の好まない無意味なことだろう。
荒いを落ち着かせるため、英治は大きく深呼吸をする。そして幾分か落ち着いた英治の視界の中に、既に空になった皿が映った。
「ははっ、いつの間にか食べ終わってたのか。それに気づかないとか、ヤバいだろ俺」
「味も覚えてないぞ……」と、ため息を吐いて皿をキッチンのシンクまで持っていき、水を掛けておく。帰ってきてから洗おうと決めて、昨日の夜帰ってきてすぐさま
投げ捨てた記憶はあるのだがどこに捨てたか全く覚えてないため、探すのに時間がかかるかと思ったが実際そんなことはなく、玄関で横倒れになっているのを見つけた。というかよく見ると扉の鍵も開けっ放しである。
流石にこれには英治も苦笑い。
「……まだ朝だっていうのに嫌なことばっかりだ、ホント。昨日も含めれば、不幸自慢大会で優勝獲れるレベルだぞ」
力なく嘆くその声は、一人の部屋ではよく響いた。不幸というか、半分以上は英治の自業自得である。これでは優勝どころか初戦敗退モノだ。……不幸自慢大会が実在するかどうかは定かではないのだが。
玄関の鞄を取ってリビングへ戻るその姿は、若干肩を落としているように見えた。
自業自得少年赤原英治は、その後今日の授業に必要な教材だけ詰め込んだ鞄を持って、ゆっくりと立ち上がる。
「えーっと。まずテレビを消して、次にエアコンを切って、んで最後に部屋の電気を消す。他に消し忘れはないな。……よし、それじゃ行くか」
赤原英治は学園都市が誇る
まあいつもより早めに出発するから遅刻の可能性はない。妙なアクシデントがない限りない。
「昨日の奴らとかが待ち伏せとかないよな…………ないよな?」
独り誰ともなく問いかけるその顔には、不安がありありと浮かび上がっている。
「ないッ!!」と断言できないのが辛いところである。
「あれ……昔も今もそんなに違わないのか? ……い、いやまさかそんなことはないだろ」
昔の自分がしてきたことと今の自分がしてきたことを比べると、どっちも『物騒』やら『暴力』やらの日常では出番のない単語が出てくる。「そういえば劇的な変化なんてなかったな……あははは」と、個人的に衝撃的な事実を知ってしまい軽く鬱になりかける。
「でもまあ、昔よりは質的な意味でマシにはなってるからいいか。うん、
深く考えると本気で鬱になりそうなので、適当なところで思考をカット。
さっさと学校に行くため移動を開始する。リビングから玄関の扉までの短い距離の間、鞄の中を開けて忘れ物及び間違いがないか念入りにチェックする。この間友人から『お前って清掃ロボットと同じぐらいマメだよな』と言われたのは伊達ではないのだ。
マメな超能力者である赤原英治は、靴を履いて扉を開ける。
今日もまた、いつも通りの退屈しない一日が始まると信じて。
「行ってきます」
あかん。
マジあかん。
全然イイ感じに書けへん……。
どーも皆さん、作者のサイジです。最近上手く書けずに落ち込み気味になってます。頭の中では大まかな流れができてるんですけど、それをうまく書けていません。
まあ、私程度の文才のない作者ではできることは高が知れているんですが、少でも上達できるように頑張っていきます。
ところでスランプから脱却できるいい方法はありませんかねぇ……。