【艦隊これくしょん】~地球最後の艦娘~   作:エウロパ

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メリークリスマス!

まず始めにこのSSを開いていただきありがとうございます。
このSSは艦隊これくしょんと、映画アイアムレジェンドとのパロディ・クロスオーバー作品です。
ですが、映画を見たことが無くてもできるだけ分かりやすく書こうと思っています。



プロローグ 全ての始まり

2017年11月

某所

 

『――ご覧ください!アメリカのサンフランシスコ発東京行きの豪華客船――号が客船としては半世紀ぶりに太平洋を渡って東京湾にやって来ました!これまで超音速旅客機など空の移動方法は確立されていましたがついに我々人類は太平洋を再び安全に渡れるようになったのです!これは歴史的な映像です!』

 

暗い部屋でテレビがついている。

 

テレビの中ではニュース番組の現場レポーターが沢山の記者、見物人に囲まれながら港のその先、東京湾に浮かぶ大きな白い豪華客船を必死に嬉しそうな満面の笑みでリポートしていた。

 

『あっ!カメラ!カメラ!あそこを写して――豪華客船の下の方!』

 

するとレポーターは突然、何かを見つけたように騒ぎだし豪華客船の下、水面を撮るようにカメラマンに言った。画面が大きく揺れる。

そして次の瞬間では豪華客船の水面が撮された。

 

『あーあれはアメリカの艦娘でしょうか?数名の少女達が水面を滑っています!おっ!こちらに気がついたようです!ピースサインをして今、客船の警備と思われる艦娘がアメリカの星条旗を大きく振っています!』

 

そして映像にアメリカの艦娘が映ったところで画面はゆっくりとスタジオに切り替わる。

 

『とても素晴らしい映像でしたね』

 

『ええ、私も感動しました』

 

テーブルに座る男性のアナウンサーと女性のアナウンサーが笑顔で会話を始めた。

それもとても嬉しそうに。

 

『深海凄艦が海を支配して以来ここ半世紀はアメリカ等の諸外国からの音沙汰はありませんでしたからね。超音速旅客機が渡れるようになったのもここ五年の事ですし、それまではアメリカは殆ど都市伝説の存在になっていましたからね』

 

男性のアナウンサーがテレビの視聴者に向けて語りかける。

 

『でも、これでようやく海が解放され始めているという実感と希望を持てそうです。続いては医療と深海凄艦に関するニュースです』

 

男性アナウンサーがそう語り終えると画面がまた切り替わり背景が深海凄艦の写真や病気の人間を写した複数写真で構成されたスタジオが撮された。

そして女性アナウンサーがアップで撮される。

 

『皆さんこんにちは。ここからは医療と深海凄艦に関する最新情報をお伝えします』

 

女性アナウンサーは非常に落ち着いた様子で笑みを浮かべて語り始めた。

 

『ここ数十年間の医療技術の発展は目覚ましいものでした。チフスのワクチンやポリオのワクチンなど……しかし、それらの発見もアメリカのクリピン博士の発見に比べたら色あせそうです』

 

画面にそのクリピン博士の写真が映し出された。

髪の毛は金髪で歳は五十代後半といったところだ。

 

『このクリピン博士はなんと、人間には有害な、はしかウイルスを遺伝子操作しガンを退治する画期的な治療薬の開発に成功しました。この治療薬はすでにアメリカで一万九人のガン患者に試験投与され、その効果はなんと……一万九人中、一万九人のガンを治療することに成功したようです。この新薬は一ヶ月後にも日本国内で試験投与を開始する模様です』

 

すると、女性アナウンサーは、もうひとつ明るいニュースが入っていますと伝えた。

 

『 また、この薬の開発には日本海軍の医療チームも開発に協力しており、クリピン博士との研究中に、日本の艦娘がクリピン博士の新薬に負けないほどの重大な発見をしたそうです。本日はその大発見をした、艦娘にスタジオまで来ていただきました。ご紹介しましょう、日本海軍所属、現在はアメリカ・ニューヨーク市の在住の軽巡洋艦、夕張さんです!』

 

女性アナウンサーがそう言うと沢山の拍手とともに映像がアナウンサーのアップの状態からダウンしていき、アナウンサーの隣の席に座るレディーススーツを着た夕張が映し出された。

夕張は緊張しているようだ。

 

『ど、どうも、こ、こんにちは。け、軽巡洋艦。ゆ、夕張で、です!ほん、本日は、よ、よろしくお願いします!』

 

夕張はそう言うと頭をテーブルにぶつけそうになるほどお辞儀した。

顔を湯でタコのように真っ赤だ。

 

『うふふふ、そんなに緊張しないでください。本日はお忙しいなか出演していただき、ありがとうございます』

 

女性アナウンサーは微笑ましそうに笑った。

 

『あ、はい、すいません。私、こういうの始めてじゃないんですが慣れなくって……』

 

夕張は恥ずかしそうに言った。

 

『いえ、いえ、そういうものだと私は思いますよ。それでは夕張さん。質問を始めていきましょうか』

 

女性アナウンサーの言葉に夕張は深呼吸をすると少し落ち着いた声で、はい、と答えた。

 

『視聴者の皆様は夕張さんの開発した新薬について聞きたいと思われますが、まず最初はクリピン博士の開発した新薬について聞いていきます。夕張さん、そもそもクリピン博士とは、どの様な方なのでしょうか?』

 

『博士ですか?博士はとても優しくて、私よりも頭も良くって、とても尊敬できる方ですね。例えるなら近所の優しいおばさん?でしょうかね。そんな感じの雰囲気の人です』

 

女性アナウンサーの質問に夕張は笑顔で答えた。

 

『そうなんですか。聞いた話によるとクリピン博士は――』

 

そのあとも数分程、クリピン博士の話は続いた。

そして夕張がクリピン博士の新薬について簡単に解説したところで話は終わった。

 

『――夕張さん、分かりやすい説明ありがとうございました。これで世界中のガン患者に希望の光がさしたわけですね』

 

『はい、そうですね。そうなってほしいと思います』

 

夕張がそう言うと女性アナウンサーは顔をカメラの方へと向けた。

 

『それでは次の話題に移ります。クリピン博士の発見も偉大な発見ですが、こちらにいる夕張さんもそれに負けない程の大発見をしたそうです。もしかすると、視聴者の皆様は今か今かと待っていたのではないのでしょうか?私も詳しくは聞かされていませんのでとても、楽しみです』

 

女性アナウンサーは視聴者に語りかける。

そして、質問を夕張にぶつけた。

 

『夕張さん……あなたが開発したという新薬、それはどのような物ですか?』

 

『それは……』

 

女性アナウンサーの質問に夕張は小さくニヤリと笑った。

 

そして、夕張の言葉は日本中、いや、全世界を驚愕させる。

 

 

 

 

 

『私、軽巡洋艦、夕張は……深海凄艦を艦娘に〝治療〟する事のできる薬を開発することに成功しました』

 

 

 

 

 

――沈黙――

 

 

 

 

 

夕張の言葉にスタジオは、テレビを見ていたお茶の間は沈黙した。

女性アナウンサーもあっけにとられた表情をしている。

しかし、そこはやはり、アナウンサー、すぐに平静を装って番組進行を始める。

 

『そ、それは、凄いですね……ですが、いまいち良くわかりません……深海凄艦を艦娘に〝治療〟するとはどういう意味でしょうか?』

 

平静を装うアナウンサー、だがその表情はまだ理解不能を示していた。

 

『文字どうり深海凄艦を艦娘に治療、つまり艦娘に変えるということです』

 

まるで普通の事の様に話す夕張に女性アナウンサーの表情は固まった。

 

『ど、どういう意味でしょうか?そこが良くはわかりません。それだと深海凄艦と艦娘は同じ存在と言っているように聞こえるのですが……』

 

『それでは一から説明しますね』

 

焦るアナウンサーに夕張は落ち着いて対応した。

さっきとはまるで逆だ。

 

『そもそも艦娘や深海凄艦といったものは科学的に見れば、かなりオカルトに近い存在です。〝発生〟つまりどうやって艦娘は生まれるのか。どうやって深海凄艦が生まれるのかそれは誰にも分かりません』

 

『はい』

 

女性アナウンサーは夕張の話に夢中になっていた。

 

『私達はそれを科学的に分析しようと試みました。その結果、どの様に生まれるかは解りませんでしたが深海凄艦が私達、艦娘と極めてよく似た存在だということが判明したのです』

 

この言葉にスタジオ内がざわつき始めるが夕張は続けた。

 

『しかし、皆さんも思っていると思いますが深海凄艦と艦娘はどう見ても形から違います。深海凄艦の方がおぞましいですからね。それでは何が違うのか、その答えは深海凄艦の血液の中にありました。こちらをご覧ください』

 

そう言うと夕張は何かのA4位の封筒から一枚の写真を取り出した。

それは黒く丸い形をして触手のようなものを全体から伸ばす、おぞましい細胞の画像だった。

 

『オカルトはともかく、この細胞があるか、無いかが医学的に見た深海凄艦と艦娘の大きな違いだということが分かっ

たのです。深海凄艦も艦娘も基本的には病気にはなりませんが深海凄艦の体内にはこれがあったのです』

 

『……つまり、夕張さん達艦娘にはこの細胞が無いというわけですか?』

 

ようやく平常心を取り戻した女性アナウンサーが夕張に聞く。

 

『はい、その通りです。まだ、詳しい理由は解っていません。ですが、この細胞がもし深海凄艦の原因だとしたら無力化できるはずだと考えたのです』

 

『つまり、深海凄艦は病気だと?』

 

『その通りです』

 

夕張は女性アナウンサーの問いに頷いた。

 

『そこで私はクリピン博士に協力をお願いしました……』

 

すると、夕張は急に立ち上がった。

 

『そして、遂に!深海凄艦を無力化する薬の開発に成功したのです!!』

 

夕張はそう言うとカメラに向けて万勉の笑みを浮かべガッツポーズをした。

 

『そ、それで薬はどの様な薬なのですか!?』

 

先程とは違って早く続きを聞きたそうな女性アナウンサーに夕張は胸を張った。

 

『仕組みは簡単です。見つかった深海凄艦の細胞を遺伝子操作して他の細胞も無力化できるようにしたのです。クリピン博士の薬と同じ要領ですね』

 

『視聴者にも分かるようにお願いします』

 

夕張の説明が良く解らなかったのか首を傾げる女性アナウンサー。

 

『そうですね……クリピン博士の言葉を借りると、体は高速道路です。その高速道路には犯罪者の乗ったスポーツカーが走っています。この場合のスポーツカーはこの細胞です。このままだと、重大な事故を起こす危険性がありますよね?』

 

『ええ』

 

女性アナウンサーが頷く。

 

『ですがそのスポーツカーの運転士を警察官に代えれば、高速道路は安全になるということです』

 

『なるほど……その薬の実験等はしたのでしょうか?』

 

女性アナウンサーの質問に夕張笑顔でもちろんと頷いた。

 

『千隻の深海凄艦に薬を投与した結果……千隻の深海凄艦が無力化され今では普通の艦娘になりました』

 

『す、素晴らしいです!遂にガンだけでなく深海凄艦も退治する事に成功したわけですね!!』

 

『ま、まぁそうなりますね』

 

女性アナウンサーは感激したように立ち上がり拍手を夕張に贈った。

スタジオ中からも沢山の拍手が沸き起こる。

その拍手に驚いたのか夕張は立ち上がるとスタジオをぐるっと見回した。

そして、恥ずかしながらもキラキラとした笑顔で何度も何度もお辞儀をした。

 

『あ、その……ありがとうございます!ありがとうございます!皆さん!本当にありがとうございます!』

 

この年、人類はクリピン博士のガンに効く新薬と夕張の深海凄艦に効く新薬の開発成功によってガンと深海凄艦を倒すことに成功した。

そして、誰もがこの発見を全人類の希望になると信じて疑わなかった――。

 

 

 

 

 

――それから三年後、

 

横須賀。

 

 

 

 

 

「――私は特型駆逐艦の五番艦、叢雲。今、横須賀にいる。……もし誰か、これを聞いてるなら……答えてほしい――」

 

 

地球上の艦娘は……

 

 

たったの1人。

 

 




実はこれ映画を見ている時に思いつきで書いた物なのでまだこれと言ってストーリーが決まっていません。
そのため次回の投稿は時間がかかる場合もありますのでご了承ください。

些細な事でも感想などもらえるとうれしいです。

いずれ意見交換などができるサイトか何かを作るつもりです。

雑談ですがもしかしたら、アイアムレジェンドを見た事のある人は何故この日に投稿したのか分かった方も居るのではないでしょうか?

それでは皆さん良いクリスマスを。
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