その少年はただただかわらない毎日を過ごしていた。毎日学校に行きクラスメイトと話
し授業を受ける。少年はその日常に少々飽きていた。少年はその日は少々刺激的なこと
を求めいつもの帰り道とは違う道を歩いていた。家に帰っても少年一人だけなのだ、そ
の少年に両親はいない、少年が小学校にあがるときには両親はもういなかった。いたの
は近所のおばちゃんや幼馴染の女の子ぐらいだった。
「このあたりも来たことがないな、いや小さいころには来ていたのかな?」
少年はそのようなことをつぶやきながら道を歩いていく。すると
「ん?こんなところに神社なんかあったんだな。でもやけに古ぼけているな。」
少年は古びた神社を見つけた。しかし、誰かが住んでいるわけでもないのに人の気配を少年は感じていた。
「すみませーん、だれかいないか?」
少年はダメもとで声をかけてみる。すると
「ごきげんよう。」
背後から話しかけられた、少年は振り向くとそこには傘をさした女の人が立っていた。
「ご、ごきげんよう・・・」
少年は彼女におなじように返事を返す。
「ふふっ、あなた面白い人ね。」
「そうかい?俺はただ平凡に挨拶を返しただけなんだが・・・」
「それでも背後から急に話しかけられたらいやでも警戒はするでしょう?なのにご丁寧にあいさつを返した。面白いわよ、あなた。」
「はぁ、それはどうも・・・」
などと普通に会話をしているが少年は戸惑っていた。この人は誰なんだろう、いきなり話しかけてくるこの女性はまさか不審者なんじゃないかなど頭の中で考えていると
「大丈夫よ、私は不審者ではないわ。むしろあなたを退屈させない世界に連れて行ってあげる親切な案内人だと思ってちょうだい?」
「っ!?なんであんた俺の考えてることがっ!?」
「あら?顔に書いているわよ、この日常は平凡で退屈だって。」
少年は女性の発言によって警戒度を上げた。そしてどう逃げるかなどを考えた。
「そんなに警戒しないでちょうだい、あなたの望んでいる世界に連れて行ってあげるって言ってるのよ。」
「そりゃあ警戒するだろ。考えをいきなり読まれたりなんかしたら・・・」
「じゃあ私からの質問、あなたが望んでいる退屈しない世界に行ってみたいの?行きたくないの?」
少年は悩んだ、女性のことは信用していない。むしろ信用しろという方が無茶だ、しかし少年は彼女の提案してきた世界が気になっていた。本当にこの退屈な生活から抜け出せるのか?など考えていた。
「・・・行ってみたいよ。だけどあなたのことは信用していない。」
「そう、それでいいわ。人間は正直なのが一番よ。なら来たいのならついてきなさい。あなたの意志でね。」
と女性は腕を一振りするとそこに亀裂ができその亀裂の中には無数の目があった。
「正直、あんたのことは信用していないけど俺の願いをかなえてくれるんだろ?ならついていくよ。」
少年はその女性についていくことに決心した。この日常を変えれるなら、変えてくれるならこの女性を頼ってみようと。そして少年はその亀裂の中に足を踏み入れた。
「やっぱり正直なのは人間のいいところね。ついてきなさい。」
女性と少年は歩き出した。さっきまでいた日常の扉は閉じられて少年は少しだけ後悔した。
「やっぱり名残惜しい?元の日常が。」
「まあね、だけどこの道を選んだのは俺の選択だ。後悔はしても戻りたいなんてことは言わないよ。」
「そう、あなたいい男ね。」
「お褒めにあずかりどうも。」
などと女性と話しながら歩いていると先のほうに光が見えた。
「あそこの先が終点よ。心構えはいいかしら?」
「大丈夫だ、問題ない。」
「それダメなやつよね・・・。まぁ、そんなこと言っている間に到着よ。」
少年はその光の先を抜けた。そこには幻想的な場所が広がっていた。一面の広がるすがすがしい大空、自然。どれをとっても美しかった。
「さて、ようこそ!幻想郷に。私はこの幻想郷の創設者の八雲紫と申します。それでは聞かせてもらってもよろしくて?あなたの名前を。」
「そういえば名乗っていなかったな、俺の名前は弾だ。周りの人からはそう呼ばれていた。これからよろしくな、八雲。」
「えぇ、よろしくね、弾。」