パパス一行はブオーンを仲間にし、サラボナから北東に位置する山奥の温泉にやってきた。
これはルドマンが教えてくれたところであり、美人の湯ということで山奥でありながらも人気が出始めたところであるようだ。
「では、宿をとるとするか。」「はい。さあパパス様急いでいきましょう。さあさあ。」
ルドマンになにかこそこそと教えてもらっていたパピンが仲間達を急かす。ルドマンと話たあとからなぜかハイテンションになっていた。
「なんでパピンさんはあんなに元気なんだろう?」
「あまり気にしない方がいいですよ、プオーンちゃん。」
「ちゃんは恥ずかしいよ。お姉さん。」 「いいの、プオーンちゃんは可愛いんだから。」パピンのハイテンションを疑問に思うブオーン改めプオーンに若干キャラが変わったレイシアが話す。プオーンはもうかなり仲間達に馴染んでおり、特にレイシアのお気に入なっていた。
宿屋
「な、なぜだ。何故なんだーー。」
パピンは宿屋の主人に話された事実を受け止められず、片を落として宿屋を飛び出していった。
「お連れ様は大丈夫ですか。」「ああ、ご主人は気にしないでくれ…。」
「はあ。」
宿屋の主人が告げ、パピンがショックを受けたことは、混浴ではなくなったということだった。そう以前までこの温泉は混浴であった、しかし最近は人気が出て若い女性も増えたことにより、配慮して混浴をやめ、時間を区切って分けるようにしたようだ。
宿屋に荷物を置き、パパス達は温泉を満喫していた。
「そう落ち込むなパピンよ。」「そうだぜ。人間の裸なんて見て何が楽しいんだ。」
「まあ、幻魔には分からんだろうが。いやいい、さあ後で酒を飲んで楽しもうじゃないか。」「お、分かってるねえ、パパス。」
「飲むのはいいですが、あまり無茶はしないでくださいねパパス様。」 「パパス様、バルバルー、サンチョ気を遣わせて悪い。もう大丈夫だ。」 「パパス様、坊っちゃんも湯を満喫したみたいです。」 「そうか。よし、じゃあそろそろあがって飲んだり、食べたりするか。」
『おう!』
「ああ、いい湯だったぞ。」
「そうですか。それは楽しみです。後で女湯になりますので、後程入ってきます。プオーンちゃんも一緒に入りましょ。」
「僕はいいです。お湯が汚れちゃうし、お客さんは僕を見て怖がると思うから。」
寂しそうにプオーンが言うので、パパスが後で宿屋の主人に頼むということで話はまとまった。
「上手い酒だな。レイシアお前も飲んだらどうだ?」
「いえ、私は未成年なのでいただけません。」『エッ』
レイシアが未成年だということに皆が驚く。
「一体何歳なんだ。」
「女性に年を聞くのは失礼ですよ。まあ私は構いませんが。
私は永遠の17歳です」
『………』
「さあ、飲むか。」
「おう。」
レイシアは顔を赤くしてうつむいていたが、そこに少し違和感を感じたのはプオーンだけだった。
一時間後
三人は酒によって〈返事がない。ただのしかばねのようだ。〉状態になっておりサンチョはリュカの面倒を見ながら苦笑いを浮かべている。「サンチョさん。申し訳ないのですが、今から温泉に行ってくるので後のことは頼んでよいですか。」
「はい。任せてもらっていいですよ。ゆっくり日頃の疲れをとるといいですよ。」
「ありがとうございます。」
と言うとレイシアは部屋を出て行った。
「うう飲みすぎた。少しトイレに行ってくる。」
「では私も行くか。」
パピンが起き上がりトイレに行くというので、パパスもついて行くといい、部屋を二人で出ていった。
「なぜパパス様もついてくるので?」
「お前のしたいことはなんとなく分かるからな。そちらはトイレではないぞ。」
「ではパパス様も一緒に行きましょう。」
「さすがに若い時にはよかったが、この年で覗きはいけないだろう。」
「いえ、断じて覗きではありません。社会見学です。若い女性の肉付きを見て、食料問題について考えるということです。」「そうか。そういうことにしておくか。」
パパスはパピンに続いて宿屋を出て、少し歩く。壁をに囲まれた行き止まりまできた。壁を隔てて温泉があるのが分かる。
「ここです。この壁に穴がありますので、ここから見学します。」
「パピンお前、宿屋を出てこのような場所を探していたのか。」
「ええ。ぬかりはありません。」
「パパス様、あの赤髪の女の子いいからだしてますよ。」
「たしかに、しかし私はあそこまで胸はなくてもいいと思うが。」
「そうですか。私は巨乳が大好きです!ああそういえばマーサ様も控えめでしたね。」
「何を言う。マーサはちょうどよかったぞ。」パパスとパピンの姿は決してマーサやリュカに見せられるものではなかった。「レイシアさんいませんね。」「レイシアを見たいのか?」
「ええ。男であったらレイシアさんは当然見たいものです。」「レイシアはお前の好みの体型ではないと思うが。」
「美人、いや美少女だから見たいんです。たしかに、体型は、かな~り控えめですが。貧乳とか微乳というか。あと物に例える言い方もありましたね。」
「まな板や洗濯板ですか…。」「そうだったな。昔の者は上手いこと例えたな。……?。パピンお前誰と話しているのだ?」「エッ、何をいっているんですか。パパス様に決まっているじゃないですか。」
「いや私は喋っていないぞ。」『まさか!』
二人は背後からなにか寒さというか、凍えるような殺気を感じた。まさに冷たく輝く息である。恐る恐る二人は後ろを振り向く。
鬼がいた。満面の笑みを浮かべながら、凄まじい殺気と威圧感を体から放つレイシアという名の鬼がいた。
「ずいぶんお楽しみだったようですね。」
「なぜお前がここに?」
「お二人が外に出ていくのを見ましたので。変だなと。」
「では最初から。」
「はい最初から。お二人が私をどのように見ていたかもしっかりと。今夜はじっくりとお二人とお話ししなくてはなりませんね。」
『!』
「さあ、お話ししましょうね。魔法も交えながら」
「ぬわーーっっ!!」
「うぎゃーー!!」
パパスとパピンの断末魔が山奥の村に山彦としてこだました。
次回から本編の旅に戻ります。