とある夜に真の姿を見せる街、その街に輝くばかりの光を放つ城と見紛うばかりの建物に入っていく男と女の二人組、男は何かマスクのような物をかぶり筋肉質な男。
女性の方はすれ違うとほとんどの男が振り向くであろう美貌を持つレイシアである。
この二人がこの建物のなかで狂乱の宴を行うことになる。
………
「ああ、凄いわ。
まさかここまで凄いとは想像していなかったわ。
でもまだよ。
まだ空になるまでどんどんいくのよ。」
レイシアが熱のこもった口調でいうと男も
「まだまだいけまさあ。
体力の続く限りなんラウンドでもいかせて見せまさあ。」
意気揚々にレイシアに語りかけた。
「ああ…。また、いけそうだわ…」
「いっちまえ、いっちまえ」
「ああ、きたわ、最高よあなた」
いつも冷静なレイシアも燃え上がる夜であった。
こうなることになる継起について見てみたい。
遡ること10時間前………
グランバニア二階会議室
集まるのはいつものとおりのパパス、オジロン、サンチョ、パピン、そしてレイシアである。
前日パパス一向のレベル上げについて指針がきまり、今回は装備についての話である。
現在のパパスの装備はパパスの剣と王者のマントに似たものであるが、パパスが旅立とうとした時はみるも無惨な姿だった。
王が皮の腰巻きとは…従者サンチョはステテコパンツとは…現代の町をその姿で歩いたら通報→逮捕→最後の鍵が必要な牢屋行きになりそうな姿である。
まあ戦いに赴く姿でもないが、それをただそうというのである。
レイシアが会議を始めるために話だす。
「まずは、王の剣の話からです。」
というと、オジロンが反論するように発言する
「兄上の剣は名高い刀匠に鍛えられた剣であり、兄上が生まれたときに与えられた守り刀だと言われています。
それを変えるというのには賛成致しかねます。」
確かにとサンチョ、パピンも思うがレイシアはそれについてもたんたんと発言する
「確かに王の剣は守り刀です。
しかしそれが問題なのです。
守り刀は主を魔や魔物から守るためのものであり、実用性の高いものではなく飾っておくなどの用途の高いものです。
そのため攻撃力は鋼の剣を少し強くしたぐらいです。
これではいかんせん心許ないのです。
王がふりっているのを見ると、王者の剣とも見紛うこともありますが、実際はそれほど強くないのです。」
レイシアにそう言われたことによりパパスは剣を抜いてみると確かに装飾は素晴らしく一流のものであるが、攻撃力に関してはグランバニアの一階にある武器屋にあるものより低い実用性には欠けるものであった。
そこでパパスはレイシアに尋ねた
「ではとうすればよいのだ?
グランバニアの御用達の武器屋で購入するのか?」
レイシアは待ってましたとばかりに答える
「いえ。王はこの世で最強の剣を手にしてもらいます。」
その言葉を聞いてオジロンは驚いたように
「まさか伝説に詠われる天空の剣でしょうか?」
と声をあげる。
そのオジロンの発言にパパス、サンチョ、パピンは驚かされる。
伝説の勇者しか装備できないという伝説の剣の名がでたので当然であるが。
しかしそれにたいしてもレイシアは微笑みながら
「違いますよ。
天空の剣よりも強く、しかも装備するものが限られるものではありませんよ。」
と答える。
その場のレイシア以外の者は
「そのようなものがこの世に存在するのだろうか?」
と思い考えこんでいる。
そこでまたレイシアは話だす
「その剣は私がなんとか入手します。
他の装備に関してはパピン兵士長に旅人に姿を変えてエルヘブンに買いにいってもらいます。
サンチョさん、パピン兵士長、そして私の装備もあわせてです。
この世で一番の鎧、楯、兜はあの町にありますから。
ただパパス王のあの時の一件からグランバニアの者には売ってくれないでしょうから変装していってもらいます。」
パパス王はすこし顔をしかめたていた。
パピンは
「分かりました。早速行って参ります。」
といってでようとしたところでレイシアが
「待ってください。私も行きます。」
とすこし焦りながら待ったをかけた。
レイシアは続ける
「今からエルヘブンに向かうには1ヶ月いや急いでも2、3ヶ月かかります。
それではこれからの予定が延びてしまうので私が一瞬でつれていきます。」
みなレイシアを信用しているが今の発言は全くもって何をいっているんだと思っていた。
そこで疑問に思いレイシアにパパスは尋ねた
「レイシアよ何を言っているのだ。
お前のことだからなにか方法があるのだろうとは思うのだがあの遠く離れたエルヘブンまでどのようにしていくのだ?」
レイシアは爽やかに笑い
「ルーラという魔法で行きます。」
小さな胸を張りイタズラな笑みを浮かべて答える。
「ル、ルーラ?」
やはりといった感じで、みな聞いたことがない魔法名を聞き疑問符を浮かべる。
レイシアは
「ルーラという魔法は失われた空間移動魔法で、行ったことがあるところであれば思い浮かべて唱えるだけで一瞬で行けるとても便利な魔法なんですよ。
ルラフェンという町におられる魔法研究家のおじいさんに教えていただきました。」
と嬉しそうに話した。
パパス、オジロン、サンチョ、パピンはもう呆然して聞いていたが、まあレイシアならあるかもなと自分に言い聞かせ納得した。
そこで話し合いは終わりおのおの行動に移すことになった。
レイシアはパピンをつれルーラでエルヘブンへパピンはエルヘブンについたときに呆然としていたがまあすこしたてば頭のなかで整理して気を取り戻すだろうと思い「いついつまた来ます。」という書き付けをおいてそっとそのままにしてきた。
レイシアにとってはこれからが本番である。
レイシアはグランバニアの一階の居住区にやって来た。そこで
「運のよさ、運のよさ」
と呟きながら住民を見ていた。いつもであれば、人気があるレイシアは皆に話しかけられるのだが今回はは普通の雰囲気ではなかったので話しかけられることはなかった。
そうして一時間ほど眺めているとレイシアの目に一人の男が映った。
「なんという運のよさ!私が探していたのはあの男性だったのね!」
嬉しそうに口許を緩め、レイシアは呟き男に駆け寄った。
レイシアに駆け寄ってこられたことにより驚いている男にたいしてレイシアは顔を赤らめて
「私と付き合ってください。」
と唐突に言い寄った。
美しいレイシアが声をかけてくれただけでも嬉しいことなのに、まさかそのようなことを言われるとは、男はニフラムいやザキでもかけられたように昇天しそうになっている男を見て、レイシアは言葉が足りなかったと男が正気に戻ってから説明を試みる
「突然ごめんなさい。
実はパパス王の剣を得るために、運の良い人を探していたの。
あなたは別格に運の良さが高かったので思わず舞い上がってしまい…言葉足らずでごめんなさい。
時間がありましたら私と一緒にオラクルベリーのカジノに行ってほしいのですが。
時間はかかりません、アルバイト代も奮発しますからお願いします。」
レイシアに美しい顔で頼まれその上尊敬するパパス王のためならと男は二つ返事で協力することになった。
そして10時間後の現在に戻る………
「やったまた当たったわ。」
日頃のクールな表情からは想像できないような満面の笑みを浮かべ喜ぶレイシアの隣で「ラックの種」でドーピングされた男が100枚コイン台をからにする勢いで当て続けていた。