船旅も約3週間ほど経ち、パパス達の奮闘もあり、航海は順調に来ていて、予定より早く目的地に着くのではないかということであった。
ただ航海が進みごとに敵もいくぶん強くなっていた。ただしパパス達にとってはほとんど一太刀で終わる相手ばかりではあったが。
「最初は船旅もよかったが、だんだん飽きてきたぜ。」
「まあ、もう少しで着くとボルカノも言っていたから、あと少しの辛抱だ。」
「ああ~。強い奴とやりあいたいぜ。パパスどうだ。」
「おお、面白そうだ。では「やめてください。お二方が戦ったら、船はただではすみません。そんなに体を動かしたかったら、掃除でもしてください。」…すまない。」
というように暇をもて余している者もいれば、「あ~。魚が空を飛んでる。僕も空飛びたいな~。」と小さな羽を動かす者、
「坊っちゃん、海鳥が飛んでいますぞ。」
「ああ~。う~う~。」
「はい。うみどりですぞ。」
と航海を楽しむ者。
「ぎ~も~ぢ~わ~り~い~。ウプ」
と初航海に参っている者と皆様々である。
そうこうしているうちに、暇をもて余している者たちには幸いで、船員には最悪のことが起こる。
「グ、グ、グロンデプスだあ~。」
「なんだと、なぜこんなところで。」
魔物の襲来しかし、船員、ボルカノのうろたえぶりは普通ではない。
グロンデプスとは、深海竜の上位種である。深海竜でさえ、船を沈めることがあるのに、このグロンデプスは深海竜より遥かに強く、会えば必ずそこで航海の終了を告げる、死神とでも言える存在であった。しかし、目撃例はあまりないので、都市(海)伝説ではとも言われていた。その魔物が姿を現したのだからうろたえないほうがおかしかった。
「おお、やっと骨がありそうな奴がでやがったぜ。パパスよ、どちらの攻撃でコイツを倒せるか勝負しようぜ。」
「よかろう。私からいかせてもらう。」
というやいなや、グロンデプスに斬りかかるパパス、グロンデプスは巨体を船にぶつける、船が大きく揺れるためなかなか狙いが定まらず、パパスの攻撃はあたらない。そこを狙いグロンデプスはパパスを飲み込もうと襲ってくる。
「くっ。」
なんとかかわすが、かすっており、魔法の鎧がかける。その攻撃力の高さを見せるが、グロンデプスの攻撃はそれで終わることとなる。
グロンデプスはパパスに噛みつこうと首を伸ばした。それに漬け込み、バルバルーはグロンデプスの首のしたに潜り込んでいた。
「行くぜ、そして逝け。新技ギガスラッシュ。」
雷を纏った剣で軽々とグロンデプスの硬質な皮膚を貫き、前進しグロンデプスの巨体を両断する。
「うっしゃー。今回も俺の価値だ。」
「負けた。また修行のしなおしだ…。」
とバルバルーとパパスがやり取りしているなか、船員たちはまたもや驚愕の表情で凍りついている。
「あんたら本当に普通じゃないな。こりゃあ世界が平和になるのも近いかもな。」
船員はまだ誰も立ち直れていないが、さすがは船長、ボルカノはパパス達の強さに素直に感心している。
その戦いが今回の航海の最後の戦いになった。航海最後の晩は、グロンデプス料理で締めくくった。(スタッフがおいしくいただきました。である。)
「やっと陸地ですか。」
大陸について一番喜んでいたのはパピンであり、プオーンは名残惜しそうであった。
「ここから北に進んだ所に天空の塔があります。目的の塔はかなり高いために早くに見つけられるとは思いますが、到達するにはかなりの時間を要すると思います。気をつけて行きましょう。
レイシアの言う通り、少し歩いただけで目的の天空の塔を見つけることができたが、たどり着くまでに約1日、初の野宿をしながらいくことになった。魔物が全く出なかったのは、レイシアのトヘロスが効いていたからだということは、誰も知らなかった。
『………。』
誰もが言葉を失っていた。なぜか、天空の塔があまりにも高すぎるからだった。デモンズタワーを生で見たパパスや、登ったレイシアでさえも言葉を失っていた。
「……。行きましょうか?」
「ああそうだな。」
魔物以上に厳しい戦いになるのは容易に想像できた。
「中も広いですね。もうめげそうです。」
「陸にあがれたのですから、頑張りましょう。」
ヘタレかけているパピンをレイシアが励ます。「おい、皆来てくれ。」
周りを警戒しながら先を歩いているパパスが皆を呼ぶ。皆がたどり着くと凄まじい光景が広がっていた。
魔物の死体がそこら中に散らばっている。体がバラバラの魔物、穴だらけの魔物、焼け焦げた魔物という凄惨な光景であった。
「こ、これは…。」
「ああ、私たち以外にも何かがいるということだ。それもかなりの手練れが、ゲマの差し金かもしれん。気をつけていくぞ。」
『はい。』
魔物がかなり殺されていたために、ほとんど遭遇することなく登ることができた。
「皆さん、あちらを見てください。何者かが戦っています。」
皆が目を凝らして見ると、確かに何者かが戦っていた。以前戦ったジャミという馬の魔物の色ちがいと、なんとバーデンのような姿のオッサンである。
「助けなくては。」
「いや待て、少し様子を見よう。危なくなったらすぐに出ていけばいい。」
サンチョが呼び掛けると、パパスがそう制した。
「ウガー。」
ケンタラウスが太い前足で突きを繰り出す。
「ほう。なかなかの突きだ。しかし、まだまだですな。」
オッサンは余裕をもってかわす。
「足下がお留守ですよ。」
オッサンが足払いを繰り出す。ケンタラウスはまともに受け倒れる、そこに流れるような動きから拳を繰り出そうとして…こける。拳ではなく強力な頭突きを繰り出す。「あら~」ドガ、「ウゲ。」
なんとも間抜けな終わりであったが、オッサンが勝利を収めていた。
グロンデプスは青年後期に出る魔物ですが、パパスというかバルバルーの強さを示すために出させてもらいました。
あと、今回最後に出たオッサンはそうです、何年間もトロッコに乗っていたあの人です。