どこかの城の玉座の間
「報告いたします。天空の塔に何者かが侵入したもようです。天空の塔との接続は断ったほうがよいでしょうか。」
「よい。そのままにしておけ。」
報告をした魔物に対し、大きな玉座に座る男が愉快そうに指示する。魔物は男の指示に分かりましたとだけ言い玉座の間を去っていった。
「あいつの言っていた通りになったな。あいつは信用できんが、あいつの情報はどうやら信じても良さそうだな。久しぶりに腕がなる。」
と一人言を呟き、侵入者が来るのを心待ちにしているようであった。
天空の塔
「あの者は何者であろう。興味はあるが、話掛けてもいいものだろうか。」
「いいんじゃねえか。かなり胡散臭い感じはするが、ただ者じゃねえことは確かだ。知り合って置いて損はねえ。例えそれが剣を交えることになってもな。」
「あのぉ…。」パパスの問いかけに対し、バルバルーが独自の考え方を話すと、誰かが話掛けてくる声が聞こえた。
「こんにちは。」
『!!!』
パパス達が振り返ると先程までケンタウラスとかなり離れたところで戦っていたはずのオッサンが目の前に立って挨拶をしてきていた。
(いつの間に私達の後ろに!)
(コイツただのオヤジじゃねえ。)
(警戒は絶やしていなかったのに。)
前衛に立つパパス、バルバルー、パピンは驚き戸惑っていたが、唯一戸惑っていずに、純粋なプオーンが話かける
「こんにちは。僕はプオーンと言います。そしてこちらからパパスさん、バルバルーさん、パピンさん、レイシアさん、サンチョさんにリュカ君です。」
「これはこれは丁寧に、私はプサンと言います。皆さんはなぜこの塔に?」
落ち着きを取り戻したパパスがプオーンに感謝しながら、話を引き受ける
「こちらもあなたにその疑問を持ちましたが、こちらから答えさせてもらうと、事情は話せないが、この塔の頂上に行く目的があって登っている。ではあなたはなぜ?」
「私はこの塔の頂上から見た景色は絶景だろうなと思いまして。」
プサンは違和感なくそう答えたが、プオーンは「いい景色だろうな。」と本心から言っているが、他は誰も信じてはいない。「もう一つお聞きしたいんだが。」
「なんでしょう?」
「下の階に転がっていた魔物はあなたが全てしたことですか?」
「いえ、あんな恐ろしいこと、か弱い私ができるはずないじゃないですか。」「そういうことにしておきましょう。」
話せば話すほど胡散臭さが増すプサンであり。誰もが早く離れたいと思っていた。あのバルバルーまでもがである。
パパスもどのように話を切り上げプサンと別れようかと思案しているうちに、プサンから絶望的な言葉がでた。
「どうやら私達の目的地は同じようなので、袖すり合うも多生の縁といいます。また一人では、心細かったんですよ。ともに頂上に行きませんか。」
はい
→いいえ
パパスは勇気を持って断りを入れた。
「私をここに置き去りにするのですか、酷い、そんなことしませんよね。一緒に行きましょうよ。」
はい
→いいえ
「そんなこと言わないで、一緒に行きましょうよ。」
はい
→いいえ
「そんなこと………………………………………ドラクエ恒例の無限ループ、パパスは耐えられなくなり、
「分かりました。共に行きましょう。」
と答えるしかなかった。
皆が大きな溜め息を吐くなかで、いつもなら話をまとめるはずのレイシアがまだ一言も声を出していないことにパパスは気付き、レイシアを見てみると、レイシアはいるのだか、装備が「知力の兜→鉄仮面」に変わっており顔を見ることができなかった。まあなにか理由があってのことだろうと思いそっとしておくことにした。
プサンが仲間入りしてからはプサンが一人で絶え間なく話をしている状態であり、そのプサンの相手をプオーンが喜んでしていたので、今日ほどプオーンを心強く思った日はないほどであった。またどういうことか全く戦闘には加わることはなかった。
「魔物が来るぞ。バルバルー、パピン行くぞ。」
『おう。』
「頑張ってください」
(コイツは)魔物はガーゴイルやゴーレム、スライムベホマズンなどでパパス達の敵ではなかったが、戦いの中でプサンを見極めようと思っていたパパス達にしてみれば、宛が外れ、ただ単に腹がたつだけであった。ただいいこともあり、皆が黙々と歩きどんどん進むことによって予想以上に塔の消化率が良かったことはいうまでもないことであった。
ゲーム上では娘以外には受け入れられていたプサンですが、この物語ではプオーン以外には警戒されているようにしました。ゲームでもそうですが絶対に怪しい感じが漂っていましたからね。