天空城の玉座の間は、それまでの戦いと、だめ押しのジゴスパークとメラガイアーで荒れ果てた状態になっている。
「なぜ、私はなんともないんだ。」
巨大な熱量をもったメラガイアーが迫っており、しかも動けないことから、パパスは死を間近に感じ、観念し潔く受け入れようとしていた。目を閉じていたが、メラガイアーの熱が近づいて来ているのはわかっていたが、それに飲み込まれることはいつまでたってもなかった。そして、今目を開けてどういうことか理解できた。目の前に黒焦げになった男がパパスの前に仁王立ちをした状態であった。
「どうして、私を庇ったのだデュランよ。もともと敵同士だったではないか。」
「さあ、なぜ…だろう…な。気がついた…らパパスお前の…前に立ち、メラガイアーか…らお前を守っ…ていた。まあ考…えるに、ゲマ…の思い通り…にしたくない…ことと、私に最…高の時間…を与えてくれた…ことに対する恩…義かもしれ…んな。」
パパスの問いかけに対し、ぽつりぽつりと苦しげに話す。
「レイシア頼む、我が恩人デュランを助けてやってくれ。」
「わかり―「いや…いい。私は…以前に一回…死んで…いる。そんな…私…が今回…もう全く思い残…すことのない…ほどの至福の…時間を味わう…ことができた。もう生に…しがみつくことも…ない。」そんな。」
デュランはパパスのレイシアに対する要望を断る。
「もし、転…生すること…ができたら、また…お前と剣を…交えたい…もん…だ。」
とデュランが最後に呟き息を引き取った。
ただデュランの顔には満足したかのような笑顔が浮かんでいた。
「クソッ、クソッ、クソッ、なんでこんなことになった。デュランよ。お前の敵は必ず私が討つ。待っていてくれ。」
パパスが涙を流しながらゲマを討つことを再度ここで誓った。
「パパスさんは落ち着きましたか?」
「はい。だいぶ落ち着いてきました。ところで、この天空城は動かすことはできましたか?」
「それはよかった。天空城のことなら大丈夫です。玉座の間はたいへんなことになっていますが、動かすことには支障はありませんよ。」
「そうですか。それはよかった。なら申し訳ないんですが、明日に向かってほしいところがありまして。」
「ゲマを倒しに行くんですか。」
「はい、聞きたいこともありまして。」
「ええ、分かりました。あと私も少ししてもらいたいことがあるんですが。」「はい、私達でできることなら。」
「よかった。では――――」
激闘が終わったあとで、プサンとレイシアが二人で話を進めていた。仲間たちはパパスを心配していたが、パパスが一人になりたいということで、各々個室を宛がわれ体を休めていた。
まあ、この場にいて、二人の話を聞いていても、ほとんど理解できない話であった。
次の日
「皆昨日は心配をかけて悪かった。もう大丈夫だ。」
パパスは皆に詫びたが、誰一人として攻める者はいず、誰もが痛々しいつくり笑顔を浮かべるパパスを不憫に思ったが、声に出すことはなかった。
「ええと。これからのことなんですが。」
レイシアが、空気を変えるために、話を本題に移行した。
「ああ、進めてくれ。」
「はい。これからプサンさんにお願いし、天空城をボブルの塔まで動かしてもらえることになりました。」
『動かして?』
皆レイシアが言った、城を動かすという部分に首をかしげる。
「たしかに、分かりづらいと思います。簡単に言えば、この城は空を浮かんで移動することができるということです。」
『!!!』
皆一様に目を丸め驚きを隠せないでいる。
「信じられないと思いますが、この城は飛べるのです。それについては後程実感してもらうとして、これからボブルの塔、つまりゲマのところに向かうことになります。」
レイシアがゲマという言葉をだした瞬間空気がピリピリとした物に変わった。「ただこの天空城の飛行スピードはあまり早くはないために、目的地までは少し時間がかかりますので、皆さんは体を休めてもいいですし、準備をしてもいいので、自由にしてください。私も色々と準備があるので少しお暇をいただきます。」
「うむ分かった。では解散とする。」
パパスは場を締めくくった。
「バルバルーよ少し付き合ってくれ。」
「ああ、分かった。」
ボブルの塔の一室
「まさか、デュランが盾になるとは。まあ情報が漏れることもなく、裏切り者も始末できたのでよしとしましょう。ただこれからあの者達もここにやってくるでしょうから、体の回復と出迎えの準備をしないといけませんね。」
ゲマは、いつもの人を不快にさせる笑いは出さずに、珍しく焦りをみせ、部下達を召集した。