「では会議を始める。」
天空城の一室で重苦しい空気が漂うなか、大事な会議が始まろうとしていた。集められたのはレイシア、バルバルー、パピン、サンチョ、プオーンである。そして、肝心の議題は〈最後の鍵を使って何をするか〉である。
この最後の鍵は、世界中のあらゆる鍵を開けることができるという、規格外の鍵である。
「パパス様、このような鍵ですることは一つだと思います。各国の宝物庫「犯罪はいけません。」――」
パピンが言おうとしていたことを先読みし、口を挟み中断させる。
「おいおい、パピンの言うこともしてもいいんじゃねえか?」
「戦争になりますよ。」
「昔俺が見た勇者一向は平然としてたじゃねえか。」
バルバルーはにやりと微笑を浮かべレイシアを見る。
「確かに文献にもあるように、勇者様はそのようなことをしたと書いてありますが、それは勇者様だからこそ許されることです。」
「魔王を討伐を目指しているから許されるというなら、俺達も許されるんじゃねえか?」
今回の討論は明らかにバルバルーのほうが優勢であった。
「しかし、王族が盗みをするというのは、見つかった瞬間国同士の問題になります。」
「消え去り草を使えばいいだろ。」
「しかし…。」
「なにか。」
「……。」グスッ
レイシアはバルバルーに言い負かされ何も言えなくなり、目のはしに涙がたまっている。
「まあ、バルバルーそこまでにしとけ。」
「ハハハ、ああ。普段強気な女は言い負かされたらどうなるのか見たくてな。」
「もう。」
「まあ、盗みはなしにして、私には一つ試したいことがある。レイシア悪いがグランバニアに連れていってくれ。」
「分かりました。」
ということで、パパス達はグランバニアに帰ってきた。事前連絡のない急の帰還であったので出迎えもない。「ついて来てくれ。」
とだけパパスが言うと歩いていく。皆はパパスについていく。パパスの後についていくと、隠し部屋のようなところに着いた。その部屋のなかには牢獄があり、その牢獄の中に宝箱がおいてある。
「パパス様これは?」
「私がずっと気になっていた物だ。隠し部屋のような所に、厳重に守られた宝箱。国の宝だと思うんだがあの厳重な牢獄を開けられなくてな。」
「僕も何がはいっているのか見てみたいな。はいパパスさん。これで開けてみてください。」
パパスはプオーンから最後の鍵を受け取り、牢獄に使ってみる。牢獄の鍵はガシャンと音をたて解錠される。「よし開いたぞ。あとは宝箱だけだ。」
プオーンはもちろんのこと、レイシア、バルバルー、パピン、サンチョも少なからずワクワクしていた。
「あれ?パパス様、隣に石板がありますぞ。」サンチョが宝箱の隣にある石板を見つけ皆にその旨を言う。
「本当ですね。どれどれ『この宝箱を始めに開けることができたものにこれを授ける。この中には人を狂わせる程の力を持つ女性専用の防具が入っている。手に入れた者はその力を試すべくすぐに着用すべし。さもなくば…。』何でしょうね、この思わせ振りな石板は。」
「まあ分かったのは、この宝箱の中の装備は魔界に行くのにも十分な戦力になり、レイシアしか装備できないということだな。」
「なんか嫌な予感が…。」
レイシアは呟くが誰もが宝箱の中身が気になり聞いてはいなかった。
キイと音をたてて宝箱が開けられる。
皆が一斉に覗きこむ。
『………これは……。』
「見えないよお。レイシアお姉さん。」
「見ちゃダメです。」
宝箱の中身を見た者達は一様に、グランバニアの行く末は大丈夫なのだろうかと思わざるをえなかった。
宝箱の中身はドラクエ恒例のエッチな下着であった。
ゴクリと誰か(パピンしかいないが)が唾を飲む音が静まり返った部屋にこだまする。
「まさか私にこれを着ろとはいいませんよね。」
怒気混じりのレイシアの声が部屋に響く。
レイシアは着用するきは更々ない。
しかし、このドラクエの世界はそのような意思をも簡単に越えて、人を操る意思というものがあった。
装備
賢者のローブ
→エッチな下着
なにかの意思が作用した。その瞬間レイシアの装備が変更される。そして時間が止まる。
『!!!』
「ふぇっ!?いやあー。」
レイシアは走り逃げていった。バルバルーとプオーン以外の男達は鼻血を流し意識を手放していた。
その事件があったのちしばらくの間レイシアは部屋に籠って出てくることはなかった。
天の岩宿のようであった。