ドラゴンクエストⅤ パパスと優秀な軍師   作:寅好き

51 / 70
吹き荒れる魔法の嵐、その時イブールは

「メイルストロム!」

何処からともなく現れた巨大な水柱がイブールに襲い掛かる、しかしイブールは焦る様子もなく水柱を一瞬で氷柱に変える、それを余裕綽々の様子で見ていたイブールに火球が迫る、

「目眩ましです。

さあこのメラゾーマはどう避けますか?」

笑顔のレイシアがイブールを試すように問い掛ける、されどイブールはそれにも動ずることはない。

冷静にメラゾーマを見据え、手に持つ杖で打ち返した。

「マホカンタは使わないのですか?」

打ち返されたメラゾーマが天井を貫いて空に昇っていくのを見届けた後に、レイシアは問い掛ける。

「お前にとってマホカンタを消すなど容易いことだと分かったからな。

魔力(MP)を無駄にしないためだ。」

丁寧にイブールは返すが続きがあった。

「まあ、あれぐらいの魔法ならばマホカンタは必要はないがな。」

イブールの挑発じみた発言にレイシアはどす黒い魔力を発散させながら呟いた。

「手加減は終わりです。」

レイシアは自分の魔法が一番であるとい自負はしていない。

目の前で遥かに段違いの魔法をカカロン等に見せられているためだ。

しかし、そんなレイシアであっても長い年月鍛練を欠かさず鍛え上げてきた魔法を馬鹿にされるのだけは耐え難かった。

しかも、たかだかワニの魔物に…ということで怒りが沸き起こったのだ。

「メラガイアー!」

メラ系最上級の魔法を容赦なく放つ。

「さあ、どうですか?

ゲマも使いましたが、私のこれは同等以上ですよ。」

「ここまでの魔法を使えるとは。

だがこの魔法は威力は高いが、効果範囲は狭い。」

イブールは法衣を翻して小太陽とも形容できるメラガイアーを颯爽と避けて見せた。

その動きは、魔法を主力に戦うものとは思えない姿である。

「くっ」

今までに見せたことのない怒りを含んだ表情でそのレイシアは唇を噛んだ。

「こうなったら、メラガイアー!メラガイアー!メラガイアー!」

下手な鉄砲も数打ちゃ当たるとでもいうかのようにメラガイアーを連発する。

しかし、イブールはそれさえも余裕の笑みを浮かべて避け続ける。

怒りに囚われたレイシアは打ち続けたが、当たることはなかった。

「はあはあ、メラガイアー!」

息切れしながらも魔法を唱えるが、もう既にメラほどの火球さえも出ることはなかった。

「魔力が枯渇しましたか。

人間にしてはよくここまで頑張りましたね。

ここであなたを殺すのは惜しい。

どうですか、我が『光の教団』に入ってみませんか?」

イブールは提案と同時に豪華に表装された厚い本をレイシアの元に転移させる。

『イブールの本』

通常価格3000ゴールドのイブールが著者の本である。

「馬鹿にしないで、私はマーサ様以外に使える気はない!」

イブールの行動を挑発ととったのか、更に怒りを顕にし拒絶の意を現す。

再度魔法を唱えようとしたときだった。

「頭を冷やせレイシア。

いつもの冷静なお前になれ。

マーサもそんなお前を信頼していたんだぞ!」

崩れた瓦礫が散らばる部屋の片隅からレイシアに声が掛けられた。

「パパス様……、そうでしたね私としたことがついカッとなってしまいました。

冷静にならなくては。」

パパスの渇によって冷静さを取り戻したレイシアは瓶を袋から取りだし飲みほす。

『エルフの飲み薬』

以前カジノの景品で購入していたものである。

その道具の効力で魔力を再び最大値まで回復させた。

(さて、あのイブールは口だけではなく、今までの相手より遥かに強く、動きが速い。

だからと言って、『ボミオス』なども高い魔法耐性から通用しないだろうし…。

そうかこの移動できる空間を制限すれば!)

レイシアはイブールに向き直ると、

「マヒャデドス!」

魔法を唱える。

ヒャド系最上級の魔法である。

一瞬で部屋中の気温が冷却され至る所が白く氷つく、そこからが本番とばかりに上空から巨大な氷塊、や氷柱が容赦なく降り注ぐ。

マヒャデドス事態が広範囲魔法であるためである。

「なんとか避けきって見せるぞ…なに!?」

降り注ぐ氷柱をイブールは避けようとするが、床に接していた足が張り付き身動きが取れない状況に陥っていた。

「しまっ……」

イブールは降り注ぐ氷柱に飲み込まれた。

その様をレイシアは冷静に見ていたが戦闘体制は依然として解いてはいなかった。

(イブールの魔法耐性から考えるとまだ生きているはず、ならば虫の息になり、抵抗できなくなるぐらいにまで削らなくては。)

部屋の中心辺りの氷の塊が砕け散り、イブールがそこから這い出す。

「なかなかの威力だがま……なに!?」

氷のなかから這い出したイブールを待っていたのはそれまでの低温地獄とは対極に位置するものであった。

網膜を焼き尽くすのではないかとも思えるほどの閃光と同時に、この地球では存在し得ないほどの高熱がイブールに襲い掛かる。

レイシアが唱えた『ギラグレイト』ギラ系最上級魔法が炸裂したのだった。

その場にいる全ての者がもうイブールは戦うことはできないだろうと思っていた。

しかし、全身を黒く焦がしながらもイブールは立ち上がった。

「はあはあ…見事だ…お前達ならば…魔界へ行っても…大丈夫だろう…。

だが、あの方は…こんなものではない…。

わしの最後の魔法を…受けきって見せよ…。さすれば、魔界への道を開いてやろう…。

刮目せよ、イオグランデ!!」その瞬間、神殿だけでなく、神殿があったその岩山さえも消し飛んでいた。

 

おまけ

「パパス様見事でございました。」

パピンがレイシアを立ち直らせた渇について称賛していた。

「当然のことをしたまでだ。

仲間が過った道を進もうとしたら止めなくてはならん。」

「さすがでございます。」

パパスはいい放ち、パピンは更に称賛していたが、内実は(あれ以上魔法を乱射されたらこちらの命が危ない、なんとかせねば)

という思いからでた行動であった。

そして、それまでのメラガイアー連発の壮絶さからその場にいた仲間達は皆恐怖に身がすくんだ状態であった。




なんで最上級魔法は全て名前がカッコ悪いんでしょうか?上級魔法はメラゾーマとか全てカッコイイのに。
最上級魔法では強いて上げても私はマヒャデドスぐらいしかいいとは思えません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。