ドラゴンクエストⅤ パパスと優秀な軍師   作:寅好き

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遂に捕らえたマーサの影

辺りに金属と金属のぶつかり合う音が何度も繰り返し響きわたる。

「クッ、なんて硬さだ!」

幾度となくパパス、バルバルー、パピンはメカバーンに剣で切りつけているが、装甲の硬さに手を焼いていた。

 メカバーンもメタルドラゴンとさほど変わらない攻撃パターンなので、巨体であり攻撃範囲はメタルドラゴン以上にあるが、避けるのには苦労はしていなかった。

「どうしたもんか、このメタルキングの剣ですら浅く切り裂くしかできないとは…」

「ああ、装甲が浅い筈の間接部分ですら切り裂けねぇ。どうするパパス?」

苦々しげに話すパパスにバルバルーも悔しそうにやって来て管を巻く。

「多分ですが、あの魔物はオリハルコンでできています」

「オリハルコン!!」

「僕の牙と同じもの!?」

レイシアの言うオリハルコンという単語に驚く皆。

オリハルコンとは神から与えられし金属や、遥か昔大魔王を倒す為に勇者が使った剣もオリハルコンを元に作られていたという伝説的な金属であった。

 プオーンが今所持しているオリハルコンの牙を見るまで、皆も全く知らなかったものである。

「メタルキングの剣とほぼ同等の硬さがあるはずですから、攻撃力をあげる必要があります。私が一人一人にバイキルトをかけるので、その間誰か敵を引き付けていてくれませんか」

レイシアが言った【攻撃力をあげる】と【バイキルト】という単語に反応を示す者がいた。

(私がやらずに誰がやりましょうか!)

 バルバルーが前に出て敵を引き付けようとした時だった。

 後方から、力がみなぎり、勇気付けるようなドラムの音が鳴り響いた。

「なんだこの音は、体の底から力が引き出されるようだ。それに剣も何か特殊な力に包まれているようだ!!」

「今ですぞパパス様、バルバルー殿、パピン殿。私がこのドラムを叩いているうちにやつを倒してください!!」

声のする方を見ると、サンチョが一風変わったドラムを叩いている。

 少し面食らった感じはするが今が好機と皆がメカバーンに向かって走り出した。

 依然として変わらない単調な攻撃を難なくかわしながら、返す刃で切りつける。

「切れるぞ!!」

先ほどまで浅くまた擦り傷程度にしか切れなかった装甲が豆腐を切るかのように容易く切り裂けたのだ。

 足の太さだけでも直径三メートルほどあり一太刀では断ち切れないが、他の三本の足にも皆が切りつけることにより、メカバーンの四肢はその切れ目からその巨体の重さ故に崩れ落ちる。

「オラッ、終わりにするぜ魔神切り!!」

地面をおもいっきり蹴り飛び上がったバルバルーはメカバーンの頭めがけて地獄のサーベルを全力で降り下ろした。

 バルバルーの地獄のサーベルもメカバーンの装甲を難なく切り裂く。

 頭の先から幹竹割りのように真っ二つにされ、バルバルーが着地し、地獄のサーベルについたオイルを払い、背の鞘に戻すと同時にメカバーンは爆発し、姿を消した。

「サンチョそのドラムはどうしたんだ?」

パパスは皆を労った後にサンチョに尋ねる。

パパスには見覚えがないドラムであったからだ。

「このドラムは顔がいくつもある不気味な敵が持っていた物なんですが、何か不思議な力を感じたので、悪いと思いながらも拝借しまして」

サンチョは苦笑いをうかべ、頭を掻きながらパパスに答える。

「いや、今回はサンチョのお陰で助かった。礼を言う。ありがとうサンチョ」

「滅相もありません。頭をあげてください」

とそんなこんなでエビルスピリッツから掠め取った戦いのドラムによってパパスはまた一歩先に進めるようになった。

 メカバーンが塞いでいた先には大きな扉が聳えたっていた。

 パパスが両手で力を入れて押すと、重厚な音をたてて扉が開かれた。

 そして、その先の光景に皆は息を飲んだ。

 その光景とは、今までの城の中のような人の手の入ったものではなく、土の地面で、細い道があり、その両端はきりたった崖となり底無しの闇に包まれている。

 そうエビルマウンテンの山頂に出たのだ。

 見晴らしのよくなった場所であり、先を目を凝らしてみると、なにやら祭壇のようなものが、うっすらとだが目視することができる。

 そして、その祭壇には、美しくも優しい全てを照らすかのような光が見てとれた。

「あ、あの光はマーサ様では!!」

「ああ、間違いない。あれこそ夢にまで見た我が最愛の妻、マーサだ!!今いくぞマーサーー!!」

レイシアとパパスは細く危険な道であることも構わず走り出した。

 走って、走って、走り続けた。

 そしてついに祭壇まであと一歩のところまでたどり着いた時であった。

 パパスとレイシアの前に空から何者かが舞い降りてきた。

「ミルドラースサマノタメニオマエタチヲココデコロス!!」

舞い降りてきた魔物は上半身は人間のようでまた下半身は獣のようであった。

青い肌を持ち、顔はオッサンのようでありながらも、角を持ち、下半身は濃く青い体毛を持ち、足に蹄を持つ魔物、地獄の闘士ヘルバトラーが道を塞いだのだった。

 




もう物語ではオリハルコンの牙を出していますし、ゲマはお亡くなりになってしまったので、ここでヘルバトラーを出すこととあいなりました。
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