魔法少女リリカルなのは〜夜天に浮かぶ月〜   作:すこすこノ助

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文字数増えてきたんで慌てて加筆する事も無くなりました。
どこかで主人公設定入れたいなぁ



第10話 告白

エレナは自宅のベッドで眠る息子の手を取り心配そうに見つめていた。

 

士郎からカイトが倒れたとの知らせを受け職場に無理を言って早退させてもらった。

幸い理解のある職場だった為、同僚には若干急かされて病院に向かった。

病院に着くと医者から命に別状は無いし、何かの病気でも無く、ただ単に気を失っただけと説明されてホッと胸を撫で下ろした。

 

士郎からは散々頭を下げられたが、エレナにとって剣術の稽古中の気絶は日常茶飯事なので、気にしないでくださいと伝えている。

 

ただ、稽古中の気絶は日常茶飯事でも十分くらいすれば自然と目が覚めるので、いつもは放っておくのだが今回は二時間近く眠っているので流石に心配しているエレナだった。

 

「う…うーん…あれ?母さん?」

「カイト!目が覚めたのね!」

「えーと…僕の部屋…?あ!そうか…僕、気を失ってたんだ」

「もう!心配したのよ?こんなに長く気絶してた事なんて初めてだから…」

 

目を覚ましたカイトは母がいる事に少し疑問を感じたが記憶を手繰り寄せ状況を整理した後落ち着き心配をかけた事をエレナに謝った。

 

「一体何があったの?」

「えーとね…よく分からないんだけど…」

 

カイトは先程起こった出来事を話し出す。

士郎に戦う心構えを問われた事

殺気を受けて動けなくなった事

誰も守れないと言われた事

心の中で嫌だと叫んだ事

胸の辺りが熱くなった事

体の中に何かが流れ込んでくる感覚があった事

頭の中に聞こえてきた声の事

急に体が軽くなりいつも以上の動きができた事

士郎に一撃入れた事

 

「そう…カイト?聞いてもいい?声が聞こえたのね?何て言ってたの?」

「えーと、魔力とか術式とか言ってたよ?何の事かよく分からなかった」

「なるほど、そうゆう事ね。」

「え?母さん分かるの?」

 

長く話していたがエレナが気になったのは頭の中に聞こえた声の事だった。

カイトが詳細を話すとエレナは納得した表情を浮かべた。

 

「その言葉は良く知ってるわ…」

「ホントに!?何なの魔力って!?」

「説明は後。その前に確認しとかないとね?」

「え?確認?」

 

知っていると言われてカイトは驚き知的好奇心のまま質問するが、またもや良く分からない状況にカイトは困惑した。

 

エレナを見ると先程まで面と向かって話していたエレナの視線がカイトの胸の辺りに向かっているのを見てカイトも自分の胸の辺りを見る。

そこには家の鍵と三日月型の綺麗な黄色の石があった。

 

「あなたも起きているんでしょ?」

「へ?母さん?」

 

《…お久しぶりです。エレナ様》

 

「うわーっ!何?今の声!」

 

自宅の部屋の中にはカイトとエレナの二人しかいないはずなのに、あたかももう一人いる様に話す母に一瞬思考が追いつかなくなるが、母の問いに答える様に聞こえてきた機械音声の様な女性の声にカイトは驚愕する。

エレナはその様子を見て意地悪そうな笑顔を見せた後、エレナは謎の音声と会話を続ける。

その様子に完全に言葉を失うカイトだったが音声の発生源が三日月型の石からだと分かるとさらに驚愕した表情になった。

 

「…喋る石だ。」

「あはは、違うわよ。それは石じゃなくてデバイスよ。」

「デバイス?」

 

カイトがトンチンカンな感想を漏らすとエレナは笑いながら石を指差し正式名称らしき物を口にした。

デバイスというのはコンピュータのハードウェアや電子機器の事だと理解していたカイトにとって、どう見てもただの石しか見えない物体を再度見て不思議そうな顔をエレナに向ける。

 

「そうね。じゃあ、順を追って説明するわね。」

《私もその方がいいと思われます》

 

デバイスの音声にも促されエレナは話し出す。

その告白はこの世界では今まで()()()()()知らなかった秘密。

 

「私はね…魔法使いなのよ!」

「はぁ!?母さん何言ってるの?」

《…エレナ様それは唐突過ぎます》

「いいから聞きなさいっ!」

「えぇー…」

 

話の一発目から待ったをかけるカイトとデバイスに対してエレナは間髪入れずに黙って聞く様に言い放ち、カイトは若干不満があったものの母の勢いに負けて黙って話を聞く事にした。

 

エレナの話は衝撃的だった。

地球とは別に沢山の次元世界があるという話から始まり、エレナの故郷は外国ではなく数ある次元世界の中にあるミッドチルダの首都クラナガンという所だという事。

そしてミッドチルダでは高度な文明と魔法文化が盛んで数多くの人間が魔法を使えるという事。

魔法を使うには魔力が必要で、魔力は体内にあるリンカーコアという器官で精製されるという事。

魔法を使う時にはデバイスに補助してもらう事が一般的で、デバイスはそれ以外でも様々な場面でサポートしてくれる相棒の様な物だという事。

 

「さっきカイトの身に起きた事はリンカーコアが覚醒して魔力が溢れ出し魔力を感知したデバイスが起動してカイトを補助したって訳ね!」と付け加えさらにエレナは話を続けた。

 

魔法が使える人は魔導師と呼ばれ、その魔法の力を使って犯罪者を取り締まる次元世界の平和と秩序を守る時空管理局という組織があるという事。

そして結婚する前はその時空管理局に勤めており、次元航空鑑に配備される武装隊の一員だったという事。

 

「えぇっと…つまり母さんは魔導師で僕にも魔力があって、母さんは昔悪い人達を取り締まる警察みたいな所で働いていたって事?」

「流石カイトね!理解が早い!」

「う、うん…話は理解したけど信じられないよ…」

「じゃあ、論より証拠ね!ちょっと見てなさい!」

 

カイトは目を疑った。

目の前でエレナの立っている場所から円状の何かが現れるとエレナの体が宙に浮いたのだ。

そして宙に浮いたまま腕を前に出し、人差し指を立てて目を閉じると指の先に黄色の球体が現れた。

人差し指を降ろすと黄色の球体は指から離れカイトの周りを飛び回った。

カイトが触れようと手を伸ばすが、黄色の球体はまるで意思を持っているが如く動き回りカイトの手から逃れていった。

 

「ハァハァ…や、やっぱり久しぶりな上にデバイス無しだとキツイわね…」

「母さん…凄い!凄いよ!」

 

先程の話を粗方理解はしたが信じられなかったカイトは目の前で起こる摩訶不思議な出来事を目撃し信じざるを得なかった。

そしてカイトは知的好奇心の旺盛さが全面に出た様子で興奮し、黄色の球体を消し宙から降りてきたエレナに笑顔で駆け寄った。

 

「母さん!僕にも魔法教えてよ!」

「言うと思ったわ…」

 

満面の笑みのカイトを見て、カイトが次に言う事をエレナはこれまで息子を育ててきた経験から正確に予測できており、その予測と全く同じ言葉に呆れていた。

 




というわけで母親は元魔導師でした。
あと2話で第1章終了です。
ストック作る為に第2章の投稿少し間を開けるか考え中です。
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