第2章突入!
第1話 ミッドチルダ
「母さん!起きて!遅刻するよ!」
少しブルーがかった瞳に以前よりちょっとだけ長くなった黒髪を全部後ろに流している少年『
ミッドチルダに移住して三年が経ち、母エレナは時空管理局に内勤として復帰、カイトは嘱託魔導師の資格を取って管理局に協力している。
「ふわぁ…おはようカイト」
「おはよう。さっさと朝ご飯食べないと遅刻しちゃうよ?」
「あら?今日は局に行くの?」
「うん。この前依頼された任務の事後処理手伝ってくるよ」
エレナは管理局の制服の上にエプロンを着けたカイトを見て、制服が似合う様になってきたなと思いながら朝食を口に運ぶ。
嘱託魔導師のカイトは依頼があれば出撃し部隊に協力する。
協力した後は報告書を提出して終わりなのだが、カイトはその後も部隊に顔を出して事務仕事を手伝っている。
「その後はどうするの?」
「相手がいれば模擬戦やって、その後は無限書庫!」
無限書庫は管理局の本局にあり、数ある管理世界のほぼ全ての情報が集まっており探せば必ず情報が出てくると言われている場所であるが、情報は随時更新されているので整理が追いつかず一度迷えば遭難してしまうとの噂もある為、カイトは入口付近での情報収集に留めている。
「今は何を調べてるの?」
「古代ベルカの歴史!ほら、俺って近代ベルカ式でしょ?だからベルカって何だろう?って思ったら止まらなくなって…」
カイトがミッドに来て正式な魔力適正検査を受けたところ、魔力量もそれほど多くなく射砲撃の適正もあまりなかった代わりに身体強化や魔力付与の適正が高いので、ミッド式ではなく近年研究が進められている近代ベルカ式の術式を学ぶ事になった。
《エレナ様。そろそろ出発しないと遅刻してしまいます》
「え!?うわ本当だ!ありがとう
《マスターの言う通りです。急いでください。エレナ様はもう少し時間に余裕を持つべきです》
「
『
エレナが地球に来た時にデータを初期化し色々な機能をオミットしたので、ほぼデバイスコアのみという状態だった。
それをそのままカイトが譲り受けミッドに来てから正式にマスター登録した。
以前は家の鍵に付けていたが、現在はネックレスにして首から下げている。
《今の私はマスターのデバイスです。エレナ様は早く子離れするべきです》
「あら?随分な言い草じゃない…」
《エレナ様はマスターに甘え過ぎだと思います》
「自分の子供に甘えちゃいけないのかしら?」
(また始まった…)
カイトがマスター登録してから毎日こんな感じで二人は口論している。
最初の方は止めていたが止めても終わらないので最近は口を挟まない様にしている。
《今日も朝食を作ってもらった上に起こしてもらうなんて普通は逆ではありませんか?》
「うぐっ!そ、それは…」
「月下?それは俺が好きでやってる事だよ。母さんも早く行かないと遅刻しちゃうよ?」
「そ、そうね…じゃあ先行くわね!カイト?お昼一緒に食べましょうね!行ってきます」
ドタドタと家を出て行く母を見て笑顔で見送るとカイトは、ふぅと溜息をつき朝食の後片付けを始める。
《マスター申し訳ありません。先程は少し言い過ぎました》
「ねぇ…月下?最近の母さん明るくなったと思わない?」
《確かにやっと以前の調子に戻った様な気がします》
「月下…俺、知ってるよ?月下がワザと母さんに突っかかってるって事」
《分かっていたのですね…流石は私のマスターです》
ソウジを亡くして息子の決意を聞いた後、エレナ明るく振る舞っている様に見えたが、やはり無理をしているらしく夜一人になると部屋で泣いているのをカイトは知っていた。
「だから…ありがとう月下。」
《私は元マスターが悲しむ姿を見たくないだけです》
「うん。俺もだよ。だからもっと強くならなくちゃ!」
《そうですね。それよりもマスター。そろそろ出発しないと遅刻します》
「うわぁ!もっと早く言ってよ!」
カイトも母と同じくドタドタと慌てながら家を出た。
第2章は魔法がバンバン出てきます。
ミッドチルダにいるんだから当たり前ですね。
そして第1章から三年が経ちカイト君は9歳になっています。
更に一人称も「僕」から「俺」に変わっていますが口調自体はあまり変わっていません。
後は髪形が変わっていますね。
後ろに流すといってもオールバックの様にビシッとしている訳では無くふんわり後ろに流してます。
髪を乾かす時に後ろに流してそのままといった感じです。