魔法少女リリカルなのは〜夜天に浮かぶ月〜   作:すこすこノ助

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さ、3000文字オーバー!?
この辺から文字数が増えていくと思いまーす。
では、第2話です。どうぞ!



第2話 クロノ・ハラオウン

以前、依頼され任務を協力した部隊で事務仕事を手伝い、お昼休みには約束通りエレナと昼食を一緒に食べてカイトは時空管理局の本局に来ていた。

 

時空管理局には本局と地上本部があり本局の事を「(うみ)」、地上本部の事は「(りく)」と呼ばれている。

しかし、両者の仲は良いとは言えないので現在カイトは「陸」の茶色い制服から「海」の青い制服に着替えている。

 

《しかし、何故本局へ?訓練ならば前回の様に地上本部でゼスト様やクイント様にお願いすれば良いのでは?》

「今日は射撃の得意な人とやりたいんだよね。」

《なるほど。この前のアレを試すつもりですね》

「そうゆう事。」

 

前回の訓練は地上本部のエース『ゼスト・グランガイツ』とその部下である『クイント・ナカジマ』に相手をしてもらい見事にコテンパンにされたが、とても有意義な訓練だった。

 

「とりあえず食堂に行ってみるか」

《そうですね。もしかしたらどなたかいらっしゃるかもしれません》

 

お昼休みの時間は過ぎているが、みんなそれぞれ忙しいので時間通りに昼食を摂る事はあまり無い。

なので運が良ければ誰かに出会える可能性がある。

そう考えたカイトは食堂に入り、辺りを見渡すと執務官である事を表す黒い制服の小柄な少年『クロノ・ハラオウン』と共に昼食を摂る少年より背の高い少女『エイミィ・リミエッタ』の姿が目に入った。

 

どうやら今日は運が良い日の様だ。

 

「クロノ!エイミィ!久しぶり!」

「ん?あぁカイトか。久しぶりだな」

「やっほー!カイト君」

 

クロノとはクロノの母である『リンディ・ハラオウン』とカイトの母エレナが旧知の仲であり母からの紹介で知り合い、エイミィとはクロノの紹介で知り合った。

 

「ところで今日はどうしたんだ?…嫌な予感しかしないんだが…」

「クロノ!模擬戦しよう!」

「あはは!予想通りだねー」

 

クロノとは三年前から家族ぐるみの付き合いをしているので、カイトは事ある毎に模擬戦を挑んでいる。

エイミィもその様子を以前からずっと見てきたので、予想を裏切らないカイトに笑顔が溢れる。

 

「はぁ…普段なら断るんだが…今日は少しなら時間がある。」

「やった!じゃあ早速…」

「いや待て。昼食くらい食べさせろ」

「訓練場の使用許可取れたよー」

「おいエイミィ…」

「ありがとうエイミィ!じゃあ先行ってるね!」

 

ドタドタとしながら洗練された動きで食堂を後にしたカイトを見ながらクロノは頭に手をやり溜息をついていた。

 

昼食を終えたクロノは訓練場でカイトと向かい合っている。

クロノはすでにバリアジャケットを身に纏い準備万端といった様子だ。

 

バリアジャケットとは魔力で作る防護服で魔導師が戦闘時に身に纏う物だ。

 

「よし!月下セットアップ」

《了解。セットアップ》

 

カイトが光に包まれ、やがて光が収まると黒いシャツと黒いズボンに白いロングコート姿のカイトが現れる。

コートの背中には黄色の縁で真円が施されており、手には手甲が装着され靴も鉄の様な素材で出来た物を履いている。

そしてデバイスの月下は黒い鞘に収まった日本刀の姿になり、左腰のベルトに付いている器具に支えられている。

 

「こっちも準備完了!」

「よし。じゃあ始めよう。」

 

模擬戦が開始するとクロノは宙に浮かび円状の魔法陣を足元に展開する。

カイトその場で日本刀と姿を変えた月下を鞘から抜く。

月下の刀身は銀色に輝き一般的な刀の様に見えるが刃は付いておらず実際には斬れない。

 

『じゃあ、月下。身体強化魔法と刀身に魔力付与。』

《了解しました。マスター》

 

念話で魔法の指示を出すとカイトの足元にも黄色い三角形の頂点にそれぞれ円が付いた魔法陣が現れ魔法が発動し刀身に黄色い魔力刃が付与される。

 

「スティンガーレイ!」

 

クロノが魔法のコマンドワードを発すると水色の魔力弾が猛スピードで真っ直ぐ向かって来る。

カイトは刀を振るい魔力弾を斬って消滅させた。

 

「チッ相変わらず、とんでもない動体視力だな。」

「その魔法はもう知ってるからね!」

 

カイトは飛行魔法を行使しクロノに近付き左下からの逆袈裟を放つが、クロノは障壁を張り刀身を止める。

止められた衝撃でバランスを崩したところにクロノのデバイスS2Uが迫る。

 

「ブレイクインパルス!」

 

クロノの近接用の魔法を体を捻って何とか避けながら斬撃を放つもクロノはそれを避け少し距離を置いて射撃を放つ。

カイトは射撃をかいくぐりながら接近し右から横薙ぎに一閃。

その斬撃も障壁に阻まれるがカイトはその場で一回転し逆側から斬撃を仕掛ける。

 

「月代流魔剣術 半月」

 

真横から水平に魔力刃を纏った斬撃を繰り出すがクロノは分かっていたかの様な動きで障壁を張りガードする。

ガードされるもカイトはさらに魔力を送り込み腕に力を入れ刀身を障壁に押し込むと障壁に罅が入っていく。

 

「何っ!?そうか!魔力圧縮か!」

「うおぉぉ!砕けろぉ!」

 

カイトがさらに力を入れると障壁は砕け散り斬撃がクロノを襲う。

直撃する瞬間に後ろに下がった為クロノのバリアジャケットに傷を付けただけに終わる。

クロノは堪らず距離を取り魔力弾を連射した。

カイトは直撃コースの魔力弾のみを斬り払い再度接近を試みるも、クロノの周りに多数の魔力刃が浮かぶ光景を目の前にして足を止める。

 

「これで決める!スティンガーブレイドエクスキューションシフト!」

「ちょっ!月下アレやるよ!」

《了解。コンプレッションシールド・オーラル》

 

コマンドワードを唱えると100を超える魔力刃がカイトを襲う。

カイトがクロノの魔法で一番苦手な魔法だ。

範囲が広く多量の為に避け切れず、かといって斬り払い続ける事も出来ないのでこれを出されると今まではなす術が無かった。

 

そう、今までは

 

魔力弾の連射が終わり煙が立ち込める方向を見てクロノも手ごたえを感じ勝利を確信していた。

煙が晴れていくとクロノは先程の勝利の確信は何処へやら驚愕の表情を浮かべた。

クロノの目に入ったのは黄色の球体の障壁に包まれるカイトの姿だった。

 

「よし!上手くいったね。月下」

《これであの魔法はもう怖くありませんね》

 

新しい魔法が見事に成功し若干気を抜きそうになったが、すぐにクロノを見てみると驚愕の表情を続けていた。

これはチャンスとばかりに接近するも途中で体の自由が効かなくなった。

 

「えぇ!バインド!?」

 

慎重なクロノが念の為置いておいた設置型のバインドに捕まり身動きが取れないカイトにクロノは魔法陣を展開する。

 

「ブレイズキャノン!」

「ぐわぁぁ!」

 

クロノの砲撃が身動きの取れないカイトに直撃し模擬戦は終了した。

 

しばらく気絶し目が覚めたカイトとクロノは訓練場を後にして休憩室で飲み物を買って休憩していた。

 

「ところでさっきの球体の障壁はオーラルプロテクションか?」

「そうだよ!この前覚えたんだ!」

「それにしてもアレを防ぎきるとは…そうか魔力圧縮か!」

「ご名答。流石クロノ!」

 

先程からクロノが言っている魔力圧縮とはカイトの魔力資質の事である。

通常、魔力を圧縮する為には魔力を一度放出しその後で圧縮というプロセスを踏まなければならないのだが、カイトはそのプロセスをすっ飛ばして即時に圧縮させる事が出来る。

 

地球にいた時に魔力弾を生成した時に魔力込めても大きくならず、逆に小さくなって炸裂してしまっていたのは実はこの魔力資質のせいだったのだ。

 

その為、カイトのバリアジャケットや防御魔法は非常に強固であると同時に攻撃の方も魔力刃を圧縮して刀身に付与するので非常に強力なのである。

 

「ほぼレアスキルだな…羨ましい」

「俺だってクロノが羨ましいよ?」

「僕には目立った所なんて無いぞ?」

「近接、射砲撃、バインド何でも高いレベルで使えるじゃん…俺なんてほとんど射撃魔法使えないよ?」

「まぁ確かに君の射撃の才能の無さには同情するね。」

 

兄と慕うクロノに同情され落ち込むカイトを見てニヤリと口を歪ませるクロノであった。

 




カイト君はバトルマニアというよりも、ただの模擬戦好きです。ん?あんまり変わらないか…
バリアジャケットは適当に考えました。
イメージは牙狼の変身前ですが、あの硬そうなコートとは違いヒラヒラしてます。
え?エリオと被ってるって?
安心してください。エリオいませんよ。
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