分けなくて良かったかな?と思いました。
それと、今回の話だけですが主人公目線ではなく第三者目線になります。
何故かって?やりたかったからさ!
カイトは現在ジープに乗っている。
前回、任務に協力した部隊からの依頼で部隊のみんなと共に任務地へ向かっている。
今回の任務は少し前に発見された違法研究所の強制捜査及び鎮圧である。
前回も同じ任務内容であり、この部隊の隊長がカイトを気に入っているのかこの手の任務には必ず名指しで依頼される。
何度も一緒に任務をこなしている為、カイトも打ち解けた様子で部隊員達と笑顔で会話を交わしている。
「あの…ブラウン隊長?」
「どうした?新入り。」
部隊の隊長であるブラウンに、つい最近この部隊に出向になった魔導師の青年が声をかける。
「何故あんな子供を連れて行くのでしょうか?」
「あーお前は前回いなかったからな。後で分かるから、まぁ見とけ」
「は、はぁ」
新入りと呼ばれた魔導師の青年が疑問に思うのも無理はない。
地上のエースとまではいかないがこの部隊には実力者が結構いる。
隊長のブラウンも魔導師としての実力は高い。
そんな部隊が、たかが違法研究所の捜査如きにどこの馬の骨とも分からない嘱託魔導師の子供に協力を依頼した。
新入りの疑問はどんどん深くなっていく。
目的地の研究所に着くと隊員達は指示通りに配置に就いた。
カイトは正面入り口に配置した隊員達の一番後ろにいるブラウン隊長の隣に配置された。
「何で隊長の隣にアイツなんだ?」
「ん?あぁカイトの事か。この配置はいつも通りだぜ?新入り君。」
この配置に不信感たっぷりの新入りは思わず口に出ていた様で隣の部隊員がそれに答えた。
何故かと聞いても見とけと言われるだけで何も教えてくれない。
「まぁカイトが出なくていい状況に出来れば一番いいんだがな。」
隣の部隊員が最後に言った事が引っかかる新入りを他所に研究所にブラウン隊長から警告が発せられた。
しかし、いくら警告しても研究所側は動きが無く現場に緊張が走る。
「突入!」
ブラウン隊長の号令と共に正面入り口が無理矢理こじ開けられ部隊員達が突入して行く。
「うわぁぁっ!」
轟音と共に突入した部隊員が悲鳴を上げ煙に包まれながら飛び出てきた。
「まずは一人ってかぁ!」
「ギャハハ!流石リーダー!」
恐らく研究所が雇ったであろう趣味の悪いバリアジャケットを身に纏った魔導師の集団が部隊員達の前に立ちはだかった。
行く手を阻む用心棒と戦闘を開始した部隊員達だったが、かなりの手練れが集まっている様で苦戦を強いられ何名か戦闘不能に陥ってしまった。
「仕方ない…カイト君。」
「了解しました。ブラウン隊長。」
ブラウン隊長は堪らずカイトに協力を求め、カイトも了承しバリアジャケットを身に纏い用心棒の前まで歩いて行った。
「なんだぁ?このガキは?」
「降伏してもらえますか?」
「あぁん?何だとコラ!ガキは帰ってママのオッパイでも飲んどけ!」
「ギャハハ!ガキをイジメちゃかわいそうですって!リーダー!」
カイトは呆れた顔で用心棒のリーダーと呼ばれている男の顔を見上げもう一度降伏を促した。
「ハッ!誰が降伏なんかするかよ!」
「リーダーやっちまいましょう!」
「そうだな!オラッ死ねや!クソガキ…グヒァッ!」
カイトは目にも留まらぬスピードで飛び上がりリーダーと呼ばれる男の顔面に一閃した。
高速の斬撃をマトモに喰らった男は変な声を出しながら吹き飛んだ。
男は気を失ったらしく動く気配がない。
「これでも降伏はしませんか?」
「て、テメェ!何!?ガフッ!」
デバイスを振りかぶった男を見て降伏はしないと判断したカイトは振り降ろされたデバイスを避け男の顔面に斬撃を叩き込んだ。
リーダーを失い動揺した用心棒達は魔力弾で応戦するがカイトは直撃コースだけを斬り払いながら近付き斬撃を放って用心棒達を薙ぎ払っていく。
気付けば二分もかからず用心棒達は沈黙していた。
「…何だ…アイツは…」
「な、言ったろ?後で分かるって」
新入りは目の前で起こる事に信じられない様子でつぶやくと肩を叩かれそのつぶやきに答える声が聞こえた。
思わず振り向くとそこには得意げな顔のブラウン隊長がいた。
やっぱ短いな…
でも、分けてしまったから後戻りはできぬのだ。
今回登場したブラウン隊長と新入りですが、今後の展開には大きく関わりません。特に新入り君はこの1話でお役ご免です。
ブラウン隊長の方は色々と使いやすかったのでちょくちょく出てきます。
そして、どこか世紀末を感じさせるザコ敵達は刀に対してトラウマになったそうな…