魔法少女リリカルなのは〜夜天に浮かぶ月〜   作:すこすこノ助

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今回から彼女が登場ですよー



第6話 フェイト・テスタロッサ

相談しているはずがいつの間にか正式に入局の勧誘に変わるという不思議な体験したカイトは若干の疲れとストレスを感じていた。

 

「そういえば、俺に頼みたい事って何?」

「ちょっと君に訓練して欲しい魔導師がいるんだ。」

「ん?俺が?訓練をする?」

 

いつもはカイトが訓練を受ける身だ。

誰かに訓練をする経験なんて無いカイトは困惑している。

 

「ミッド式の魔導師で近接もそこそこ出来るオールラウンダーだ。その魔導師の近接を伸ばしてやりたいんだ。」

「でも、俺教える事なんてやった事無いんだけど…」

「いつも通り模擬戦をしてくれればいいんだ。近接メインでな。頼めるか?」

「それなら大丈夫だけど…ミッド式で近接出来るって珍しいね。」

 

魔法には射砲撃やサポートに秀でたミッドチルダ式と近接に特化した古代ベルカ式の二種類があり、更に最近研究が進んでいる古代ベルカ式をミッド式でエミュレートした近代ベルカ式がある。

 

カイトの様に射砲撃をあまり使わず近接で戦う魔導師は近代ベルカ式を使用している事が多い。

その為、純粋なミッド式の魔導師が近接戦闘を行うのは珍しい。

 

「その魔導師を紹介するからついて来てくれ。」

「今から?アースラの武装隊の人?」

「まぁ色々と事情があってな…説明は会ってからする。」

 

何だか分からないが事情があるらしく珍しく歯切れの悪いクロノについて行くと客室の様な部屋に着き、クロノがノックすると扉が開いた。

クロノと共に部屋に入ると部屋の中には、金髪を薄いピンクのリボンでツーテールにした少女と、燃えるような赤い髪に犬の耳の様な物があるスタイルのいい成人女性がいた。

 

「あの…えっと…」

「ほら、フェイト。こいつがさっき話した剣術馬鹿だ。」

「…おい」

 

全く見覚えの無い人物を目の前に困惑し思考が停止しかけたカイトだったがクロノのとんでもない紹介に我に返った。

 

「あ、あの初めまして!フ、フェイト・テスタロッサ…です。」

「あたしはアルフだ。フェイトの使い魔だよ!よろしくな剣術馬鹿!」

「えっと…月代(つきしろ)カイトです。よろしく…って誰が剣術馬鹿だ!」

 

はやて仕込みのノリツッコミを炸裂させ若干照れながらもクロノとアルフが笑っているのを見てウケた事に若干安堵した後にフェイトと名乗った少女を見ると何故かオロオロと戸惑っていた。

 

フェイトとアルフは今現在もアースラのクルー達が事後処理に追われている事件の重要参考人だとクロノは説明した。

 

「なるほど何となく分かったよ。要はクロノの思惑が上手くいく様に協力すればいいのかな?」

「察しが良くて助かる。事件の概要と僕の思惑は後で必ず話す。」

「了解。じゃあ、えっとフェイト?ちょっと体動かそう!」

「…え?い、今から?」

 

カイトはすぐさま訓練室に連絡を取りフェイトとアルフを連れて行った。

クロノは多分この二人を悪い様にはしない算段を立てているはずだ。

自分の役目はそのサポートだとカイトは察した。

まずは、ずっと艦の中にいてストレスを感じているであろうと思い模擬戦を提案したが、実はフェイト達と会う前のクロノとの会話で感じた自身のストレスを発散する目的もあった。

 

 

「近接メインの模擬戦ね。一応射撃魔法も少しなら使っていいよ。じゃあ、模擬戦開始!」

「えっと…よろしくお願いします?」

 

訓練室でフェイトは黒いレオタードみたいな服に黒いニーハイソックス、そして黒いマントを身に纏い斧の様な形のデバイス『バルディッシュ』を持っている。

バリアジャケット姿で向かい合い、カイトが開始の合図を出すとペコリとお辞儀をするフェイトに釣られてカイトもお辞儀した後に二人は構えた。

 

『装甲が薄そうだね。高機動なのかもしれない』

《近接はマスターと同タイプと見ていいでしょう》

 

すでに模擬戦は開始しているが、カイトは動かず月下(げっか)と念話で話して相手の出方を伺っていた。

 

《ソニックムーブ》

 

そこにフェイトが高速移動魔法を使い猛スピードで突っ込んできた。

 

(速いっ!)

 

カイトに接近したフェイトはバルディッシュを振り下ろした。

カイトはそれを刀身で受け止めて弾き右からの袈裟斬りを放つがフェイトはすでにカイトの攻撃範囲から脱出していた。

 

『おぉ…自分と同じスピードの相手と初めて戦うかも…』

《今のところスピードは互角ですね》

 

少しテンションの上がったカイトはフェイトに猛スピードで接近し横薙ぎに一閃する。

フェイトは少し目を見開き驚いた表情を見せたが難なく斬撃を受け止め鍔迫り合いの形に持っていき、少し力比べをしてから両者共に距離を取った後、フェイトはバルディッシュを変形させ振りかぶった。

 

《ハーケンフォーム》

「アークセイバー!」

 

変形したバルディッシュから魔力刃が出現し鎌の様な形になりフェイトが振り下ろすと魔力刃が回転しながらカイトの方へ飛んできた。

カイトは飛行魔法を使い回避するが通り過ぎた魔力刃が戻ってきた。

 

「うお!誘導制御式!?じゃあ…受けるしかないか…月下(げっか)。」

《コンプレッションシールド》

 

誘導制御されているなら逃げ回っても意味がないと判断し地上に降りて障壁を展開し受け止めるが回転する魔力刃がカイトの障壁を噛んできた。

しかし圧縮された魔力の障壁は強固であり破壊されるまでには至らない。

 

《セイバーブラスト》

 

バルディッシュのコマンドワードが聞こえ危険を察知したカイトはすぐさまその場を離れた。

離れたと同時に魔力刃が爆発しカイトは煙に包まれる。

ほんの少し離脱が遅ければ危なかったと冷や汗をかいた直後、フェイトが背後からバルディッシュを振り下ろす気配を感じ振り向いて斬撃を放った。

カイトの斬撃とフェイトの斬撃がほぼ同時だった為二つの力が衝突し衝撃を生み両者共に弾かれた。

 

「じゃあ今度はこっちの番だね!」

「え?あの距離で…構えた?」

 

「月代流魔剣術 三日月(みかづき)!」

 

カイトは少し離れた位置で刀を振り上げ刀身を頭の後ろくらいまで持っていき勢いよく真下に振り下ろした。

振り下ろしたと同時に三日月型の魔力刃がフェイトに向かって真っ直ぐ飛んでいく。

 

「私と同じ魔法!?」

《ディフェンサー》

 

フェイトのアークセイバーの様に回転はしていないが、かなりのスピードがあり虚をつかれたフェイトは防御を選択するしかなかった。

とっさにディフェンサーを展開し受け止めるが魔力が圧縮されているのでディフェンサーにヒビが入っていく。

 

「ぐっ…何…これ?」

 

ヒビが入ったディフェンサーを横に動かしカイトの魔力刃をなんとか後ろに流したフェイトは後方で爆発する音を聞いて誘導制御式じゃなくてよかったと安堵しながらカイトがいる場所を見るが、そこにカイトの姿は無かった。

 

「後ろっ!」

 

気配を感じフェイトは振り向きざまにバルディッシュを振るうがその斬撃は勢いよく空を切った。

 

「え?」

「ハズレー」

「え?」

 

確かに背後から気配を感じ振り向いて攻撃したのに、何故また背後から気配と声がしたのかと思考する暇もなくカイトの斬撃を背中に受けてフェイトは気絶した。

 

意識が戻ったフェイトが最初に見た光景は自分の使い魔であるアルフがカイトの斬撃を受けて地上に落下する瞬間だった。

 




祝!カイト君模擬戦初勝利!
まぁ書いてないだけで勝った事くらいはあると思いますけどね。
あ、PT事件はすでに解決済みです。
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