今回の話を書いている時すごく楽しかったです。
フェイト、アルフ、ユーノと出会い数日が過ぎた。
クロノによればフェイトは母親に言われるがまま事件に関与しており、母親を想い母親の為に行動していたと主張し温情を以って説く事でフェイトの減刑を狙っているらしい。
アルフもフェイトの使い魔として主人と同じ想いで行動していたと訴える事でフェイトと同じく減刑させる事が出来るらしい。
ユーノとは両者共に知識欲が旺盛なのでやたらと話が合い、カイトはユーノと話していると充実感を感じるくらいの間柄になっているもののユーノは基本的には地球にいるのでほとんど会えない。
「フェイトの裁判の日が近付いてきたね。面会できないかな?」
《…昨日もそう言って面会に行ってましたね》
「心配なんだよ。フェイトって結構内気でオドオドしてるでしょ?」
《戦闘中は強気なんですけどね》
普段、通信は月下が受けるのだが、今回通信が入ったのは別の通信機だ。
この通信機はクロノが用意した物で親しい者達だけのプライベート用みたいな物だ。
『か、カイト!ど、どうしよう!』
「フェイト!?何?どうしたの?」
『えっと…なのはが友達を紹介したから…私も紹介しなきゃ!』
「…ハァ?」
全く訳が分からないカイトはとりあえずフェイトを落ち着かせると、会ってって事情を聞く為フェイトの所へ向かう事にした。
「ビデオレター?」
「うん。なのはと交換してるんだ。」
フェイトが言うには、地球にいるなのはとビデオレターの交換をしており先日新しいビデオレターが届き観てみると、なのはが地球の友達を紹介するという内容であり、フェイトもこちらの友人を紹介しないといけないかもと思ったらしい。
「とりあえず観せてよ。」
「う、うん。」
カイトが問題のビデオレターを観ると予想通りなのはを中心にアリサとすずかが映り自己紹介を開始していった。
「やっぱりこの二人だよね…」
「カイト知ってるの?」
「うん。俺が高町と友達だって前に言ったでしょ?この三人はいつも一緒だから月村とバニングスとも当然の様に友達だよ。」
「そうなんだ…やっぱり私も誰か紹介した方がいいよね?」
どうするか?とカイトは思考する。
完全に高町はフェイトからのビデオレターを友達や家族にも観せている。
そして、ビデオレターに映る三人は明らかにフェイトの知り合いもしくは親しい人物の紹介を催促している。
なら今後の為に魔法の事は伏せなきゃならない。
上手く魔法の事を隠せてフェイトが親しい人物は…とりあえずアルフは変身魔法で犬の耳を隠せば大丈夫として…
「カイト?カイト!」
「え?何?」
完全に思考の海に潜っていたカイトはフェイトの呼び掛けが聞こえ思考の海から戻ってきた。
「えっと…カイトがビデオレターに出てくれないかな…?」
「ハアァァッ!?」
フェイトはもじもじと言いにくそうに出演依頼をカイトに出した。
カイトは唐突な依頼に大声を出して驚いて若干倒れそうになっていた。
「いやいや俺が一番ダメだよ!三人共俺の事知ってるし!三人共俺がイタリアに引っ越したと思ってるんだよ?俺が出演なんかしたら魔法の事がバレる可能性が一番高いんだよ?」
「うぅ…でも私はカイトを紹介したいんだ…」
今現在フェイトは涙目だ。
涙目でカイトを自分の友達に紹介したいと言われてこれ以上ダメだとは言えないカイトだった。
「…分かった。」
「本当に?ありがとうカイト!」
ぱぁぁと笑顔になるフェイトを見てカイトは腹をくくってビデオレターに出演する心の準備を終えた。
「ん?ちょっと待って…高町はフェイトの事をどう説明してるのかな?」
「どうって…?」
まさか魔法使いの友達とは言わないよね?わざわざビデオレターを交換する程の友達だったら、高町は家族の士郎さん達やバニングスや月村にフェイトの事をどう説明している?
「カイト?カイト!」
「え?あ、ゴメン考え事してた。」
再び思考の海にダイブしていたカイトは、またもやフェイトに呼び起こされ思考の海から帰還した。
「多分なんだけど…なのはは私の事を外国の友達って言ってると思う…」
「外国?」
「うん。遠い外国の…友達。」
カイトは光明が見えた気がした。
思考をフル回転させるとパズルのピースを一つずつ埋めていくのではなく、一瞬でパズルが完成した様な感覚に襲われカイトの頭の中には一つの考えが浮かんだ。
「よし。外国だね。それなら上手くいくかも!」
「うん?えっと…何が?」
未だ状況が飲み込めておらず頭の上に疑問符を浮かべた表情のフェイトとは対照的にカイトは晴れやかな表情を浮かべている。
「フェイトはイタリア人という設定にしよう!それならイタリアにいるはずの俺がビデオレターに出てきても何も不思議じゃない!」
「う、うん?」
フェイトはイタリア人でイタリアに引っ越してきたカイトと友達になった。
これなら魔法の事も伏せながらフェイトの依頼も完遂できる。
なのはにはカイトが魔導師だと完全にバレるが、なのはも魔導師なのだから遅かれ早かれいずれバレる事だ。
バレるのが早まっただけで、こちらは何も問題は無い。
それよりも、なのはの外国の友達が紹介する人物が自分達の知っている人物なのだ。
さぞかし驚くだろう。
カイトはあの三人と後で観るであろう高町家の皆さんにドッキリを仕掛けている気分になりテンションが上がっていた。
「フェイトはイタリアの友達だって言って俺を紹介するんだ。それで全て上手くいくんだよ!そうと決まれば早速ビデオレターの準備だ!やるぞー!オーッ!」
「お、おー?」
「フェイトちゃんからビデオレターの返事なの!」
なのはは家に届いたディスクを大事そうに抱えリビングに急いだ。
テレビを付けプレイヤーを起動しディスクを入れ再生する。
『もう映ってるのかな?えっと…ビデオレターありがとう。この前は、なのはの友達を紹介してくれて嬉しかったよ。私も二人と会ってみたいし仲良くなりたいって思った。』
「ふふふ、フェイトちゃんなら絶対仲良くなれるよ。」
『えっと…この前のビデオレターで言ってたから私もこっちの…イタリアの友達を紹介するね?』
「ふふふ、誰が出てくるのかな?アルフさんは絶対出るとして後は…クロノ君かな?リンディさんとエイミィさんかも!」
『よ、よう。高町。久しぶり…』
「ふ、ふえぇぇぇぇぇぇっ!!」
なのはの叫び声は家中に響き渡り部屋にいた恭也と美由希が驚いた表情ですっ飛んでくる程だった。
原作で学校に編入したフェイトがイタリアからの転校生という設定から今回の話を思いつきました。
母親のエレナがイタリア出身という設定なのは今回の話を書く為の設定でした。