魔法少女リリカルなのは〜夜天に浮かぶ月〜   作:すこすこノ助

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あの子と再会です。



第11話 ベルカの騎士

なのは襲撃の一報を聞いて大急ぎで本局に向かい、途中で会ったエイミィに状況を確認したところ怪我は大した事ないと聞いて少し落ち着いたカイトは現在本局医務室の扉の横で座り込んでいる。

 

「はぁぁぁ…どうしよう…」

「何をやっているんだ…君は…」

 

座り込んで溜め息混じりのカイトを見て、クロノは何か可哀想な物でも見るかの様な目をしながら話しかけた。

 

「いや、すっごい入りづらい雰囲気なんだよ…」

「君は何を言ってるんだ…なのはとは久しぶりなんだろう?普通に入ればいいじゃないか。」

「あ!今は!」

 

中にいる二人に確認も取らず本当に普通に医務室の扉を開けたクロノの目に飛び込んできたのは、なのはとフェイトが抱き合っている光景だった。

 

「…あ…いや…すまない。」

 

一瞬思考が停止したが事態に気付きクロノは謝りながらプシュッと扉を閉じる。

その後、中の二人は大慌てで扉を開け顔を真っ赤にしながら言い訳を開始した。

 

「高町。本当に久しぶりだね。」

「うん。久しぶり。本当にカイト君も魔導師だったんだね。」

 

一悶着あったがなんとかカイトとなのはは再会を果たした。

カイトは魔力が目覚めてミッドに移住し魔導師になった経緯を伝えた。

談笑の中、カイトが出演したビデオレターを見た高町家の様々なリアクションを聞いてドッキリが大成功した事に心の中でガッツポーズをしたカイトだった。

 

「ところで、高町を襲撃したのはどこの誰なの?」

「それは場所を変えて話そう。」

 

カイトが質問するとクロノが場所を変えると言うのでカイト達三人は大人しくついて行く。

連れて来られた場所は、なのはとフェイトの破損したデバイスが修理を受けているメンテナンスルームだった。

 

「ユーノ。状況はどうだ?」

「うーん…良くは無いね…コアは無事だったけど…」

 

メンテナンスルームでコンソールを叩くユーノにクロノは破損状況を聞く。

かなり破損が酷く見えたがコアが無事なら何とかなるとカイトは安堵した。

しかし、破損した自分達のデバイスを見た二人は各々のデバイスの前に立ち悲痛な表情を浮かべていた。

 

「あ、ユーノ代わるよ。ユーノも戦って疲れてるでしょ?」

「え?ありがたいけどコレはいくらカイトでも…」

 

ユーノも戦いに参加した事を聞いたカイトはデバイスの破損チェックをしているユーノに交代を申し出るが、いくらカイトでもデバイスの事は分からないだろうと断ろうとした。

 

「え?あ!言ってなかったっけ?俺のデバイスは自作したんだ。だからこれくらい出来るよ?」

「えぇ!?そうなの?」

 

あまりにもサラッとデバイスを自作したと言うカイトにユーノとなのはは驚愕の表情を浮かべた。

ちなみにクロノとフェイトは知っていたので、うんうんと頷いていた。

 

カイトのデバイス「月下(げっか)」は、もちろん技術部の人達の協力もあったがカイト自ら作り上げた物だ。

修理やメンテも自ら行っている。

 

「じゃあ、お言葉に甘えて…」

「任せてよ!俺は疲れてないからこれくらいはやらないとね。」

 

ユーノに代わってコンソールを操作し出したカイトはモニターを見ながら時折誰かと話す様に呟きアッと言う間に必要な部品のリストを作成した。

 

「え?もう終わったの?」

「うん。二機と話しながらだったからすぐだったよ。二機共いい子だね。」

 

あまりの早さにまたもや驚愕の表情を浮かべるユーノを尻目にカイトは更にコンソールを操作する。

 

「じゃあクロノ。例の襲撃者の事を聞かせてよ。」

「あぁ。二機が残してくれた映像とこちらのサーチャーの映像を出してくれ。」

 

先程とは打って変わって気を引き締めた様な表情のカイトがコンソールを操作するとモニターに赤い服の少女と桃色の髪の女性、そしてアルフが戦った褐色の肌の男性が映し出された。

カイトは映像を見ながら真剣な表情でクロノの説明を聞いていく。

 

「でも、あいつらの魔法…何か変だったねぇ。」

「これはベルカ式だね。しかも…これは本物…真性古代(エンシェント)ベルカだ…」

 

アルフが実際戦った相手の疑問点を挙げると、カイトが疑問点と映像を擦り合わせて答えを出した。

 

「ベルカ式?」

「遥か昔、ミッド式と魔法勢力を二分した術式だよ。優れた術者は騎士って呼ばれるらしい。」

「確かにあの人もベルカの騎士って言ってた…」

 

カイトは更に射砲撃や補助等汎用性に優れるミッド式とは逆に近接戦闘に特化していると相違点を説明し、ベルカ式の最大の特徴である儀式で圧縮した魔力を込めた弾丸を搭載する事で、瞬間的に爆発的な破壊力を得るカートリッジシステムの説明も付け加えた。

 

「か、カイト君詳しいの…」

「まぁ、俺は近代ベルカ式だからね。気になって古代ベルカの事調べてたんだ。」

「え?じゃあ、カイト君もベルカ式ならカートリッジシステムも?」

「いや、俺はカートリッジシステムは付けてないよ?危険で物騒だから…それと俺は近代ベルカ式ね。」

 

なのはに近代ベルカ式はベルカ式をミッド式でエミュレートした物だと説明し、一通り話が終わるとクロノは面接の時間が迫っている事をフェイトに告げ、なのはもクロノに連れられメンテナンスルームを出ていった。

 

「しかし、ベルカの騎士か…いいね…強そうだ。」

 

三人が出ていった後モニターを見ながらカイトが呟くと、ユーノとアルフは戦闘狂の一面を覗かせたカイトを見てまた始まったかといった表情をして苦笑いを浮かべていた。

 




カイト君は立派な戦闘狂に育ちました。
一体、誰のせいなんだ!
そして、デバイスはまさかの自作という衝撃の新事実。
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