魔法少女リリカルなのは〜夜天に浮かぶ月〜   作:すこすこノ助

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うわっ3600文字!すごい!



第13話 カートリッジシステム

なのは襲撃事件の翌日、クロノ執務官からの協力要請の手続きを正式に済ませたカイトは朝一番で無限書庫で闇の書の事を触りだけ調べた後、メンテナンスルームに向かった。

 

「マリーさん。おはようございます。」

「おはようカイト君。」

 

メンテナンスルームにいたのは管理局技術部に所属する「マリエル・アテンザ」という女性だった。

エイミィの後輩でカイトがデバイスを自作する時に色々教えてくれたので、カイトにとってはデバイスの師匠みたいな人だ。

 

「どうですか?バルディッシュとレイジングハートは?」

「うーんと、後はパーツ交換して終わりって感じだよ。」

 

カイトが帰宅した後に修理していたのか予想以上に早く修理が終わりそうでカイトは安堵した。

後は発注したパーツが届き次第パーツを交換し軽くテストして終了という流れになりそうだ。

 

二機の細部チェックも終わったので、ついでにカイトのデバイス月下(げっか)のメンテナンスをしていると発注していたパーツが届いたので、月下のメンテナンスを切り上げ二機のパーツ交換に取り掛かった。

 

カイトのデバイスマイスターとしての技量も中々のものであり、パーツ交換くらいなら普通にこなせる為、マリーと分担して一人一機ずつやれば効率がいい。

 

カイトはフェイトのバルディッシュを何回かイジった事があるのでバルディッシュの担当になり数時間でパーツの交換が終わりマリーも交換が終わっていたので二機を再起動した。

 

「そういえば、月下にはカートリッジシステム付けなかったんだっけ?」

「付けようか迷ったんですけど…」

 

二機の再起動を待っている間ヒマになったマリーはカイトに質問する。

 

月下を作った後にベルカの事を調べているとカートリッジシステムの事を知り、カイトはその魅力的なシステムの搭載を相当迷ったが色々検討したあげく断念した。

 

「確かに危険な物だからねぇ。」

「危険なのもあるんですけど、僕の場合あんまり必要無かったんですよ。」

「そうなの?」

 

マリーは必要無かったという答えに頭に疑問符を浮かべてカイトを見る。

 

カイトの魔力量はBランクで、なのはやフェイト程多くは無いが、カイトが戦闘中に使う魔法は身体強化と圧縮魔力の付与がメインであり、この二つの魔力消費量はそこまで多くない。

 

そして、カイトの戦闘スタイルは元々高い身体能力を強化して相手の攻撃を避けたり受けたりしながら一瞬で近付いて斬るという物なので、対応し切れない攻撃にのみ防御魔法を使用するので使用頻度はあまり高くない。

更に飛行魔法は、空中では足場が無く走れないので本来のスピードが出せないのでこちらも使用頻度は高くない。

 

結果的にカイトは戦闘中の魔力消費量が少ない為にカートリッジで魔力の底上げをする必要が無いし、わざわざ圧縮魔力を込めた弾丸(カートリッジ)を使わなくても自ら魔力を圧縮出来るので必要無かったとマリーに説明した。

 

マリーと談笑していると二機の再起動が完了したので仕事に戻った二人は各部のチェックをしていった。

 

「じゃあ異常も見当たらないし、これで修理完了だね!」

「意外と早く終わりましたね。あれ?エラー?二機共?えーと…ちょっとマリーさんこれ見てください!」

 

異常も見当たらず終了と思われた瞬間に二機は同時にエラーを出した。

モニターに映るエラーコードを見てカイトは驚愕しマリーにモニターを見る様に促した。

モニターを見たマリーもカイトと同じ様な驚愕の表情を浮かべコンソールを操作して二機に聞いてみるがエラーを吐き出すだけで、二機は一切コマンドを受け付けなかった。

 

「うーん困ったな…幾ら何でもコレは独断では出来ないよね…?」

「ですね。誰かに連絡して聞いてみない事には…」

「とりあえずエイミィ先輩に連絡してみるよ。」

「お願いします。じゃあ、俺は万が一了承が取れた時の為に在庫があるか確認しておきます。」

 

マリーはエイミィに連絡し、カイトは別のコンソールで二機が指定した部品が管理局に保管してあるか検索する。

 

二機がそれぞれ指定した部品が管理局にある事を確認したカイトは何かを確信した後ため息を吐いた。

 

「はぁ…マリーさん…こいつら在庫がある事を確認してからエラー出してますよ…」

「あらら…これは上の了承が取れたら徹夜確定だねぇ。」

「でも、俺はこいつらの気持ちに応えたいです。」

 

修理が終わった二機は自らの意思でベルカ式カートリッジシステムの搭載を望み管理局に部品があるか調べてから二人に進言してきているとカイトは考え、主人の力になれなかった悔しさを痛い程感じたカイトは二機の想いに応えたい気持ちでいっぱいだった。

 

カイトは祈る様な気持ちで、上つまりはリンディ提督の返答を待っていると(いと)も簡単にゴーサインが出た。

 

カイトはあまりにもアッサリと許可が出た事に拍子抜けしたが、気を取り直し二機が指定してきた部品「CVK-792」シリーズを取りに行った。

 

「えっと…レイジングハートがCVK-792-AでバルディッシュがCVK-792-Rだったっけ?」

《合っていますよ。マスター。そこを右に行った所にあるようです》

「ありがとう。月下。」

 

月下にナビゲートされながら倉庫の中から部品を探し出しメンテナンスルームに戻ったカイトはマリーと共に早速作業に取り掛かった。

 

一般的にインテリジェントデバイスとベルカ式カートリッジシステムは相性が悪いが二機が独自でシュミレートしたデータでは何も問題無かった。

 

しかし、問題は時間だった。

また他の魔導師が襲われる可能性が無いとは言えない為、なるべく早く終わらせて主人の元へ返さないといけなかった。

そうなると当然、徹夜で泊まり込みの作業になる事は想定出来たのでエレナには連絡して着替え等を持ってきてもらった。

 

それから、カイトとマリーはデバイスの改造に全力を注いだ。

数日間、食事も作業をしながら摂り仮眠とシャワー以外は全て作業に当てた。

その結果、二人の目の前には新しく生まれ変わったデバイス二機の姿があった。

 

「で、出来た…」

「おつかれさまぁ…」

 

数日間、ほぼ不眠不休のカイトとマリーは精根尽き果ててフラフラの状態だが大仕事をやり切った達成感で笑顔だった。

 

「あとはカートリッジのテストしたいところだけど…あっ!」

「え!カイト君?どうしたの?」

「カートリッジに魔力入ってない…」

 

カートリッジの性能テストと慣らし運転はデバイスの使用者本人に任せようと考えていたカイトだったが、管理局の倉庫にあった新品を使った為に肝心のカートリッジに魔力が入ってない事に気付いた。

 

「どうしようか?予備のカートリッジ全部に魔力を込めるって事になると相当な魔力量になるよ?」

「リンディさんやクロノがやってくれればいいんですけど…今は二人共地球ですもんね…」

《マスターの魔力を使えばいいのではないでしょうか?》

「俺の魔力量だと足らないよ?」

 

魔力を供給してくれる魔導師を探そうとしたところで月下がカイトに提案するがカイトの魔力量はBランクで全てに魔力を込めるには足らなさ過ぎた。

 

《テストだけならデバイスに装填する六個分の魔力でよろしいのでは?》

「あーそっか。でも二機だから十二個分だよね?足りるの?」

《今、計算してみたのですがギリギリ足ります》

「ギリギリなんだ…まぁ足りるなら時間も無いし俺のでいいかな。」

「それよりもカイト君、魔力の封入方法知ってるの!?」

 

自らのデバイスに言われるがままカートリッジを手にしたカイトにマリーは驚いた。

カートリッジシステムを使った事が無いはずのカイトが魔力の封入方法を知ってるとは到底思えなかった。

 

「一回調べた時に一応術式はコピーしておいたんですよ。結構簡単なので大丈夫だと思いますよ?」

「思いますって、やった事は無いんだね…無茶するなぁ…」

 

月下にカートリッジシステムを搭載するかどうかを検討している時に魔力封入自体は簡単だったので一応術式はコピーしておいた。

しかし、実際にやるのは初めてのカイトだが何の迷いも無くカートリッジを一つ手に取り術式を起動させた。

カイトの手が黄色の光に包まれると数十秒程でカートリッジに魔力が封入された。

 

「うん。出来たけど…何か効率悪い気がする…」

《マスターは魔力を自然に圧縮出来るので圧縮の工程が不要です》

 

なるほど、といった様子で術式を確認し組み直して再度カートリッジを手に取り魔力封入を開始した。

すると、今度は明らかに時間が短縮され数秒程で終了しカイトは次々とカートリッジを完成させていくが、残り半分を切った所でカイトの額に汗が滲み出し段々と辛そうな表情を浮かべていき最後の一個に魔力を込めた後、カイトは気を失った。

 

「カイト君ッ!?」

《魔力切れですね》

「何でそんなに落ち着いてるの!?」

《マスターは訓練でよく魔力切れを起こすので、この様な気絶には慣れてます》

 

数日間ほぼ不眠不休の状態で魔力を酷使し倒れたカイトを見てマリーは慌てるが、いつも通りだと言わんばかりの月下の口調に一体どんな激しい訓練をしてるんだと更に心配するマリーであった。

 




カイト君はデバイスをいじくるのも好きですが、まさか改造までしてしまうとは…
そして安定の気絶エンド。
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