魔法少女リリカルなのは〜夜天に浮かぶ月〜   作:すこすこノ助

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今回のサブタイあんまり意味無いかも…



第16話 過去との相違点

カイトが目覚めると割と見慣れた天井が目に入った。

この白い天井が管理局本局の医務室だと訓練でよく気絶するカイトはすぐに直感できた。

 

「んん…医務室?」

「あ、カイト起きた?」

「私、先生呼んでくる!」

 

フェイトとなのはの声が聞こえ意識が覚醒していく。

なのははカイトが目覚めた事を医者に知らせに医務室から出て行った。

 

「そうだ…俺…負けたんだ…フェイトは大丈夫?」

「うん。体は元気だよ。魔法は使えないけど…」

 

隣のベッドに上体だけを起こして座っているフェイトを見て気を失う前の記憶が戻ってきた。

フェイトによると仮面の男はカイトを倒した後すぐにフェイトに襲いかかり、フェイトをあっという間に行動不能にするとシグナムに二人の魔力を蒐集させて姿を消し、数分後にはなのはの前に現れヴィータと名乗る守護騎士を、なのはの長距離砲撃から守り長距離から一瞬でなのはをバインドで縛ってヴィータを転移させる時間を作ったらしい。

 

「ごめん…フェイト…俺…何も出来なかった…」

「ううん。私も何も出来なかった…だから謝るのは私の方…」

 

俺が悪い、いや私が悪いと言い合っていると、なのはが医者と共に医務室に戻ってきた。

その場で簡単な検査をして、すでにリンカーコアの回復が始まっている事としばらく魔法は使えない事を伝えて医者は医務室から出て行った。

 

「あー!クソー!最初は作戦通りだったのになぁ…」

「え?作戦?」

 

カイトは仮面の男の映像資料から姿を隠す幻術魔法のオプティックハイドと認識阻害魔法を使用しているに気付き相手のお株を奪ってやろうと考えた。

 

元々、月代流剣術のある技の為に練習していた幻術魔法と認識阻害魔法を使用しフェイトが戦っている場所から一瞬で移動出来る距離を保って身を潜め仮面の男の出現を警戒していた。

カイトが睨んだ通り仮面の男が現れフェイトに攻撃を加える寸前で阻止出来たまではよかったが、思った以上に仮面の男が強く返り討ちにあってしまったとカイトは説明した。

 

「でも、何で姿を消して認識阻害魔法まで使ってるのに現れたのが分かったの?」

「認識阻害魔法は相手からの認識を逸らすだけだからね。集中して気配だけを探ってたから現れた時はすぐに分かったよ?」

 

フェイトの問いにあっけらかんと答えるカイトに、なのはとフェイトは不思議そうな表情を浮かべる。

今の話だと姿を隠し認識を阻害されている相手を気配だけで察知し気配だけを頼りに仮面の男の正確な位置を特定しフェイトへの攻撃を防いだと言うことになる。

 

「カイト君…もう人間じゃないの…」

「うん。野生の動物みたいだね。」

「えぇ!?酷いよ二人共…」

 

二人の評価に驚いた後に落ち込むカイトを見て、なのはとフェイトは顔を見合わせてクスクスと笑った。

 

「でも、人間じゃないで思い出したけど守護騎士の人達も人間じゃないってクロノ君言ってたね。」

「うん。確か魔法プログラム体だって聞いた…」

 

闇の書の守護騎士は主を守り魔力を蒐集する為だけに存在し、それ故に自我や感情等は無く主の命令のみで動くただのプログラム体だとカイト達の調べで判明している。

 

「フェイトはシグナムだっけ?あの人と何か話してたよね?」

「うん。でも聞いていた感じとは違ったよ?シグナムからはハッキリと意思や感情が見て取れた。」

「私も報告と違うって思った!ヴィータちゃんも感情があったの。」

 

確かに守護騎士達には感情というものが見て取れた。

シグナムも自分の意思で話している様に感じたし、ヴィータの方は感情表情が豊かだったというのが実際に戦って言葉を交わした二人の感想だ。

更にアルフの報告だとザフィーラと名乗る守護騎士が蒐集を行なっているのは自分達の意思で主の命令では無いという発言をしたらしい。

 

集めた情報とは明らかに違う守護騎士達の様子に戸惑うカイトだが、今度会った時は話をしてみようと決意するのであった。

 

 

翌日、検査を終えた二人は退院しフェイトは学校へ向かい、カイトはリンディに呼び出されているので試験航行から戻ったアースラの艦長室に向かっていた。

 

「うん。絶対怒られる。」

《独断で勝手な作戦を決行し結果的にフェイト様を危険に晒した訳ですから怒られるのは当然ですね》

「いや、自分でも分かってるから…わざわざ言わないでよ…」

 

カイトは行きたくない気持ちをグッと堪えアースラの艦長室の扉を開ける。

和風で統一された室内にはリンディとクロノが揃って座っている。

二人から怒られるのかと内心思いながら着席を促されたので二人の前に座った。

 

「さて、カイト。何故呼び出したのかなんだが…」

「すいませんでした!」

 

クロノが呼び出した理由を話そうとした瞬間にカイトは謝った。

和風の室内なので正座していたので現在カイトは綺麗な土下座の形になっている。

その様子を見たリンディとクロノは目を見開き驚いた後、少し笑いながらカイトに頭を上げる様に促した。

 

「カイト君。呼び出したのは昨日の事じゃないのよ?」

「え?フェイトを危険な目に遭わせた事で呼び出されたんじゃ…」

「その件に関しては応援を呼ぶとか、すぐ離脱しろとか色々言いたいが、あれだけ力の差がある相手だと難しいというのがこちらの判断だ。」

 

怒られると思っていたカイトは拍子抜けした表情で二人を見つめていたが、今回呼び出されたのは説教では無いと理解すると安堵した表情を浮かべた。

 

「それじゃあカイト君。本題に入る前に一つ伝えておきたい事があるの。」

「はい。何ですか?リンディさん。」

「実はフェイトさんを養子に迎えようと思っているの。」

「うぇっ!?そうなんですか?」

 

母親を亡くし天涯孤独になってしまったフェイトを養子縁組をしてハラオウン家に迎える。

すでに本人には伝えており、後はフェイトの返答待ちという状態らしい。

 

「すごくいい事だと思います!じゃあクロノはフェイトのお兄ちゃんになるんだ!」

「あ、あぁ。そうゆう事になる…」

「おぉ!クロノが照れてる!」

「なっ!う、うるさい!」

 

しばらくカイトがクロノを弄り倒しているとリンディがコホンッとわざとらしく咳払いして乱れたその場を仕切り直した。

 

「二人共?そろそろ本題に入っていいかしら?」

「は、はい。すいませんでした。」

 

表情こそ笑顔だが声は明らかに怒気を含んでおり、リンディの背後にはドス黒いオーラが見えた気がしてカイトは恐怖を感じ素直に謝った。

もちろん実の息子であるクロノは何度となく同じ場面に遭遇した事があるので、すぐさま佇まいを直している。

 

「カイト君。私が聞きたいのはね…」

「は、はい。」

 

リンディのあまりにも真剣な表情にカイトはゴクリと喉を鳴らした。

余程重要な案件なのかとカイトも真剣に聞く体勢に入った。

 

 

「クリスマスって一体どういった行事なのかしら?」

「は、はい?」

「なのはさんから聞いたのだけど、いまいちピンと来ないのよ。」

「は、はぁ…」

「地球にいたカイト君ならもちろん知ってるでしょう?お願い!教えて?」

「いいですけど…何だか真剣に聞いて損した気分ですよ…」

 

クリスマスとは地球のある宗教の行事が発祥で本来はその宗教の教祖の誕生祭であり今ではその宗教を信仰していない人でも特別な日になっており、主に家族や恋人の様な大切な人と豪華な食事とケーキを食べて過ごす日だという事と、良い子にしていた子供達にはサンタクロースという人から枕元にプレゼントが届く事を説明した。

 

「なるほどねぇ…何だか素敵な行事だという事はよく分かったわ。ありがとうカイト君。」

「いえ、お役に立てて良かったです。やっぱりフェイトの為ですか?」

「あら?やっぱり分かっちゃう?私達もだけどフェイトさんも初めてなんだからちゃんとしなきゃと思ってね。」

 

まだ家族になるかはフェイトの気持ち次第だが、今年のクリスマスはフェイトにとって忘れられない日になるだろうとカイトは思った。

 

「ところで…サンタクロースというのは何者だ?世界中の子供達に一晩でプレゼントを贈り終えるなんて…」

「そう言えばそうね…しかも枕元にって事は人様の家に勝手に進入するのかしら?」

「あ、いや…あのですね…サンタさんってのは…」

「はっ!まさか…サンタクロースというのは…魔導師か!?」

「はぁ!?」

 

その後、クロノとリンディの勘違いを正すのに小一時間程必要になり、もう一日入院したくなったカイトだった。

 




うん。いいオチだ(自己満足)
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