魔法少女リリカルなのは〜夜天に浮かぶ月〜   作:すこすこノ助

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終わりが近づいてきました。



第20話 再会する二人

完全に動きが止まった闇の書を警戒しながら見ていたカイトは思考を張り巡らせていた。

 

何故、動きが止まった?

フェイトが脱出したから?

何か強力な魔法の準備?

 

色々と考えながら闇の書を警戒し次の動きを待っていた。

 

『外で戦ってる方!管理局の方!』

「はやてちゃん!」

「ッ!はやてっ!」

 

いきなり闇の書からはやての声が聞こえ、なのはがはやての名前を呼ぶ。

闇の書を警戒し思考していたカイトは一瞬遅れてはやての声だと認識し弾かれる様にはやての名前を叫んだ。

 

『その声…なのはちゃんか?それと…もしかしてカイ君?』

「うん!そうだよ!()だよ!カイトだよ!はやて!」

 

はやてだけが呼ぶカイトの愛称を三年振りに聞きカイトは思わず一人称が「俺」から「僕」に戻っていた。

 

『久しぶりやなぁ…って今はそんなん言うてる場合やない!この子の黒い淀み何とかしてくれへんか?』

「何とかって言われても…」

『なのは!カイト!聞こえる?』

「ユーノ?」

 

はやてのざっくりとしたお願いに少々困惑しているとユーノから通信が入った。

現在ユーノとアルフはこちらに向かっていて色々と状況が掴めているらしく、ユーノによると闇の書の覚醒後に主が目覚めている今なら防衛プログラムを切り離す事が可能かもしれないらしい。

 

「それで具体的にはどうするの?」

『なのは、フェイト二人の純粋魔力砲で闇の書を吹っ飛ばして!全力全開!手加減なしで!』

「さっすがユーノ君!分っかりやすい!」

 

なのはとフェイトは共にフルドライブモードのデバイスを構え魔法陣を展開させる。

二人の魔力がとんでもなく高まっていくのを感じカイトは近くにいると危険と判断し二人から距離を取った。

 

「N&F中距離殲滅コンビネーション!」

「ブラストカラミティ!」

 

二人がコマンドワードを唱えると桜色と金色の魔力砲が発射され、途轍もない魔力の奔流が闇の書を飲み込んだ。

 

「…うわぁ…何アレ?」

《マスターあからさまに引かないでください》

 

二人が放ったとんでもない威力の魔法にカイトは戦慄し背中に冷や汗が流れるのを感じながら魔力の奔流の中にいる闇の書を見つめていた。

 

 

 

 

 

『名前をあげる…もう闇の書とか呪われた魔導書なんか呼ばさへん!わたしが呼ばさへん…』

 

『夜天の主の名において、汝に新たな名を与える…強く支える者、幸運の追い風、祝福の風…』

 

『リインフォース。』

 

はやてが闇の書の管制人格に名前を贈ると真っ暗でまるで闇の中の様だった空間が砕け散り、先程とは全く正反対な明るく真っ白な空間に変化した。

 

『行こか…リインフォース。』

『はい!我が主!』

 

 

 

 

カイトは二人が放った魔導砲により飲み込まれた闇の書がいた所を見ているとベルカ式の魔法陣の上に白い大きな光が浮かんでいた。

警戒しながら観察していると白い光の周りに新たに四つの光が出現した。

 

四つの光はそれぞれ紫、紅、ライムグリーン、白に輝いている。

様々な色をした光が次第に大きくなるとそれぞれが人の形に変化していく。

 

桃色の髪の凜とした女性シグナム

赤い髪の気の強そうな少女ヴィータ

金髪の優しそうな女性シャマル

褐色の肌の屈強な男性ザフィーラ

 

そして、夜天に付き従う雲の中心にあった白い光が輝きを放つと、騎士甲冑を纏い先に剣十字が付いた杖と魔導書を持ち、髪は銀色に瞳は空色に変化した八神はやてが現れた。

 

 

ヴィータに泣きながら抱きつかれ守護騎士達に笑顔を見せるはやての姿をカイトは呆然と眺めていた。

 

無我夢中で呼びかけた末に起きた奇跡の様な出来事に頭の整理が全く追いつかなかったが、はやての笑顔を見て本当に救えたと改めて実感したカイトは動けずにいた。

 

「カイト君?行かないの?」

「カイト?行ってくれば?」

 

なのはとフェイトはそんなカイトに声をかけ三年振りに再会した幼馴染の元に行かそうと軽く背中を押した。

 

「ッ!そうだね…二人共ありがとう…行ってくる!」

 

二人の行動に我に帰ったカイトは二人にお礼を言うと刀を鞘に収め一目散にはやての元に向かって飛び立った。

今まで見た事も無い様な笑顔で飛び立つカイトを見て、なのはとフェイトはお互いに顔を見合わせ微笑んだ。

 

 

「はやて!」

 

泣きじゃくるヴィータの頭を撫でて再会を喜んでいたはやては懐かしい声で名前を呼ばれて振り返ると、そこには小さい頃から何度も自分を救ってくれた優しい幼馴染の姿があった。

 

「カイ君…ほんまにカイ君や…」

「言ったでしょ?絶対また会える気がするって。」

 

三年振りの再会に涙が溢れ出し上手く言葉が出てこないはやてはウンウンと頷くだけになっていた。

 

「はやて…笑って?僕は、はやての笑顔が大好きだよ!だから笑って?」

 

別れの時と同じ台詞を聞き涙を拭いて今出来る精一杯の笑顔を見せるはやてにカイトも自然と笑顔になった。

 

「カイ君…わたしカイ君の声が聞こえたから目が覚めたしウチの子らも無事帰ってこれた…あの約束覚えててくれたんやね…」

「言ったでしょ?約束は消えない。永遠に続くって!」

「ふふふ、そうやったなぁ。ほんまにありがとう。」

「なぁ…はやて。こいつが前言ってた外国に行ったっていう幼馴染か?」

 

はやてとの会話に割り込んできたのはヴィータだ。

はやてを取られそうになる不安と助けて貰った感謝がごちゃ混ぜになり複雑な表情を浮かべている。

 

守護騎士達とカイトの自己紹介が終わる頃には、なのはとフェイトがこちらに合流しており、はやては合流した二人にも改めてお礼を言っていた。

 

「ねぇ、はやて。ベルカでは騎士甲冑だっけ?それ格好いいね!」

「いきなりどうしたん?」

「僕のバリアジャケット適当に作ったからさ。そうゆう格好いいの羨ましいな…」

 

ふと、はやての騎士甲冑を見てカイトは素直に格好いいと感想を述べた。

カイトのバリアジャケットはデザインが思い浮かばず適当に黒の上下に白いロングコートにしたのだ。

 

「そうだ!はやての騎士甲冑と同じの使っていい?」

「へ?まぁ別にええけど…」

「いいの?やった!じゃあ月下(げっか)!はやてと同じデザインのバリアジャケット作って!スカートはズボンにしてね!」

《帽子はどうしますか?》

「ちょ!ここで変えるんか!?」

「うん。そうだけど?ダメ?」

「いや、ダメやないけど…」

 

いきなりバリアジャケットのデザインを変更しようとす事にはやては驚くがカイトは不思議そうな顔をした後、特に気にする様子も無く月下に帽子は無しとか腰に付いてる装甲みたいなのは削って動きやすい様にと注文していた。

 

「あ、それやったら髪型も変えた方がええと思うで?」

「え?」

「カイ君…その髪型正直言って全然似合ってへんで?」

「えぇ!そうなの!?」

 

カイトの今の髪型は前髪も後ろに軽く流した髪型だ。

ミッドに来た時に思い付きでやってからセットが楽なので自分では気に入っていた。

それを似合っていないと言われショックを受けつつ、なのはとフェイトの方を見ると露骨に目を逸らされた。

 

「二人も似合ってないと思ってたんだ…」

「あはは、私は昔のカイト君の髪型が良かったかな?」

「私は最初に会った時ちょっと怖かった…かな?」

 

目を逸らしながら正直な感想を述べたなのはとフェイトの言葉にカイトはショックで何も言えずに口をパクパクさせていた。

 

「カイ君は、つり目でキリッとしてるからな。前髪上げたらちょっと怖いんや。」

「そ、そうだったんだ…」

 

今まで誰にも言われた事が無かった事実を知らされて頭がクラクラするカイトだったが、ふとフェイトを最初に会った時の事を思い出した。

 

『月代カイトです。よろしくって…誰が剣術馬鹿だ!』

 

クロノからフェイトとアルフを紹介されて自己紹介した時にノリツッコミをした時、爆笑するクロノとアルフの横で妙にオロオロしていたのは、カイトの若干怖い目つきのせいで本当に怒ったと思ってしまったのだと、今更ながらあの時のフェイトのリアクションの謎が解けたカイトであった。

 




ちょいとオチが弱い気がしますが気にしたら負けだと思っています。
そして、物語が佳境に入ったところでまさかのバリアジャケット変更です。
元々、はやての騎士甲冑の男バージョンを想像していたので最初のバリアジャケットは本当にテキトーなデザインでした。
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