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喫茶翠屋を出て住宅街から少し離れた所にある日本家屋に着いた。
表札には「高町」と書いてある。
「お、お邪魔します。」
「はい、いらっしゃいなの!」
結構立派な家だったので少し緊張しているカイトに対して、なのは笑顔で迎え入れる。
門を抜けると小さいながら道場が見えた。
「カイト君は先に道場に行ってて!今お兄ちゃん呼んでくるの!」
「あ、うん、お願いします。」
カイトは先に道場に入っていいのかと思ったが住人であるなのはに言われたので言われた通りしようと道場に入り座って待つ事にした。
「カイト君お待たせなの!お兄ちゃん連れてきたの!」
「ありがとう高町。」
少し待っていると、なのはと共に黒髪で端正な顔立ちをした『高町恭也』が道場に入ってきた。
「初めまして!高町さんとクラスメイトの
「初めまして。なのはの兄の高町
恭也はなのはから少し事情を聞いた様だが、こういった事は自分で説明しなければと思いカイトはここに来た目的を話した。
「ほう、それで俺に稽古をつけて欲しいという事か」
「はい!お願いします!」
「俺は君の流派の事は何も教えられないんだがそれでもいいのか?」
「はい大丈夫です。月代流剣術は基礎練習以外は同門や他流との実戦形式の稽古で磨いていくと父さんが言ってました。」
恭也が使う剣術は御神流という暗殺剣なのでおいそれと教えるわけにはいかない。
しかし、カイトはそんな事は織り込み済みな様子で答えた。
「そういう事なら俺でも大丈夫だな。分かった。引き受けよう」
「ありがとうございます!」
「しかし、何故そんなに強くなりたいんだ?」
カイトのお願いを聞いた恭也は先程からずっと思っていた疑問を口にする。
カイトはその疑問に対して亡き父との約束を語る。
「ふむ、約束か…じゃあ、俺とも約束してくれ」
「え?」
「その約束を絶対に忘れないと約束してくれ」
「は、はい!約束します」
悪戯っぽく笑う恭也にカイトは少し唖然としたが元気良く返事をして恭也と約束した。
満足そうな笑顔を見せた恭也は立ち上がり木刀を取りに行く。
カイトも立ち上がり木刀を借りる為に後を追った。
「ところで、君の流派はどんな流派なんだ?」
「月代流剣術と言って長刀の剣術です。一対一でも一対多でも対応できる古流剣術だって…父さんは言ってました。」
「なるほど、ならこれくらいの長さの木刀でいいか?」
「あ、はい!いつもこの長さでやってます。」
「よし、じゃあ少し打ち合ってみようか。」
そう言うと恭也は二刀の小太刀くらいの長さの木刀を逆手に持ち構えた。
対してカイトも姿勢を低くして木刀を構える。
カイトは対峙した瞬間、血の気が引いた気がして足が竦んだ。
「どうした?来ないのか?」
「いえ!行きます!」
ニヤリと笑う恭也にまた足が竦みそうになったが、カイトはなんとか気持ちを落ち着かせて走り出す。
猛スピードで接近し左下から片手で逆袈裟を放つも左の小太刀で防がれる。
防がれたがなんとか振り抜き手首を返し木刀を両手で持ち直して右上からの袈裟斬りを放つも右の小太刀で防がれる。
しかし今度は両手持ちを察知した恭也が防ぎながら小太刀を押し出していた為にさっきの様には振り抜けず衝撃で弾かれてしまった。
一瞬の隙を恭也は見逃すはずも無く左の小太刀で斬りかかって来る。
カイトはなんとか木刀を滑り込ませ防御するも衝撃で後ろに飛ばされた。
(ほう、スピードは想像以上だな。斬撃も速くて鋭い…これはさっき言ってた基礎練習とやらのおかげか…)
恭也がそう思っていると体勢を立て直したカイトが先程より速いスピードで走って来た。
(ふむ、まだ速くなるのか。とてつもない身体能力だな)
カイトは接近すると横薙ぎに一閃し防がれると同時に姿勢を低くして回転する。
回転した勢いを乗せながら足目掛けて一閃するも恭也は少し後ろ斜めに飛んで回避する。
回避されたのを見てカイトは回転を止めず一回転しながら飛び上がり両手で木刀を持ち下から斬り上げた。
「月代流剣術
下から上さらには木刀を縦に一回転させ満月の様な真円を空中に描いた。
今までの斬撃より速く放ったつもりだったが、恭也にはしっかり見えており小太刀を交差させて防ぎ、技の終わりに出来た隙に恭也は小太刀を叩き込んだ。
斬撃を受けたカイトは床に打ち付けられたが、しっかり受け身を取っていた様ですぐに立ち上がった。
「イテテ、最初に構えた時から思いましたけど、高町さんやっぱり凄く強いですね。」
「恭也でいいぞ?カイト君。君は今のままでも十分強いと思うが…」
「いえ!恭也さん!僕の目標は父さんみたいに強くなる事ですからまだまだです。」
「そうか、しかしスピードと斬撃の鋭さには正直驚いた。」
「父さんの剣術指南書のおかげですよ。毎日基礎練習やってますから!」
「ほう、剣術指南書…そんな物があるのか?」
カイトはカバンから一冊のノートを取り出し恭也に渡した。
恭也はそれを見ると感心すると同時に納得した様子を見せた。
「ふむ、この指南書はよく出来ているな。確かにこれさえあれば、後は実戦形式の稽古で十分だ。」
「あの…恭也さん、そこでお願いがあるんですけど…」
「ん?また稽古に付き合って欲しいのだろう?別に構わんぞ。」
「あ、ありがとうございます!」
「最初から俺はそのつもりだったんだが?」
「え?」
「週二回くらいでいいか?」
「え?」
「そうだな…俺の都合が悪い時は
「え?」
完全に恭也のペースに巻き込まれ戸惑うカイトを尻目に、恭也はこの状況を楽しむ様に笑いながら話をトントン拍子で進めていった。
2000文字超え…だと…?
前編と合わせると4000文字弱になるんですね。
二話に分けて正解だったかなと勝手に思ってます。