第9話『学生達とネギの苦悩、書物の闇に消えた者達。』にて、太一の復活が遅れ、ネギが「頭の良くなる禁断魔法」を唱えてしまった場合の物語。
期末試験当日まで後2日に迫った土曜日の朝、麻帆良学園女子中等部2-Aの教室では、奇妙な・・・いやこのクラスだからこそ奇妙と言える光景が広がっていた。
「・・・・何なんでしょうか?この光景・・・。」
「私にも分からん・・・いや・・理解はしているが。」
「ねえ・・・皆・・・如何しちゃったの?」
「変な病気にでも罹ったんじゃねえか・・・。」
「ほえ?じゃあ皆このままほっといたら、全身黄緑色タイツの様な大群で出てくる怪物になるん?」
「お嬢様・・・その様な、護星の使命を受けた天使達が活躍する某戦隊特撮番組見たいな事にはならないのでご安心を・・・。」
太一、レイ、刹那、真名、このかの5人は、目の前の光景が奇妙としか言いようが無い光景を目にしながら、
レイは半分混乱の表情で、このかはいつもののほほんとした表情で、刹那と真名は理解してる故の呆れた表情で、
太一は額のに青筋を立てて呆れと怒りの表情で眺めていた。
その光景とは・・・。
「ネギ、全国模試のドリル5教分全て科終わったわよ。」
「ネギ君、こっちも大学の試験問題集終わったよ♡」
「ネギ先生、たった今「ファルマーの最終定理」の証明論文をノートの半分(一冊)程使いましたが書き終えました。」
「ネギ坊主、今しがたマサチューセッツ工科大学の生徒が書いた論文を読んでいたのでござるが、
いかんせん修正する箇所が多かったので、修正しておいたので、後でファックスで送っといてくれでござる。」
「ネギ坊主、今解読中と言われている、超古代文字の解読が終わったね!!だがこの通りだとすれば、今までの世界の常識が覆されるアルよ。」
上から順に現元バカレッドことアスナ、現元バカピンクことまき絵、現元バカブラックこと夕映、
現元バカブルーこと楓、現元バカイエローこと古菲は最早中学生レベルではない問題(中には問題ではない物も有るが)を全問正解で解いていた。
このクラス・・・いや・・この学園1のバカだった者達がと言いたいが、彼女達だけではなく、
太一、レイ、刹那、真名、このか、エヴァ、茶々丸の6人と1体以外の生徒達が、大学レベルから今世界中の学者達が取り組んでいる問題を解いていた。
何故中学生である彼女達がその様な超難問を解けるかというと・・・まあ原因は前書きで分かってるが、
全て元凶は、嬉しさのあまりに教卓の上で踊ってしまいそうになっている、健康野菜の代名詞の名を持つ子供にあった。
「皆さん・・・凄い・・・凄いですよ!!これなら今回の期末試験で学年1位を狙えます!!」
(((((((いや!!最早そんなレベルじゃないから!!)))))))
「「「「「「「「「「これが本来の私達の実力よ!!」」」」」」」」」」
(((((((いや!!違うから!!)))))))
ネギやクラスメート達の言葉に、太一達は心の中でツッコミを入れた。
この様子だと、アスナもこれがネギの魔法による効果だとは気付いてはいない様であった。
「太一さん・・・如何します?これ?」
「如何しようもできない・・・俺が気絶してしまったばっかりに・・・・。」
「お前の所為でもあるまい・・・自分の事しか考えてなかったあの愚か者のやった事だ。」
「マスターが太一さんを・・・もしやマスターは太一さんの事を!!」
「違うわ!!」
「エヴァちゃん、太一君の事好きなん?」
「違うと言っとるだろうがああああああああああああああああああああああああ!!」
「太一君・・・自分の所為って如何言う事?それに原因が先生にって・・・。」
「・・・・ごめんレイ・・・それに関しては今は言えない・・・・話せる時が来たらちゃんと話す。」
「・・・・うん・・分かった。」
さて皆さんも気になっているかと思いますが、何故レイとこのかが何故無事かと言うと。
ネギが頭の良くなる禁断魔法を唱え終える寸前、太一からネギの教育実習生としての最終課題の事を聞いていた刹那と真名によって、
禁断魔法が発動する寸前のところで教室の外に連れ出されたので助かったのである。
それと同時に、刹那達の動きを見て、過去に自分が味わったのと同じ嫌な予感がしたエヴァも茶々丸と一緒に教室の外に出たので無事だった。
太一達はレイとこのかから少し離れ、他の者達には聞こえない程度の声で話し出す。
「太一・・・学園長は何と?」
「・・・・もう手遅れだと・・・。」
「如何言う事ですか?」
「あの魔法は脳の働きを上げると同時に、膨大な量の知識を脳と精神が壊れない程度に送る魔法なんだ。」
「しかしそんな事をすれば、当然脳にダメージが生まれる・・・副作用の一ヶ月頭がパーになるのはその所為だ。」
「3日の効果と言うのも、脳が耐えられる日数の事らしい。」
「加えて言うなら、一ヶ月の期間も脳のダメージが回復するのにかかる時間だ、だが人によってはそれ以上、
もしくはそのまま廃人になる場合もある。」
「途中で解除の魔法をかけても、脳にはダメージが残ると言うことか・・・。」
「あぁ・・・しかもその場合、強制的に知識の消去も入るから、普通より脳にダメージが出るかもしれないってさ・・・。」
「あの人はなんと言う事を・・・・。」
「「「「・・・は~~あっ・・・・。」」」」
最早呆れるしかなく、茶々丸を除く全員が溜息を吐いた。
「もしもの時の為に大学病院の方に、人数分が入院できるように部屋を用意するよう連絡を入れときます。」
「一応頼む茶々丸。」
「はい、マスター。」
「最早全員廃人確定か?」
「いや・・・パーになった奴等の為にも必要だろ。」
「・・・・そうですね。」
最早自分達以外の全員の入院は確定だった。
「ところでエヴァ・・・。」
「何だ?」
「このままほうって置いたら、アイツ等全員■■■■■■■■■■■になるか?」
「ほう、それに気付いていたか・・そうだな・・・・今の状態からすると・・・・確かに■■■■■■位だな。」
「・・・・やっぱりそうか・・・。」
「ねえ太一君・・・さっきから皆で何話してるの?」
「せっちゃん何しとるん?」
「・・・・・・・。」
太一たちの会話が気になったのか、レイとこのかが近づいて来た。
そんな2人に太一は、誰かを哀れむ様な目をしながらレイとこのかの方を向いて、今までに聞いた事の無い位の優しい口調で話し始めた。
「レイ・・・このか・・・・後2日、テストに向けて俺達は俺達なりに頑張って、そしてテストも全力で受けよう・・・それがアイツの本来の望みのはずだしな・・・。 」
「「「「うんうん。」」」」
「「えっ?」」
太一の突如としての優しい口調でのテストに向けて頑張ろうと言う言葉と、それに何処か同情しながら頷く刹那達に、
レイとこのかは頭に?マークを浮かせて首を傾げる。
そして「アイツ」とは誰?と首を反対方向に傾げる。
「そして・・・テストが終わったら・・・・・アイツを・・・。」
((だから”アイツ”って誰?))
「送る言葉を考えてやろうぜ・・・。」
「「「「うんうん。」」」」
「「?送る言葉?」」
それだけ言うと、太一達は教科書に目を向け、勉強を開始した。
「せめてもの情けだ今回だ・・・けは全力でやってやるか。」
「じゃあ俺達の勉強見てくれ。」
「かまわん・・・茶々丸、お前も手伝え。」
「はい・・・彩羽さんと近衛さんも此方に入らしたらどうですか?」
「えっ?でも・・・。」
「安心しろ、いつもは手を抜いてるだけで、私と茶々丸は本来中学生レベルの問題など、余裕で満点を取れる。」
「そうなの?・・・じゃあお言葉に甘えて。」
「よろしゅうお願いします。」
太一、レイ、刹那、真名、このか、エヴァ、茶々丸は一箇所にかたまって、エヴァと茶々丸に分からない所を教えてもらう形で勉強を始めた。
「はあ・・・これで最終課題はクリアできる・・・。」
(・・・・残念だが・・・その願いは叶わないよネギ・・・そしてお前の夢も・・・・それは自業自得だ・・・せめてオコジョにされない事を祈っておく。)
ネギの言葉に、そう心の中で呟いて、太一は勉強を再開した。
そして期末試験当日。
太一とエヴァが予想していた通りの結果となった。
「こら!!君達何をしてるんだ!!」
「ぽへ~~~~~。」
「これなんてよむあるか?」
「古菲君!!これひらがなだよ!!如何したんだい!?」
「あぷぷあぷぷ!!」
「にょほほほほほほほほほ・・・・。」
「きゃははははははははは!!」
「ぴーーーーぽーーーーーぱーーーーーー。」
「きっ・・・・君達・・・本当に如何したんだ!?超君も葉加瀬君も一体如何したんだ!?いつも学年トップの君達がその・・・パー?」
そう全員がパーとなっていたのであった。
あの時太一がエヴァに聞いていたのはこの事であった。
『このままほうって置いたら、アイツ等全員テストを受ける前にパーになるか?』
『ほう、それに気付いていたか・・そうだな・・・・今の状態からすると・・・・確かにテスト当日の朝位だな。』
太一とエヴァの予想通り、無念にもテストを受ける前にアスナ達はパーとなってしまっていた。
ネギが使った頭が良くなる禁断の魔法の効果は3日間、ネギがこの魔法を使ったのは金曜日、そして今、期末試験日は月曜日。
つまりネギが金曜日にこの魔法を使ってしまった事によって、この魔法の効果の期間である3日が過ぎてしまい、
試験当日の今日には効果は切れ、全員頭がパーの状態でテストを受ける事となったのだ。
なのでネギが金曜日にこの魔法を使用してしまったその時点で2-Aの最下位は決定していたのであった。
最早テストを受ける以前に、テストに書かれた問題のひらがなさえ読めない状態なので、問題の答えを考える事すら不可能であった。
しかも中にはパーになってしまった事によって、本能的に動き回ったりする者達がいた。
中には教室中を駆け回ったり、ある者は服を脱ぎ捨てて暴れる等、まともな者がいたとしてもとてもではないがテストを受けられる状況ではなかった。
その事に気付いたネギは、廊下から自分のクラスの様子を涙を流しながら後悔し、震えていた。
因みに教室には太一達の姿は無かった。
この状況を予測していた太一は、遅刻した者は別室でテストを受けることを知っていたので、太一は皆にワザと遅刻する様にと伝えた。
そして太一の思惑通り、自分達はパーになった者達による邪魔を受ける事無く、と言うかまず教室では受けられる状況ではないが・・・、
無事にテストを受けられた。
「・・・・俺達の教室凄い事になってるな・・・これは・・・。」
「私達の教室からかなり離れている筈なのに、事や声がここまで聞こえてきてますね。」
「私達は太一のお陰で無事テストを受けられているが・・・。」
「気にするな・・・奴の自業自得だ。」
「「「だね。」」」
「コラッ!!お前達!!試験中に私語をするな!!」
「「「「すいませんでした!!」」」」
自分達の試験を監視している新田先生に注意され、謝って試験に集中する太一達。
(・・・・あの様子だと、あっちを見ている先生も可哀想だな・・・。)
その通り、彼もある意味で被害者だ。
「止めなさい君達!!物を投げるな!!うわっ!?君!!女の子が教室で、しかも男性の目の前で「ピーーーー」しちゃ駄目!!コラそこ!!
「ピーーーーーー」に「ピシュン」を「バキュンバキュン」!!だああああああああ!!君達女の子同士で何を!?
コラそこの君達も!!テストの答案や鉛筆、それと「ボカン!!」を食べるな!!」
最早地獄絵図。
彼女達の為に、あまりにも過激で危ない単語の箇所には「ピーーー」音等の効果音を入れさせていただきました。
ご了承お願いいたします。
「誰か助けてくれえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」
そんな状況の真っ只中にいる彼に・・・・合唱・・・。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
ご愁傷様・・・。
そして期末試験は終了。
学年別成績順位発表の日、結果2-Aのクラス平均点は「17.8点」と麻帆良学園創立以来最低の成績と、当然ながらの最下位だが、
そのあまりにも悪すぎる成績から、後世に伝えられるバカなクラスとして記録され、2年連続で最下位を取ったクラスとして、
最下位クラスの殿堂入りと言う不名誉を与えられ、今学期は終了した。
そしてネギは、最終課題を合格できなかったので、正式な教師となる事も無かった。
加えてその原因が、自分が魔法を使用したのが原因なので、本来なら教育実習生のまま、麻帆良でマギステル・マギのになる修行を続けさせ、
再度正式な教師になる機会を与えるつもりであったが、原因が原因なので、学園長も何とか手を回すなりしたのだが、
結果はネギの修行を強制終了と、自分の生徒達を私用の為に脳にダメージを負わせた事で、オコジョの系が言い渡された。
最初はネギのサポートを引き受けた太一にも非難の声があったが、ネギが問題の魔法を私用した時、
彼がネギが知らずとは言え実行した、「英単語野球拳」によって発生し暴走した女子達によって、
窓から落とされ気絶させられたのが原因で、止められなかったと刹那達が弁護、それによって太一にいたってはお咎め無しとなった。
そしてネギは学年別成績順位発表の翌日、誰に見送られる事無く、本国の者達によって強制的に本国へと連れられていった。
一ヵ月後、ようやく脳のダメージが回復し、正常に戻った生徒達に、ネギは一身上の都合の為に、故郷に帰ったと伝えた。
アスナだけはネギが修行を強制終了され、強制帰国されたのではと思ったので、太一に聞いてきた、
「自業自得だからお前が気にする必要は無い」と包み隠さず話、最初やり過ぎではと言っていたが、
太一がネギの修行が強制終了された理由を聞いて、アスナは怒髪天の如く髪が逆立て、物凄い速さで屋上へと駆け上がり、
イギリスのある西方面の空に向かって、ネギへの怒りの言葉を延々と叫び続けていた。
それから数ヶ月後・・・。
荒れ果てた荒野・・・いや地表の上で対峙する4つの影があった。
「まさか我をここまで追い詰めるとは思いもよらなかったぞ・・・・。」
1つは全身を黒いローブで覆った黒いオーラを放つ人物。
「ギシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
もう1つは禍々しいまでのオーラを纏った巨大な怪物。
「これが俺にできるせめて物罪滅ぼしだからな・・・それに、俺としてもお前がやろうとしている事を放って置く訳にはいかない!!」
そして、太陽の欠片を発動させ、戦士の様な格好をした太一。
「この世界の人達を・・・お前達の勝手な理屈で滅ぼさせてたまるか!!」
太一の隣に立つ、金色に近い色の鎧を纏った竜人、アグモンが究極体進化したウォーグレイモン。
両者の間には只ならぬ緊張が走る。
「この世界を救うには、幻が消えるしかないのだ、我等が「完全なる世界(コズモエンテレケイア)」によって!!」
「彼等は幻じゃない!!」
「あの人達は皆、自分の夢や理想に向かって、時には泣き、時には苦悩し、それでも乗り越えて夢を実現しようとする俺達と同じだ!!」
「お前達がやろうとしている事は逃げだ!!お前達にとって簡単な方法で、物事を解決し、それを正当化しようとしようとしているだけじゃないか!!」
「ならばこの世界を、貴様等は救えるとでも言うのか?奴等を消す事無く、救う力があるとでも言うのか?
非力な存在でしかない貴様等に!!」
「「無い!!」」
「!?」
「でも見つけ出す!!」
「俺が・・・俺達が!!」
「「俺(僕)達皆で!!見つけ出してみせる!!」」
「ならば我等を止めてそれを証明させて見せろ!!」
「言われなくてもやってやるぜ!!」
「行くぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
太一は太陽の欠片の力を全開にし、より一層強く眩い輝きを纏い、ローブの人物へと駆け出し。
ウォーグレイモンも巨大な怪物へと向かって飛び上がった。
そして激しい戦いが繰り広げられ、その攻防の中、太一は本来ならこの場に立っていたかもしれないネギへの言葉を心の中で呟いていた。
(ネギ・・・本来ならこいつと戦っていたのはお前だったのかもしれない・・・俺はジジイとの約束通りに、
お前を導く事ができなかった・・・だがあれはお前の完全な自業自得・・・マギステル・マギになれなかったとしても、
決して腐らないでくれ・・・お前にはマギステル・マギになれなかったとしても、誰かを救う力がある・・・、
マギステル・マギはただの称号だ、それが無かろうと、お前は・・・誰かを救えるんだ・・・笑顔にできるんだ。
だから・・・お前がお前自身の意思で立ち上がるまで、俺はお前が救うはずだったかもしれない人達を俺達が守ってみせる・・・それが、
お前を導けなかった俺がお前にできる只1つの罪滅ぼしだ!!)
「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」
ドグアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!
その後の歴史で、ネギ・スプリングフィールドと言う名の英雄は現れなかった。
しかし、紛争地帯のとある小さな国に、杖を持った赤髪のメガネを掛けた男性が、紛争に苦しむ人々を導いていると言う話を、
風の噂で聞いた。
END
つまりはネギのバッドエンドストーリーです。