デジモンアドベンチャーMAGI   作:龍気

17 / 21
番外編は9話目と10話目の間に上げます。


第12話『信じられぬ結果』

クワガーモンとシードラモン、2体のデジモンとの地底図書室での戦いを終え、ネギと木乃香、そしてバカレンジャー達救出に成功した太一達。

 

だが太一は地上に戻る為の道を断たれ(ネギの所為)、地上に戻れないでいた。

 

期末試験まであと15時間・・・・果たして間に合うのか?

 

そしてバカレンジャー達の成績は?

 

初の最下位脱出はなるのか?

 

 

 

―――『信じられぬ結果。』―――

 

 

 

期末試験当日、2-Aの教室では生徒達がその日最初の試験の準備を始めていた。

 

だがその教室に、太一はもちろん、刹那に真名、木乃香にバカレンジャーの面々、そしてのどかにハルナの姿がなかった。

 

 

キーンコーーン・・・カーーンコーーーン・・・・

 

 

そして予鈴が鳴り始め、もう試験本番までの残り時間5分を切った。

 

 

「もう予鈴が鳴ってしまいましたわよ!!あの5人組(バカレンジャー)はまだ来ませんの!?」

 

「来ないですーもーダメかもー。」

 

 

バカレンジャー達が今だ来ない事に、焦るあやかに、もうダメだと泣きながらオロオロしだす史伽。

 

そして無情にも、1時間目の試験担当の先生が教室に入ってきて、席につく様言われたので、全員各々の席につき始める。

 

 

「くっ・・・5人分全教科が0点扱いとなると・・・いくらバカレンジャーとはいえ、2-Aの平均点は大幅に下がってしまいますわね。」

 

「後バカレンジャー達を探しに行った、桜咲さんと龍宮さん、そして太一君も戻って来てないよ。」

 

「図書館探検部の3人もいないよ。」

 

「このままでは最下位確実・・・ネギ先生はクビに・・・・みなさん!!今回は1人15・・・いえ!!20点増しでよろしく!!」

 

「「「「「無理!!」」」」」

 

 

あやかの切なる(半欲望とも言える)要望を、速攻で「無理」と声を揃えて言い放つクラスメート達。

 

 

 

「あいつ等は間に合わなかったか・・・・それはそれで、仕方の無い事だな。」

 

「マスター・・・やはり今回は私達も本気で試験に取り掛かった方がよいのではないかと・・・。」

 

「無意味だな・・・例え私達が本気でやったとしても、計11人の穴は埋められない、お前も分かってるはずだぞ?」

 

「・・・はい。」

 

「それに私はぼーやが如何なろうと知った事ではない。」

 

 

実際最下位脱出の課題をクリアできずとも、正式な教師になれないだけで、ネギの修行が終わるわけでない。

 

エヴァもそれに気付いているので、特に気にしてはいなかった。

 

 

「太一君・・・。」

 

 

レイは心配そうに、隣の太一の席を見詰めて、太一の名を呟いた。

 

その時。

 

 

ダダダダダダダダッ!!

 

 

突如廊下を走る足音が聞こえ、2-Aの生徒達は一斉に反応し、正面の扉の方に注目しだした。

 

 

「バカレンジャー!?」

 

「間に合ったの!?」

 

「ネギ先生!!お待ちしておりましたわ!!」

 

 

特にあやかは居ても立っても居られず、監視の先生がいるにも拘らず、両手を広げて、教室に入ってくる人物を待ち受ける体勢に入る。

 

 

ガラッ!!

 

「あぁ・・・ネギせんせ~~~~~~~い!!」

 

 

そして扉が勢いよく開かれ、それに合わせ、あやかは扉の向こうの人物に飛び込もうとしたが・・・。

 

 

「俺!!参上!!」

 

 

そこには某、人気シリーズで時を超える電車で戦う赤い方の戦士の決め台詞とポーズをとる、ボロボロの太一が立っていた。

 

 

「きええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」

 

ブオン!!

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアン!!

 

グチャ!!

 

「ぶごおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 

待ちに待った人物ではなかった事に、あやかは近くにあった机を太一に向けて、奇声と共に放り投げ、

見事太一の顔面に直撃、何かが潰れる嫌な音の後太一の悲痛な叫びが学園に響く。

 

 

「太一くーーーーーーーーーーん!!」

 

「登場早々早速不幸な目に・・・・太一さんの不幸スキルに磨きがかかっていますね。」

 

「・・・・間に合って幸福なのか不幸なのか・・・・・微妙だな。」

 

 

太一を心配しているのやら、してないのやら、各々様々な反応を示す。

 

 

「何すんじゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

 

だが心配は無用だったらしい。

 

太一はすぐに起き上がり怒りを露わに、机を投げつけたあやかに向かって吠える。

 

顔面をぶつけた為、鼻血をダバダバと流す所為か、今一しまり無く、迫力に欠けていた。

 

 

「あなたに用はありませんわ!!ネギ先生は何所ですか!?ネギ先生を早く出しなさい!!この歩く不幸吸引器!!」

 

「誰が歩く不幸吸引器だ!!そんな物吸い込みたくないわ!!」

 

「何時でも何所でも不幸な目にあっているあなたにはお似合いですわ!!早くネギ先生を出しなさい!!」

 

「好きで不幸な目にあってんじゃねえええええええええええええええええ!!」

 

 

ここに夕映に続く、新たな太一の天敵が現れたか・・・ご愁傷様。

 

最早今のあやかにはネギの事しか頭にない。

 

今必要なのはネギではなく、太一含む残り10人の遅刻組なのだが、ネギ(中心に限定)を心配するあまり、

彼女の脳内からそんな事を取り除いたようだ。

 

 

「君達騒がない!!君も・・・もう時間もないしそのままでいいから、早く自分の席につきなさい。」

 

「あっ・・・はい。」

 

「すみません・・・。」

 

 

先程まであやかの暴走と言う奇行に、呆然としていた教師が我に返り、今尚激しくぶつかり合う、太一とあやかを止め、

席につく様に注意する。

 

ちなみに今の太一の格好だが、服の至る所が破れていたり、焦げていたりと、そして全身ずぶ濡れで、

肌が出ている個所や、破けた服の隙間から切り傷が見られた。

 

何故この様な格好なのかと言うと、話は14時間程遡る。

 

太一の脳天に、刹那が捨てた魔法の本が直撃し、気を失った30分後に太一は目覚めた。

 

そこから広い地底図書室を探索して3時間後、出口らしき扉を発見し、扉に入って道なりに進んでいくと、

魔法の本の安置室へと出た。

 

そこからはもう来た時と同じルートで帰ればいい事なのだが。

 

行く時は通れたルートが通れなくなっている等、やむなく違うルートで戻る羽目となる。

 

それだけではなく、これも最近彼に付いた不幸スキルの成せる技なのか、翌日が麻帆良学園全校の期末試験の為、

翌日に向け万全の態勢で試験を受けさせる為、図書館島の使用時間は普段の午前0時閉館ではなく、

通常より2時間早い午後10時となっており、警備セキュリティーも早まって、太一達が入って来た時と同じ「深夜体制」となっていた。

 

因みにこの時太一達が、魔法の本の安置室から出た時間が、丁度午後10時であった。

 

それから図書館島を出るまでの出来事の一部を紹介しよう。

 

 

『太一!!後ろから無数の蜂が追って来るよ!!』

 

『逃げろアグモン!!あれはオオスズメバチだ!!刺されたらお前は如何か分からないが、俺は死ぬぞ!!』

 

ブウウウウウウウウウウウウン!!

 

『『うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!』』

 

 

無数のオオスズメバチに追いかけられるやら。

 

 

フォンフォンフォン!!

 

『避けろアグモン!!』

 

『太一上!!』

 

バシュン!!

 

『ひいいいいいいっ!!』

 

 

四方八方から鋭利な刃物が次々と飛んでくるわ。

 

 

『アグモン早く上がれ!!』

 

『太一急かせないで!!滑ってうまく上がれない!!』

 

ビビビビビビビビビビビ!!

 

『『アババババババババババババババババババババババババババババッ!!』』

 

 

デンキウナギがいる池に落とされて感電するし。

 

 

ビシュウウウウウウウウウウウウン!!

 

『アグモンしゃがめ!!』

 

『太一飛びすぎないで!!』

 

 

某バイオ・ハザードな映画(あっ・・・某いらないな(笑))に出てくる切断ビームトラップ等々。

 

他にも炎が噴き出す廊下や、振り子鎌が幾つも揺れている細い橋、ちなみにその下には鋭利に尖った棘が幾つも。

 

付け加えると、そんな何処も彼処にもちゃんと本はあった、図書館だから当たり前か・・・・本には優しくなさすぎな場所だが。

 

そんなこんなで、とても図書館にあると思えないトラップのオンパレードの中無事生還した太一は、

アグモンだけを先に部屋に戻し、太一はそのまま教室へと走って行き、今に至る。

 

 

(寝み~~~全身が痛て~~~でも最低でもテストは受けなきゃ・・・。)

 

「たっ・・・・太一君・・・大丈夫なの?」

 

「おお~~~~れふぃ~~~~大丈夫・・・だいしょうふ・・・・・。」

 

「舌が回ってないよ・・・・休んだ方が・・・。」

 

「気にするな彩羽、そいつは分かっててテストを受けに来たんだ、ならばやらせてやれ。」

 

「ですがマスター、太一さんの疲労は危機的レベルの一歩手前です、無理はさせない方がよろしいかと。」

 

「エヴァンジェリンさんに茶々丸さん。」

 

「ところで小僧、ぼーや達は如何した?探しに行ったんじゃなかったのか?」

 

「んあ?あいつ等なら先に戻ったはずだぜ・・・俺は訳あって1人地下に残ったけど。」

 

「ちっ・・・地下!?」

 

「何かあったのでしょうか?」

 

「えっ!?今結構聞き捨てならない単語が出たのに、スルーするの?」

 

「予想してたからな。」

 

「予想て・・・。」

 

 

レイのツッコミに対し、冷静に返すエヴァ。

 

その返しにレイは思わず表情を引き攣らせてしまった。

 

 

「あっ!!見て!!」

 

 

「村上夏美」の声に、クラスの全員が窓の外を向く。

 

 

「バカレンジャー達が来たー!!」

 

「図書館組とネギ先生、それに桜咲さんと龍宮さんも一緒だよ!!」

 

 

その視線の先には、急いで来るネギを先頭に、バカレンジャー達と図書館島探検部の面々、そして刹那と真名の姿があった。

 

 

「ハアハア!!ちっ・・・遅刻!!」

 

「最後の悪あがきに徹夜で勉強したら遅刻アルーーー!!」

 

「いっ・・・1時間で起こしてって言ったのにーーー!!」

 

「私達は起こそうとしました!!」

 

「君達が起きなかっただけだろうが!!」

 

「「「「「「「「「そうでした~~~~~!!」」」」」」」」」

 

 

会話からして(会話にしては声がでかすぎる気がするが)、遅刻の原因は如何やら単なる寝坊の様だ。

 

真名と刹那はちゃんと起きたが、他の全員は刹那達が起こそうとしたにも拘らずに、眠っていたらしい。

 

無論その眠っていたメンツの中にはネギも含まれていたのは言うまでもなく、刹那と真名からは冷たい視線が向けられていたのであった。

 

その後、新田に遅刻の理由を話し、別室で試験を受ける事となった。

 

 

「み・・・皆さん試験がんばって!!僕・・・僕足をひぱってばかりだったけど・・・魔法の本も無くしちゃったけど・・・僕・・・僕・・・。」

 

((この後に及んで魔法の本頼りか・・・勘弁して。))

 

「ま・・・まかせといて~~~。」

 

「本なんかなくてもなんとかなるアルよ~~~。」

 

「ず・・・ずっと勉強つきあってくれてありがとうネギ先生。」

 

「あとは任せるでござる~~。」

 

 

ネギを励まそうと言葉を告げるバカレンジャー達だが、やはり今までが今までなので、自信は殆ど無く、

大いに沈んだ。

 

明日菜もネギを励まそうと言葉を述べるが、やはりどこか自信はなさそうで、ネギは心配そうに校内に入っていく明日菜達を見送った。

 

 

「良かったね間に合って。」

 

「・・・あぁ・・・(あんだけ苦労したんだ、せめて間に合ってもらわないと堪ったもんじゃない)。」

 

「だが・・・ぼーやにとって、これからが本番だ・・・まっ頑張るのはぼーや自身ではないがな。」

 

「あっ・・・それ意味ないものになるかも。」

 

「何?如何言う・・・・あぁ・・・そう言う事か・・・お前も気の毒だな・・・。」

 

「あぁ・・・刹那も真名も・・・それに気付いてる・・・・・。」

 

「えっ?何?如何言う事?」

 

 

太一の素っ気ない一言にエヴァは最初疑問に思い、その意味を聞こうとするも、途中で気付いたのか、

納得した様子で頷き、気の毒そうに太一を見た。

 

太一も「分かってくれるか?」的な表情でエヴァの方を見ると、エヴァも流石に同情したのか、静かに頷いた。

 

一方、何の事か今一分からないレイは、太一とエヴァの交互に視線を移す。

 

 

「あぁ・・・簡単な事、常識的に考えればすぐ解るよ。」

 

「あぁ・・・常識的にな・・・。」

 

「?」

 

 

今一分からないまま、試験が始まった。

 

 

「うぅ・・・やっぱ難しい・・・。」

 

 

明日菜達バカレンジャーは徹夜と難しい問題で眠気が最高潮となっており、ペンが思う様に進まない様子。

 

木乃香やのどかにハルナはクラスの中でも出来る方なので、眠たそうではあるが、バカレンジャー達とは比べ物にならない速さで問題を解いていく。

 

刹那と真名は元々徹夜に強く、予習復習はしていないが授業だけはキチンと受けてはいたので、

それなりに問題を解いていく。

 

一方太一は・・・・。

 

 

「Zz・・・Zz・・・はっ!!寝てません!!」

 

「何も言ってないが・・・それと・・・今は英語の試験・・・・数学の試験は次の次だよ。」

 

「えっ?」

 

「太一君・・・・英訳の答え欄に・・・数式と答え書いてるよ。」

 

「えっ!?げっ!!」

 

『『『『『アハハハハハハハハハハハッ!!』』』』』

 

「静かにしなさい!!」

 

「ヤベ!!てっもう残り時間半分も無い!!」

 

 

かなり崖っぷち・・・いやもう断崖絶壁から落ちている状況だった。

 

 

「フラーグランティア・フローリス(花の香りよ)メイス・アミーキス・ウィゴーレム(仲間に元気を)

ウィーターリターテム(活力を)アウラーム・サルーターレム(健やかな風を)・・・refectio(レフエクティオー)・・・・」

 

 

ネギは癒し系統の魔法を唱え明日菜達の眠気を消し去り、スッキリした状態で試験を受けさせた。

 

 

(ネギ先生・・・徹夜明けで試験を受けているのは私達だけではないのに・・・。)

 

(悪いとも言わんが・・・あまり良いとも言えんな。)

 

 

自分達を除き、他に試験を受けている生徒の中にも、自分達と同じく徹夜明けで試験を受けている生徒は多数いる筈。

 

そんな中で、事情はどうあれ自分達だけが魔法によって優遇されるのは、卑怯とも思える。

 

故にネギのやった事は悪い事とは言えないが、同時に良い事とも言えなかった。

 

そして・・・本当の意味で癒しが必要な彼は・・・・。

 

 

キーーンコーーーン・・・カーーンコーーーーン・・・・

 

「試験終了!!ペンを置いて後ろから回収してください。」

 

『『『『『終わった!!』』』』』

 

 

麻帆良学園の中等部男女共の期末試験は、計12教科を1日6教科の2日で終わらせる。

 

1日の殆どと言っていい時間を試験に費やした彼女達は、期末試験初日を終えた事に一斉に総立ちして喜んだ。

 

 

「やっと終わったね♪明日も頑張ろ♪太一く・・・・・・ん!?」

 

「・・・・・・・・・・。」

 

 

レイの視線の先には、力無く腕をダランとさせ、顔も下を向いており、某有名ボクシング漫画の主人公の最後の様に・・・真っ白となっていた。

 

ネギ達が行方不明となり探索に行ってから、3日程の時間の間、太一は不眠不休で真面な食事もとっていない状態で試験を受けた。

 

度重なる図書館島での災難の数々、加えて謎のウイルスによって暴走した成熟期デジモン2体とのバトルで、

太一の体は既にボロボロと言っていい状態だった。

 

そんな状態でも試験を受けたのは、端に母との決まり事を守る為だけでも無く、ネギの試練を成功させたい為でも無く、

例え成績が悪くとも、行方不明になる直前にネギ本人が見せた努力の意思と行動を無駄にさせたくないと言う、

太一の思いからであった。

 

だがそれも限界だった・・・。

 

 

「太一くーーーーーーーーーーーーーーーん!!」

 

「むっ!?いかん茶々丸!!小僧を保健室・・・いや!!病院に!!」

 

「イエス・・・マスター・・・。」

 

「うわっ!!太一君が真っ白です!!」

 

「息してる!?」

 

「皆さん!!落ち着いてください!!絡繰さんは足を、私は頭の方をお持ちしますわ!!」

 

「はい、お願いします。」

 

 

真っ白となった太一を運ぼうとする茶々丸を手伝おうと、あやかは太一の脇に手を回し、茶々丸と一緒に太一の体を持ち上げた。

 

だが・・・・。

 

 

ガラッ・・・

 

「皆さん試験は如何でしたか!?」

 

「ネギせんせ~~~~~~い!!」

 

パッ!!

 

「「「「あっ・・・・。」」」」

 

ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!

 

「ぐごっ!?」

 

 

彼女達の事が気になって教室にやってきたネギの方に、真っ先に向かったあやか。

 

その時太一の上半身を持ち上げていた手を離し、太一の上半身はそのまま重力に従い、後頭部を床に強打してしまった・・・。

 

 

『『『『『いいんちょ!!』』』』』

 

「太一くーーーーん!!」

 

「うるさいですわよ皆さん!!ネギ先生、お怪我はございませんか?」

 

「あっ・・・はい怪我はないです・・・他の皆さんも無事です。」

 

「そうですか・・・・ネギ先生がご無事で何より・・・。」

 

(((((明日菜達は!?)))))

 

「・・・・・てっ・・・こっちが無事じゃないよ!!」

 

「大変!!太一君の体がビクンビクンってしだした!!」

 

「はわわ!!はわわ!!白じゃなくて、赤い泡が口から!!」

 

「「あっ・・・・。」」

 

 

大騒ぎの後、太一は病院に運ばれ、奇跡的にその日の内に退院、翌日の試験も受けられるそうだ。

 

だが2日目の試験もボロボロだった事は・・・言うまでもない。

 

期末試験も終わった翌日、ついに試験の結果発表の時が来た。

 

図書館島行方不明組全員は発表会場・・・と言っても校舎内の正面ホールだが、この学園の者は何でもお祭りにしないと気が済まないのだろうか?

後トトカルチョも・・・。

 

その場にいる全員が正面ホールにデカデカと吊るされているスクリーンに集中し、まだかまだかと結果発表の時を待つ。

 

 

「でも「最下位で小学生からやり直し」がデマでよかったです。」

 

「発表もちょっと気が楽アルね。」

 

「コラッ!!くーふぇにゆえ!!」

 

「ム・・・そうだったネ、そのかわりネギ坊主がクビに・・・。」

 

「いえ・・・。」

 

(本当はクビにもならないけどな。)

 

 

ネギ達から離れた所で結果発表を待つ太一は、心で呟きながら溜息を吐いた。

 

 

「太一さん。」

 

「ん?」

 

「如何やら先生方はこの後直ぐに、今回の事で職員会議を行うそうです。」

 

「そうか・・・でも今回は完全な自業自得だな。」

 

 

その会議の内容とは、今回のネギ達の図書館島への無断侵入及び持ち出し禁止指定の書物を無断で取りに行こうとした事についてだ。

 

図書館島のセキュリティーは万全ではあるが、この学園の生徒、特に図書館探検部の者は無断でよく出入りしているという事が判明した。

 

今までは何だかんだで行方不明者や事故等が起きなかった事から、軽視した結果、これと言った対策を取らなかったが、

今回の事行方不明者が数人出た事によって、今後の図書館島や図書館探検部についての対策が、会議で考えられる事となったのだ。

 

そして無断で入った明日菜達、そしてネギについても処罰を与ええない事態となっていた。

 

太一達が図書館島へ入る前に、太一達はタカミチだけでなく、学年主任の新田にも報告を入れていた。

 

何だかんだでタカミチや学園長はネギに甘い。

 

ネギが麻帆良に来てから、ネギが魔法関連で起こした騒動を知らない訳がない。

 

しかし太一の言葉で今までの不祥事を告発するまで学園長側からの動きは何もなかった。

 

これから思うに、学園長はネギの将来性を重視するあまり、不祥事を見て見ぬふり、もしくは揉み消しているのではないかと思い始めた太一は、

魔法使い側であるタカミチだけでなく、一般人であり、教師としてかなりの力量と常識、そしてキャリアを兼ね備え、

尚且つ人としての厳しさを持ち、この様な事態を揉み消さない人物である新田にも連絡を入れたのだった。

 

 

「ですが・・・学園長が何と言うか・・・。」

 

「じじいか・・・でも今回の事で新田先生や他の一般の先生達もかなり怒ってたからな・・・そう易々と揉み消せないと思うが・・・。」

 

 

『それでは第2学年のクラス成績を良い成績順に発表していきます。』

 

「おっ!その話は後だ、今はこの結果を見ようぜ。」

 

「あっ・・・はい。」

 

 

学園長が如何するかは気になるところではあるが、今は試験結果順位の発表の方に気を向ける。

 

 

『第1位・・・2年え・・・・。』

 

「「え」・・・?」

 

「もしかして・・・・。」

 

『2年F組!!平均点80.8点!!』

 

「「「「「だあああああああああああああ!!」」」」」

 

 

A組ではなくF組の発表に、淡い期待を持ったネギ達は盛大にこけた。

 

そんなネギ達を無視し、順位発表はドンドン進んでいき、途中S組やM組と言った、頭に“え”が付く組の発表になると、

同じく淡い期待を持った後盛大にこける。

 

そして遂に下から2番目23位の発表になると、2-A全員(太一や刹那達一部を除く)は追い込まれた様に、少数は涙を流しながら画面に食いつき、

またある者は意味の無い応援をする者等様々な様子で発表を待つ。

 

そして結果は発表された・・・・結果は。

 

 

『2-Kですね、平均点は69.5点次回はがんばってくださいね。』

 

((((((((((えっ・・・・・・と言う事は・・・・。))))))))))

 

「あらら・・・。」

 

「最下位確定ですね。」

 

 

その後学園の彼方此方から、「最下位確定!!」という嘆きとも悲鳴とも聞こえる叫び声が聞こえた。

 

バカレンジャー達に至っては真っ白になり、ぽけー・・・と固まっていた。

 

そしてネギだけは静かにその場を離れた。

 

 

「さて・・・予想通り、俺はネギを追いかける。」

 

「はい・・・では私は後で呼びに行きます。」

 

 

太一はネギの行動が予想できていたのか、すぐさま刹那と分かれネギを追いかけはじめた。

 

呼びに行くと言う、何処か意味深な言葉を告げて。

 

ネギは居候させてもらっている明日菜と木乃香の部屋に立ち寄り、自分の荷物を纏めて部屋を出て、駅に向かって歩き出す。

 

 

(・・・お姉ちゃん・・・・今から故郷(くに)に帰ります・・・マギステル・マギになる夢はダメだったけど・・・。)

 

 

ネギは虚ろな目で空を見た。

 

 

(でもみんながんばってくれて・・・・・嬉しかったな・・・。)

 

「いや・・・今帰られても迷惑なんだが。」

 

「えっ?」

 

 

声のした方に視線を向けると、呆れた表情の太一が腕を組んで立っていた。

 

 

「太一さん・・・そのいいんです・・・みなさんががんばってくれただけで僕・・・・満足です。」

 

「・・・・・・。」

 

「太一さんにも沢山ご迷惑をかけしてしまいましたけど・・・・太一さんのあの時の言葉忘れません・・・それでは。」

 

「・・・・何か勘違いしてないか?」

 

「えっ?」

 

 

如何やらネギは太一が自分を止めに来たものだと思っていたらしく、呆気にとられた顔をしていた。

 

 

「お前な・・・まがりなりにも教育実習生だろ?だったら辞めるなりにも上に報告するのが常識だろ?」

 

「えっ・・・その・・・。」

 

「ほらっ、行くぞ。」

 

「えっ!?行くって何所に?」

 

「ネギ!!本当にゴメン!!私たちのせ・・・い・・・・何で太一がいるのよ?」

 

 

ネギを引き留めようとタイミング良く明日菜達がやってきて、何故かネギと一緒に居る太一に視線が集まる。

 

 

「おぉ・・・丁度よかった、お前達も行くぞ。」

 

「えっ?でも・・・ネギせんせ~が・・・。」

 

「そうや!!ネギ君、もう一度おじいちゃんに頼みに行こな?」

 

「そうだよ!!ネギ君こんな子供なのに厳しすぎるよ!!」

 

「もう一度テストやらせてもらうアル!!」

 

「皆さん・・・いやでも・・・。」

 

 

木乃香を筆頭に、ネギを励まし、引き留めようとしている中、太一は更に呆れた表情で言い放つ。

 

 

「そいつ・・・クビにならないぞ。」

 

「「「「「「「「「・・・・・・・えっ?」」」」」」」」」

 

 

太一の言葉に皆が呆気にとられ、太一の方を向く。

 

 

「課題には「最下位脱出したら正式な先生にする」と書いてあって、一言も“クビ”にするとは書いてないぞ。」

 

「えっ?でも・・・。」

 

「その通り。」

 

「がっ!!学園長!!」

 

「おじいちゃん!?」

 

 

突如現れた学園長に皆の視線が集まるも、学園長は真っ直ぐネギの方へと歩を進める。

 

 

「ネギ君・・・ワシも最初から君が教師としてやっていけるとは思ってはおらん、故に君に教師としての器をはかるべく今回の課題を与えた。」

 

「はい・・・でも結果は・・・。」

 

「だが・・・太一君が言ったように、課題をクリアできなかったら“クビ”とは一言も書いておらん・・・正式な先生になれずに、

教育実習生のままと言う意味じゃ。」

 

「えっ!?そうなの?」

 

「じゃあネギ君これからも私達と一緒なの!?」

 

「うむ・・・じゃが今まで通りとはいかんがの・・・。」

 

「えぇ!!」

 

「おじいちゃん如何言う事なん?」

 

 

今までの様な接し方ができないと言う学園長の言葉に、全員に緊張が走る。

 

 

「実はの・・・君達遅刻組の採点をワシがやっとたんじゃが、提出が遅れて君達の分を合計せんまま発表されたのじゃ。」

 

「「「「「「「「「えぇ~~~!!何それ!?」」」」」」」」」

 

「うむ・・・それで君達の成績じゃが・・・刹那君と真名君は居ないから君達の分だけ。」

 

「じゃあ・・・私達最下位じゃないのかも・・・。」

 

「でも・・・私達バカレンジャーの点数足した位じゃあんまり・・・。」

 

「佐々木まき絵、平均点66点ようがんばった。」

 

「ええっ!!嘘!!66点♡」

 

 

意外や意外にも、バカレンジャー達の点数は中の上位であり、本人達も信じられないと言った様子で答案を受け取っていた。

 

 

「最後に神楽坂明日菜、71点。」

 

「えっ・・・・。」

 

 

その中でも明日菜はバカレンジャー1の高得点を出すなど、誰もが予想だにしていなかった結果の果て。

 

 

「ここに居ない刹那君と真名君の点数も合計すると、平均点は81点となり0.2点差で・・・2-Aがトップじゃ!!」

 

 

万年最下位だった2-Aが学年1位になった事で、学園中が揺れた。

 

そして2-Aの最下位脱出成立で、ネギは課題クリア、正式な先生となった。

 

皆が歓喜で浮かれる中、ネギは如何して明日菜達が良い点を取れたのか不思議そうであった。

 

 

「魔法の本がないのに、いったいどうやって!?」

 

「まだ分からないのか?」

 

「えっ!?」

 

「あいつ等は頑張って努力した・・・そしてその結果がこれだ。」

 

「その通りじゃ、動機は如何あれ皆が頑張った結果、今回のトップになれた、こんな物に頼らずにのぉ。」

 

 

そう言って学園長は裾の中から一つの本を取り出した。

 

それはネギ達が探していた魔法の本だった。

 

 

「がっ・・・学園長それは!?」

 

「今回は良くやったネギ君、さっきも言った様に、この課題は君の先生としての器、そして君が今後も先生とやって行けるかどうかの試験じゃったんじゃ。」

 

「そっ・・・それじゃあ・・・。」

 

「合格じゃよネギ君、最終的に彼女達が高得点をとれたのは、君の先生としての力じゃ・・・これからも精進じゃな。」

 

「はっ・・・はい!!」

 

 

ネギの課題クリアと学年1位の喜びを、皆が分かち合い、ネギを胴上げする明日菜達。

 

だがここでこの空気を壊す者がいた。

 

 

「さて・・・喜んでいるとこ悪いが・・・お前等・・・行くぞ。」

 

「「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」」

 

「フォ?太一君?行くって何所に?」

 

「学園長・・・。」

 

「フォ!?何じゃ突然学園長等と・・・。」

 

「確かこの後職員会議が開かれる予定では?」

 

「うっ・・・うむ確かに・・・新田君からこの後緊急の職員会議を開くと聞いておったが・・・何故それを?」

 

「いえ・・・知って当然ですよ。」

 

 

普段使わない様な敬語で話す太一に、その場の全員が何故か恐怖を抱いた。

 

 

「何せ俺に関係・・・・いや、俺達が原因なんですから。」

 

「なっ?」

 

 

今一理解できてない学園長は、ちゃんとした説明を求めるべく、太一に寄ろうとするが。

 

 

「太一さん。」

 

 

刹那の登場で出来なかった。

 

 

「おぉ・・・お呼びか。」

 

「はい、私を含む太一さんと真名、そして・・・あなた方全員、教室で待機だそうです。」

 

「わっ・・・私達も?」

 

「当然です。」

 

「ネギ・・・覚悟しろよ。」

 

「えっ!?」

 

「ケジメはつけろって事だ。」

 

 

その言葉を残し、太一は刹那と共に教室へと向かった。

 

先日エレベーターの中で刹那に言われた事を思い出し、暗い表情をする明日菜達も、とりあえず一緒に教室へと向かった。

 

ネギと学園長は、その後すぐにネギ達を呼びに来たタカミチと共に、職員室へと向かう。

 

そしてネギとバカレンジャー達は味わうのだ、天国から地獄に突き落とされる苦しみを。

 

教室で待機し始めて1時間近く、教室では只重い空気が漂い、普段騒がしいバカレンジャーやハルナも、その空気にあてられてか大人しい。

 

そして重い空気の元凶は、太一、刹那、真名の3人だった。

 

 

「あっ・・・あのぉ・・・。」

 

「何だ?」

 

 

この空気に耐えられなかったのか、明日菜は重い空気を発する太一に、気になっていた事を聞き出すため声を掛けた。

 

 

「アンタ・・・・ネギが大変な事になるって知ってて新田先生にも報告したの?」

 

「・・・・だとしたら?」

 

「っ!!」

 

 

太一の返答に、明日菜は怒りの表情となり、重い空気などお構いなしに太一に詰め寄った。

 

 

「アンタ!!ネギがどれだけ頑張っていたか知ってるでしょ!!それなのに何でそれを無駄にするような事するのよ!!」

 

「・・・・・・・。」

 

 

明日菜の怒声に、太一は怯みもせず、ただ黙って聞いていた。

 

 

「そうです・・・高畑先生だけに報告すればよかったのに・・・よりによって新田先生に報告するなんて・・・。」

 

「新田先生・・・厳しいから・・・・・・・・ネギせんせ~・・・可哀そう。」

 

「いや~~~私も新田先生に報告は止めといた方がいいって言ったんだけど・・・。」

 

「でも・・・アカン事やって、行方不明になったのは事実やけど・・・やりすぎちゃうん?」

 

「ネギ君・・・がんばったのに・・・酷いよ。」

 

「・・・・・・がんばるのは当たり前だ。」

 

 

明日菜達の非難の声を黙って聞いていた太一だが、ついに我慢の限界か、静かではあるが重い声を出す。

 

 

「10才の子供が先生やってんだ、がんばって当たり前だ。」

 

「適当にやられたら、担当生徒である私達の人生を如何とも思って無い事になりますしね。」

 

「今後の事を考えると・・・私達はハズレの先生に当たった事になるな。」

 

「そっ・・・そこまで言う事ないじゃない!!」

 

「ネギせんせ・・・ちゃんと先生のお仕事がんばって・・・。」

 

「あなた達には良心と言うものが無いのですか!!」

 

「お前等な・・・・・言っとくがな、そもそもの原因はお前等にあるんだぞ。」

 

「そっ・・・それは・・・。」

 

「お前等が魔法の本を探しに行こうと・・・いや、物事の後先をちゃんと考えていればこんな事にならなかったと思うんだが?」

 

「「「「「・・・・・・・。」」」」」

 

 

太一の正論に、先程までの勢いは失せ、沈みだす明日菜達。

 

 

「それにネギはお前達と違って、他の力(魔法)に頼らず自分の力で如何にかし様と努力してたぞ。」

 

 

だがここで、口を止めない程、太一は優しく無い反面、冷徹でもない。

 

今言う事を言わなければ、彼女達は同じ事を繰り返す、それをさせない為にも今はしっかりと自分がした事の大変さと重大さを理解させ、

本心から反省させなければならない。

 

その為に、今口は止めてはならない。

 

 

「ネギはお前等が魔法の本を取りに行こうとか言っている間、自分の担当の英語以外の教科の対策用のプリントを作ったり、

他にも期末試験に向けて色々とやってた様だったぞ・・・お前に言われた事をきちんと理解してな・・・・。」

 

「あっ・・・。」

 

(まぁ・・・その後こいつ等に乗せられた時点でそれも危ういが。)

 

 

明日菜は試験3日前に自分がネギに言った事を自分で破った事に、今更ながらに申し訳なさそうに顔を伏せた。

 

 

「それに俺達はあいつより年上だ、例え先生と生徒の関係だとしても、俺達は年上としてあいつに人としての見本とならないといけないんじゃないのか?

なのにお前達は・・・・。」

 

「「「「「・・・・・・・・・・・・・。」」」」」

 

 

太一の的を射すぎる正論に、明日菜達はもはや罪悪感と後悔と言う名の重石で撃沈寸前。

 

中には涙目になっている者も出だしていた。

 

 

「君達に聞きたいんだが。」

 

「何・・・龍宮さん。」

 

「今回の事・・・ネギ先生に何の影響も出ないと思って行動したのかい?」

 

「「「「「えっ?」」」」

 

「確かに・・・ネギ先生は教育実習生とは言え、私達のクラスを任されていますから、ネギ先生を巻き込もうが巻き込まなかろうが、

監督不行き届きで、何らかの処罰はあるだろうな。」

 

「そっ・・・そうなの?」

 

「・・・・お前等・・・教師の仕事なめてない?」

 

 

実際教師の仕事はそんなに甘いものではない。

 

教師は勉学だけでなく、生徒の学園内での行動にも気を配らなければいけない。

 

学校内から学校から家に帰るまでの間で起きたどんな些細な事でも、それは全て教師の責任とされる。

 

特に麻帆良学園の様に寮制となれば、24時間生徒が起こした不祥事等は、教師の監督不行き届きと見なされる故、

麻帆良学園の教師の仕事は過酷とも言える。

 

 

「俺の前の学校であったんだけどな、他のクラスの奴が他校の奴等と喧嘩した時なんて、そいつの担任だけじゃなく、

校長や教頭がもうてんやわんやだったぜ、主に向こうに対してじゃなく、その喧嘩した奴の親とかにいろいろ言われてな。」

 

「でも・・・喧嘩と今回のじゃ・・・。」

 

「あの時も言いましたが、あなた達がやった事は犯罪にもとれるんですよ・・・それをお忘れなく。」

 

 

刹那の「犯罪」の言葉に、明日菜達はその場に崩れ落ちる。

 

おそらく今の今まで忘れていたのだろうか、その崩れ方は凄まじかった。

 

 

「あいつもついやってしまった感じだと思うけど、やってしまった以上、それなりのケジメをつけないといけない。」

 

「ケジメって・・・。」

 

「やってしまった事には自分自身が責任を持たないといけない・・・それは子供も大人も関係ない。」

 

「ネギ先生を思うのでしたら、励ますだけや甘やかすだけではいけません・・・叱る時にはきちんと叱らないと、

人としての成長は出来ません。」

 

「転んだ子供が、次には転ばぬ様に歩くのと一緒だ・・・人は痛みをともわずには成長はしない。」

 

「お前達も、やってしまった事に責任を持て、お前達が行方不明になった事で、クラスの皆や先生達にどれだけ迷惑をかけたか分から無い訳でもないだろう。」

 

「「「「「「「「・・・・・・・。」」」」」」」」

 

 

太一の言葉に誰も返事をしようとはしないが、表情を見れば理解している事は分かった。

 

 

「まっ・・・それは俺達にも言える事なんだけどな・・・。」

 

「「うん。」」

 

「えっ?」

 

「せっちゃん・・・それ如何言う・・・。」

 

ガラッ

 

「・・・・待たせたね。」

 

「・・・・・・・・・。」

 

 

教室の扉が開き、タカミチと沈んだ表情のネギが入ってきた。

 

ネギの様子と、タカミチのネギを心配する様子を見ると、かなりしぼられた事は容易に予想できた。

 

 

「あの・・・高畑先生・・・ネギ・・・いえ・・・ネギ先生は・・・。」

 

「・・・・ネギ先生は課題であった2-Aを最下位から脱出させ、予想外にも学年トップにした事から、

教師としての力量はかなり評価された。」

 

「じゃあ!!」

 

「だが・・・教師として生徒を押さえられず、カンニング紛いに近い行為を許した行為と、結果として生徒と共に行方不明となり、

次の日の授業全てに出ず、期末試験の準備も怠り、生徒や先生達に多大な迷惑をかけてしまった事から、

正式な教師としての採用は無しとなった。」

 

「そっ・・・そんな・・・。」

 

「・・・・・・・・。」

 

 

「正式な教師としての採用は無し」と言うタカミチの言葉に、その原因を作った明日菜達は本当に申し訳なさそうな表情で、

沈んでいるネギを見る。

 

ネギはネギで、タカミチの言葉で、今にも泣きそうになっていた。

 

 

「だけどさっきも言った様に、2-Aを学年トップにした事も評価されているので、3学期までに新田先生の指導を受け、

教員免許習得試験で免許を習得したら正式な教員として採用する事になった。」

 

 

事実ネギは、他の先生達では無理だった、テストでは常にどん底の点数を収めていたバカレンジャー達の点数を中の上と上の下位にまで上げている。

 

彼女達に付きっ切りで勉強を教えていた事もあるが、それでも彼女達にやる気を出させ、彼女達に合った勉強法で勉強させ、

良い点数を取らせたネギの教師としての力量は評価されるに値する。

 

実はネギの最終課題にあたって、魔法先生含む一般教師陣も、課題をクリアしたら教師として採用する事には賛成していた。

 

なので、無下にクビにするのではなく、新田の指導受け、教師としてのイロハを伝授した後、教員免許を取得したら教師として採用する条件を出した。

 

 

「だけど正式な先生となっても、新学期からは担任としてではなく、副担任として君達の担当になる。」

 

「えっ?じゃあ担任は・・・。」

 

「それについては今検討中だよ・・・僕も新学期から出張が多くなるから、担任は無理だから。」

 

 

正式な教師として採用するとは言え、今回の様な問題を起こし、尚且つ高校受験等進路で悩む3年生の担任を、

10才の子供に任せるのは無理と判断したので、副担任として新学期から明日菜達のクラスを任せる事にしたのだ。

 

担任については今は検討中の様だ。

 

 

「そして君達についてだが・・・。」

 

「「「「「「「「!!」」」」」」」」

 

 

明日菜達は一瞬体をビクつかせ、自分達の処分を告げようとしているタカミチの方に視線を移した。

 

 

「図書館島への無断侵入及び翌日の授業無断欠席、さらに未遂とは言え持ち出し禁止指定の書物を持ち出そうとした事から、

最悪の場合刑事事件になりかねない事から、本来なら退学処分、最悪でも停学処分を言い渡さければならないが・・・。」

 

「停学!!」

 

「たっ・・・退学・・・・。」

 

「そんな・・・・・。」

 

 

まさかここまで大事になっているとは思ってなかった明日菜達は、顔面蒼白となり、涙が今にも溢れそうな瞳からは光が消えかけていた。

 

 

「だが・・・新田先生等学年主任の方達が公正の余地有と判断し、退学及び停学処分は無し。」

 

「「「「「「「「ほっ・・・・。」」」」」」」」

 

 

新田は厳しさの中に優しさを持ち、尚且つよく生徒の事を見ている先生だ、普段の明日菜達を見て、

悪い事をしたと理解したならきちんと反省し、今回の様な事は二度と起こさないと判断し、他の学年主任の先生の説得も込め話し合い、

退学と停学の処分は無くなった。

 

 

「だけど君達には春休みは無し、毎日学校に通って一年からの勉強のやり直し、及び此方からの指示もしくは、

特別な事情が無い限り寮の部屋から出無い事、勿論その間部活動もアルバイトも禁止する。」

 

「「「「「「「「えっ!?」」」」」」」」

 

 

だが何も御咎め無と言うわけにはいかない。

 

何かやらかしたのなら、それなりのお仕置きは必要だ。

 

そうでなければ本人の為にならないし、他の者にも示しがつかない。

 

 

「そして今回の反省文原稿用紙20枚、春休みの宿題は皆の3倍、この後新田先生から相談室で各個人にお説教をする様だから、

それが終わったら帰る様に。」

 

「「「「「「「「うああああああああぁぁぁぁぁ・・・・・・。」」」」」」」」

 

 

更に言い渡される処分に、明日菜達はその場に力無く崩れ落ち、頭を抱えながら項垂れた。

 

だがこれだけでは終わらない。

 

 

「後・・・木乃香君にのどか君、夕映君とハルナ君。」

 

「「「「はっ・・はい!!」」」」

 

「今日から当分の間・・・おそらくは数か月の間、図書館探検部の活動は完全に停止。」

 

「「「「えっ!?」」」」

 

「そしてその間は図書館島も完全閉鎖、生徒及び一般の人の入館も禁止する。」

 

「そんな・・・・。」

 

「何で・・・。」

 

「ひっ・・・酷い。」

 

「何で・・・如何してそんな!!」

 

 

図書館探検部組はこの事に納得がいかず、タカミチに非難の目を向け、抗議しようとタカミチに詰め寄る。

 

 

「当然だろうな。」

 

「はい。」

 

「むしろしない方がおかしい。」

 

 

突然タカミチとは反対の方から、この処分は当然と言う声が上がり、木乃香達はその方を見ると。

 

平然とした表情の太一と、その後ろで頷く刹那と真名の姿が目に入った。

 

 

「・・・・何故当然だと言えるんですか?」

 

 

夕映は太一を睨むように見つめ、その真意を問おうとした。

 

睨まれている太一は、「何を今更」みたいな呆れた顔でその問いに答える。

 

 

「今回こんな事が起きたのは、お前達が図書館島に侵入した事から始まった。」

 

「あの時も言いましたが、今更「私達は図書館探検部だから」と言う言い訳は無ですよ。」

 

「せっちゃん・・・厳しいな・・・・。」

 

「大体何でそんなに簡単に侵入できるんだ?秘密の入り口があるにしろ、そこの鍵の管理はしてる筈だよな?」

 

「「「「・・・・・・。」」」」

 

「なのにお前達は難なく入れた・・・となるとかなり鍵の管理がキチンとされていないのか、もしくは鍵の閉め忘れ等が無いか等の見回りが無いか。」

 

「これだけでも十分問題があるな、幾らセキュリティーが良くても、警備体制が杜撰では意味が無い。」

 

「それにあのトラップの数にその内容・・・誤って紛れ込んでしまった人が大怪我、もしくは死人が出てもおかしくありません。」

 

「「うんうん。」」

 

 

思い出すのはネギ達を探しに図書館島に入った夜の事。

 

過激すぎるトラップの数と質に、何度死ぬかと思った事かと・・・遠いあの日を思い出すかのごとく、

太一達は少しのほほんとしていた。

 

 

「その事もあって、図書館島は調査期間に入る・・・そして図書館探検部や図書館島に関する体制の見直し、

代表職員達から安全と太鼓判を押されるまでは、図書館島は立ち入り禁止にする。」

 

「でも・・・でも!!」

 

 

それでも納得のいってない夕映。

 

夕映だけでなく木乃香やハルナ、のどかも正論だと分かっていても納得できてないのか、声には出さずにいるが、

その目を見れば丸わかりだった。

 

そんな夕映達にこの男がついにキレた。

 

 

「でももなにもあるか!!全部お前達の自業自得だろうが!!いい加減認めろ!!」

 

 

突然の太一の怒声にその場にいた全員が驚愕する。

 

 

「あっ・・・あなたに何が分かるんですか!!私達にとって大切で意味ある図書館探検部が活動停止となるんです!!

あなたに私達の気持ちが分かりますか!!」

 

「分からん!!反省もせず、自分の非をも認めないで、自分の事しか考えてないお前達の気持ちなんか知りたくも無い!!」

 

「「「「!!」」」」

 

 

太一の夕映達の思いを真っ向から否定する感情のこもった真っ直ぐな言葉と、その時の太一の迫力に、思わず足が竦み、

夕映達は腰から崩れ尻餅をついた。

 

その時太一の後ろに、怒る巨大な龍の姿が見えたとか見えなかったとか。

 

 

「お嬢様・・・お嬢様達にとって大切な活動だと言うのであれば、どうしてそれを止めさせられるような行為をとったのですか?」

 

「そ・・・それは・・・・。」

 

「理由は如何あれ、やってしまった以上お嬢様達の自業自得です。」

 

「・・・・うん。」

 

「今お嬢様がする事は、抗議でも怒る事でもありません・・・反省する事です。」

 

「せっちゃん・・・うん・・・そうやね、うちらはアカン事をしたんや・・・沢山の人にも迷惑をかけて・・・ごめんな・・せっちゃん。」

 

「あの・・・ゴメン・・・・私も迷惑かけちゃって。」

 

「ごめんなさい・・・・。」

 

「・・・・・ごめん・・・です・・・。」

 

「・・・・俺達より、他の部員達に謝りに行った方がいいんじゃないか?」

 

「うん・・・今から・・・あぁでも新田先生のお説教が・・・。」

 

「新田先生には僕から言っておくよ、だから君達は先に謝りに行きなさい。」

 

「「「「はい。」」」」

 

「さて・・・次は・・・・。」

 

 

木乃香達はもう大丈夫だろうと判断し、タカミチは太一達の方を向く。

 

 

「太一君達の処分だが・・・。」

 

「えっ!?高畑先生・・・せっちゃん達、何で処分を?」

 

「いや・・・私達は報告したとは言え、お嬢様達を探す為に授業丸一日サボりましたし。」

 

「報告しただけで、許可を得ないまま図書館島に入ったしな。」

 

「まっ、こうなるのはどうせこうなるのは分かってたから、お前達が気にする事ないよ。」

 

 

太一達は最初から自分にも何等かな処分が下されることを理解していた。

 

なのに自分達を探しに危険を顧みず図書館島に入り、そのおかげで自分達は外に出る事が出来た。

 

それなのに自分達は彼等に文句を言うなどとはと思い、本当に申し訳なさそうに、人として恥ずかしいと言わんばかりに頭を抱えるのであった。

 

 

「君達は春休みの間、此方からの指示もしくは、特別な事情が無い限り寮の部屋から出無い事。」

 

「「「はい。」」」

 

「そして反省文10枚・・・それと・・・・。」

 

「?」

 

 

タカミチは太一だけを見詰め、如何言ったらいい物かと悩んでいる様だ。

 

 

「その・・・・太一君だけは・・・・。」

 

「あぁ・・・いいですよ、新田先生から聞いてもう分かってますから。」

 

「そっ・・・そうかい?」

 

「そりゃあ・・・あんなんじゃ・・・・。」

 

 

タカミチが何を言いたいのか理解した太一は、気にしてないと言った感じで、タカミチに申した。

 

 

「じゃあ・・・・太一君は明日から3日間補習した後、再度期末試験のテストをやってもらう。」

 

「はい。」

 

「えっ?如何して?」

 

「私達の時でも無かったのに。」

 

 

明日菜達は太一が補習を受ける意味が分からなかった。

 

今までどんな酷い点をとっても補習が無かった(それも問題だと思うが)バカレンジャー故、何故太一には補習があるのか分からなかった。

 

 

「それはな・・・・俺の今回の平均点が・・・。」

 

「「「「「「「「平均点が?」」」」」」」」

 

「・・・・・な・点・・だからだ。」

 

「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」

 

 

声が小さくて聞き取れなかったので、もう一度言ってな感じで、詰め寄る。

 

 

「7点だよ!!」

 

「「「「「「「「えっ!?」」」」」」」」

 

「12教科合わせて、平均点7点だつったんだ!!ここの勉強に追い付こうとしていた状態で、後3日で期末試験だって初めて知って、

その残り3日も迷路でさ迷ってたらこうなったんじゃああああああああああああああああああああああああ!!」

 

「「「「「「「「あっ・・・・・。」」」」」」」」

 

 

今回の期末試験での太一の成績は男女合わせた学年ダントツの最下位。

 

しかも麻帆良学園の歴史に名を残しかねない程の酷い内容だったらしく、しかも事情が事情故に補習させる事となったのだった。

 

太一が最後の最後まで勉強できなかった原因を作ったネギは、太一から目を叛けて、最初から黙っているかと思ったら、

聞き取れないほど小さな声で「ごめんなさい」と、まるでお経の様に何度も申し訳なさそうに呟いていた。

 

 

「その・・・・・ごめん。」

 

 

この場を代表してかの様に、明日菜が太一に謝罪するが、太一は気にするなと言った様子で、明日菜の方を向いた。

 

 

「こうなる事は予想していたからいいよ・・・まさか試験ギリギリまで迷路でさ迷う羽目になるとは思わなかったけどな。」

 

 

「うっ・・・。」

 

 

太一の言葉にネギは一瞬反応し、力無い目で太一を見た。

 

 

「・・・高畑先生、もう遅いし、早くこいつ等を新田先生のとこに行かせましょう。」

 

「あっ・・・あぁ・・・そうだね・・・君達・・・それとネギ君も一緒に職員室にいる新田先生の所に行くんだ。」

 

「「「「「「「「「・・・・・・はい。」」」」」」」」」

 

「太一君達は・・・。」

 

「あっ俺達はちょっと学園長室によってから帰ります。」

 

「えっ?何をしに・・・。」

 

「いえ・・・やはりご心配をお掛けしましたのでね・・・・“学園長”先生にも直接謝りに行こうと思いまして・・・・な?」

 

 

いつもは「ジジイ」呼ばわりの太一が、不気味なほど丁寧な言葉使いで「学園長」と呼ぶ事に、

タカミチは何処と無く悪寒を感じた。

 

 

「はい、理由はどうあってもご迷惑もお掛けしましたし、やはりこちらから赴くのが当然かと。」

 

「後少しO☆HA☆NA☆SHIをしに・・・。」

 

「真名、「お話」が嫌な予感しかしない発音になってるぞ。」

 

「おっと、そんな発音になっていたか?」

 

「龍宮、只O☆HA☆NA☆SHIしに行くだけだぞ。」

 

「そう言う刹那も、同じ発音になってるぞ。」

 

「えっ?そうですか?」

 

「まったく、刹那も真名も、俺達は学園長先生と穏やかにO☆HA☆NA☆SHIをしに行くんだぞ。」

 

「「太一(さん)もなってる。」」

 

「あれ?おかしいな?何でだろうな?」

 

「何ででしょうね?」

 

「何でなんだろうな?」

 

「「「はははははははははははははは。」」」

 

 

某魔王又は冥王を思わせる魔砲少女ばりの「O☆HA☆NA☆SHI」発音に、3人は一見穏やかそうな笑い声を上げてはいたが、

3人の背後には、ドス黒いオーラが漂っていた。

 

それを見たネギや明日菜達は、恐怖を感じて身を震わせ、タカミチは心の中で、太一達の「O☆HA☆NA☆SHI」対象である、

学園長に心の中から冥福を祈った。

 

そして場所はおしお・・・ゲフンゲフン、学園長室に移り。

 

 

「・・・・・で・・・如何したのかね?」

 

「いえ・・・ネギ達の身を案じてとは言え、学園長にも多大なご迷惑とご心配をお掛けしましたので、

こうして俺達一同直接謝罪に参りました。」

 

「ご心配をお掛けして・・・。」

 

「まことに。」

 

「「「申し訳ありませんでした。」」」

 

 

太一達は頭を下げ、学園長に謝罪をするが、その言葉は恐怖を感じるほど丁寧できれいであった。

 

学園長もそれを感じ、徐々に冷や汗を流しだす。

 

 

「しかし・・・君達もやりすぎではないかのぉ?これではネギ君達が・・・。」

 

「可哀そうとおっしゃるのですか?」

 

「うっ・・・まぁ・・・せっかく頑張ったのにのぉ・・・・。」

 

「いけない事をしたら叱り、それなりの罰を与え、今後同じ過ちをしない様にするのに、何処か問題でもおありですか?」

 

「いや・・・それはじゃのぉ・・・無いが・・・。」

 

「そう言えば学園長・・・少しO☆HA☆NA☆SHI・・・してよろしいですか?」

 

「うっ・・・何じゃか嫌な予感しかせん発音じゃったが・・・・何かね?」

 

 

学園長が太一達の話を聞くと了承した時点で、学園長の悲劇の幕が上がり始める。

 

 

「はい・・・ネギ達が探していた魔法の本が置いてあったと思われる場所に、アグモンが気になる事を言ってまして。」

 

「気になる事?」

 

「はい・・・ネギ立以外の何処かで嗅いだ事ある人物の臭いが残っていると。」

 

「ほう・・・それがどうかしたのかの?」

 

「いえ・・・それで一応色んな所を周ってみたら、この“部屋”の一番強い臭いに似ているとの事で・・・・。」

 

ピクッ

 

 

太一の言葉に、片眉をピクンと動かし、明らかに動揺しだす学園長。

 

 

「こ・・・この部屋の一番強い臭いとな。」

 

「と言うよりは、一番染み込んでいる臭いですね・・・この部屋で一番長く居る人物と言ったら・・・・。」

 

「学園長室なんだから、やはり学園長なのでは?」

 

「となると・・・学園長はあの部屋に居たって事になるな。」

 

(こやつ等・・・。)

 

「そう言えば・・・。」

 

 

刹那は持っていた竹刀袋から、愛刀である夕凪を取出し、鞘から抜き取ると何故か持っていた砥石で夕凪の歯を研ぎ始めながら話を続ける。

 

 

シャリ・・・シャリ・・・・

 

「地下でお嬢様達を襲ったゴーレムの声が・・・何処と無く学園長に似てた様な・・・。」

 

「ほっ・・・ほう・・・盗難防止用の警備ゴーレムが・・・・おそらくワシの声で喋る様に創ったんじゃろうな(こやつ等明らかに・・・)。」

 

「いや・・・あれは。」

 

 

次に真名が、ギターケースから取り出した2丁の拳銃に、弾を込め始めながら、話し出した。

 

 

カチャ・・・カチャ・・・・

 

「設定されていた声というよりは、殆ど肉声だった様な・・・。」

 

「よ・・・よりリアルに作ったゴーレムなんじゃろうな。」

 

「そう言えば今日、駅前で何故か、地下にある筈の魔法の本を持ってネギに見せてましたね?」

 

「そ・・・それは・・・。」

 

 

太一は準備運動するかのように肩を回し、関節を鳴らしながら話し続ける。

 

 

コキッ・・・コキッ・・・・

 

「確か俺はあの時、魔法の本はそのまま置いて行ったはずだしな・・・後ゴーレムもそのままで。」

 

(こやつ等明らかにワシが仕組んだ事と知っていながら問い詰めとる!!しかも何かワシの命が付きそうな予感が!!)

 

 

これから自分に起きようとする悲劇と言う名の制裁を、本能で感じた学園長は、衣服が肌に引っ付くほどの大量の冷や汗を流し、

目の前の生徒達・・・・いや修羅を見る事しかできなかった。

 

 

「さて・・・ここまで言えばもうお分かりですね。」

 

チャキ・・・

 

 

刹那は砥ぎ終えた夕凪を構え。

 

 

「生徒達と教育実習生がちゃんと何らかの処分は受けるんだ。」

 

ガチャン

 

真名は弾を込め終えた二丁拳銃の安全装置を外し。

 

 

「お上にして、本当の首謀者が、何も無っていうのは・・・・いけないですよねぇ?」

 

ブワッ!!

 

 

太一は太陽の欠片を発動させた。

 

 

「いやその・・・・これがネギ君達にとっても・・・・。」

 

「「「さあ・・・お前(貴方)の罪を数えろ(なさい)。」」」

 

「ひっ!!」

 

 

アグモンに教えてもらった、こんな時に相応しい、某風吹く街を守る、2人で1人の仮面戦士の決め台詞を言い放ち、

3人は学園長に襲い掛かった。

 

その内容はあまりにも酷い故、その模様をダイジェストにお送りしよう。

 

 

「これが最も最良じゃ・・・・ほわああああああああああああああああああああ!!」

 

ガンガンガン!!

 

「1人の最良、大勢には最不良だあああああああああああああああああああああ!!」

 

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガン!!

 

 

雨霰の様に、学園長向けて銃弾をぶっ放す真名。

 

殺しはしないので実弾ではないが、壁を凹ませる威力はあるので、相当痛い・・・因みに1発たりとも標的(学園長)に外してはいない。

 

流石はプロフェッショナル。

 

 

「生徒だけでなく、自分のお孫さんも巻き込んで、貴方はやはり妖でしたか!!」

 

ザシュザシュザシュ!!

 

ビリリ・・・・

 

「ウヒョオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」

 

ドガガガガガガガガガ!!

 

「ほんぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

 

刹那は学園長の衣服だけ切り裂き、辱めを受けている間に連続で峰打ちを繰り出し学園長を叩きのめす。

 

やはり木乃香を巻き込んだ事に、かなりご立腹だった様で、その太刀筋は素晴らしかった。

 

 

「妖怪は妖怪らしく!!夜まで大人しくしてろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

ドガガガガガガガガガガガガ!!ガシッ!!ドガッ!!ガゴッ!!

 

「グオハアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

「おおおおおおおおおおおおおおおらあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

ボガンッ!!

 

「おひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 

太一は物凄い形相で、太陽の欠片の力全開で学園長をフルボッコ。

 

やはり見た目が妖怪故か、何処と無しに消滅しかけているようにも見えた。

 

学園長にこんな事をしたら普通は只ではすまないのだろうが、保護者側や教育委員会にバラされたくなかったらと、

予め脅しておいたので問題なかった(おいおい・・・)。

 

これ以外にも色々やっていたが、3時間でO☆HA☆NA☆SHIは終了し、太一達はスッキリとした良い笑顔で学園長室から出て行った。

 

その後、タカミチが学園長室を訪れたが・・・。

 

学園長室は空襲を受けたかのように荒れており、学園長も生きてはいるが、ゴミ屑の様にボロボロだった。

 

 

「学園長・・・これからはちゃんと話してくださいね。」

 

「・・・・・うむ。」

 

 

タカミチからの忠告に力無く頷く学園長であった。

 

 

続く

 

 




次回予告
3学期も残り僅かなある日、
太一とアグモンは刹那達以外の者達と共に狩りに出る事となった。
だがその者達は太一の事を快く思ってなかった。
次回
デジモンアドベンチャーMAGI
『魔法使いの視線。』
今・・・冒険が進化する。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。