自身の・・・いや、自分達の世界が掲げる正義と対象の正義を持つ太一を信じられぬガンドルフィーニと高音は太一達と衝突し、
分かれて行動する事になる。
そしてそれを見ていた正体不明の影はガンドルフィーニ達の前に僕を放った・・・太一達・・・いや“太一”を誘き出す為に。
ガンドルフィーニ達の危機を聞き付けガンドルフィーニ達の下に駆け付ける太一達。
果たして太一達は間に合うのか?
そしてガンドルフィーニ達を襲い、太一を誘き出そうとする奴の目的は一体何なのか?
そしてその先に・・・何が待ち受けているのだろか?
―――『正義を制する者・道化のマリオン』―――
Side・刀子
マズイ・・・今の現状は非常にマズイ・・・一体・・・何だと言うの?
神多羅木に連絡を入れる10数分前・・・。
突然現れた西洋の魑魅魍魎が襲い掛かって来て、ガンドルフィーニ先生と高音さんに佐倉さんと私の4人で迎撃。
魑魅魍魎の種類に数から、私達だけでも対処できると判断し私達だけで迎え撃つ。
予想通り難無く魑魅魍魎達はその数を減らしていき、あと少しで全ての魑魅魍魎を退治できると思ったその時、
妖美な女の様な声と共に奴は現れた。
「フフ・・・中々にやりおるのぉ・・・雑魚とは言えあの数をいなすとは・・・」
「「「「!?」」」」
そいつが・・・まるで笑いと悲しみを交えたピエロのメイクを施した様な顔に、道化師とも思える姿の紫色の悪魔が現れた時、
私達の体は石の様に動かなくなった。
悪魔の能力とかではなく、悪魔の力を本能が感知し、自分との力の差を感じ、恐怖で動けなくなった。
「上位悪魔・・・そんな・・・ついさっきまでこれ程強力な魔力は・・・」
「フム・・・力はそこそこにはあるが、頭は今一の様だな・・・私位の悪魔ならば魔力を抑える事も出来る・・・キサマ等もそうであろう?」
言われてみればそうだ・・・魔法使いや魔力の扱いに長けた者ならば普段は抑えているのが常識。
それが出来てない者は、単に魔法使いではないか、余程の未熟者、それか余程のバカのいずれかである。
それは悪魔とて同じ・・・大して不思議な事ではない。
「自己紹介がまだだったな、我が名はマリオン・・・・一応は召喚に応じて出て来たから、決まりに従い行動に移させてもらうわ・・・キサマ等に死を!!」
そう言った瞬間、マリオンと名乗る悪魔の背後から無数の魑魅魍魎が私達に襲い掛かって来た。
先程襲い掛かってきた魑魅魍魎と同じ種類であったが、先程とは違い、力もスピードが段違いだった。
「こっ・・・こいつ等!!」
「フハハ!!如何した如何した?キサマ等の力はその程度か?ほれ如何した?油断していると死んでしまうぞ」
「おのれ・・・邪悪な悪魔め!我が正義の魔法を受けろ!!」
「悪は滅ぶ!それが定めですわ!!」
「お姉様!!」
「待ってください2人とも!!奴の力は・・・・」
私の静止の声も聞かず、ガンドルフィーニ先生と高音さんがマリオンに攻撃を仕掛けようと飛び出した。
奴の力は明らかに個々の力では太刀打ちは出来ない位に強い。
私達4人が連携して対処しなければ直ぐにやられてしまうだろう・・・しかし、一瞬見た2人の顔は、
自分達に負けは無いと言った顔をしていた。
それは実力的な自信でも・・・勝てる策があるわけでも無い・・・『悪は正義には勝てない』と言う幻想を信じきっている顔だった。
「喰らえ悪魔!!」
「正義の裁きを受けなさい!!」
2人は魔法の矢をマリオン放ち、勝利を確信する表情を浮かべた・・・だがマリオンはその表情を崩しはしなかった。
「悪は正義には勝てぬか・・・では・・・私は負けぬな!」
ズガーーーーーーーーーーーン!!
ガンドルフィーニ先生と高音さんの魔法の矢は確かにマリオンに直撃した・・・しかし、悪夢はこれからだった・・・。
Side・愛衣
お姉様とガンドルフィーニ先生の放った魔法の矢が、全てマリオンに命中し、それによって発生した砂煙がはれると、
マリオンの姿はありませんでした。
それを見て私は勝ったと思いました・・・でも、お姉様達はその場から動きませんでした。
まるで人形の様に・・・。
「お姉様?」
「・・・・・・・」
「ガンドルフィーニ先生!?」
「・・・・・・・」
お姉様達は私の呼びかけにも答えてはくれません。
私は心配になって、魔物達を掻い潜りお姉様に近付こうとしました・・・・その時、後ろに居た葛葉先生の声が聞こえました。
「待ちなさい佐倉さん!!様子がおかしいわ!!」
「え?」
「「・・・・・・・・」」
葛葉先生の私を止める声の後、お姉様とガンドルフィーニ先生が私の方を振り向いて私を見ていました・・・光の宿っていない、
本当の人形の様な目で・・・。
「・・・悪は滅ぼす・・・」
ジャキ!
「え?」
「・・・ノクトウルナ・ニグレーデイニス(黒衣の夜想曲)・・・」
ブワアアアア・・・・・・・・・・
「お姉様!?」
ガンドルフィーニ先生は銃口とサバイバルナイフを取出し。
お姉様は自身の操影術最高の近接戦闘奥義である、「黒衣の夜想曲(ノクトウルナ・ニグレーデイニス)」を出現させ身に纏い、
私を見据えています・・・先程の人形の様な目に・・・殺意と敵意を込めて・・・。
「滅せよ悪しき存在よ!!」
ダンダン!!
「きゃ!!」
「悪は存在してはならない・・・正義の為に・・・正義こそ全て・・・」
「止めてくださいガンドルフィーニ先生!!」
ガンドルフィーニ先生は近接ナイフと拳銃を要した「CQC」・・・軍隊や警察で使われる近接戦闘術と魔法を組み合わせた戦闘スタイルをとります。
その拳銃で今、仲間の私を撃ってきています。
私は混乱しながらも障壁を張ってガンドルフィーニ先生の攻撃を防ぎながら、ガンドルフィーニ先生に攻撃を止めてもらう様に呼びかけますが、
いっこうに攻撃の手を止めてはくれません。
「ガンドルフィーニ先生!!」
「悪は世界を腐らせる・・・悪を倒せば正義の使者・・・正義こそ世界が求める真実・・・」
「お姉様!!」
ガンドルフィーニ先生に気を取られ、背後から接近してくるお姉様に気付かなかった。
ドスッ!!
「グフッ!!」
お姉様の黒衣の夜想曲の大きな拳が私の胸部に当たる。
一瞬呼吸が出来なくなって、苦しいと思った後、すぐさま激しい痛みが胸から全身に広がって、声を上げようとしたけど、
あまりの痛みと・・・お姉様から攻撃された事が信じられなくて混乱して・・・怖くて・・・私は・・・・。
どさ・・・・・
「佐倉さん!!」
葛葉先生の私を呼ぶ声が聞こえた後・・・私は・・・私の目の前が真っ黒になりました・・・。
Side・刀子
ありえない・・・只そう思うしかできない・・・ガンドルフィーニ先生が担当している生徒を・・・高音さんが自分を慕って付いて来た従者である佐倉さんを、
躊躇なく攻撃するなんて・・・。
「如何して・・・如何したんですかガンドルフィーニ先生!!高音さん!!如何して佐倉さんを!!」
「・・・悪魔め・・・何を言っている?私達は佐倉君をキサマ等悪魔の手から正義の力で守ったのだ・・・」
「え?」
「悪魔の戯言など聞いている暇などありませんわ・・・後1体・・・お前を倒した後・・・闇の福音とあの化け物使いを倒しに行きますわ・・・」
「2人とも・・・一体何を!?それに・・・・エヴァンジェリンと八神君を!?」
「闇の福音は完全悪・・・正義の魔法使いが倒すのは必然・・・」
「化け物使いは何れ私達正義の魔法使いの脅威になる・・・奴を倒した後は全世界の正義の魔法使いに投掛け、
正義の名の下に奴等の仲間を・・・そしてあの化け物達と奴等の住まう世界を・・・滅ぼす・・・」
2人は何を言っているのだろう?
エヴァンジェリンに関しては、以前から魔法使い達が討伐しようとしていて、2人もそれに賛同していたが、
今この場で実行・・・ましてや口にするような事態ではない・・・それは2里も分かっている筈なのに・・・。
それに八神君の仲間を滅ぼすと言う事は・・・子供を殺すと言う事だろうか?それにデジモンの世界を滅ぼすとは、
彼等の世界に戦争を仕掛けようと言うのか!?
そんな事は不可能だ・・・いや出来たとしても、八神君から聞いたデジモンの力を考えれば・・・デジモン側の圧倒・・・とても戦いと呼べる物ではないだろう。
「ガンドルフィーニ先生!!高音さん!!本気でそんな事を言っているのですか!?」
「正義は勝つ・・・悪は負ける・・・我々は・・・魔法使いこそが正義・・・それ以外は・・・悪・・・」
「私達は正しい・・・私達こそが世界を導く存在・・・私達こそが・・・世界の真理・・・」
「ガ・・・ガンドルフィーニ先生・・・高音さん・・・」
「自分の信じる正義・・・それ程人間を盲目にする物は無い・・・」
「!?」
突如背後から声が聞こえ、私は後ろを振り向くと、そこにはマリオンが不敵な笑みを浮かべ、逆さで宙に浮いていた。
「キサマ・・・2人に何をした!!」
「フフ・・・私は相手の最も強く信じる物・・・信念を増長させて幻想を見せ意のままに操る事が出来る」
「人間の・・・最も強い信念を?」
「人間は強い信念を持って、それを信じ行動する・・・だからそれを増長させ見合った幻想を見せれば、そこの2人の様に操れる」
人の信念を利用して操るだと?
この悪魔は・・・自信が行動するに最も大切な物を利用するなど・・・許せない!
「ガンドルフィーニ先生!!高音さん!!目を覚ましてください!!あなた達は幻想を見せられているんですよ!!」
「無駄だ・・・今のキサマはこいつ等には悪魔に見えている・・・そしてこいつ等にはキサマの声は届かない」
「悪魔の言葉など信じない・・・」
「悪魔は惑わす・・・騙す・・・信じない・・・」
「くっ・・・」
「人の弱い部分を漬け込み操る能力もあるけど・・・私ね・・・自分の信じる正義で操られて仲間を傷付け・・・苦しめる、
その後で正気に戻した時・・・自分のした過ちを知った時の絶望と苦悩は・・・私の大好物でね・・・あぁ・・・今のお前の顔も良い・・・」
マリオンは頬の部分を赤らめかせて、ウットリとした顔で私を見詰める・・・。
「仲間に攻撃されようとする恐怖・・・仲間を傷付けるかもしれない恐れ・・・そんな怯える人間の顔・・・そそられるわ・・・今直ぐに食べちゃいたい位に・・・」
いや・・・お願い私をそんな目で見ないで・・・私にそんな趣味無いから!私には付き合い始めた一般人の彼氏が!!
「絶望と恐怖に染まった人間の肉は丁度良い歯応えのある硬さになるのよ・・・私柔らかい肉より程よく硬い肉が好みなの」
あぁ・・・性的ではなく食的な意味での「食べたい」か・・・良かった良かった、私の初めては結婚するまでとっと・・・って!!
そうじゃない!!貞操の危機は去ったけど今度は命の危機が!!結婚するまで・・・女の最高の幸せを体感するまで死んでたまるか!!
って、何を考えているのだ私は、落ち着け・・・落ち着け・・・今はこの状況を何とかする事が先決。
辺りには強化された低級の魑魅魍魎複数、恐らくこのマリオンの能力か何かで強化されたか・・・。
「私ね、相手の脳に直接語る能力だから、潜在能力を引き出す事も出来るの・・・面白い副産物でしょ」
「って心も読めるのか?」
「ううん、そんな顔していたから答えてあげただけ」
「私ってそんな分かりやすいかしら・・・って、あなたも最初となんかキャラが変わってない?」
「そりゃそうよ・・・私は「道化のマリオン」相手を惑わして操る操人士・・・」
操人士・・・道化のマリオン、今までにないタイプの悪魔ね・・・ガンドルフィーニ先生と高音さんを正気に戻すには、
マリオンを倒せばいいのか、他の方法か・・・どちらにしても、今私1人ではどうしようもない。
佐倉さんも気を失ったまま・・・いや、恐らく2人もマリオンの能力で力が上がっている筈。
強化された攻撃を真面に受けたなら、肋骨が折れていてもおかしくは無い・・・もし肺にでも刺さっていたら・・・。
手遅れになる前に何とかしないと・・・。
しかし佐倉さんは操られているガンドルフィーニ先生と高音さんの背後・・・こうなれば・・・。
「神鳴流奥義・・・百列桜花斬!!」
斬!!
『『『『『ギエアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』』』』』
(今だ!!)
「神鳴流奥義・百列桜花斬」刀で円を描くように振って、複数の敵を一度に纏めて斬り裂き、舞い散る桜の花弁の様に相手を散らす技。
百列桜花斬で辺りに居た魑魅魍魎を蹴散らし、砂塵をまき散らす。
砂塵が相手の視界を遮り、その隙に佐倉さんを回収し、素早くその場を離れた・・・無傷では済まなかったが・・・。
「くっ・・・すれ違い様にやられた・・・」
佐倉さんを回収する際、ガンドルフィーニ先生のサバイバルナイフが私の利き腕である右腕の二の腕部分を斬りつけた・・・これでは真面に剣は振れない。
私は出来るだけ遠くまで移動し、なるべく隠れやすい場所を見つけ出して身を隠して佐倉さんの容体を確認した。
佐倉さんは予想通り肋骨を骨折していたが、多少苦しそうにはしているが、真面に呼吸が出来ているので、
肺とかの臓器には損傷してはいない様だ・・・。
だが油断はできない・・・早く医者に見せなくては取り返しがつかなくなるケースもある故、早く麻帆良都市部に移動したかったが、
下手に動いて敵に見つかってしまっては、今の状態では佐倉さんを守りながら戦う事が出来ない・・・。
そう判断した私は、神多羅木に救援の連絡をする事にした。
神多羅木と連絡を取る事が出来、救助を求めようとした時・・・
ダンッ!!
ガシュン!!
「はっ!!」
一発の銃弾が私の携帯を破壊した。
銃声のした方を見てみると、ガンドルフィーニ先生と高音さんが私達に攻撃を仕掛けようと迫って来ていた。
そして現在に至る・・・。
Side・マリオン
フフ・・・愚かね。
この私から逃げられはしないわ・・・どんなに気配を消そうとも、貴様の血の匂いで何処に隠れていようが直ぐに見つける。
「さあ・・・正義の傀儡達、お前達の正義の力とやらで・・・お仲間を攻撃しな!!」
「正義の名の下に」
「悪を撃つ」
フフフ・・・最近は本当に仕事がやりやすくて助かるわ。
あのサウザンド・マスターと呼ばれる人間の名が、魔法世界に広がってから正義と言う名の虚想に溺れる魔法使い達が増えているおかげで、
私の能力が最大限に活かせられる。
私の能力は、相手が正義に溺れれば溺れるほどに効果を発揮するからな・・・特に今回のこの2人は稀に見る上物・・・いや人間としては下衆以下か・・・。
面白い・・・面白すぎる・・・正義と言う光を掴もうと、正義と言う闇に知らず知らずにずぶずぶと沈んでいく様は・・・。
まるで動物が訳も分からず同じ行動を繰り返し失敗する様を見ている様で愛おしく感じるわ。
そう・・・愛おしい・・・愛おしい・・・愛おしすぎて・・・。
じゅる・・・・
「早く食べたい!」
思わず涎が・・・でも本当に楽しみ♪
目の前の女とガキをこいつ等に殺させた後、頭だけ残して目の前で食事を行った後・・・都市に居る人間共を十数人程・・・そうだなぁ、
体中にたくさんの返り血を浴びる様な殺し方をさせて屍の山の頂上にでも立たせようかしら・・・そこで術を解き、
守るべき人間共の憎しみの眼光と罵声を浴びせながら記憶を甦らせて、絶望の淵に陥る様子を見ながら、目の前で残しておいた頭を食べる・・・。
どんな顔をするのかしらね?
多分恐怖と罪悪感・・・絶望とか色んな感情が入り混じって精神が崩壊するわね・・・でもそんな人間は美味しくないから、
精神が崩壊する直前で食べる!
チャンスは一度・・・・一変に丸呑みよ♪
口の中に入れて殺しちゃえば味は美味しいまま、さらに魂も吸収できるから、暫く私の体内でジワジワ消化されるから、
長い事絶望を・・・しまった!
だったらあの2人も瀕死にして一思いにパクって丸呑みしちゃった方が良いわね。
そうすれば私の体内で魂が感動と絶望の再会をしてより一層強い絶望や憎悪が味わえるのに・・・。
「てへっ♪マリオンのおバカさん♪」
ポコッ
そうと決まればさっさと痛め付けて瀕死にしてやんよ!!
「行きな!!正義の使者達!!その正義の魔法で仲間を攻撃しな!!」
「悪に死を・・・」
「正義に生を・・・」
Side・刀子
私目掛け2人は攻撃を仕掛けてくる。
「ガンドルフィーニ先生!!」
「・・・死ね・・・」
ダンダン!!
「くっ!」
カン!キン!
「悪の分際で・・・私の攻撃を防ぐか・・・」
「・・・アタック・・・」
グオッ!!
「ちっ・・・」
ガキイイイィィィィン・・・・
2人を攻撃するわけにもいかず、私は刀を使い2人の攻撃を凌ぐが、利き腕であり右腕を負傷している故、
左腕だけで対処するしかない。
左腕だけで戦えない事も無いが、やはり利き腕でない分力が入らないし、右腕の傷が思ったより深く、
止血処理はしてはいるが、また血が滲み出始めた・・・長期戦は不可能だ。
「悪を倒す・・・悪を倒す・・・悪を倒す・・・」
「正義の名の下に・・・正義の名の下に・・・正義の名の下に・・・」
まるで呪文の様に同じ事を口にしながら攻撃してくる2人・・・ガンドルフィーニ先生は身体強化魔法を使ってのCQCでの戦法、
高音さんは影で作った衣服での身体強化と使い魔の黒衣の夜想曲を使用しての戦法・・・さらにマリオンの能力で、
潜在能力を引き出されている今の状態なら、他の魔法を使う必要も無い・・・故に呪文の詠唱をする隙を突く事はできない・・・。
そして私は未だに気を失った佐倉さんを庇いながら相手をしなくてはならない・・・絶望的だ。
「神多羅木・・・早く・・・」
ガクッ!
「!?しまっ・・・」
「フン!」
ドグッ!!
「がっ!」
血を流し過ぎたか・・・一瞬足に力が入らなくなりバランスを崩した私の腹部にガンドルフィーニ先生の肘打ちが決まる。
「がっ・・・・はぁ・・・・」
「・・・・・・・」
ズシャ!
「ぐあっ!!」
蹲る私をガンドルフィーニ先生は感情の無い眼で見下ろし、そして私の顔を踏みつける。
「ぐっ・・・ぐううぅぅ・・・・」
「悪魔は痛みを感じない・・・感じるのは人を苦しめる快楽のみ・・・・」
ぐぐ・・・・
「がっ・・・ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
そう言いガンドルフィーニ先生は足に力を籠めて私の頭を踏みつける・・・気で強化してなかったら今頃私の頭は、
潰れたトマトの様に潰れているところだ・・・。
だが今の私には如何する事も出来ん・・・頭を踏みつけられている事で身動きが出来なく、さらに刀も無い・・・そうだ佐倉さんは!?
「・・・・・・」
「悪魔め・・・今その悪しき存在を消し去ってやる・・・」
「さ・・・くら・・・さん・・・」
いけない・・・・高音さんに佐倉さんを攻撃させては・・・・
「止めなさい高音さん!佐倉さんはあなたの従者なのよ!!」
「うるさい・・・・」
グリ・・・
「ああああああ!!高音さん・・・目を・・・さま・・・し・・・て・・・・」
「んん・・・あの娘・・・そこの金髪の従者なの・・・じゃあ・・・やっぱりそいつだけは・・・・フフフ♪」
マリオンの・・・笑い声が聞こえ・・・駄目だ・・・意識が・・・とお・・・の・・・く・・・・佐倉・・・さ・・ん・・・・ご・・・め・・・・。
Side・愛衣
ん・・・・私・・・如何したんだっけ?
確か・・・私、お姉様に・・・・。
(愛衣・・・)
「お姉様!!」
「・・・死ね・・・」
「え!?」
「自分を慕ってくれている従者を自らの手で殺す・・・それを知った時の絶望・・・その味は・・・格別!!」
「正義の鉄槌を!」
グワッ!!
「キャア!!」
どがしゃあああああああああああああああん!!
お姉様は・・・今私を・・・私を殺す気で・・・わた・・・私を・・・・。
「次は・・・外さない・・・」
「お・・・お姉様・・・止めてお姉様!!つっ!?」
胸が・・・痛い・・・骨が・・・折れているの?
「し・・・・ね・・・・」
「お姉様!!」
体が動かない・・・助けて・・・誰か助けて・・・お姉様・・・ガンドルフィーニ先生・・・刀子先生・・・神多羅木先生・・・。
「終わりだ・・・悪魔・・・」
助けて・・・や・・・や・・・・。
「塵になれ!」
「助けて!!八神先輩!!」
どがしゃあああああああああああああああああああああああああああああん!!
「やった!!あはっ!!やったやった!!これで下拵えは万全!・・・お腹空いたし・・・今から食べるか・・・・ん?」
私・・・・如何したんだろう?
死ん・・・じゃったのかな?
多分・・・死んじゃったんだね・・・・だって・・・体がこんなに暖かいんだもん・・・・まるで・・・お日様の光を浴びている様に・・・。
「大丈夫か?」
え!?
如何して?
如何してあの人の声が・・・此処は・・・・天国じゃないの?
「佐倉・・・・おい佐倉・・・佐倉愛衣!」
「はっ!?」
私を呼ぶ声に、思わず私は意識を現実に戻してしまいました・・・そしてその目の前に居たのは・・・。
「怪我・・・・はしているか・・・すまない。」
「や・・・八神先輩!!」
お日様の様に暖かな光を放ち私を・・・その・・・お姫様抱っこをしている八神先輩がいました。
続く
おまけ
その頃の女子生徒寮では・・・・。
「あはははははははは!!おひゅめしゃまだっきょ!!おひゅめしゃまだっきょ!!わたひもやってもらったことなひゅいのに!!」
「刹那!!ヤバイ!!それ以上はヤバイから!!」
「如何したでござるか真名?」
「さっきから喧しいアルよ?」
「おお!!楓に古菲!!良いタイミングで来た・・・刹那を抑えるのを手伝ってくれ!!」
「「刹那でござる(アル)か?」」
「ひゃはははははははは!!斬る・・・キル・・・KILL!!」
「「頑張るでござる(アル)!!」」
「待て待て待て!!こんな状態の刹那を私だけに押し付けないでくれ!!今度肉まん10個、パフェ10杯奢るから!!」
「その任務確かに受けたでござる!!」
「刹那!!肉まんの為に覚悟するアル!!」
「すまない・・・因みに・・・頼んでなんだが、私達だけであの状態の刹那を抑えられるかな?」
「「・・・・・・・・」」
「あひゃははははははははははは!!きゃははははははははは!!」
「「「無理かも(でござる)(アルよ)」」」
頑張れ真名・・・挫けるな真名・・・負けるな戦乙女達よ・・・君達の明日は輝いている・・・多分・・・。
次回予告
愛衣達のピンチに駆け付ける太一達、
だがマリオンは高音とガンドルフィーニを操り太一達に襲い掛かる。
信念を弄び操るマリオンを許せない太一達、
己の信念を掲げた時太一の新たな力が目覚める。
次回
デジモンアドベンチャーMAGI
『魂の声』
今・・・冒険が進化する。