姉が勇者として転生してきた為、魔王の右腕になって復讐することにした【凍結中】   作:ベクセルmk. 5

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根の侵略者
11話 ● 十本指


シャングリラ大陸。5人の神が存在し、管理する大地。そこでは常に4人の魔王を使って世界を滅ぼしかけ、どこかの国に勇者を呼ばせることによって楽園(シャングリラ)を運営してきた。

しかし、国が6つになり始めたあたりで異常が起こった。魔王がシャングリラ神へ戦いを挑んだのだ。戦いはシャングリラ神の勝利に終わり、魔王達は領土から出た際に力が発揮できなくなるという呪いをかけられた。

それからというもの、魔族の王が南と北東の一部を、魔法の王が北西一帯を自らの領土とした。悪魔の王は放浪の旅に出て領土は無く、魔物の王はシャングリラ全土を投影した第二の大陸に結界を貼って異界とした。

それこそが、根の国。楽園という樹(シャングリラ)を支える()として怪物(しんりゃくしゃ)を送り続けている。

~~~

「ああもう!キリがない!」

ブルームハート王国南の城塞都市、カベロニ。そこから300kmほど進んだ先にある平原で根からやって来た怪物6千対人魔混成軍3千が戦っていた。否、正確には・・・・・・

「<氷魔葬槍撃><豪爆魔棍槌><嵐の崩玉><金剛魔撃槍>」

「<攻撃 白夜の謳槍><攻撃 斥力魔斬><治癒 癒しの息吹き>」

「【神殺しの光魔剣】【妖刀空割】」

大規模な魔法とスキルによる攻撃によって敵兵の数が減り、2千対2千跳んで6だ。因みに6人とは、ラウルの私兵隊『十本指』である。彼らはラウルが種族、戦歴に関係なく強そうな者を10人程集めて創られた部隊だ。現在戦闘に加わっているのはアカーシャ、クロムウェル、カサンドラ、メルティ、エドガー、マリー、のみだ。

「今だいたい2千ほどです。アカーシャ、まだ持ちますか?」

蒼い鎧を身に纏った金髪の人狼少女がソードホルスターから剣を取り出す。

「うん、全然持つよ。どんどん治療していくね<治癒 癒しの息吹><治癒 解毒の繭><治癒 再帰の雫>」

ラウルとお揃いのコートと軍服を着た戦乙女(ヴァルキリー)が回復魔法を唱えながら答える。

「そうか、ところで将軍はいつこちらへ?」

褐色禿頭で2m異常ありそうな半巨人の男、エドガーが、盾で攻撃をいなしながら尋ねる。

「まだ半日あります!それまでにこいつら全滅させますよ」

桃色の髪に、癖っ毛だらけの双角獣(バイコーン)の少女がぼやきながら、魔導を展開する。

魔導。魔法が魔力を使って魔粒子(マナ)に干渉して揺らぎを発生させて特定の現象を発動するのなら、魔導は魔粒子以外の物と魔力を同調させて魔法と同じ現象(・・・・・・・)を発動させる技術の総称だ。

「こいつら、仙魔導(体術に合わせて魔導を発動する技術)を使うのがうまいですね」

天使長クラスの天使と大悪魔が魂単位で融合した女性、カサンドラが言う。仙魔導の攻撃は魔法の防御を突破しやすく、仙魔導の防御は魔法に突破されやすい。

「だからといって、負けるとは言っていませんよ?」

書物魔導(グリモア)を発動させる事の出来る魔道書を取り出して、ページを開く。因みに現在シャングリラで魔道書を制作できるのは、魔法王リーマン・モロソンだけである。

タイトルは『原初14の呪禁』魔王達がシャングリラ神に敗北する以前から隠し持っていた叡智の1つだ。ページから黒い液体のようなものが溢れ出て、近くにいた魔物たちを握りつぶす。

「『機構魔導銃 起動 展開 圧縮 発動』」

マリーの持っていた拳銃が無機質な詠唱を終えると、上空から光の雨が降り注いだ。

「グランシャリオ」

いっきに4桁の軍勢を屠った敵に恐怖した根の魔物たちは、急にその姿を消した。屍一つ残さずに。

~~~

「あ~あ、隙を突いて十本指の誰かを始末しておこうかと思ったけど・・・・・・あんな大規模攻撃ばっかしてたら、逆に隙がないじゃん」

ひとりの男が戦場跡を眺めていた。

「次は確か、ミストヴェールか。後輩たちがどんなやつか見てきますか」

 

 




初めての根の国です。
因みに第三章は根VSの話だけです
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