姉が勇者として転生してきた為、魔王の右腕になって復讐することにした【凍結中】 作:ベクセルmk. 5
ミストヴェール教国の戦艦の一つ。
「全く、無能はこれだから」
一人の少女が天を仰いだ。十本指の一人、カノンだ。
彼女は積荷のふりをして、ずっと戦艦の中に潜んでいたのだ。
「えっと、鏡はどこでしたか・・・・・・ありました」
鏡を前に、こう唱える。
「【魔眼の蛇】『私よ、強化されよ』『私よ、変異せよ』」
二つの命令をカノン自身にした。
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「くっそ、キリがない!」
平凪閃は『聖なる小鹿号』の周りにやってきた魔物の群れと戦っていた。砲撃鮫の水弾を素手で防ぎ、虎鮪を蹴り倒す。
「<攻撃 雷王戦錻><攻撃 竜の嵐槍><攻撃 毒蛇の千剣>」
彼の放つ魔法は全て魔物たちに命中し、次々と屠っていく。
「勇者様、緊急事態です!左後方から・・・か、怪物が!」
『ゴガアァァァァァァァ』
ソレはどこからどう見ても、怪物だった。
無表情な人面の五つ首、亀のような胴体、それを取り囲む9つの竜の首、三股に別れている蛇の尾、獅子の脚に頭から生えた山羊の角、真ん中の首の下にはユニコーンのような立派な角のついたセイレーンの顔、グリフォンのような翼に、真ん中の首以外の4本の首には髪の毛のように蛇が生えている。更に、身体の至る所にゲイザーのような目の魔物が張り付いているではないか。その姿は
「・・・・・・な、んだよ、あれ?」
海の上を歩くその異形は、全ての生物を畏怖させている。
『ゴガアアアアアアアアアア!!』
ここからまだ距離があるにも関わらず、真ん中の首から魔力塊を放つ。
ドォンという音が聞こえ、小鹿号を取り囲んでいる結界が揺れた。
「くっ!<攻撃 滅竜雷山砲>」
竜の姿をした雷の砲撃が怪物まで迫るが、ゲイザーめいた目が一つ閉じると、魔法がかき消された。
「ま、魔法耐性!?ドラゴンを超える魔法耐性なんて・・・」
『グルアアアアアアアアアアア!!』
四本ある首の一つがブレスを放つと、護衛艦の一つが盾となる。転舵し、左舷の砲塔全てで砲撃をする。
しかし、ブレスを受けた瞬間砲弾は石化し、まともに受けた戦艦も同様に石化する。
「<召喚
雪でできた竜を召喚するリトル・スノー。しかし、それは突進一つで倒された。
(・・・・・・音より速かったぞ?あいつ)
消滅するまで音速で頭上まで飛行し、そこから急降下して攻撃してきたと、誰も気が付かなかった。
「【聖獣憑依】!」
自身に聖獣朱雀を憑依させて、怪物に攻撃をする。9つの竜の首を一つが吹き飛ばされたが、飛び散った血に触れた瞬間、全身が灼けるような痛みが走った。しかし、それを無理矢理魔力を注いで解毒する。
(血が猛毒とか、ヒュドラじゃあるまいし)
そして、怪物相手に戦っていて小鹿号への警戒が薄れた所を、なにかが貫いた。
黒い線が船体を真っ二つに裂く。メシメシと音を立てて割れる艦板、倒れるマスト。
「スノォォォォォォォォ!」
結界のダメージフィードバックを受けたのか、無傷のまま吐血する少女を助けるために海の上を走った。
~~~
「【
斥力で出来た槍を投擲する。狙いは勿論『聖なる小鹿号』だ。
「よし、着弾・・・・・・いや、着槍かな?とにかく、修羅先輩お願いします」
「わかった。百鬼羅業、出撃!更にレパルタ島にいる飛竜攻撃隊もだ!」
自らの私兵隊の鬼軍団と、飛竜航空戦士団も出撃する。
本来なら同時射ち等の可能性もあるため夜間に航空戦力を運用しないが、ナイトワイバーンは夜間でも目が効くため運用が可能なのだ。
「さて、今までは段取り通り。さあ来い、イレギュラー!この状況をひっくり返してみろ」
今回のこの怪物には何匹の魔物が融合してるでしょうか?
正体は流石に見破れまい