姉が勇者として転生してきた為、魔王の右腕になって復讐することにした【凍結中】   作:ベクセルmk. 5

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20話 ○ 晴奴・刻VS

ブルームハート王国とパンドラ帝国の国境付近。

がしゃりという音が天幕のなかに響いた。

「なるほど、存在が確認できない勇者か」

天幕の中では女王ナハトと、全身に鎧を纏い仮面を付けた男が対峙していた。

「隠者の羽織ですら誤魔化せない勇者補足の結界を突破し、王国内に転移してくるには、私の知らない勇者の力を使う他ない。そこで私がグラコス山脈に出向くことによって、お前をおびき出したという訳だ」

女王ナハトは槍を構えながら言う。

「ようこそ、我が領土へ。歓迎しよう」

~~~

晴奴・刻は自分に槍を向ける魔王に対して、黙ったまま剣を向ける。

「・・・・・・」

「しっ!」

最速の突きを剣で受け止める刻。スキル【魔力構築 剣】によって生み出した魔力剣で斬りかかる。

物理防御不能な魔力の刃に切り裂かれ、死んだかと思った。

「どうした?私はここだぞ?」

「・・・・・・!」

何時の間にか背後にいた。

「<攻撃 九頭土竜撃>」

「【魔力構築 楯】」

9個の岩で出来た竜の頭の連撃を剣にしていた魔力を楯に再構築して防御する。

「このレベルの魔法攻撃すら防御出来るとは・・・」

「<攻撃 死の竜巻>」

「【理想郷の肯定者】発動。能力【隔絶の光宮(アヴァロン)】」

スキルを展開した瞬間、光のドームがナハトを覆う。あらゆる存在に死を与える竜巻が光のドームに触れた瞬間、消え失せる。

「【天砲の魔杖(アルカディア)】」

その後、遥か彼方にある空から光の塊が降り注ぎ、刻を焼却せんとするが、刻はそれを受けきる。

「ほう、【理想郷の肯定者】最高威力の攻撃を受けてまだ生きているとは」

「貴様、魔王の遺産を改造したのか!?」

魔王の遺産。それは歴代魔族王が生み出した超兵器のことを指し示し、現在6つ存在する。

「その通り。あんなダサいものよりも、こっちのほうがいいだろう?」

パチン。と指を鳴らした瞬間、世界が止まった。

「<妨害 時間停止>」

本来なら時間を操る魔法など存在しない。しかし2万年もの間生き続けたナハトは作ってしまったのだ。

「『其は無限の刃。放たれるのは紅蓮の炎。紅き剣は汝に突き刺さり、その魂ごと焼却せん』<禁呪 魂焦がす焔剣の握撃>」

時間が動き出した瞬間、無数の刃が刻に突き刺さり、炎となって刻を内側から焼く。

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!おのれえぇぇぇぇぇ!」

「次会うときは本体に向かわせろ」

~~~

「ふ、ふははははははははは!これがナハトの実力か!それも玉座から離れた・・・・・・4分の1でこれだと!?規格外にも程がある!300年前となんにも変わらない強さだ!」

ミストヴェール教国。首都『キシリア』にあるミスタヴェール大教会の地下。

そこで一人の男が笑い声を上げていた。

「ファルドス、貴様・・・下僕が一体消されたのだぞ!?」

「怒るな刻君。銀の茨で十字架に旧勇者の魂を繋ぎ留めた分身だろう?」

「奴は【次元の鏡(シャンバラ)】を使って・・・・・・」

「あれで観測、検索や閲覧が出来るのは地表のみだ。君は地下にいれば安心だよ」

 

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