姉が勇者として転生してきた為、魔王の右腕になって復讐することにした【凍結中】 作:ベクセルmk. 5
幕間の話『魔竜は天使と戯れる夢を見るか? 1』
シャングリラ大陸の南、ブルームハート王国。
東西南北を菱形になるように4つの城塞都市で囲み、その隙間を埋めるように四つの砦を築くことによって、今までミストヴェール教国やパンドラ帝国を寄せ付けることのなかった。
そんな王国の最南端に位置する城塞都市カベロニ・・・・・・のオープンカフェで二人の男が座っていた。一人は赤い蛇目に164cm程の少年、ラウル。いつもと同じ不機嫌そうな顔のまま対面に座る男を睨んでいる。
もう一人の男は、身体は細いが筋肉質で、爽やかな印象を与える整った顔立ちの男であった。
「いやあ、いい天気ですね」
爽やかな笑みを浮かべながら男が言う。ラウルは眉をひそめながら、
「・・・・・・ええ、一部の魔族にとっては大変憂鬱な天気ですね」
と、刺とドスの効いた声で言った。しかし、顔だけは
ラウルは魔竜と呼ばれる種族の魔族だ。普通の龍種は環境適応能力と魔法耐性が高く、長い時を過ごす種族だが、魔龍は違った。
―――――――曰く、古代の吸血鬼を捕食したことによって日光への耐性を失った竜種
―――――――曰く、神殺しを成したことによって太陽と聖なる力を恐るようになった竜
―――――――曰く、シャングリラの邪神の使い
などと色々と噂される程、陽の光に弱い種族。祖先の持つ血の力の唯一の欠点。
(曇り空!一雨降りそうなほどの曇り空だったのに、この男が現れた瞬間快晴になった!)
恐らく、シャングリラの神の嫌がらせだろうと諦めながら目の前にいる男を睨み続ける。
「お待たせしましたぁ!鳥ピザ、鴨ハムのサラダ、駝鳥肉のパイの包み焼き、食人鴎のフライ、ジンジャーエール。潮蟹と白銀貝のパエリア、金剛鯛のトマト煮込み、銛蛸のパスタ、アイスティーでございます!」
ラウル達の注文したハイカロリー料理をテーブルに並べていき、ごゆっくりどうぞ!と斜め45°のお辞儀を見せ、去っていく。
「駝鳥の肉は、美味しいのかい?」
「良く銛蛸のパスタなんか食べれるな」
~~~
魚介の旨みの効いたパエリアを頬張りながら、目の前にいるラウルを見る。
こちらの視線に気づき、ちらりと見るがまた食事を再開する。
「浅神 輪廻・・・・・・いや、グリーム・クリエイション」
会話を諦めて潮蟹の殻から身を取り出している途中、唐突に口を開いたラウルが突然転生前の名前と転生後の名前を言われ、ガタッと席を立つ。
「そう警戒するな。今ここで戦うつもりはない」
今は、な。と呟き、フライをフォークで突き刺し、口に運んだ。
「いったい、一体いつから俺の事を?」
「ん?ああ、お前が僕の前に現れた瞬間」
「俺のことを、どこまで知っている?」
「善人。善性の塊。転生前からボランティア活動などを積極的に行っており、世界中で人助け旅行をしたことがあるとか」
ほとんどあたっている。
浅神 輪廻は救いたかった。かつて自分は誰にも救われることのなかった。しかし、ある人物に救われた。故に、自分も今は覚えていない彼or彼女のように、人を救う。転生前もそうだったし、転生後もそれは変わらない。
「そういうお前は僕の何を知っている?」
ラウルの質問に、グリームはこう答えた。
「さあな?ただ、ある天才美少女の
ラウルが目を見開いた・・・・・・後、直ぐに睨みつけてくる。
「・・・・・・勘定だ。釣りはいらん」
そう言ってウェイトレスに硬貨の入った袋を渡す。因みに、シャングリラでは紙幣を使っておらず共通の硬貨を使っている。一番高い金貨は日本円にすると10万円ほどである。
「<転移 夜明けを知らぬ大地>」
瞬間、二人はこの世界とは別の世界に移動した
幕間の話は、殆ど本編には関係しません。
ご了承ください
APOCRYPHA様のリクエストキャラを使用させていただきました。
ありがとうございます