姉が勇者として転生してきた為、魔王の右腕になって復讐することにした【凍結中】   作:ベクセルmk. 5

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幕間の話『魔竜は天使と戯れる夢を見るか? 終』

「ちっ、外したか」

六魔神槍(アスタリスク)】第一の槍【黒流星 一番星】は、射程距離∞の黒系統力場属性の禁呪<超重力閻魔槍>を物質化したものだ。

「【六魔神槍】第二の槍【青流海 双頭鰭】」

次に取り出したのは、魚の尾鰭の先端が槍の穂先の部分に付けられた斧とも間違う武器だ。

「さて、本気を出すぞ」

【青流海 双頭鰭】を振り下ろすと、30m程の津波が発生し、視界の全てを水が飲み込んだ。

~~~

「おい、ソウルイーター!あれはなんだ!」

『アタシも知らないわよ!ただ、あれは直撃した瞬間真っ二つに裂けるわ・・・・・・超重力砲みたいなものよ』

「よけいにわかんねえよ!って、あれ?なんで高さ約30mの津波が・・・・・・」

言い争っているうちに、ラウルが攻撃を仕掛けてきた。

急にグリームとソウルイーターを巨大な津波が飲み込む。周囲の空間を海のように水で満たすと、グリームとソウルイーターは岩山に掴まって体勢を立て直す。

『グリーム!ねえ、ちゃんと息してる!?』

「ああ、してるみたいだ」

グリームのスキル【転生特典:救世へ導きし夢幻】の能力は『人々の夢や希望からあらゆる存在を創造する』である。この能力はグリーム自身の夢や希望も適応範囲として適応されている。

『水中でも地上と同じように活動出来る装置。なんて・・・思いついたわね』

『・・・・・・来たぞ!』

念話で会話をしていると、なんとラウルは元々水など無いかのように、悠々と歩いてきた。

「ぶばばばばばば、ごんぎべいヴど(ふはははははは、本気で行くぞ)」

『『いや、何言ってんのかわかんねえよ!』』

相手に聞こえないとわかっていながらも、叫んだ。

『どうすんのよ!』

「とりあえず応戦するぞ!<水蛇の剣><氷獣の大牙><螺旋水龍槌>」

「ぶがばばばばば!むヴぁむヴぁ!(がははははは!無駄無駄ぁ!)」

相変わらず何を言っているかわからないが、同じ魔法で応戦してくる。

突如今まで海のようにグリーム達の周りにあった水が霧散した。

(スキルによって発生した水なのか・・・・・・?あいつの持っている槍が鍵だな)

「【六魔神槍】第三の槍【通流雷 三文槌】」

眼前にまで迫ったラウル。その手には雷の描かれた三叉の槍を持っていた。しかし、穂は四角柱のようになっていて、槍というよりも槌に似ていた。

「はっ!」

横薙ぎに振るわれた一撃をソウルイーターで受け止める。反撃を試みるも、直ぐに後ろに飛ばれて攻撃が当たらない。

「・・・・・・セイッ!」

二段突きを避けたと思えば槍を縦に回して石突きを振り下ろしてくる。

『おいグリーム!コイツの動きを止めなさい!』

「なにをいきなり!」

『このままじゃジリ貧じゃないの!その前に拘束して大火力の魔法攻撃でカタをつけるわよ!』

~~~

グリームの発動してくる魔法が妨害魔法による拘束に切り替えてきた。

(動きを封じに来た?)

と、考えているうちに白い縄のような何かが手に巻き付いた。

「しまっ・・・・・・」

そのまま引き寄せられ、剣の間合いまで入り込まれてしまう。

「【六魔神槍】第四の槍【樹流恨 四之枝】」

【通流雷 三文槌】を消して新たな槍を手に取る。見た目は四つの枝分かれした一本の木の枝だった。しかしこれもまた槍の一つであり、四つの分かれた枝も、枝が纏っている葉も穂先の一つだった。

「<産声に答え、芽吹き、啜れ>」

次の瞬間、枝が太くなりながら巨大に伸びていき、纏っている葉が鋭くなっていく。

「ははは・・・・・・すごい!」

『感心してる場合じゃないでしょ!決めるわよ』

『「<神罰の煌鞭>」』

視界を埋め尽くさんとする大樹の槍と、あらゆる魔を滅する光の鞭がぶつかった。

~~~

「・・・・・・はっ!」

「きゃあ!」

気が付くとそこは、見覚えのある天井だった。カベロニにあるラウルの屋敷だ。

「閣下、おはようございます!」

声のした方向を見ると、ラウルを見下ろすクロムウェルの姿があった。

「クロム、なんかさっきすごい夢?見たんだ。僕が負けかける夢」

「閣下が?ご冗談を。たとえ夢の中であったとしても、シャングリラ4大魔王以外の生物が閣下を倒せるはずがございません」

優しく言いながら頭を撫でる。

「きつい性格のクロムがこんなに優しい態度を取るとは・・・・・・<滅竜流星剣>でも降ってくるんじゃないか?明日」

「私が激甘になるのは、閣下と二人きりの時のみです。それよりも、明日は瘴気の大峡谷突破戦前なのですから、しっかりと英気を養ってください」

~~~

『ふ~酷い目にあったわね~』

「だな。暫くは竜種の魔族とは戦いたくないな」

そこは、抉り取れた山々、ひび割れどころか地割れやクレーターが混在する大地。

「にしても、あの男は何処へ」

『さあね。私達も、彼も・・・・・・夢でも見てたんじゃないかしら?』

「決着は夢の中でってか?随分とロマンチックだな」

 

 

 




如何だったでしょうか。
今話で幕間の話第一章は終了です。
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