姉が勇者として転生してきた為、魔王の右腕になって復讐することにした【凍結中】   作:ベクセルmk. 5

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かなり遅くなった
だが、後悔はない!


4話 〇 黒鱗の竜王

「何が、何が起こってるのです!」

青の勇者、イザヨイカグヤは逃げていた。

瘴気の大峡谷の第二ライン。カグヤがそこに突入した瞬間、敵味方関係なく兵士達が攻撃してきた。

現在は第一ラインにまで退却出来ているが、それまでの間に1000人近い味方を失った。

「もはや、敵も味方も関係ありません!〈攻撃 水蛇の剣〉」

手を振りかざすと同時に、水の斬撃が迫り来る敵を斬り倒す。それを見た他の兵士も攻撃を開始する。

「〈妨害 減衰波紋〉」

青系統第二段階減衰属性妨害魔法を使い、防御力と速度を減衰する。さらにそこにスキルも使用しながら、攻撃魔法を放つ。

「〈攻撃 氷獣の大牙〉」

巨大な氷の牙が、敵を呑み込まんとばかりに出現する。

しかしそこに、一人の少年が飛び出してきた。

「〈妨害 魔法威力減衰〉〈防御 嵐の城壁〉〈召喚 上位雷光大鎧(グレータースパークメーラー)〉〈付与 増長の大地〉」

一息に4つの魔法を同時に発動させ、カグヤの攻撃魔法を防いだ。

青系統の妨害魔法により氷の牙の勢いが衰え、黄系統の防御魔法によって作られた嵐の壁と召喚魔法によって召喚された、雷を纏った黄金色の動く全身鎧を緑系統の付与魔法で全体的な強化を施した。もしこれ程徹底的な防御が無かったら、カグヤの魔法は敵を蹂躙していただろう。

「スキル【青系統魔法超化】によって超位段階の魔法にしたと言うのに・・・防ぐなんて」

勇者限定スキル。別名、実績スキルとも呼ばれる特殊な条件を達成したものにしか発現できない異能のことだ。

「出てきたわね、ラウル・デス・ムーン!」

そこには、目付きの悪い黒髪の少年が竜を象った槍を構えたまま立っていた。

「まさか、一人で来たというの?」

「だったらどうした?お前相手になら一人の方が戦いやすい。さて、初めましてだな、イザヨイカグヤ。そしてさようならだ〈攻撃 雷落とし〉〈召喚 超位黄竜王(イエロードラゴンロード)〉」

空から無数の雷撃が降ってきた。それと同時に、超位級(ロードクラス)のドラゴンを召喚する。

「くっ!〈攻撃 氷剣千葬掃〉!」

それに対して千本の氷の剣を放つ。しかし、相性の悪さと魔法規模の違い、そして何よりも魔法師としての実力の差が出てきていた。

雷に砕かれ、氷の剣はラウルに届くことはなく、超位黄竜王のブレスの一撃を受ける。

「召喚スキル【氷山砕き】!」

カグヤが唱えると、何処から出てきたのか銀色のキューブが4つ繋がった形をした棒状の武器が姿を現す。【氷山砕き】四つのキューブが独自に振動を発生し、触れた対象を破砕するハンマー型の魔導兵装だ。

「はあぁぁぁぁぁぁ!!」

掛け声とともに振り下ろされた氷山砕きがラウルを捉え、ラウルの右腕を砕いた。

「っあぁぁぁぁぁ!!」

しかし、激痛に悲鳴をあげたのはカグヤだった。よく見ると腕が本来曲がらない方向に曲がっており、ポタポタと血が滴り落ちている。

「スキル【貴方は私の影】。能力は受けた攻撃を攻撃を与えた本人に移す」

カグヤは自らの右腕を抑えながら膝をつく。

「か、カグヤ様!」

「カグヤ様を助けろぉ!!」

周りで見ていた部下達が助太刀しようと突撃してくる。

「だ、ダメ!来てはいけません!」

「はぁ、無駄だとわからんかね。まあいい、スキル【煉獄死霊花・屍高原】」

唱えると同時に灰色の蔦が地面から生えてきて、兵士たちに抱き着いて拘束した。そのまま兵士を締め上げ、

「ぐぎゃあぁぁぁぁ!!」

「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!」

「いやぁぁぁぁぁぁ!!」

血の華を咲かせた。蔦だらけになった死体は突然動きだし、アンデットモンスター『ローズグール』となって、残りの兵士達に攻撃する。

「さて、捕縛させてもらうぞ?」

―――

かくして、瘴気の大峡谷大戦は青の勇者イザヨイカグヤがラウル・デス・ムーンに敗北したことによって王国軍が主導権を握ることとなった。




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