姉が勇者として転生してきた為、魔王の右腕になって復讐することにした【凍結中】 作:ベクセルmk. 5
「う~緊張する」
ブルームハート王国首都デファンレ。そのど真ん中に位置する宮殿の謁見の間へと向かう廊下。そこを、親衛隊の兵士がラウルと十本指のメンバー、アカーシャを連れて歩いていた。
今日は二ヶ月の瘴気の大峡谷戦の報告をするために、王国に呼ばれたのだ。
「そんなに緊張するもんなの?陛下には何時も逢ってるんでしょ?」
緊張のし過ぎで顔色が悪くなりつつあるラウルにアカーシャが話しかける。
アカーシャはラウルが魔王に拾われてから一緒にいる・・・・・・幼馴染みと言う奴だ。
「アカーシャが言うほど簡単じゃないの。役立たずの貴族どもの陰口気にしたり、陛下の機嫌損ねないようにしなきゃだし・・・・・・普通に戦ってたほうが楽だよ」
ため息を吐きながら項垂れるラウルと、それを宥めるアカーシャ。
「まあ、うん。ラルが陛下に気に入られて出世したのは事実だから。今さら悩んでどうにかなるんだったら、悩む必要は無いと思う」
「ああ、ありがとう。少しだけ気が楽になった」
ふぅー、と息を吐き、姿勢を正す。
「ラウル将軍をお連れしました!」
「御苦労、下がりなさい」
親衛隊員は敬礼をして、退出する。
「さて、良く来たな。我が眷族」
玉座に座る雪のように白い髪と、緋色のつり目、健康的なハリとツヤのある艶やかな肌と、たわわに実った二つの果実を黒いタイツのような衣装で隠し、黒薔薇の髪飾りと氷のような微笑が特徴的な女性、魔族の女王・ナハト。
「ブルームハート王国軍
ナハトの前に跪く。玉座に座るナハト、その隣にたつレンリ大臣、右左に並んで立っている11人の将軍。
王国軍の将軍には、実力に応じた華冠が与えられる。花弁の数が多いほど権限が強く、発言力もそれに応じて強くなっていく。
「ラウルよ、勇者の一人と戦って勝利したらしいな」
「はっ。陛下の命令通り生け捕りにしました。名をイザヨイカグヤ、青系統の魔法を得意とする青の勇者だったようです。勇者敗北の知らせに敵兵の士気は激減、そのままクラウディアまで攻め込める勢いにあります」
「さすがはラウル将軍ですな」
一華冠、デブルが巨体を揺らしながら言う。
「しかし、勇者一人と一騎討ちをしたのですからさぞかしお疲れでしょう。一度、フレング城塞に戻っては?」
フレング城塞は王国の南にある城塞都市、カベロニに位置する要塞だ。
(これ以上手柄を取られたくないって思考が丸分かりなのだが)
「陛下、今は王国に流れが来ております。このまま、ラウル将軍に任せることを進言します」
六華冠、鬼姫修羅が進言する。かつて部下だったラウルの活躍に嫉妬した様子は無い。六華冠の修羅のほうがデブルよりも発言力が強いため、修羅の意見に賛成する者のほうが多い。しかし、ナハトは、
「双方の意見を却下する」
ふたりの意見を拒否した。その発言には予想が出来ていなのか、一切考える素振りがなかった。
「レンリが東を視察している時、2万ほどの軍勢が襲ってきた。三華冠、麒麟児林次並びに七華冠、オルニダは知っていると思うが、パンドラ帝国が我が国に襲撃してきた」
謁見の間がざわめくのも無理はない。パンドラ帝国。シャングリラ大陸北部を領土として持ち、長年ミストヴェール教国同様ブルームハート王国と戦い続けてきた大国だ。
「パンドラ帝国への対応は、六華冠 鬼姫修羅、二華冠 ボラヌラ、九華冠 レナードに任せる。ミストヴェール教国への対応は三華冠 麒麟児林次、一二華冠 シークレット、一華冠 デブルに。ラウル将軍は王都で待機。有事の際の援軍だ」
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グラコス山脈。シャングリラ大陸北部に位置し、パンドラ帝国とブルームハート王国の国境にもなっている。
「ふ、ふふふ!ふはははははは!」
ストロベリーブロンドの髪に黒色の軍服を着た、妙齢の女性が眼前に広がる景色を見て笑った。
凍土を血と人間とドラゴンの死体が覆い尽くしていた。
「ここが、ブルームハート王国!いいぞ、最高の
振り替えると、魔法銃(魔力を消費して射撃攻撃魔法を発動する魔道兵装)で武装した兵隊が一万人ほど整列していた。
パンドラ帝国第三皇女、アルドラ。
活動報告にてリクエスト企画をやってます