姉が勇者として転生してきた為、魔王の右腕になって復讐することにした【凍結中】 作:ベクセルmk. 5
6話 ○ アルドラの失敗
遡る事2週間前
凍土、グラコス山脈。シャングリラ大陸北部に位置し、パンドラ帝国とブルームハート王国の国境にもなっている。
パンドラ帝国はグラコス山脈のブルームハート側の6合目に拠点を構えていた。
「うむ!やっぱり
豪奢な家具に囲まれてソファーに座りながら、ストローベリーブロンドの髪をした黒い軍服姿の女性が満足げに頷く。テーブルの上にはリキュールやウォッカ、フルーツジャムの空き瓶などが転がっている。彼女の名前はアルドラ。パンドラ帝国第三皇女にして、魔導兵装を製造、販売する商会『
シャングリラ大陸の北部に位置し、年中無休で雪が降るほどの極寒の大地にパンドラ帝国は存在する。この極寒の帝国は3つの国と戦争状態だ。まず一つが、ウルグ。古き良き文明の残る彼の大国との戦争をする理由は、土地だ。豪雪地帯が多く、地面自体が氷に覆われている北部では植物の育ちにくく農地が少ないが、代わりに牧畜が盛んである。逆にウルグはよく肥えた土地と温暖な気候のため、作物が育ちやすく、パンドラに目をつけられていた。
二つ目がブルームハート。この国は山岳地帯が多く、その大半が鉱脈だ。場所によっては宝石で出来た樹が生えているほど、鉱山資源が豊富なのだ。パンドラもその資源を奪いに来ていると考えている。
最後が、反転世界 根の国。人類が到達したことのない不死不変の存在の仕組みを解き明かし、不死身の軍隊を作ろうと考えているのだろう。
「ともあれ、
「皇女殿下!」
アルドラがいる、皇族専用の天幕に一人の兵士が入り込んできた。北部ということもあってか、金属の鎧を着込んでいるものは少ない。魔法を素材に織り込むことによって作られた
「ふふん、
~~~
甘く見ていた。山岳戦は高所を獲っているこちらのほうが有利であった。兵の数も2万対1万6千とこちらのほうが圧倒的に有利であった。
気が付けば、2万いた部下が半分近く死んでいた。所々にドラゴンもいる。
(我の敗因は、前に出過ぎたことと、自軍の力を過信していたことか)
敵陣に打って出ている間に、回り込まれて孤立させられた。しかも、相手が悪かった。
「俺、レイ・クロノスの相手は誰だ?」
身長は大体176程の男が薙刀を構えたまま言った。アルドラはこの男を知っていた。
レイ・クロノス。約3年前にブルームハート王国に転生してきた男で、魔王直属親衛隊や『黒鱗の竜王』ラウルの直属部隊、十本指にスカウトされる程の実力を持っていながらも、それを蹴った変わり者だと資料には書いてあった男だ。
「前線射撃隊、撃ぇーーーーー!」
突撃銃を構えた30人程の兵士が一斉に銃撃を放つ。
「<防御 電磁誘導>」
銃弾がクロノスを避けるように飛んでいった。
「スキル【鳴神】発動<攻撃 雷龍咆哮砲>!」
スキルの力によって強化された強力な黄系統上位段階攻撃魔法の前に兵士たちは立ちすくむ。その間にアルドラが割って入った。
「しゃらくさささぃ!【真・魔狩りの神腕】!」
あらゆる魔を滅する神の腕を一時的に顕現し、魔法を消滅させる。
「総員、
~~~
それからというもの、ドラゴンや追撃を仕掛けてきた王国軍相手に撤退戦を続け、グラコス山脈のパンドラ帝国側の4合目まで撤退を余儀なくされた。
後日、レイ・クロノスは
万屋よっちゃん様のリクエストキャラを今回は登場させていただきました。誠にありがとうございます。
他にもリクエストして頂ければ、出せるタイミングで出させていただきます