どんよりとした雲に覆われた空。
建物という建物が禍々しい造形へと変貌し、この世界のどこかに魔王とでも呼べる存在でもいそうな無制限中立フィールドの《魔都》ステージへと降り立った《レガッタ・テイル》ことテルヨシは、初のダイブをした2045年の夏以降、ただの1度も来ることのなかったこの世界の混沌とした空気を肌で感じつつ、ソーシャルカメラの視覚外の推測補完によって鉄骨による骨組み状態にまでされた自宅マンションの屋上へと登り、ユニコ達が出発点としたであろうハルユキ宅のあるマンションの方向を見てから、のんびりもしてられないと早々に切り替えて準備運動をしてから、自分が最初に目指す練馬区桜台駅の方角をまっすぐに見つめて、勢いよく屋上から飛び降りた。
「遅い!」
ダイブしてから10分程度で桜台駅まで来たテルヨシは、そこですでに待っていた2人のバーストリンカーのうち1人に着いた途端に怒鳴られてしまう。
「えー……これ以上速くとかガッちゃん鬼ですやん……」
「別に鬼じゃないわよ。っていうか、何でこの辺でダイブしないで、遠いところから同じタイミングでダイブして移動すんのよって話」
「あ、そっか。1秒速くダイブして移動すれば良かったのか。ガッちゃん頭良いー!」
到着早々にテルヨシを怒鳴り付けた《エピナール・ガスト》ことガストは、いつでもどこでもらしすぎるテルヨシに心底呆れたのか、手に持つ巨大扇子《ブレード・ファン》を地面に立てて持ち手の部分に頭を乗っける呆れポーズを披露。
しかしいつまでも話をしているわけにもいかないとすぐに頭を切り替えて、今回の作戦立案者である《カーマイン・ボンバー》ことバーちゃんに2人は顔を向けた。
「では行くかの。場所は池袋。サンシャインシティ辺りを目指すぞ」
「移動中のエネミーとか大丈夫?」
「儂が逐一空へと上がって周囲を観察する。それで安全なルートを進むから、主らはそれに続けばまぁ、野獣級や巨獣級は高確率で回避できるじゃろうて。小獣級は上手く振り切れ。相手するだけ時間の無駄じゃ」
そうして説明を終えたバーちゃんとガストは、心配性なテルヨシを置いていくようにして移動を開始し、なんとも頼り甲斐がありすぎる2人の背中を見たテルヨシは、自分の頼りなさを実感しつつ、加速世界の先輩のあとをついていくのだった。
その道中、早速ガストに打ち上げてもらって、自らの《ディセント》で滞空時間を延長させながら周囲を観察するバーちゃんを見ながらに移動していたテルヨシは、すぐ隣を走るガストに沈黙は柄ではなかったために話題を振っていた。
「ガッちゃんはどうしてバーちゃんに……というか赤のレギオンに協力したの? やっぱり元所属レギオンだから?」
「……どうかな。今のプロミは私の知ってるプロミとは少し違うし、あの黄色いのと余計なことで揉めたくもないんだけど、ボンバーは昔からの親友だし、レインちゃんも面倒見てた時期があるから、他人事でもないなって思えてね。それに『つまんない意地』でプロミ再建に協力しなかった罪滅ぼしっていうのもあるのかも」
黄色いのとは黄の王《イエロー・レディオ》であることは明白だが、レディオが好き嫌いのはっきり分かれるタイプのバーストリンカーなのは直接会った時にわかっていたテルヨシは、ガストも苦手なのかと苦笑しつつ、そんなことよりも友情などを大切にするガストに感心。
しかしもう1つの理由については返す言葉が見つからなかった。
ガストが言う『つまんない意地』というのは、おそらく『黒の王との折り合い』を指しているのだろうが、ガストがそうしてプロミ再加入を蹴ってまでしようとしてるのは『初代赤の王の弔い』。
それがレギオンの意思であってはいけないと、そう考えてのこと。
「別にレギオンの再建はその意思があるやつらがやることだろ。入る気のないレギオンの再建に協力を強制するようなやつがいたら、そっちの方がおかしいって」
「ううん。本当はさ、ライダーがいなくなってすぐは、必死にプロミの解体を止めようと頑張ってたのよ。でも、ライダーの求心力が強すぎたのね。彼がマスターじゃないプロミなんてって考えのやつらは早々に見限って出ていって、レギオンでも次の王を決める乱戦が始まっちゃって、私が何やっても無理なんだって、そう感じちゃったから、諦めたの。『ああ、もうあの頃のプロミには戻れないんだ』って。そう思ったら、その原因を作ったロータスが許せなくなって、プロミの再建なんて頭から離れていった。でもそれもロータスに責任を押し付けて逃げた私の罪。罪の自覚があるから、ロータスを全損にしたいと思うまでの憎しみも生まれなかったし、今だってボンバー達とは微妙に距離を置いてる。自分がプロミを見限って出ていった人達と同じだってわかってるから。だから罪滅ぼし」
「……それで、そうやって自分の弱さと正面から向き合ったガッちゃんは、どうすれば先に進める?」
「この件を終わらせたら、ロータスに会いに行こうと思うの。ロータスの復活はある意味では私を踏み込ませてくれるきっかけになったし、ライダーの件も終わらせたい」
ガストはガストで色々と抱えて、その整理をつけるためにこの作戦に参加している。
それが聞き出せただけでも、テルヨシは話を聞いたことに意味があったと感じる。
現に内に秘めていたものを吐き出したガストは、気持ちが軽くなったのか「その時は手伝ってよね」とだけ言って、その動きに少しだけ活力をみなぎらせてテルヨシの少し前を走り始めた。
それから少しして、4回目くらいの空へと上がったバーちゃんが、ほぼ直進していた動きを止めてすぐにテルヨシとガストの元へと戻ってきて報告してきた。
「巨獣級がおる。チラッとじゃが他のバーストリンカーもおったから、狩りの最中じゃの。遭遇しても面倒なことになりかねんから、迂回して先へ行くぞ」
そうしたバーちゃんの報告もあって、仕方なく直進コースから外れたルートを進もうとしたところで、何気なく本来の直進コースを眺めたテルヨシは、その視界の先に見たことのあるものを捉えて、途端バーちゃんとガストを《テイル・ウィップ》でまとめて持ち上げると、自分がいま出せる全速力で直進ルートを爆走し始めた。
当然それには何が何やらといったバーちゃんとガストは急ぐ理由を尋ねると、テルヨシは一言、2人が1発でわかる説明をして走ることに集中した。
「レインに先を越された」
その言葉で集中力を上げた2人はテルヨシが見ただろうものを捉えるために進行方向の先へと目を向ける。
「何あれ、ロータスのとこの鴉?」
「の、ようじゃの」
「ほらお二方! 飛んでる鴉を見てないでゲージを溜める!」
迂回ルートから急遽直進ルートを爆走していたテルヨシは、自分の後ろで浮きながら呑気に会話する2人に注意しながら、周囲の壊せそうなオブジェクトを破壊して必殺技ゲージを溜めていく。
テルヨシが見つけたものは、現在前方を飛んでいる《シルバー・クロウ》で、両腕で《ブラック・ロータス》と《スカーレット・レイン》を抱え、両足に《シアン・パイル》をぶら下げて飛ぶ姿は、意識すると結構目立つものだった。
そんな空を飛ぶ彼らと地上を行く自分達で越えなければならない壁が違うことを理解していたテルヨシは、どんどん迫ってきた面倒な壁を見て若干テンションが下がってしまう。
目の前には異形としか言いようがない四足獣のような亀っぽい生物が、頭から何本も触手を伸ばして暴れていた。大きさは5階建ての建物に匹敵する。
その巨獣級エネミーを真正面から突破しようとしたテルヨシは、その直前で見知ったバーストリンカーを発見してちょっと減速。
「ようパウンド! 今日は混成チームで狩りか?」
「ん? なんだテイルじゃないか。それに《
「わりぃパウンド! あんま時間ないから話なら今度ゆっくりしよーや!」
「ちょっと通らせてもらうぞ」
「あ、先週のバトロワ祭りの決着はちゃんと着けるわよ《鉄拳》!」
それぞれがそれぞれ一言二言述べてから、遭遇した《アイアン・パウンド》を通りすぎたテルヨシ達は、呆然と見送ったパウンドや、狩りに参加していた他のバーストリンカー達に目もくれずに、一直線でエネミーへと突進し、《インパクト・ジャンプ》でエネミーの背中に跳び乗ると、必殺技ゲージを溜めるためにその背中を3人で攻撃しながら突き進んで、そのまま飛び降りて着地。
何事もなかったかのようにエネミーをやり過ごしていったのだった。
エネミーの壁を越えてから少しして、ゆっくりと降下を始めていたハルユキが、突如飛来した実弾系の遠距離攻撃を受けて落下するように降りていったのを確認したテルヨシは、走る速度をちょっと全力を越えたスピードへと変えて落下地点付近まで少し遅れて辿り着くと、開けた場所に出来たクレーター状のくぼ地の中心に降りたクロウ達の姿を発見。
しかしそのくぼ地を囲むようにして、色様々なバーストリンカーがいて、その中には毒々しいほどに黄色いカラーのピエロとでも言うような風貌のアバターも、不気味とさえ思える笑顔で出来た仮面のようなそのフェイスでくぼ地にいるレイン達を見下ろしていた。
彼が黄のレギオンのレギオンマスターであるイエロー・レディオ。
とりあえずバカみたいに突っ込むわけにもいかなかったため、近くの建物の屋上に身を潜めた3人は、どうにも悪い方向に向かいつつある状況の中で考えを巡らせる。
何やら話をしている様子のレディオとユニコ達。その会話の最中であろうタイミングでレディオは何かをユニコ達の近くに投げると、その地点に大きめのモニターが出現して、何かの映像が流れ始める。
「あれなに?」
「リプレイファイルじゃよ。対戦の映像などを記録して再生したりするアイテムで、無制限中立フィールドのショップで売られとるが、バカみたいにポイントを取られるからあんまり人気はないの」
と、テルヨシの疑問に視線を外すことなく答えたバーちゃん。
それを理解したところで視線をくぼ地へと戻したテルヨシがリプレイファイルに目をやれば、そこに映されていたのは、1人の赤い装甲色をした西部劇のガンマンのようなアバターに抱きつくようにして首に腕を回すロータスの姿。
そして映像のロータスは友好的にも見えたその光景から一転。
次には抱きついていたアバターの首と胴体を抱擁からの必殺技《デス・バイ・エンブレイシング》で斬り離してしまった。
『い……いやああぁぁぁぁぁぁ!!』
そこで映像の中にいた紫の王《パープル・ソーン》の悲鳴が聞こえたのと同時に、現実の黒雪姫ががくりとその体を揺らして倒れてしまい、映像もそこで途切れてしまった。
今の一連の流れから、今の映像が2年半前に行われた七王会議のリプレイファイルであったことを理解した。
そして黒雪姫が首を落としたのが、話に聞く初代赤の王《レッド・ライダー》であることは明白。
そしてその映像を見て動かなくなった黒雪姫が陥ったのは、テルヨシも経験がある《零化現象》。
そうなってしまうほどに今の映像が黒雪姫にとってのトラウマであるということ。
「ガストよ、儂をあそこまで飛ばせ。儂が何とかする」
それからレディオが仕掛ける素振りを見せたタイミングで、テルヨシの横にいたバーちゃんは立ち上がりガストにそう言うと、有無を言わさないバーちゃんに押されてガストはその扇子をフルスイングして上手い具合に乗ったバーちゃんを吹き飛ばすと、勢い良くくぼ地の中心に飛んで、アビリティによって減速しながらユニコの前に着地したバーちゃんは、一時的にその場を硬直させてレディオと真正面から対峙し、構えるわけでもなく周囲に聞こえるように声を張った。
「レディオ! 主の目的は『赤のレギオンメンバーへの復讐』であろう? しかしのぅ、こちらとしてはレインを狩られるのは困るのじゃ」
そう話したバーちゃんは、急に目の前で手を動かして何かの操作をすると、その手に長方形のカード型のアイテムを取り出してレディオに見えるように上に掲げる。
「あの、バカ!!」
それを目にした瞬間、テルヨシの横にいたガストが飛び出していきそうな反応で身を乗り出すので、その意味するところのわからないテルヨシは、悪い予感がしながらもガストにあのアイテムが何なのか聞いた。
「あれは《サドンデス・デュエル・カード》って言って、あれに2人以上が全ポイントをチャージして誰かのHPがゼロになった場合に、そのポイントの全部を勝者に分配するレベル9のサドンデスルールを適応させたアイテムなのよ。つまりあれが使われれば、確実に誰かがポイント全損することになるの」
「……それってつまり、バーちゃんは自分を……」
「だからこうなった時に『何もするな』って釘を刺してきたのね。その判断は最悪よボンバー……」
「これが何かは主に説明するまでもないじゃろ! 自ら進んで首を差し出すという者がおる中で、よもやまだレインの首を取ろうなどと傲慢なことは言うまいな?」
サドンデス・デュエル・カードを掲げながらに話すバーちゃんに、レディオは言葉に詰まったかのように沈黙。
「おいバーちゃん! そんなことをあたしが許すとでも思ってんのか!」
その沈黙の中、自らの身代わりになると言い出したバーちゃんに対して、ユニコが叫ぶ。当然である。
「主はプロミのレギオンマスターじゃ。ここで主を失うことの重大さを自覚せい。主はもう、1人の王なのじゃから」
「ふざけんな! レギメンを犠牲にするくらいなら、今ここでコイツらを……」
「事を荒立てるでない! 主は主のやるべきことに集中せい! それに――――。これはけじめなのじゃ」
距離があるせいでユニコとの会話の全てを聞き取れなかったテルヨシだったが、状況としてわかったのは、バーちゃんがユニコの代わりに全損の処分を受けようとしていること。
「…………いいでしょう。こちらとしても嫌がる相手を無理矢理というのは心が痛むものです。その心意気を買って、ここは大人しくあなたの首を取って退きましょう。赤の王、あなたも部下に恵まれていますね」
「待てレディオ! あたしはまだ承諾してねー!」
「あなたの意思はもう関係ありません。これは彼女と私達との間で成立した取り引き。ほら、あなたはチェリー某とやらの討伐へ行くのでしょう? 私はそれを引き止めたりはしませんよ。こちらとしてもあのような狂犬をいつまでも野放しにされては困りますしね」
それを最後にレインから視線を外したレディオは、バーちゃんにアイテムへポイントをチャージするように指示を出してから、ユニコ達に干渉しないように言ってくぼ地へ降りようとして、バーちゃんも指示通りにアイテムを手元へ戻してポイントのチャージをしようとする。
「…………インパクト・ジャンプ」
それを見た瞬間、テルヨシは考えるよりも先に必殺技の発声をしてその場から弾丸のように飛び出して、バーちゃんに突っ込まんばかりの勢いでくぼ地に突入すると、ポイントをチャージしようとしたバーちゃんの手からアイテムを奪い取って着地。
テイル・ウィップに未使用状態のアイテムをぶら下げてレディオと対峙した。
「な!? 何故あなたがこのタイミングで来るのですか! 《蒼き閃光》!」
「そりゃバーちゃんと一緒に来てたからな。当然だろ」
突然のテルヨシの登場に、今回一番の驚きを見せたレディオ。
レディオだけではなく、周囲を囲む黄のレギオンのメンバーも困惑したようにどよめき、ユニコやハルユキ、タクムもその登場には驚きを隠せないようだった。
「バ……バカもん!! 主は何もするなと釘を刺したはずじゃろ! なぜ出てくる!」
「そりゃ悪いとは思ったさ。でもさ、バーちゃんが消えちゃうって考えたら、体が勝手に動いちゃったんだよ。動いちまったもんは仕方ないだろ?」
「てめ! テイル! お前は関わんなってあたしも釘刺しただろ!」
「うぇ……オレ怒られてばっか……」
せっかく重要な場面で登場したのに、浴びせられる言葉の全てが歓迎ではないことに心底落ち込むテルヨシだったが、今はそんな些細なことを気にしてる場合でもないのですぐに仕切り直してレディオに顔を向けた。
「でもさ、こればっかりは見過ごせないって。悪いなレディオ。久々に会って世間話の1つでもしたいところだけど、バーちゃんを全損させるって言うなら、オレが黙ってないぜ? もち、それでレインを狩るって話になっても、オレの意思は変わらない」
「何故です? 赤のレギオンでも、ましてや私達に因縁があるわけでもないあなたが、どうして彼女達を庇うのですか?」
「んなもん、好きだからに決まってんだろ。好きな人を守りたいって気持ちのどこに不思議なことがあるんだよ」
その瞬間、場は完全にフリーズ。
サラッと言ってみせたテルヨシのその言葉に、全員がその意味について考える中、急な告白を受けたバーちゃんとユニコもさすがに動揺し始めてしまう。
そこにまたもやくぼ地へと降り立つ人物が現れ、その人物は自らの持つブレード・ファンを広げて、その上に乗ることで滑空しテルヨシの近くに着地すると、いきなりテルヨシに閉じたブレード・ファンを振るって殴りにかかるが、ギリギリでしゃがんで躱した。
「ちょっと! 今の言葉の意味はなに!?」
「えっ? いや、言葉通りの意味ですけど……」
「え、つまりあんたはボンバーとレインちゃんが……え、え、ええ!?」
それを聞いて殴りかかってきた人物、ガストはさらに混乱。
何がどうしてこうなったのかよくわからないテルヨシは、この状況に頭を悩ませつつも、空気を一変させる一喝で場に緊張感を持たせると、改めてレディオに言葉を放つ。
「とにかく、バーちゃんを全損させようってんなら、オレは全力でそれを阻止する。レインを狙っても同じように阻止する。わかったか!」
「……テイルの言葉の真意は後でゆっくりじっくりねっとり聞き出すとして、この場に限っては私もテイルに同意よ。ボンバーもレインちゃんも狩らせはしない!」
「主ら………バカもんが……」
「蒼き閃光だけでなく《月下の舞姫》までも……フフ。そんなに争いがお好みなら、本来の予定通り、我がカーニバルの
次々と変化する状況に戸惑いを隠せなかったレディオだったが、テルヨシとガストの言葉で再び状況が振り出しに戻ったと悟れば、もうこの後すべきことは明確。
高々と右手を上げたレディオに反応するように、周囲を囲む黄のレギオンのメンバーが一斉に構えてその合図を待った。
「攻撃用意! 目標、スカーレット・レイン! 邪魔する雑魚も容赦なく潰しなさい!!」
そのレディオの合図と同時に、一斉に攻撃を開始した黄のレギオンメンバー。
その中でテルヨシはこの状況を作り出してしまったことへの謝罪をバーちゃんとユニコにするが、2人は何か諦めたような態度でそれぞれ言葉を返した。
「……主は大馬鹿者じゃ。儂の計画を台無しにしおってからに」
「まっ、お前がやんなくてもあたしがやってたし、なんの問題もねーよ。あっ、あたししばらくアレを食べんの我慢してたからな。優しいお兄ちゃんなら……」
「はは……オレ現実に帰りたくなくなりそう……」
どうにもトゲのある2人に腰が引けつつ、持っていたアイテムをバーちゃんに返したテルヨシは、バーちゃんがそれを使わずにストレージへ戻したのを確認してから、再び周りに意識を集中させた。
こうして黄のレギオンとの戦いが始まった。