アクセル・ワールド~蒼き閃光~   作:ダブルマジック

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Acceleration32

 テルヨシがマリアを引き取って一緒に暮らし始めて1週間。

 世間ではどこの学校も卒業式を終えたばかりの週明け月曜日。

 3月へと突入すると学校側は受験だなんだと忙しくなるが、それらに関係ない学生は進級を控えるだけで比較的余裕があったりする。

 先週からテルヨシの住むマンションで寝泊まりを始めたマリアも、持て余していた部屋を1つもらって、今は我が家のようにくつろげるくらいにはリラックスしている。

 通学路も多少変わったが、朝はテルヨシと一緒に登校とあってか毎日嬉しそうに話をしながらの登校となっていた。

 さすがに下校時間は合わせられないため、バイト先のケーキ屋に1人で来てもらうことになっている――以前はそうだったのだからできないことでは当然ない――が、この数日でもテルヨシがバーストリンカーであるが故のちょっとした問題が発生していた。

 マリアと一緒に暮らすに当たって、テルヨシは常にマリアと連絡が取れるようにしなければならないのだが、そのためにはグローバルネットへの接続は必須で、そうなるとテルヨシは四六時中どこにいても対戦のマッチングリストに載ってしまい、以前のバイト中のような状態になってしまう。

 

「どうしたものか」

 

 と、その日のバイトの休憩中にポツリとその事を漏らしたテルヨシの話し相手は、もはや人生アドバイザーにでも昇華しそうなバイト先のオーナーであるパド。

 パドも何をしていたかを知らないまでも、テルヨシの背中を押してマリアを引き取ることに関与したこともあり、割と真剣に悩んでくれてるようで、珍しく長考する。

 

「杉並と練馬。テルはどっちにいる時間が長い?」

 

「半々。家と学校は杉並だし、バイト先はご存知ここ練馬。家にいる時間も考慮するなら杉並だろうけど、そん時はマリアと一緒だしな」

 

「簡単なのはネガビュかプロミに入ること。そうすれば対戦拒否はどちらかでできる」

 

 以前、グローバルネットへの接続をし続けたことでリアル割れをしているだけに、パドもそれを考慮した提案をするが、今や中野第2戦域の管理者のような立場となっているテルヨシ。

 ここで今の《メテオライト》を解散しすでに領土を持つプロミやネガビュに所属するとなると、周囲からの信頼を失うこと――所属レギオンへの肩入れなど――にも繋がってしまう。

 実際はそうしたところでテルヨシのことをそんな風に思う人はそこまで多くはないだろうし、今までとそう変わらないとは考えていたが、やはりテルヨシとしては築いてきた信頼を少しでも揺るがしたくない思いはあった。

 それも十分にわかっているパドは、渋るテルヨシの顔を見てもう1つ、ある提案をする。

 

「K。だったらマリアを『こっち』に引き込む。そうすればグローバル接続をしない理由も共有できる」

 

「オレもそれがいいのかなって思ってるんだけど」

 

「マリアに適性はある?」

 

「一応、おばあちゃんが耳の悪い人だったりがあって、ニューロリンカーは生まれた時から着けてたって。脳神経反応速度もタイピングの速さからして結構なレベルだと思うし、条件は満たしてる。あとはニコたんが動いてくれればいいのかね」

 

 そんなわけでひとまずはそれで話を進めて、パドがユニコを店に呼び出し待つこと30分。

 怠そうに店に入ってきたユニコは、客としてではなく真っ先にこの店の奥に1つだけ備えてあるプライベートルームへと移動して、そこで話を始めたが、明らかにユニコの気分がよろしくないのが雰囲気でわかる。

 

「ニコたん、何か怒ってる?」

 

「怒ってねーよ別に。ただよ、マリアを子にするって話なら、お前が親になりゃいいって話だっつーの。わざわざあたしがやるまでもねーよ」

 

「いやいやいやいや。だってニコたんが最初にマリアの親になるって言ったんじゃん。それなのにオレが断りなくやるわけにもいかんでしょ」

 

「うっせーな。あたしは別にあいつの親になれなくてもいーんだよ。あいつがバーストリンカーになんなら、親が誰だって構いやしねー。そんだけだ」

 

 そう言ってはいるが、話すユニコの声色がちょっと不貞腐れ気味なのが気になったテルヨシはその原因について考えるが、その前に保護者パドがユニコの気持ちを代弁してしまう。

 

「ニコはテルがマリアの親になるべきだって考えてる。不貞腐れてるのは自分がマリアのために何もできなかったから」

 

「パドっ!! お前最近口が軽いんだよ!! それにちげーっての! バカバカしい推測してる暇あんなら仕事しろバカパド!」

 

「……照れ隠し」

 

「ごらぁぁああ!!」

 

 そんなやり取りのあと、部屋の中でおいかけっこを始めてしまうユニコとパドであったが、ユニコがそういう考えでテルヨシにチャンスをくれたので、それに甘える形でマリアにコピーインストールさせることを決めたテルヨシはその日、バイトから帰って夕飯を食べてから、マリアとダイニングテーブルで向き合って話をした。

 

「マリア。実はこれから、マリアにあるアプリを送りたいんだけど、その前にちょっと聞きたいことがあるんだ」

 

 話の冒頭からそんなことを言われたマリアは、不思議そうに首を傾げて何だと尋ねるので、テルヨシもそれに答えるように話を続ける。

 

「マリアはさ、オレやニコたん、ミャアお姉さんが自分に何か隠し事をしてるんじゃないかって思ったこと、あるよね?」

 

「……誰にでも話したくないことはあるでしょ?」

 

「そうだな。でもそれは別にマリアを仲間外れにしたわけじゃなくて、ただこれから送りたいアプリを一緒にやってるってだけ。でもこのアプリは誰でもできるわけじゃない特別なアプリで、ちょっとした条件がいくつかあるから、マリアができるかどうかが不確定なんだ。インストールは1度失敗したら、オレからはもう送れないんだけど、インストールしてみるかい? もしインストールできれば、マリアもオレやニコたんと同じように遊べるんだけど……」

 

 ちょっとだけ難しいぼんやりとした説明をしたかと思うテルヨシだが、インストールできない、しなかった場合もあるために詳しく説明するわけにもいかなかった中で、今できる精一杯の説明をした結果がこれで、それを聞いたマリアは少しだけどうしようか迷うように視線を泳がせるが、テルヨシと目が合うとまっすぐで綺麗な瞳で返事した。

 

「やる。私もテルやニコさんと一緒のアプリ、やる」

 

 マリアの返事を聞いたテルヨシは、優しく微笑んだ後に用意していたXSBケーブルを取り出して自分のニューロリンカーに片端を挿し込むと、もう片方をマリアへと渡してニューロリンカーに繋ぐように言うが、それが意味するところが直結であることから、マリアはためらいを見せた。

 

「直結……したことない」

 

「ありゃりゃ。でも渡すには直結しないとダメだしなぁ。まぁマリアが嫌ならニコたんにでも……」

 

「嫌じゃなくて、ドキドキしてる」

 

 意外なことにマリアが直結初体験とあって、テルヨシも嫌ならと差し出したケーブルを引っ込めようとするが、それを止めたマリアは、1度自分の胸の前に両手を持っていって深呼吸すると、テルヨシからケーブルを貰って自らのニューロリンカーへと繋いだ。

 そのあとテルヨシは視界にワイヤードコネクション警告が出て消えたのを確認すると、自分の持つブレイン・バーストのアプリをコピーし、それをマリアへと送る。

 送ったアプリが無事に届いたらしいマリアは、早速そのアプリをインストールすべく空間に指を走らせると、突然なにかに驚くように目を真ん丸にして体が少し後ろへと跳ねる。

 これはテルヨシも覚えがあるのだが、ブレイン・バーストを無事にインストールすると、仮想とはいえ炎が燃え上がるようなエフェクトが視界を襲い、英字の炎文字で『ブレイン・バースト』と表示される。

 テルヨシも何の説明なしにこれを見て後ろに転がったのがもう2年も前のこと。

 しかし、そんな素振りを見せたということは、インストールは成功したことになる。これでマリアも『明日から』テルヨシ達と同じバーストリンカーとなれるわけだ。

 ニューロリンカー用アプリとしてはかなり巨大なブレイン・バーストのインストールは30秒ほどかかり、その間ジッと視界のインジケータ・ゲージでも見てたマリアが、大きな瞬きをしてからその目で何かを追うように動かしたかと思えば、

 

「ウェルカム、トゥ、ジ、アクセ……?」

 

 インストールが完了した時に表示される文章を音読。

 表示されるのは『Welcome to the accelerated world』という炎文字の文章だが、マリアには後半が読めなかったらしい。

 

「インストール、できた」

 

「うん。おめでとうマリア。これで詳しく説明できるな。けどまぁ、インストールしただけだとまだプレイできないから、説明はまた明日の朝になるかな。今日はもう風呂入って寝よう。あ、今夜はニューロリンカーは外さないでグローバル接続は切っておいて。そうしないと説明する前に『邪魔が入るかもしれない』から」

 

 嬉しそうにするマリアに拍手を贈りつつ、テルヨシはバイトの疲れとかもあるために話も直結も終わらせてしまう。

 それには肩透かしを食らったマリアは、言ってることのほとんどを理解できないまま指示通りにグローバル接続を切るが、やはり気になるらしくソワソワしていた。

 それを見ると思わず笑みがこぼれてしまうテルヨシだったが、笑ったらマリアがムッとしたため咳払いで誤魔化して「楽しみは明日に取っておこう」とさらに焦らすことを言う。

 それでも何か引き出そうとするマリアに困ったが、悪いことを思いついたテルヨシは、

 

「じゃあ一緒にお風呂に入ったらちょっとだけ教えてあげるけど、どうする?」

 

「…………テルのエッチ!」

 

 ぐにッ! と、そんなことを冗談だとしても言うテルヨシの腕をつねってから、着替えを持ってきて念を押すように「入ってきたらミャアさんにバイトをクビにしてもらうから!」などと恐ろしいことを言って洗面所の扉を閉めてしまった。

 マリアと心の距離が若干遠くなった気がするテルヨシだったが、これから一緒に暮らしていくことで冗談では済まないような問題が出てくるかもしれないことを考えれば、喧嘩もできるようにならないとダメだなと思う。

 それはマリアと本気で真剣に向き合う上で必要なことだと思うからこそだが、幼馴染みのサクラに作られたアバターが『牙を抜かれた狼』と名付けられるくらいに甘い性格のテルヨシは、その時になって喧嘩ができるかちょっと心配になったりしたのだった。

 そうして風呂から上がったマリアと入れ替わりで風呂へと入った後、お休みを言い合ってからそれぞれの部屋で眠り始めたわけだが、テルヨシが完全に寝るより前に、静かに部屋の扉が開いたかと思えば、枕を抱いたマリアが恥ずかしそうにそこに立っていた。

 

「テル、一緒に寝て、いい?」

 

 一緒に生活を始めてから初めてのことなだけに、テルヨシも最初は耳を疑ったが、枕に顔を沈めたマリアがちょっとだけ顔を覗かせてテルヨシを見る仕草を見せられれば、許可しないわけにはいかない。というよりテルヨシ的には大歓迎である。

 それでテルヨシの許可を得たマリアは布団に潜り込んできたが、やはり恥ずかしいからかテルヨシには背中を向けてもらう形で添い寝をしてもらい、そこにくっつく感じで収まった。

 デュエルアバターは、その人の強迫観念や恐怖、絶望といったものを読み取って作られる。

 ではそれはいつ行われるのかと言えば、アプリをインストールした夜、寝ている時ということになる。

 それによってその夜は必ず夢を見ることになるが、負の感情を読み取るわけだから当然、それは悪夢となってその人を苦しめる。

 テルヨシもインストールした夜に目覚めの悪い夢を見たが、それがどんな夢だったかはおぼろ気でほとんど覚えていない。

 それもあってテルヨシは、説明を省いたのではなく、意図的にマリアにそのことを黙っておいたのだ。

 余計なことを言って眠れなくでもなったらと心配しての優しさだったのだが、他人より何かを感じ取る力が強いからなのか、単なる偶然なのかはわからないが、1人で寝ずにこうして添い寝をしてほしいと言ってきたのには、何かしらの理由があったのだろう。

 

「…………テルの親は、いないの?」

 

「…………父親はいないよ。オレが2歳の時に事故で亡くなってるから、顔もよく知らない。母親は……いるけど……」

 

 まだ寝付けないのか、唐突に背中越しで話題を出してきたマリアに釣られて、自分の親について話すテルヨシだったが、母親についてはさすがに言い淀む。

 幼馴染みを虐待して捕まっている親を、まだ9歳の少女にどう話せばいいのか迷ったのだ。

 

「お母さんのこと、嫌い?」

 

 言い淀むテルヨシになんとなくそう思ったのか、マリアは直球でそんなことを言うので、テルヨシも理由は言わないながらもそれを認める。

 

「でも、マリアにとってのおばあちゃんみたいに、オレにも支えてくれる人がいたよ。今は日本とアメリカで離れて暮らしてるから簡単には会えないけどな。サクラっていう同い年の従姉なんだけど、いつかマリアにも紹介するよ」

 

「……テルの彼女?」

 

「あれが彼女だったら一緒に日本に来てるよ。あ、今マリア、ホッとしたな?」

 

 ズドンっ!

 そんな余計なことを言うテルヨシに背中へ一撃キツいのを入れたマリア。

 変な声を出してしまってから、こんなこと前にサクラでもあったなと思いつつ、今後サクラに会って似でもしたら嫌だなぁとちょっと心配になる。

 

「……1人じゃないって、嬉しい」

 

「オレは寂しがりだからさ、これからマリアにたくさん甘えちゃうかもなぁ」

 

「テルは甘えん坊なの? しっかりしないとダメだよ」

 

「テルヨシお兄さんはまだまだ甘えたいお年頃なのだ」

 

「もー。仕方ないお兄さん。仕方ないから今夜だけ甘えさせてあげる。こっち向いてギュッてしていいよ?」

 

 マリアの気持ちを落ち着かせるためにちょっとだけふざけたことを言ったテルヨシだが、マリアはそれを聞いてお姉さんっぽい雰囲気でテルヨシに向き直る許可を出すので、ここで拒否したらマリアが恥ずかしいだろうからその通りにしてマリアと向き合って、まだ小さなマリアを優しく腕で包み込むと、胸に顔を埋めたマリアはそのまま喋らなくなってしまい、数分後には静かな寝息を立て始めた。

 そんなマリアを見て、テルヨシに甘えさせたわけではなくて、自分が素直に甘えられなかったから、ちょっと誤魔化し気味になったのではないかと思う。

 そのマリアが穏やかな眠りに就いて安心したのと、疲れもあってその後すぐにテルヨシも深い眠りに就いていった。

 翌朝。

 朝食と昼のお弁当を作る関係で早起きなテルヨシが起きたのは、設定したアラームによるものではなく、抱き締められるようにして寝ていたマリアのすすり泣く声によってだった。

 目覚めからそんなものを見せられて若干テンパるテルヨシだったが、どうしたのかと尋ねた答えで「怖い夢を見た気がする」と返ってくれば、ちょっとだけ安心する。

 そのマリアの頭を優しく撫でて目に溜まる涙を拭ってやって落ち着かせてから、一緒に洗面所に行って顔を洗いスッキリさせると、いつも通りに朝の準備に追われていき、朝食を食べ終わって登校の準備までを整えてから、昨夜言ったことを実行に移す。

 いつもの家を出る時間まで3分とないこともあり、そんなわずかな時間でこれから話をしようとダイニングテーブルに着くテルヨシにマリアはちょっと焦るが、全く焦りのないテルヨシに渋々従って椅子に座ると、またXSBケーブルを引っ張り出したテルヨシは直結するように言って準備を整えると、マリアに加速コマンドを思考発声で教えてから、同時に加速を開始した。

 

「「《バースト・リンク》」」

 

 直結をしてる場合に限り、同時に加速すると初期加速空間は共有できる。

 それを利用してまずは初期加速空間で説明をしようとしたテルヨシだったが、マッチ売りの少女を模した可愛らしいアバターに変わって戸惑いまくりのマリアをちょっと観察してしまう。

 もちろん理由は可愛すぎるからだが、すぐに我に返って戸惑うマリアを落ち着かせて、改めてブレイン・バーストについて説明を始めた。

 最初こそ半信半疑といった様子でテルヨシの話を聞いていたマリアだったが、真剣に話すテルヨシに冗談を言ってるとは思えなくなったのか、とりあえず全部信じる形で話を進めてくれた。

 そこまでで加速のことについてひと通りは説明を終えて、経過した時間は約25分。

 もうすぐ加速が終了してしまうため、ポイントの無駄な消費は抑えたかったテルヨシは、続けてマリアにマッチングリストを操作させて自分に対戦を挑むように説明。

 その通りに手順を踏んだマリアがデュエルボタンをタッチしたのを確認すれば、それで青一色の初期加速空間はその姿を対戦フィールドへと変化を遂げ、テルヨシとマリアもデュエルアバターへとその姿を変化させた。

 変化した《平安》ステージの五重塔のような建物の屋根に降り立ったテルヨシは、視界右上の対戦相手、マリアの情報を確認した。

 

《Soleil Ambush[Level1]》

 

 《ソレイユ・アンブッシュ》。それがマリアのアバターの名前だった。

 しかしそれよりもテルヨシはある違和感に気付く。

 対戦は初期配置が最低で10メートルは離れてスタートするため、対戦開始時点では必ず視界下に相手の大まかな方向を示す《ガイドカーソル》が表示されるのだが、テルヨシの視界にはそのガイドカーソルが表示されていなかったのだ。

 これはどういうことだと思いつつも、直結対戦ゆえギャラリーもいないことからとりあえず声を出してマリアを呼ぶと、その返事は塔の下から聞こえてきて、20メートルはある屋根の上から下を覗けば、その塔の真下の地上に、オレンジっぽいアバターの姿が見えて、ソレイユが赤と黄の中間辺りの色だとわかる。

 そしてマリアの姿が見えたのと同時に、今までなかったガイドカーソルが突然視界に現れ、正確に前方を示していた。

 何か不具合でもあったかと思いながらも、すぐに屋根から飛び降りて《テイル・ウィップ》を使って落下速度を殺し着地すると、それに驚く様子を見せたマリアの姿をじっくり観察する。

 間近で見るとオレンジよりも彩度が高く、身長は150センチ前後。

 全体的に角張った部分の少ないテルヨシと似た感じのフォルムで、女性的なボディライン。頭部はショートボブのような髪型を模した装甲があり、顔は表情がわからない能面タイプで、光るアイレンズは現実のマリアと同じ蒼い色をしていた。

 

「……テル?」

 

 そんなテルヨシに恐る恐る尋ねたマリアに、テルヨシは明るくそうだと即答し、次には体を目一杯大きくして両手も左右に広げて声を張った。

 

「ようこそ加速世界へ! 今日この時を以てマリアもオレ達と同じバーストリンカーになった!」

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