アクセル・ワールド~蒼き閃光~   作:ダブルマジック

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 突如として現れた敵を相手に二転三転する戦いを繰り広げてみせたテルヨシ達ではあったが、人の意思によって操作されてはいても神獣級。

 《ニーズホッグ》とその操り手《サルファ・ポット》の自爆に似た連携でまたも追い詰められて窮地に立たされてしまう。

 その中でわずかな勝機を掴むためにテルヨシが死亡覚悟で時間稼ぎをして、黒雪姫がその間にサルファを狙おうとしたところで、不意に後ろに控えていたマナが空を見上げて何かが来ると告げたため、テルヨシも黒雪姫も同じようにマナの見つめる空の彼方へと視線を向けた。

 すると空中の一点に、桜色の小さな輝きが生まれ、クルクルと淡いピンクの渦を巻き降りてくる。

 そしてその中心から音もなく1人のデュエルアバターが重力を感じさせない速度で舞い降りてきて、テルヨシと黒雪姫のすぐ近くに着地する。

 舞い降りる輝きと同じ淡いピンク色のF型アバター。

 優美なフェイスマスクに透き通った白金色の長い髪パーツ。背中に大きなリボンを飾って、大きく広がったスカート型装甲とガラスのように透明なハイヒール。細い両腕には杖型の強化外装を抱えていた。

 そのデュエルアバターを、テルヨシが見たことは1度もない。

 それは確実なのだが、不思議なことにテルヨシには彼女が誰であるかをすぐに確信することができた。

 根拠などない。しかし、わかるのだ。

 

「姫、テル。私……、来たよ」

 

 そしてそのデュエルアバターから発せられた声は、間違いなくそれを確信していた同級生、若宮恵のものであった。

 しかしこの事態はテルヨシの思考を止めかねない驚愕のもの。

 状況が状況なだけになんとかサルファへの警戒も割きつつ現れた恵についてを考えてみるが、イレギュラーすぎて冷静な分析ができない。

 それでも絞り出した考えとして、この短期間にブレイン・バーストをインストールしてバーストリンカーとなった可能性があるが、すぐにそれが不可能なことに辿り着く。

 無制限中立フィールドにダイブするにはレベルを4以上にしなければならないためだ。

 もう1つの可能性は東京の能美征二と同じように、何らかの手段でマッチングリストから逃れてずっとテルヨシ達を欺いてきたことだが、それも黒雪姫と何の気もなく直結をしていたことから可能性としてない。

 ではどうやって?

 と、新たな思考をしかけたテルヨシが恵のデュエルアバターを凝視するとそこであることに気付き、不意にあり得ない考えが浮かぶ。

 凝視した恵のデュエルアバターは、どこかおぼろげで実体としては不安定に見え、髪のパーツやスカートは陽炎のように揺れていた。

 だからテルヨシは今の恵が確固としたデュエルアバターとして現出しているわけではないのではないか。そう考えたのだ。

 

「なんだよっ……! なんなんだよ、お前らはっ! これ以上っ……妙な奴が邪魔するのは許さないよっ…………!」

 

 しかしその思考を遮るようにして響いた苛立ちを感じさせるサルファの声で現実へと完全に戻されたテルヨシは、ニーズホッグの背中で仁王立ちするサルファへと振り向く。

 

「もう、まとめて消えちゃってよ、お前ら。バラバラの燃えかすになっちゃえよ。――《チャコール・ストーム》」

 

 予想外の連続でさすがのサルファも冷静ではいられなくなったのか、テルヨシ達をまとめて倒そうと今度は全身の至るところにある穴から黒煙を噴出し、渦を巻きながら周囲一帯を覆い尽くしてしまう。

 先ほど、あの大火力を見せられたテルヨシと黒雪姫はこの事態が確実に全滅を招く結果になることを悟りどうにかしようと動こうとするが、そんな2人に優しく、毅然とした言葉を放ったのは突如として現れた恵。

 

「大丈夫。私が……姫もテルも守るから」

 

 その言葉に動きを止めたテルヨシと黒雪姫は、左手に握った杖を高々と掲げた恵を見ると、杖の先端に嵌め込まれた大きな宝石がまばゆい虹色に輝き、その輝きはたちまち恵の全身を包んで更に空へと立ち上っていき、歌うような必殺技発声が恵から出てきた。

 

「《パラダイム・レボリューション》」

 

 ――ごわっ!

 その発声の後、凄まじい規模の7色のスペクトルに揺らめく光が生まれて高く屹立し、光柱は遥かな空に突き刺さると、そこでフワッと環状に広がって全方位に流れていく。

 その一連の流れを見て、テルヨシはよく一緒に戦うほぼ同期と言っていいバーストリンカーの必殺技とが重なり、ここから起こりうることを直感的に悟った。

 

「強制変遷……」

 

 そう呟いたテルヨシの視線は、光柱の突き刺さった中心を捉えていて、広がる環の内側から《風化》ステージのくすんだ曇天を抜けるような青空へと変えていく様を見届ける。

 

『みんな知ってるかな? 昔この辺りに《オーキッド・オラクル》ってアバターが存在してたんだけど』

 

 その変わりゆく世界を見ながら、テルヨシはずっと以前に、初めてこのフィールドへとダイブした時に出会った《エピナール・ガスト》ことガストの言葉を思い出していた。

 少し気になって、その日のうちに《オーキッド》と《オラクル》をそれぞれ検索して、オーキッドが淡い紫色で、オラクルが神託などの意味を持つことも思い出したテルヨシは、今の恵がそれに近くふさわしい色と名前を持つことを確認。

 さらに恵は今も昔も中野区で生活を送っていることから、恵がその昔に加速世界に存在し消えていったオーキッド・オラクルであることを確信した。

 その恵がどうやって今、この世界へ再び舞い戻ってこられたのかはわからないが、完全な形で世界が変化を終えるより早くサルファがニーズホッグの必殺技を放とうとしたのを見て動こうとした瞬間、いきなりテルヨシ達のいた場所から地面が消失。

 否。砂地だった地面が真っ青な水面へと変化し、その水にまとめて呑み込まれてしまったのだ。

 いきなりの変化に少し慌てながらも沈降を止めて水面から顔を出したテルヨシは、辺り一帯が水に覆われて、遠くにいくつかの島や岩礁地帯が見えるその世界を見て《大海》ステージであることを確認。

 規模のほどはわからないながらも、本当に《スノー・イーター》以外に強制変遷を扱うアバターがいたことに素直に驚いてしまったのだった。

 

「……姫、テル」

 

 完全なる変遷を遂げたフィールドに少し呆然としながら水面に顔を出していたテルヨシと黒雪姫に恵が声をかけてきたため、2人して声のする方を向くと、その恵は水面に浮くようにして水面に立ちながら、穏やかに微笑みながら言葉を続けた。

 

「魔法の時間が終わっちゃうから、私は帰らないと……。――姫、テル、あなた達は、あなた達の道をまっすぐに進んでね。私も、もう後ろは見ないから……」

 

 とても不思議な力を持ったその言葉を、テルヨシも黒雪姫もこの瞬間では理解が追い付かなかったが、自分達のピンチに奇跡を起こして駆けつけてくれた友人に、黒雪姫は一言「ありがとう」と答え、テルヨシは言葉ではなく右手の親指を立てて恵へと突き出してみせると、恵はそっと頷いてから水面から離れて空へと戻っていき、幻であったかのように消えてしまった。

 それを最後まで見届けてから、まだ片付いていない案件を片付けるために顔を見合った2人は、その顔を水面から引っ込めて水中へとその身を完全に沈めて戦いの場へと歩を進めた。

 素晴らしく綺麗な海水。

 その水中では短い手足をばたつかせるニーズホッグと、どうにか浮上させようと手綱を引くサルファが四苦八苦している様があり、先ほど放とうとしていたドラゴンブレスも放つ余裕などなさそうで、サルファが出していた黒煙も変遷と同時に完全に消失してしまっていた。

 その様子を見ながら、近くで立ち泳ぎをして辺りを見回していたルカとマナを発見し、さらにその下の方にバタバタしながら沈んでいくクリキンも発見。

 何やら水中はダメみたいなことを叫んでいたが、金属オブジェクトもほぼないこのフィールドではクリキンに仕事はないので、黒雪姫も先ほどの戦いを称えつつやはり放置。

 心ない「沈んでてくれ」発言に続いてルカとマナも「さようなら」と手を振ってクリキンを見送ってしまい、テルヨシは最後に締めるように合掌をしておいた。

 

「よし……テイル、ドルフィン、メロウ。ここが勝負の鍔際だ。奴がどこぞの島に逃げる前に、一気に決めるぞ!」

 

 1人寂しく海底へと沈んでしまったクリキンを見送ってから、切り替えるようにしてテルヨシ達に叫んだ黒雪姫に、テルヨシ達もすぐに応えてみせて、黒雪姫がテルヨシと一緒にどうにかしてタゲ取りをしつつルカとマナに側面から攻撃してもらおうと指示しかけたのだが、言葉を最後まで聞かずしてルカとマナは互いの顔を見合って笑い声を漏らすと、

 

「大丈夫だよ、ネエネエ! だって、海やっさー!」

 

「水の中なら、あたし達にお任せですぅ!」

 

 物凄く得意気にそう言い切ってみせた2人は、黒雪姫の制止の声より早く泳ぎ出してしまうが、すぐに水中でくるん、と1回転してみせて同時に叫んだ。

 

「《シェイプ・チェンジ》!! 《マリン・モード》!!」

 

 それは赤のレギオン《プロミネンス》のサブリーダー、《ブラッド・レパード》ことパドも使用する自らの体を別の形態に変化させる必殺技。

 ルカの方は肘と腰から伸びていた小さなヒレ状のパーツが一気に巨大化し、両足も滑らかな流線型に変わって足先には大きなフィンが装着され水中に適応した形態に。

 マナも同様に水中適応型へと変化したが、こちらは2本の足が一体化。魚の尾へと変化し、その姿はまさしく人魚そのもの。

 

「……あれでも止めるか?」

 

「……いや、任せるとしようか。お前はどうする?」

 

「んー、どっちかってゆーとオレ、水中の方が動きやすいんだよね。ってなわけで手伝ってくるわ」

 

 ルカとマナの頼もしい変化に作戦変更を告げた黒雪姫は、陸上とは比較にならないスピードで動き始めたルカとマナにチャンスを作ってもらう形でその時を待つようで、テルヨシは抵抗こそあれど上下前後左右の自由が利く水中はアビリティ《インスタント・ステップ》を生かせるので、ニーズホッグへと迫っていった2人のあとを追ってそのフォローへと向かった。

 

「――――雑魚がっ!!」

 

 水中で思うようにニーズホッグを動かせずにもがいていたサルファも、ルカとマナの急接近に気付きそう吐き捨てて苦しそうにするニーズホッグを無理矢理動かして迫る2人にそのアギトを開いてみせるが、そんな動きなど止まって見えるかのように軽やかにターンを決めてニーズホッグの真上へと逃れたルカとマナ。

 対してテルヨシはそこまで機動力が高いわけではないのでインスタント・ステップを前方に発生させてブレーキをかけて止まって、サルファを取り巻くように高速旋回を始めた2人に目を向けると、たちまち海水が渦を巻いて巨大なトルネードを発生させたため、それに巻き込まれそうな位置にいたテルヨシも慌てて連続ステップで後退しその様子を改めてうかがうと、渦の中心のサルファの体がトルネードの回転力と吸引力でふわりと浮いたのが見え、かろうじて手にする手綱だけでニーズホッグとを繋ぎ止めていた。

 懸命に手綱を引こうとしていたサルファだったが、黄色系統故か腕力自体が低かったようで5秒ほどの抵抗の後、水流に抗えずに両手が手綱から離れてトルネードによって一気に水面近くまで吹き飛ばされてしまった。

 

「お姉様! お兄様! 竜の鼻革を切って!!」

 

 と、そこまでのことをして高速旋回を止めたマナが、サルファへの追撃をしていくルカに続く前に2人にそう叫んでから行ってしまい、先輩と後輩の立場が逆転してしまったことに苦笑してしまうテルヨシだったが、せっかく作ってくれたチャンスを不意にするわけにはいかないため、こちらへとまっすぐ泳いでくる黒雪姫がその役目を果たせるとすぐに踏んで、すれ違い様にテイル・ウィップをプロペラのように動かしてわずかな推力を作り出して、両足を前に突き出すようにバネを溜めて、その足の裏に黒雪姫の剣の足の先を乗せてカタパルトのように黒雪姫を射出。

 抵抗をできる限りなくすため弾丸のように腕を伸ばし頭から突き進んだ黒雪姫は、乗り手をなくし力なくもがくニーズホッグへと必殺技を放った。

 

「おおぉぉぉ……――《デス・バイ・ピアーシング》ッ!!」

 

 放たれた黒雪姫の必殺技は、5メートルほどの射程を突き進んで寸分違わずにニーズホッグの鼻帯だけを鋭く斬り裂き、手綱ごとニーズホッグから抜け落ちる。

 強化外装による拘束を解かれたニーズホッグは、少しだけ変わらずに手足を動かしていたが、急にその目に凶悪な赤色の光をギラつかせて、反射のようにそれに身構えたテルヨシと黒雪姫だったが、ニーズホッグは2人に対してターゲッティングをすることをせず、迷いなく真上を向いてさっきまでのじたばたしたもがくような動きは何だったのかと言わんばかりの泳ぎで上昇を始めていき、その先ではサルファがルカとマナの高速旋回によって動きを封じられていた。

 

「に、ニック、そうだ、こっちだ!! この小うるさい雑魚どもを喰い千切れっ!!」

 

 ニーズホッグを視認したサルファは、まだ自分がマスターであるかのようにニーズホッグに命令してみせるが、ルカとマナは何かを察したのかその動きを止めると、迎え入れるかのように両手を広げていたサルファが勝ち誇った声を上げる。

 

「どうだ、雑魚ども! あんな手綱なんかなくても、ニックは僕が……僕だけがマスターだって解ってるんだっ! 見てろ、今すぐお前ら全員まとめて引き裂いて、魚の餌に…………」

 

 しかしその声も最後まで続くことはなく、その手前のルカとマナの間を一瞥もせずに通り抜けて自分へと迫り、その凶悪なアギトを開いたニーズホッグを見て、さすがにこの先の未来を悟ったのか、迎え入れていた両手は途端に拒絶するような、制止を訴える形になる。

 

「嘘だっ、嘘だっ! ニック、僕はお前のマスターだぞっ! 嘘だっ、やめろっ、やめろ――――っ!!」

 

 自分の都合の良いようにニーズホッグを操っていたサルファ。

 そんな奴との間に真の信頼関係など生まれるわけもなく、これまでの鬱憤を晴らすようにして頭からサルファをくわえ込んで、胴体部に食い込んだ牙がサルファの装甲を意図も容易く粉砕。

 幾千の破片となって飛び散ったサルファの最期はなんとも呆気ないものとなった。

 サルファをほとんど一瞬で葬ったニーズホッグは、次に近くを泳ぐテルヨシ達をゆっくりと見回してから、敵意を見せることもなく遥か彼方にあるであろう自分の縄張りの方向に頭を向けて軽やかな泳ぎであっという間に泳いで行ってしまった。

 

「エネミーってさ、ちゃんと《生き物》って感じがするやつもいるんだな。神獣級にもなると全部あんな感じなの?」

 

「いや、私もこうしてエネミーに見逃されるような体験は初めてだよ。しかしまぁ……《高度なAI》を積んでいそうなエネミーとは戦闘経験があるからな、テイルの言う生き物という表現は否定し難いかもしれん」

 

 ニーズホッグの姿が彼方へと消えていく最中に、不意にテルヨシがそんなことを黒雪姫に尋ねてみれば、黒雪姫でさえ初めてのことだと言いながらも、あり得ないことでもないかもと付け足してから、頑張ってくれたルカとマナの元へと泳いで近付きそれぞれ一言ずつ言葉をかける。

 言葉をかけられた2人は、それで緊張の糸が切れたのか黒雪姫に揃って抱きつくが、ハブられたテルヨシは迎え入れる気満々だった腕を引っ込めて鼻歌で誤魔化すも、黒雪姫に抱きつく2人の体が小刻みに震えているのが見えると、そっと鼻歌をやめて2人の頭を優しく撫で、そのまま4人で水面へと浮上したところで恵のもたらした変遷が終わりを告げるように世界がまた変化を始め、それを見ながら不意に黒雪姫に抱きつくルカが声を発した。

 

「……ネエネエ、ニイニイ。あのね。ワン、強くなるよ。もっともっと練習して、勉強して、強くなる。そんで……そんでいつか……」

 

 その先は口をつぐんだルカだったが、何を言いたいかをしっかり理解したテルヨシも黒雪姫も、その頭をそっと撫でてあげてそれぞれで言葉を返してあげる。

 

「ああ、強くなれ。待っているぞ……この世界で、もう1度会える時を、な」

 

「待つとか言わずにいっそのこと東京にお持ち帰りするって手もなきにしもあらず。面倒ならオレが見てやるし……冗談ですよ……」

 

 素晴らしい言葉で締めていた黒雪姫に対して、やはり外すところは外すテルヨシだが、本気の睨みをルカとマナ越しに放った黒雪姫に怯んでしまいすぐに言葉を訂正。

 それからマナもズルいと言ってなでなでを要求してきたので2人でルカとマナを同時に撫でてやったところで変遷も終わり、元の風化ステージの地面に降り立つ4人。

 その近くですっかり忘れられていたために物凄くふてくされたクリキンが最初にいた酒場に戻るや否ややけ酒を始めてしまい、4人して苦笑を堪えつつ一応謝罪してから、これからサルファを拷問にかける旨をやんわり伝えてルカとマナを先に帰すようにクリキンにお願い。

 

「テイル、お前も先に戻ってくれないか。奴の口を割るのは私が引き受ける」

 

「……ちょっち言いたかないけど、オレの方がそれ系は得意だけど?」

 

「だからだよ。お前にこの世界でそれ系をやらせたら『引っ張られる可能性』がある。『染まりやすい』と言えば分かりやすいだろう。それに今日頑張ってくれたあの子達を2人だけで帰すのはお前のポリシーに反するのではないか?」

 

「…………そこを言われちゃ反論できんね。オッケー、任せるよ」

 

 クリキンにお願いをした後、テルヨシにも先に戻るようもっともな理由付きで言ってきた黒雪姫に、異論を唱える隙もなかったため、素直に言う通りにするテルヨシは、いつの間にか酒場の隅で居眠りをしていたルカとマナをテイル・ウィップで優しく持ち上げて、その間にクリキンが騒動の後に拾ったと言う所有者なしの封印カード状態になったテイム用の強化外装《ミスティカル・レインズ》を黒雪姫にお礼代わりに渡すのを確認してから、黒雪姫を残して無制限中立フィールドから離脱し、半分寝ぼけていたルカとマナを起こしてダイブスペースを出るが、ブース内にはいつ入ったのかソファーで眠る恵の姿があって、黒雪姫と繋がるXSBケーブルを確認しつつ、窮地を救ってくれた友人を起こさないように小さな声で一言お礼を言ってから、ルカとマナを追ってホテルの外へと移動をしていったのだった。

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